府中牝馬S
レース回顧

ブレイディヴェーグは少し出遅れた後に押し上げて10番手の外を進み、大外からメンバー最速タイの32.8秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分44秒7。コンクシェルが逃げて前半5F58.7秒、上がり34.1秒、ラップは11.7−11.4−11.0秒で尻上がり。道中12秒台のラップがなく、高速ラップの持続力とそこから加速する末脚の威力が問われるレースになった。ブレイディヴェーグは長期休み明けで57キロを背負って最速上がりで差し切って快勝。昨年のエリザベス女王杯はタフな馬場で辛勝だったが、高速馬場であらためて能力が違うことを示した。馬体が12キロ増えて全体的にパワーアップしていた。

次のG1に向けて叩き台という可能性もあったが、最終調教は3頭併せでラスト11.5−11.2秒。ここに叩き台ではない匂いがした。運動神経が良く、スジ力が強いタイプ。やはりこれがマスクトディーヴァより上なのだろう。ルメール騎手は道中マスクトディーヴァを外からマークして外に出させないようにしていた。この秋の重賞はルメール騎手vs川田騎手のマーク合戦になりそうな雰囲気がある。次走はエリザベス女王杯の2連覇を狙ってきそうだが、天皇賞(秋)の結果次第でジャパンCに使ってくるのではないか。

シンティレーションは少し出遅れて道中12番手を進み、メンバー最速タイの32.8秒で追い込んで0.2秒差の2着。前走3勝Cを勝った馬が10番人気で激走した。前走新潟日報賞を1分44秒1の好タイムで勝ったが、クビ差2着のトロヴァトーレは次走秋風Sを1番人気で楽勝している。これまでは右回りに良績が集中していたが、これで2戦連続で左回りで切れる脚を使って1、2着。父ロードカナロア、母の父アグネスタキオンでこの走りが本質なのではないか。スタニングローズが勝ったフラワーCで1番人気で3着に入った馬がキャリアを積んで本格化してきた。

マスクトディーヴァは9番手を進み、メンバー5位タイの33.3秒で上がって0.3秒差の3着。道中ルメール騎手のブレイディヴェーグに外からマークされ、直線で馬群に突っ込んで抜け出してきたが、外から伸びた2頭に切れ負けした。直線でもう少し我慢して切れを引き出す乗り方の方が良かったか。休み明けで馬体が6キロ増えて少し余裕残しの仕上げだったが、パドックでは活気があって調子は良さそうだった。これで東京では6、3、3着。ガツンと切れないため、坂のある阪神がベストか。次走はエリザベス女王杯に向かう予定。

フィアスプライドは7番手からメンバー8位の33.6秒で上がって0.4秒差の4着。府中牝馬Sと相性がいいMデムーロ騎手が前を射程圏に入れて勝ちに行くレースをしたが、直線で伸び切れなかった。勝ち切れないレースが続いているが、3戦連続でG1馬を相手に善戦している。次走は昨年勝ったターコイズSか。

ルージュリナージュは大外枠から後方2番手を進み、大外からメンバー3位の32.9秒で追い込んで0.5秒差の5着。32秒台で上がっているが、レースのラスト3Fが11.7−11.4−11.0秒の尻上がりでは後方から突っ込むのは厳しかった。ヴィクトリアマイル5着はダテではなく、嵌まれば突っ込む末脚を持っている。

モリアーナは13番手を進み、メンバー5位タイの33.3秒で上がって0.8秒差の8着。直線で前が壁になって捌き切れなかった。阪神牝馬Sで最速の32.9秒で上がってたように東京なら32秒台で上がれるが、スムーズさを欠いた。調教の動きが良くなり、パドックでは馬体、気配が良くなっていた。噛み合えば重賞で勝ち負けできる。

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