愛知杯
レース回顧

ワイドラトゥールは8枠16番から15番手を進み、直線で大外からメンバー2位タイの34.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分20秒2。テイエムスパーダが逃げて前半3F32.7秒、5F56.1秒のハイペースで前崩れになり、1〜8着のうち3、4着を除く6頭が10番手以下からの追い込みだった。ワイドラトゥールは大外から豪快に差し切って10番人気で重賞初制覇を飾った。ハイペースの展開が味方したこともあるが、北村友騎手が馬場のいいギリギリのところを通ってきたことがラストの伸びに繋がっている。

これで芝1400mは[3−0−0−1]で紅梅S、長岡京S、愛知杯を3連勝。芝1600mは微妙に長く、芝1200mは微妙に短く、芝1400mがベストのタイプ。北村友騎手は昨年ハイペースになったファルコンSをダノンマッキンリー(7人気)で勝ち、今年のフィリーズレビューをチェルビアット(14人気)で2着。今回もハイペースでワイドラトゥールは10番人気だった。芝1400mでハイペースになりそうなときは要注意。昨年のヴィクトリアマイルは芝1400m巧者のテンハッピーローズが優勝。次走ヴィクトリアマイルに使ってきそうだ。

シングザットソングは内ラチ沿いの10番手を進み、直線で馬群を捌いてメンバー5位の35.2秒で上がって0.2秒差の2着。3戦連続で騎乗した斎藤騎手が土曜のファルコンSを勝ったヤンキーバローズ(岩田望騎手)の乗り方を踏襲して持ってきた。直前までは5番人気だったが、パドックで馬体、気配が目立ち、最終的には3番人気になっていた。23年のフィリーズレビュー勝ち馬でこの時期が合うのだろう。昨年は京都牝馬S5着、阪神牝馬S4着、安土城S3着と善戦している。次走は京王杯SCまたはヴィクトリアマイルか。

カピリナは6番手からメンバー6位の35.3秒で上がって0.2秒差の3着。向こう正面で外からマークされて3、4コーナーで馬場が荒れたところを通らされたことが堪えた。それでも直線で抜け出してラスト1Fで先頭に立ったことを評価したい。ハイペースの展開、荒れたところを通ったことを考えると強いレースをしている。シルクロードSは0.4秒差の4着、愛知杯は0.2秒差の3着で少しパフォーマンスを引き上げた。前向きさがあり、どんなレースでも大崩れしにくいタイプ。サマースプリントシリーズで活躍できそうな馬。

スウィープフィートは出遅れて後方2番手を進み、大外からメンバー最速の34.4秒で上がって0.6秒差の6着。離れた後方2番手を進み、馬群に追いついたのがラスト1F。さすがに位置取りが後ろ過ぎた。長期休み明けで大事に乗った面もあるのだろう。パドックでは馬体が24キロ増えて少し緩い仕上げだった。チューリップ賞を勝ち、桜花賞で4着に入った馬が最速上がりを繰り出して能力を示した。末脚に威力があるだけに外国人騎手が騎乗して位置を取れると一変しそうなタイプ。

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