エプソムC
レース回顧

レーベンスティールはスタートを決めて5番手につけ、外に出しながら7番手を進むとメンバー最速タイの33.7秒で差し切って2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分44秒7。セルバーグが逃げて前半3F35.2秒、58.3秒、上がり34.6秒、ラップは11.5−11.5−11.6秒。2F目から最後まで11秒台のラップ。高速馬場である程度前につけて速い上がりを繰り出した馬が上位を独占。勝ったレーベンスティールは直線でルメール騎手が少しずつ仕掛けてスピードに乗せると最後まで脚色が衰えず、後続に2馬身差をつけて圧勝した。香港ヴァーズ8着、新潟大賞典11着に終わった馬が59キロを背負って1番人気で優勝。相馬眼的に評価できる馬があらためてG1級の能力を示した。59キロを背負って最速上がりで圧勝したようにG3のメンバーでは能力が違うのだろう。今後は休養して秋は毎日王冠から天皇賞(秋)を目指すことになりそうだ。

ニシノスーベニアは8枠17番からスタートを決めて3番手につけ、道中は5、6番手に控えて直線に向くとメンバー5位タイの34.1秒で上がって0.3秒差の2着。初の芝1800mで9番人気で激走した。2走前に幕張S(3勝)を好位から早めに抜け出して5馬身差で圧勝したレースが高レベル。前走ダービー卿CT4着で重賞にメドを立て、初の芝1800mで幕張Sのように好位につけて激走した。日曜は馬場の内側が荒れて各騎手が内を空けて走ったことで外枠の不利が相殺されたことも良かったのだろう。2〜8着には10番枠より外に入った馬が入っている。馬場が荒れて33秒台で上がった馬が3頭しかいなかったこともプラスに働いた。

シルトホルンは2番手からメンバー16位の34.9秒で上がって0.6秒差の2着。4着サイルーン、5着アルナシーム、6着セルバーグと同タイムの接戦になったが、何とか凌ぎ切って3着を確保した。東京芝1800mでこの上がりで粘ることは稀。レーベンスティールを除くとメンバーレベルが低かったこともあるのだろう。前走メイSは逃げて3着に粘ったが、同じくらいのパフォーマンスで3着に粘り込んだ。

サイルーンは9番手からメンバー5位タイの34.1秒で上がって0.4秒差の4着。レーベンスティールをマークして進めたが、直線で伸び切れなかった。それでも重賞初挑戦で3着に頭差の4着に入ってクラスのメドは立った。岩田望騎手は「芝1800mは持たないことはないが、ベストは1600m」とコメントしている。今後はサマーマイルシリーズを狙ってきそうだ。

アルナシームは7枠15番から7番手につけ、勝負どころで3番手に押し上げ、メンバー5位タイの34.1秒で上がって0.6秒差の5着。横山典騎手が早めに動いて勝ちに行ったが、そのぶん直線で伸びきれなかった。これで東京では6、6、5着。左回りでは3位以内の上がりを繰り出せていない。良馬場、右回りの芝1800mは[4−2−0−1]。右回りの芝1800mで見直したい。

グランディアは10番手からメンバー5位タイの34.1秒で上がって0.6秒差の6着。8枠16番スタートで位置取りが悪くなり、直線で馬群に突っ込んで伸びてきたが、3着と同タイムの6着まで追い上げるのが精一杯だった。不利な8枠16番を考慮すると内容は悪くない。母はディアデラノビア。この一族は奥手が多い。条件が揃えばどこかの重賞で激走がありそうだ。

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