アンタレスS
レース回顧

ミッキーヌチバナは道中8番手を進み、勝負どころで5番手に押し上げるとメンバー最速の36.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分51秒2。テーオードレフォンが逃げて前半5F61.5秒。上がりは37.6秒、ラップは12.6−12.3−12.7秒。3F目に13.2秒と緩み、中団より前につけた3頭で決着。ミッキーヌチバナは人気馬3頭を見ながら中団を進み、直線で抜け出したスレイマンを外から差し切った。これで阪神ダ1800mは[4−1−5−1]。前2走ベテルギウスS3着、東海S7着に終わった馬が一気にパフォーマンスを引き上げた。2勝Cを勝ち上がるのに7戦、3勝Cを勝ち上がるのに5戦を要した馬が重賞2戦目で初制覇を飾った。ダノンレジェンド産駒で母系はニキーヤ一族で祖母ラバヤデールはゴールドアリュールの全妹。詰めが甘く勝ち切れない馬が最速上がりを繰り出したようにダート走る一族の血が開花してきたか。太宰騎手はミッキーヌチバナに22年7月まで騎乗していたが、久々に騎乗して16年平安Sのアスカノロマン以来8年ぶりとなる重賞制覇となった。次走は平安Sに向かう予定。

スレイマンは大外枠スタートから押して2番手につけ、メンバー7位タイの37.5秒で抜け出したが、最後にミッキーヌチバナに交わされてクビ差の2着。斎藤新騎手が大外枠から積極的なレースをしたが、直線で抜け出してから気を抜いてフワッとしていた。1番人気のハギノアレグリアスが直線で並びかけてくれれば、もう少しがんばれたかもしれない。それでも重賞初挑戦で2着に入り、今後のメドが立った。ドナウブルー、ジェンティルドンナの半弟。6歳になってようやく本格化してきている。次走は平安Sに向かう予定。斎藤新騎手は今年のOP以上[3−4−1−4]で2月25日の阪急杯以降は[2−4−0−0]。7番人気で1着、10、11番人気で2着と人気薄を持ってきている。まだ評価する人が少なく人気になりにくいため、積極的に狙っていきたい。

ハギノアレグリアスは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー5位タイの37.4秒で上がって0.3秒差の3着。勝負どころで少し押し上げて直線で追ったが伸び切れなかった。減った馬体が戻って仕上がりは良さそうだったが、伸び切れなかったは道中砂を被ったせいか、7歳になり年齢的なものもあるか。シリウスSを58.5キロで勝っており、58キロが影響したとは考えにくい。これでG2、G3は[2−3−2−0]、阪神ダートは[3−2−1−0]で3着以内を確保しているが、得意条件なだけに物足りなさが残る。岩田望騎手は今年1枠1番では[0−1−8−25]で34戦は全騎手で最多。5番人気以内では[0−1−8−13]。JRAが勝って欲しくない馬をしつこく1枠1番に入れているフシがある。

ダノンマデイラは1枠2番から7番手につけ、メンバー10位タイの37.9秒で上がって1.4秒差の6着。4着トウセツとは0.3秒差。休み明けでも自分のタイムで走ったが、連対した2頭が強過ぎた。長期休養があり6歳馬でも12戦しかしていない。OP特別を使いながらクラス慣れをさせていくのだろう。

ホウオウルーレットは大きく出遅れて最後方を進み、メンバー2位タイの36.9秒で追い込んで1.4秒差の9着。大外から伸びてきたが、位置取りが後ろ過ぎた。良馬場だと馬券圏内に入れないレースが続いている。道悪では[3−2−0−3]。追い込みタイプでも馬場が渋ったときに好走している。

ヴィクティファルスは2枠3番手から4番手につけたが、勝負どころで後退し3.3秒差の14着。道中砂を被ったことでやる気がなくなったのは、勝負どころで手応えがなかった。芝でもスプリングSを勝った後に急に走らなくなったように繊細な面があるのだろう。ダートに嫌気が刺していると復活に時間が掛かりそうだ。

[Home]