フェブラリーS
レース回顧

コスタノヴァは出遅れた後に押し上げて5番手につけ、メンバー3位タイの35.6秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分35秒5。ミトノオーが逃げて前半3F35.0秒、5F59.4秒。上がりは36.1秒、ラップは12.2−11.7−12.2秒。逃げ先行馬が揃っていたが、前半5Fは昨年より1.5秒遅い緩い流れ。道中ロスなく回って最内を突いて2着に入ったサンライズジパングを除き、道中7番手以内につけた馬が上位を独占した。ミッキーファイト、ペプチドナイルはコスタノヴァをマークできる位置にいたが、誰もマークせず、社台様のお通りだ的なレースになった。最近、戸崎騎手はルメール騎手が騎乗した社台の馬をマークするレースをしていたが、社台というよりルメール騎手潰しだったのか・・・。

コスタノヴァは好位から抜け出す正攻法のレースで優勝。欅S、根岸SをG1級のパフォーマンスで勝った馬が2番人気でG1初制覇を飾った。これで東京ダートは6戦6勝。初めて間隔を詰めて使う点とテン乗りのキング騎手にリスクがあったが、パドックでは仕上がりが良さそうに映り、キング騎手も出遅れを上手くフォローしていた。位置取りからも流れが緩んだこともプラスに働いている。このレースぶりならダ1800mもこなせる可能性がありそうだ。軽い走りをするため、地方の重いダートをこなせるかが課題になるが、今後はかしわ記念、南部杯、武蔵野Sあたりを視野に入れながら、チャンピオンズCを目指すことになりそうだ。

サンライズジパングは13番手から3コーナーで最内に入れてロスなく回り、直線で内からメンバー最速の35.2秒で上がって0.2秒差の2着。これまでは外を回って外から差すレースをしていたが、幸騎手が内をロスなく回って脚をタメ、直線でガラ空きになった内から鋭く伸びてきた。これまでのように外を回ったら着外だったのではないか。前半5F59.4秒の緩い流れでも後方からのレースになったように距離は長い方がいいが、心肺機能の高さと能力で克服した。来週で定年になる音無調教師は3頭出しで2着を確保。JDクラシックで5馬身差をつけられたミッキーファイトにリベンジした。

ミッキーファイトは7枠14番手から好スタートを切った後に7番手に控え、メンバー5位タイの35.8秒で上がって0.4秒差の3着。好スタート後に戸崎騎手が抑えたことで頭を上げて折り合いを欠いていた。3、4コーナーで前にいたアモンシエラが下がってきたことでスパートが遅れ、外々を回されるロスがあった。外を回ってコスタノヴァに上がりは0.2秒差。3、4コーナーでコスタノヴァを外からマークして出させないようにし、4コーナーでスムーズなら際どいレースになったのではないか。それでも初のダ1600m、初の58キロでパフォーマンスを引き上げた。今後は川崎記念、帝王賞でG1獲りを目指すことになりそうだ。

ペプチドナイルはスタート後に少し控えて道中7番手を進み、メンバー5位タイの35.8秒で上がって0.4秒差の4着。直線でミッキーファイトと馬体がぶつかりながら激しい叩き合いになったがクビ差で敗れた。昨年は前半5F57.9秒のハイペースで4番手から抜け出して勝っただけにスタート後に藤岡佑騎手が控えて位置取りが悪くなったことが堪えた。前に行く馬が揃っていただけにもっと流れるとみていたこともあるのだろう。7歳馬でも馬体の張りが良く、休み明けでも仕上がりは良さそうだった。絶対能力が高い馬。

エンペラーワケアは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー8位の36.2秒で上がって0.5秒差の5着。直線で前が壁になって追い出しが遅れ、狭いところを捌いて一杯に追ったが、切れる脚を使えなかった。休み明けで馬体が12キロ増えて過去最高の550キロ。パドックでは腹目が太く映り、いつもよりモッサリしていた。過去10年で1枠は[0−0−0−19]。揉まれる1枠も微妙に影響したか。横山武騎手は根岸Sをコスタノヴァで圧勝したが、社台はコスタノヴァにキング騎手を乗せている。社台にもバレている。

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