秋華賞
レース回顧

チェルヴィニアはスタートを決めて8番手につけ、メンバー2位の34.2秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分57秒1。セキトバイーストが大逃げして前半5F57.1秒。後半5F60.0秒、上がりは36.7秒、ラップは12.2−12.7−11.8秒。3番手以下は大きく離れており、末脚の持続力と決め手が問われるレースになった。チェルヴィニアはルメール騎手が馬込みで脚をタメ、勝負どころで前とは大きな差があったが、ルメール騎手が落ち着いて仕掛けるとスパッと抜け出してきた。オークス馬が1番人気で2冠を達成。大逃げする馬がいて仕掛けどころが難しかったが、ルメール騎手が上手く乗っている。

パドックでは馬体8キロ増えて春よりボリュームアップし、後肢の踏み込みが力強くなっていた。桜花賞はムルザバエフ騎手で惨敗したが、ルメール騎手では[4−1−0−0]で一戦ごとにパフォーマンスを引き上げている。22年以降の牝馬限定G1は16R行われたが、そのうぎ11RでサンデーRが勝っている。エリザベス女王杯でもこの傾向は続きそうだ。ちなみにノーサンF生産馬が13勝、社台F生産馬が3勝で社台系生産馬しか勝っていない。次走はジャパンCに向かう予定。

ボンドガールは出遅れて後方を進み、直線で大外からメンバー最速の34.1秒で追い込んで0.3秒差の2着。クイーンS、紫苑Sで追い込んで2、3着に入った馬が2着に突っ込んだ。武豊騎手が小回りコースで追い込むレースを続けてきたことが実を結んだ。ハイペースで差し馬が突っ込めるレースになったことも良かったのだろう。1週前、最終とも調教の動きが地味に映り、その影響で単勝14.6倍の5番人気になった。最終調教が地味だったのは、人気にならないようにダマシの部分もあるのだろう。今後は休養し、来年はマイル路線か。

ステレンボッシュは8枠14番から出遅れて10番手の外を進み、メンバー3位の34.3秒で上がって0.4秒差の3着。出遅れたクイーンズウォーク(サンデーR)が向こう正面で外から上がってステレンボッシュを外に出さないようにし、4コーナーではボンドガールに外からマークされ、直線で内に切れ込んだことが堪えた。直線でチェルヴィニアが抜け出した後を通ってくる手もあったが、それでは勝てないため、内を突いた面もあるのだろう。春に減った馬体が10キロ戻っていたが、いつも通り腹目が細く映った。外枠、出遅れ、コース取りで負けたもので、チェルヴィニアとは勝負づけは済んでいない。次走はエリザベス女王杯か、それともジャパンCか。

ミアネーロは2枠2番から内めの10番手につけ、メンバー5位タイの34.5秒で上がって0.6秒差の6着。流れを考えると位置取りは悪くなったが、紫苑Sのように切れる脚を使えなかった。紫苑Sは開幕日の超高速馬場で最速タイの33.0秒で上がったが、どちらかというと切れより地力タイプなのだろう。中山では[2−1−0−1]。中山の中距離で見直したい。

チルカーノは道中13番手を進み、メンバー5位タイの34.5秒で上がって0.8秒差の8着。前走の勝ちタイムは1分59秒2、今回の走破タイムは1分57秒9で1.3秒詰めたが、勝ちタイムが速過ぎたし、位置取りも後ろ過ぎた。父ハービンジャー、母アロマティコでジオグリフの半妹。デビューから一戦ごとに勝ち負けを繰り返している。次走3勝Cを使ってきたら要注意。

クイーンズウォークは出遅れて後方2番手を進み、向こう正面で押し上げて外からステレンボッシュをマークし、直線で一杯になって最下位の15着。前走ローズSを勝って3番人気に支持されていた。過去10年で中内田厩舎はローズSを4勝しているが、その4頭は秋華賞で8、13、5、15着。中内田厩舎は休み明けから仕上げるため、その影響が出ているのだろう。

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