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レース回顧

ダノンデサイルは4枠8番から7番手の外につけ、メンバー最速タイの36.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分12秒1。アウスヴァールが逃げて前半5F60.6秒。後半5F59.6秒、上がり36.6秒、ラップ11.8−12.2−12.6秒。横山武騎手のコスモキュランダが向こう正面で後方から捲り、キング騎手のチェックネイトが3コーナーから早めに動いてラップが上がったことで上がりの掛かる消耗戦になった。ダノンデサイルは有馬記念で逃げて3着に終わったが、初の58キロを克服し重賞3勝目を挙げた。

叩き3戦目で有馬記念よりも仕上げが進んで調教の動きが良くなり、パドックでは馬体が4キロ絞れて前走より引き締まっていた。ダービー馬が厳寒期のG2でここまで仕上げるのは珍しい。戸崎騎手は有馬記念をルメール騎手から替わったレガレイラで制し、フェアリーSでもルメール騎手から替わったエリカエクスプレスで制した。今回はデビューから騎乗してきた横山典騎手から替わって1番人気で優勝。昨年秋以降の重賞で不振が続くルメール騎手とは対照的な成績になっている。ダノンデサイルは今後芝2000m前後を使って行く予定。

マテンロウレオは6枠11番スタートから内に切れ込んで3番手につけ、メンバー5位タイの36.3秒で上がって0.1秒差の2着。3、4コーナーでロスなく回り、直線で内を突いてコスモキュランダとの叩き合いをハナ差で制した。23年の京都記念2着以降不振が続いていたが、前走中日新聞杯で58.5キロを背負って0.4秒差の3着に入っていた。頭差の2着ロードデルレイは次走日経新春杯を制した。叩き2戦目、57キロ、横山典騎手の好騎乗で6番人気で激走した。ダノンデザイルに食らいついたのは横山典騎手の意地か。昆厩舎の管理馬は鍛えられている。タフな馬場も合うのだろう。

コスモキュランダは14番手から向こう正面で外から上がって3コーナーで3番手に押し上げ、メンバー7位タイの36.4秒で上がって0.1秒差の3着。4コーナーから直線で再度動いて先頭に立ったが、外からダノンデザイル、内からマテンロウレオに交わされた。これで中山では[1−4−1−1]、中山以外では[1−0−0−5]。皐月賞馬アルアイン産駒。弥生賞以降勝ち切れないが、中山では堅実に走っている。

ボルドグフーシュは9番手から4コーナーで大外に持ち出すとメンバー3位の36.1秒で上がって0.5秒差の4着。勝負どころで前が壁になって追い出しが遅れ、大外に持ち出すロスがあった。長期休養明け2戦目でまだ勝負どころでズブさがあるが、直線では最後までしぶとく伸びていた。前走16キロ増えた馬体が10キロ絞れていた。菊花賞&有馬記念2着馬がレースを使いながら少しずつ復調してきている。

ビザンチンドリームは出遅れて16番手を進み、向こう正面でコスモキュランダを追いかけて中団に押し上げ、メンバー9位の36.5秒で上がって0.7秒差の6着。ルメートル騎手が中山初めてということもあるが、外々を回ってロスのあるレースだった。それでも外からしぶとく伸びたようにスタミナがある。新馬戦でインパクトのある勝ち方をした馬。もう少しレースが上手くなれば、長距離重賞で激走がありそうだ。

レーベンスティールは1枠2番から7番手につけ、メンバー14位の37.1秒で上がって1.1秒差の12着。道中外からダノンデザイルにマークされたこともあるが、直線で全く伸びなかったのは距離2200mと荒れ馬場が影響したか。先週より土曜、土曜より日曜の方がタフな馬場になっていた。パドックでは馬体が12キロ増えて馬体がマッチョ化。距離適性が短い方にシフトしてきている。ルメール騎手は昨年11月以降の重賞[1−0−1−12]で不振が続いている。レーベンスティールはドバイターフに出走したら注目したい。

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