阪神大賞典
レース回顧

サンライズアースはハナを切って前半5F63.1秒で進み、2週目の3コーナー手前で内からマコトヴェリーキーに前に出られたが、直線で交わして先頭に立つとメンバー最速の35.0秒で後続を引き離して6馬身差で圧勝した。勝ちタイム3分3秒3はかなり優秀。後半6Fから11秒台のラップが5F続き、ラスト12.1秒。昨年のダービーで後方2番手から向こう正面で2番手に押し上げて0.7秒差の4着に入った馬が格上挑戦で一気にパフォーマンスを引き上げ、重賞初制覇を飾った。

石坂厩舎のレイデオロ産駒で祖母がハルーワソング。近親にシュヴァルグラン(天皇賞春3、2、2着)がいる。レイデオロ産駒はJRA重賞初制覇となった。1番人気のショウナンラプンタが武豊騎手で最後方からのレースをしたこともあるが、前に行って最速上がりで6馬身差で圧勝は天皇賞(春)の優勝を確定させるような走りだった。石坂調教師はG1[0−0−0−10]で4着が最高。暴力事件を経てようやく重賞で復調してきた池添騎手は22年安田記念のソングライン以来3年ぶりのG1制覇を目指す。

マコトヴェリーキーは2番手を進み、2週目の3コーナーで内から先頭に立ち、メンバー5位の36.1秒で上がって1.0秒差の2着。岩田望騎手が強気に早めに先頭に立って粘らせた。前走京都記念で3着に入ったが、初の3000mで7番人気だった。岩田望騎手は道中で入れ替わりがあったことでハミを噛んでいたとコメント。それで2着に粘ったように地力が強化されている。長距離馬を数多く出しているオルフェーヴル産駒が長距離適性を示した。次走は天皇賞(春)か、それとも目黒記念か。

ブローザホーンは道中8番手を進み、4コーナーから直線で外に出すとメンバー3位の35.5秒で上がって1.1秒差の3着。スタートは出たが押しても進んで行かず、位置取りが後ろになったことが堪えた。それでも前3走10着以下に惨敗した馬が59キロを背負って3着に入り復調気配を見せた。23年以降10〜12月は[0−0−0−4]、3〜6月は[3−1−2−0]。予想コメントに書いた通り、やはり春に走るタイプなのだろう。天皇賞(春)はタフなレースになりやすい。時期的に今年も侮れない。

ショウナンラプンタは1枠1番からスタートして行く気がなく最後方を進み、3、4コーナーで大外から8番手に押し上げ、メンバー2位の35.2秒で上がって0.1秒差の4着。外を回っていい脚を長く使ったが、最後方から大外ブン回しでは厳しかった。鮫島駿騎手はもう2列前につけていたが、テン乗りの武豊騎手で最後方からのレースになった。20年以降の芝3000m以上で武豊騎手は[0−0−2−19]、5番人気以内では[0−0−1−9]。長距離戦は騎手の腕といわれる。次走の天皇賞(春)も武豊騎手が騎乗する予定。

ヴェローチェエラは2枠2番から内ラチ沿いの5番手につけ、メンバー4位の36.0秒で上がって1.4秒差の5着。仕上がりが良く、道中ロスなく回って直線で前を捕まえればというレースができたが、直線で伸び切れなかった。ラスト6Fから11秒台のラップが5F続く流れでスタミナの差が出た印象。川田騎手が距離が長かったとコメント。芝2400〜2600mは[3−1−0−0]で勝った3戦は上がり最速。須貝厩舎のリアルスティール産駒。春は目黒記念が目標になりそうだ。

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