NHKマイルC
レース回顧
ジャンタルマンタルは8枠16番からスタートを決めて4番手につけ、メンバー2位タイの33.9秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分32秒4。キャプテンシーが逃げて前半3F34.3秒、5F58.3秒、上がりは34.1秒、ラップは11.4−11.2−11.5秒。中盤に流れが緩んで上がり勝負になり先行した人気馬2頭で決着。ジャンタルマンタルは外枠からすぐに4番手につけ、道中アスコリピチェーノをマークして外に出させないようにし、直線で追うとスパッと抜け出して圧勝した。2着アスコリピチェーノが直線で不利があったが、ジャンタルマンタルは全てにおいて完璧なレースぶりだった。皐月賞を勝ちに行くレースでレコードの3着に入ったのはやはりダテではなかった。この走りなら安田記念を狙えそうだが、今後は休養して秋に備える予定。マイルG1を狙うことになるが、皐月賞を1分57秒2で走っただけに天皇賞(秋)も視野に入るのではないか。
アスコリピチェーノは7枠14番から5、6番手につけ、メンバー8位タイの34.2秒で上がって0.4秒差の2着。直線で前が壁になって内に切れ込んだが、前にいたマスクオールウィン(岩田康騎手)が内によれたことで狭くなって躓いて減速する致命的な不利があった。並の馬ならそこで終わりだが、再度内を突いて立て直すと鋭く伸びて2着を確保した。斜行しキャプテンスー、ボンドガールの進路を妨害した岩田康騎手、ルメール騎手は過怠金3万円が課せられた。パトロールビデオを見ると直線で内が空いたためルメール騎手はそこに突っ込んだが、前にいた岩田康騎手が股下からそれを確認して内を締めに行っているように映る。騎乗停止になってもおかしくないが、故意ではないとJRAは判断しただろう。アスコリピチェーノはスムーズなら際どいレースになったかもしれないが、ジャンタルマンタルの川田騎手がアスコリピチェーノのマークして上手く乗っている。今後はひと息入れる予定。
ロジリオンはスタートを決めて8番手の馬込みを進み、メンバー4位の34.0秒で上がって0.5秒差の3着。ジャンタルマンタルと同様に直線の不利を内に見ながらスムーズなレースができた。ラスト1Fで2番手にいたが、最後は脚色が鈍ってアスコリピチェーノに交わされた。芝1600mをこなしたが、前4走芝1400mを使ってきたようにベストは芝1400mなのだろう。NHKマイルCは高速馬場で短い距離の適性が問われ、古馬になるとスプリンターになる馬が多い。
ゴンバデカーブースは9番手からメンバー2位の33.9秒で上がって0.5秒差の4着。直線で外によれてディスペランツァの進路を妨害したため、モレイラ騎手は過怠金3万円を課せられた。昨年のサウジアラビアRC以来のレースだったが、馬体6キロ増でもそれほど太め感なく、パドックでは落ち着いて周回していた。仕上がりは悪くなかったが、直線でよれたのは久々で苦しくなっただろう。
アルセナールは大外18番枠から出遅れて17番手を進み、大外からメンバー最速の33.8秒で上がって1.0秒差の9着。最後のゲート入りでゲート内にいる時間が短かったことが影響したのか、スタートで伸び上がって大きな出遅れになった。大外をブン回して最速上がりを繰り出したように能力はあるが、好位につけた馬が33秒台で上がるレースで出遅れは致命的だった。
ボンドガールは内ラチ沿いの3番手につけたが、直線で寄られる不利を受け、最後は流して17着。武豊騎手がスタートを決めて勝てるポジションにつけてさあこれからというときに不利を受けた。内ラチに衝突したり、落馬したり、人馬とも怪我がなかったのが不幸中の幸い。新馬戦を勝ってから本来の走りができないレースが続いている。
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