ダイヤモンドS
レース回顧

ヘデントールは5番手から進み、勝負どころで外から押し上げて4コーナーで先頭に立つとメンバー最速の34.9秒で上がって4馬身差で圧勝した。勝ちタイムは3分32秒2。セイウンプラチナが逃げて前半5F63.6秒のスローペース。後半5F59.8秒、上がり34.9秒、ラップ11.4−11.6−11.9秒。例年よりも流れが遅く、後半までペースアップせずに上がり勝負になった。

ヘデントールは5番手から早めに先頭に立ち、ノーステッキで4馬身差で圧勝し重賞初制覇を飾った。菊花賞2着馬が単勝1.9倍の断然人気に支持され、能力の違いを見せつけた。パドックでは少しチャカついていたが、馬体が10キロ増えて実の入りが良くなっていた。菊花賞で57キロで2着に入った馬が、ハンデG3で菊花賞と同じ57キロ。ハンデキャッパーは社台に忖度する。あらためて長距離適性を示し、天皇賞(春)制覇に向けて一歩前進した。

ジャンカズマは2番手からメンバー4位の35.4秒で上がって0.7秒差の2着。芝2600mの皿倉山特別、丹頂Sを勝ち、芝3000mの万葉Sで4、4着がある馬が12番人気で穴をあけた。内を通って前につけた馬が有利な馬場、54キロの軽ハンデ、スローペースで2番手につけたことがプラスに働いたが、叩き3戦目でパドックでは馬体、気配が良くなっていた。しぶとく粘ったのはデキの良さもあるのだろう。野中騎手は人気薄で激走が多い。

ヴェルミセルは12番手から4コーナーで9番手に押し上げ、メンバー2位の35.1秒で上がって1.0秒差の3着。芝2500〜2600m[4−1−0−4]で2、3勝Cを連勝してきた馬。外を回っていい脚を長く使って10番人気で激走した。持久力があるゴールドシップ産駒の牝馬。53キロの軽ハンデだったが、馬場傾向、展開を考えると強いレースをしている。

ワープスピードは6番手から勝負どころで大外を回って2番手に押し上げ、直線半ばで一杯になって1.0秒差の4着。3コーナーで外から上がってヘデントールの外に併せたが、直線で突き放され、2番手につけたジャンカズマも交わせなかった。大箱の東京で3、4コーナーで大外をブン回しては厳しかった。昨年10月13日以降の芝重賞で横山武騎手は[0−0−2−16]。

シュトルーヴェは7番手からメンバー3位の35.3秒で上がって1.1秒差の5着。勝負どころで先に動いた人気馬2頭を見ながら上がってきたが、初の3000m以上と59キロを背負っていたことでいつもほど切れる脚を使えなかった。初の3000m以上で59キロを背負って5着なら悪くないが、この結果を堀調教師はどう判断するか。昨年と同様に日経賞から目黒記念か。

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