阪神JF
レース回顧

アルマヴェローチェは6枠12番から7番手につけ、メンバー最速の34.3秒で外から差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分33秒4。ミストレスが逃げて前半3F34.2秒、5F58.5秒、上がりは34.9秒、ラップは12.0−11.5−11.4秒で尻上がり。中盤にラップが緩んで最後は決め手勝負になったが、前半の流れが速くタフなレースになり、芝1800mで勝ち星がある3頭で決着した。アルマヴェローチェは道中ある程度ロスなく回って4コーナーで外に持ち出すと強烈な末脚で差し切った。札幌で稍重の新馬戦を勝ち、重馬場の札幌2歳Sはハナ差の2着。2戦とも道悪で上がりは36秒台だったが、中央の良馬場でハービンジャー産駒が最速上がりで差し切ってクラシックに名乗りを上げた。ちなみにサウジアラビアRCを勝ったのは、同馬主のアルテヴェローチェ。一文字違いの馬が2歳両G1を勝つ可能性がありそうだ。岩田望騎手はG1を61戦目で初制覇となった。休み明けで勝ったため、次走は桜花賞に直行し、オークスで2冠が視野に入る。

ビップデイジーは1枠1番から12番手を進み、直線で外に持ち出すとメンバー2位タイの34.4秒で上がって0.2秒差の2着。道中外に持ち出そうとしたが出せずに内に進路を取り、4コーナーから直線で外に出すと切れる脚を使って抜け出しかけたが、外から伸びたアルマヴェローチェに切れ負けした。内が荒れた馬場で不利な1枠1番だったことを考えると勝ち馬とは着差ほど差はない。小柄な牝馬でも運動神経が良く、前向きさと勝負根性を兼ね備えているため、穴馬で狙ったが8番人気で激走した。マイルCSを勝ったダノンシャークに似たようなタイプ。スティルインラブで牝馬3冠を達成している幸騎手は久々に牝馬クラシックを狙える馬に巡り合えた。前向きさが失われないうちは堅実に走りそうだ。

テリオスララは1枠2番から5番手につけ、メンバー7位タイの35.1秒で上がって0.5秒差の3着。前の2頭には離されたが、荒れた内を通って最後までしぶとく伸びていた。デビューから3戦、芝1800mを使って2、1、1着。前半の流れが速くなってタフなレースになり、長い距離を使ってきたことを生かせたのだろう。祖母がハルーワソングで近親にシュヴァルグラン、ヴィルシーナがいる。2021年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りしたシスキンの産駒。今後どんな成長を見せるのか注目したい。

ショウナンザナドゥはスタートを決めて3番手につけ、メンバー9位の35.2秒で上がって0.5秒差の4着。前走アルテミスSは6番手から差すレースで3着に負けたため、今回は先行策を取ったが、前半の流れが速くなって差し馬向きの展開になったことが堪えた。それでも最後までしぶとく伸びており地力は示した。松下厩舎は2頭出しだったが、人気がないビップデイジー(8人気)の方が激走した。

コートアリシアンは出遅れて後方2番手を進み、メンバー2位タイの34.4秒で上がって0.8秒差の6着。直線で最内から外に出しながら追い、前が詰まったため、荒れた内に切れ替えたが伸び切れなかった。2位の上がりを繰り出しているだけに中団あたりにつければ、馬券圏内があったかもしれない。戸崎騎手は関西圏の重賞では位置取りが悪くなり、ろくでもない負け方をすることが非常に多い。

ブラウンラチェットは11番手から全く伸びず1.7秒差の16着。前走アルテミスSを勝って1番人気に支持されたが、全く見せ場がなかった。初の右回り、荒れたタフな馬場、これまで経験のない速い流れが影響したのだろう。馬体が12キロ減ったこともマイナスだった。手塚厩舎のキズナ産駒でフォーエバーヤングの半妹。馬体が大きく減ったため、今後は放牧に出して桜花賞に直行することになりそうだ。

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