宝塚記念
レース回顧
ブローザホーンは8枠12番スタートから11番手を進み、勝負どころで7番手に押し上げるとメンバー最速タイの34.0秒で差し切って2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分12秒0(重)。ルージュエヴァイユが逃げて前半5F61.0秒。後半5F58.1秒、上がり34.5秒。ラスト4F11.4−11.7−11.3−11.5秒で全て11秒台。馬場のいい外を通った馬しかこのラップでは走れない。その結果、外から追い込んだ2頭で決着した。ブローザホーンは道中ドウデュースをマークして外に出させないようにし、勝負どころで外から押し上げ、直線で大外から差し切ってG1初制覇。菅原騎手、吉岡厩舎もG1初制覇となった
過去10年で天皇賞(春)2、3着馬は[0−0−0−10]で不振が続いていたが、エピファネイア産駒の道悪巧者が得意の重馬場でデータを覆した。中野栄厩舎でデビューし勝ち上がるまで9戦を要した馬が、その後は[6−2−2−2]、重賞では[2−1−2−1]。昨年の京都大賞典は心房細動で競走を中止した馬が一戦ごとにパフォーマンスを引き上げ、G1初制覇を飾った。良馬場の日経新春杯を2分23秒7で勝ったように単なる道悪巧者ではない。夏は休養して秋は天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念を使う予定。
ソールオリエンスは7番手から徐々に下がって3コーナーで後方2番手からメンバー最速タイの34.0秒で追い込んで0.3秒差の2着。昨年は穴馬○スルーセブンシーズ(10人気)が2着に激走したが、今年は穴馬○ソールオリエンス(7番人気)が2着に激走した。勝負どころでドウデュースを外に出させないようにして自分が外から追い込んできたが、道中7番手でブローザホーンの前にいただけにその位置をキープしていればもっとやれたかもしれない。直線では狭くなって少し脚を余している。
菊花賞3着の後、有馬記念8着、中山記念4着、大阪杯7着と不振が続いたが、今回2着に入って4歳馬は低レベルというレッテルを少し剥した。近走不振は昨秋のセントライト記念から使い詰めだったこともある。ソールオリエンスが勝った新馬戦で2着のレーベンスティールも8、11着と終わった後にエプソムCを勝っている。2着のため完全復活とはいえないが、これで復活のメドは立った。道悪巧者だが、超高速馬場でなければ右回りなら良馬場でも問題ない。中山が合うため、オールカマー、有馬記念を狙うことになりそうだ。
ベラジオオペラは3番手からメンバー4位の34.8秒で上がって0.4秒差の3着。外からローシャムパークに来られて早めに動いて厳しいレースになったが、最後までしぶとく伸びて京都記念で負けたプラダリアにクビ差先着し3着を確保。ダービー4着の後、チャレンジC1着、京都記念2着、大阪杯1着、宝塚記念3着と安定して走っている。馬体は12キロ増えていたが、ボリュームアップした印象で太くはなかった。4歳馬でまだ成長している。秋はオールカマー、天皇賞(秋)、香港カップあたりを使いことになりそうだ。
ドウデュースは後方で少し力みながら走り、直線で内から捌いてメンバー3位の34.6秒で上がって0.9秒差の4着。道中ブローザホーン、勝負どころでソールオリエンスに外からマークされ、武豊騎手は内から捌くことを選択したが、重馬場で後半5F58.1秒、ラスト4F全て11秒台は想定外だったか。この日の馬場傾向を加味すれば外から強引に捲る手もあったが、武豊騎手が馬を信頼していないのか、それとも重馬場で行きっぷりが悪かったのか。ファン投票1位で1番人気に支持された馬が不甲斐ないレースぶりだった。
ジャスティンパレスは7番手からメンバー10位の35.9秒で上がって1.6秒差の10着。ドウデュースと同じようなコース取りで内から捌いてきたが、直線で伸び切れなかった。ルメール騎手は「ディープインパクトの子供ですから重馬場は難しい」とコメント。ディープインパクト産駒が道悪が下手というよりジャスティンパレスが道悪は合わないというのが正解か。パドックを見るとドバイ遠征明けで仕上がりがひと息だったのではないか。夏は休養して秋は天皇賞(秋)からジャパンCまたは有馬記念に使うことになりそうだ。
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