ジャパンC
レース回顧
ドウデュースは後方2番手を進み、4コーナーで7番手に押し上げるとメンバー最速の32.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分25秒5。スタート後はシンエンペラー、途中からドゥレッツァが逃げて前半5F62.2秒のスローペース。後半5F58.5秒、上がり33.4秒、ラップは11.5−10.8−11.1秒。上がり勝負になり、前に行った馬が残りやすいレースになり、今夏に欧州に遠征した2頭が2着同着に粘った。ドウデュースは天皇賞(秋)と同様にスローペースで後方2番手を進み、大外から豪快に差し切ってG1を2連勝した。4コーナーから直線の行きっぷりが他馬とは違っていた。2着同着の2頭とはクビ差だったが、スローペースの展開と通ったコースを考えると完勝といえる。
これで国内の良馬場で武豊騎手では[8−1−1−0]で3着以内を確保。昨年の天皇賞(秋)は7着、ジャパンCは4着に終わったが、前半5F57.7秒、57.6秒の速い流れで戸崎騎手が好位につけていた。追い込みタイプでも緩い流れで末脚の威力で勝負するタイプ。そう考えると楽に進められる前半5F62.2秒のスローペースは合っていたのだろう。予想に書いた通り、奥手のハーツクライ産駒が5歳秋を迎えて完全本格化した。G1は朝日杯FS、ダービー、有馬記念、天皇賞(秋)に続き5勝目。次走の有馬記念がラストラン。00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイが天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念を3連勝している。
シンエンペラーはハナを切った後に内ラチ沿いの2番手に控え、メンバー2位の33.1秒で上がってクビ差の2着同着。直線で内から外に出しながらしぶとく伸びて2着同着に持ち込んだ。前走凱旋門賞は重馬場で12着に終わったが、ダービーで3着、アイリッシュチャンピオンSで3着に入った馬が良馬場で能力を示した。これで良馬場では[2−3−2−1]で皐月賞5着を除き3着以内を確保。凱旋門賞ソットサスの全弟。新馬戦を勝った後に次走の狙い馬で取り上げ、京都2歳Sの結果次第で相馬眼ニュースで取り上げる予定だったが、馬体が地味に映ったため取り上げなかった。ここにきて馬体が充実して地力が強化されている。重馬場になった凱旋門賞が惜しまれる。
ドゥレッツァは途中からハナを切って前半5F62.2秒で進み、メンバー4位タイの33.4秒で上がって2着同着。ビュイック騎手が外から動いて先頭に立ち、直線でしぶとく伸びて2着を確保。穴馬が7番人気で激走した。昨年の菊花賞でも前半逃げていたように自在性がある。金鯱賞2着は休み明けで59キロ、天皇賞(春)15着は軽い熱中症、インターナショナルS5着(4着ブルーストッキングは凱旋門賞優勝)は61キロを背負っていた。菊花賞でダービー馬タスティエーラ、皐月賞馬ソールオリエンスを子供扱いしたのはダテではない。次走は体調次第で有馬記念もありそうだが、夏に海外遠征したため休養して来年の天皇賞(春)が目標か。
チェルヴィニアは好位からメンバー4位タイの33.4秒で上がって0.4秒差の4着。好位につけてルメール騎手が追ったが、上がり勝負で伸び切れなかった。オークスは前半5F57.7秒、秋華賞は前半5F57.1秒。上がり勝負に対応できなくはないが、牡馬混合のトップレベルの上がり勝負では現時点では瞬発力不足なのだろう。それでも3歳牝馬が4着に入ったように内容は悪くない。
ジャスティンパレスは7番手からメンバー3位の33.3秒で上がって0.5秒差の5着。この馬なりに切れる脚を使っているが、レースの上がりが33.4秒では厳しかった。昨年の有馬記念から良馬場では4、5着が続いている。モレイラ、Cデムーロ騎手が騎乗しても4、5着。脚の使いどころが難しいタイプか。23年に阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝した馬。長距離に戻してくるか。
スターズオンアースは大外枠から3番手につけ、メンバー11位タイの33.8秒で上がって0.6秒差の7着。スローペースで前残りの展開になったが、休み明け、馬体増が影響したのか、直線で伸び切れなかった。川田騎手は芝2400m以上のG1で8枠に入ったときは[0−1−0−14]。昨年のジャパンCはビュイック騎手、有馬記念はルメール騎手が8枠を克服させたが、川田騎手で7着に終わった。
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