桜花賞
レース回顧

エンブロイダリーは少し出遅れた後に内に入れて中団を進み、直線で馬群を捌きながら外に出すとメンバー2位タイの34.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分33秒1(稍重)。エリカエクスプレスが逃げて前半3F34.5秒、5F58.6秒のやや速い流れ。上がりは34.5秒、ラップは11.7−11.4−11.4秒で尻上がり&持続ラップ。外が伸びる馬場、エリカエクスプレスが飛ばしたことで差し追い込み馬が上位を独占した。中盤に12.1−12.0秒と流れが緩んだとはいえ、ラスト2F11.4−11.4秒は優秀。3着に0.4秒差をつけた上位2頭はかなり強いレースをしている。モレイラ騎手は昨年の桜花賞をステレンボッシュで制しており2連覇となった。

エンブロイダリーはモレイラ騎手が馬込みでロスなく進め、直線で馬群を捌きながら外に出し、進路を確保して伸びてきた。直線でアルマヴェローチェに一旦前に出られたが、すぐに交わすと最後まで脚色が衰えなかった。前走クイーンCを前週の東京新聞杯より0.4秒速い1分32秒2の好タイムで勝ったのはやはりダテではない。飛びが大きいため、馬場悪化が懸念されたが、予報より雨が降らず、稍重で止まったことも良かったのだろう。母系にビワハイジ、近親にブエナビスタがいる。逃げ差し自在なのは今後も大きな武器になる。パドックではアルマヴェローチェ、エンブロイダリーの馬体が目立った。次走オークスでもこの2頭が有力になる。

アルマヴェローチェは道中11番手を進み、直線で外からメンバー最速の33.9秒で上がってクビ差の2着。道中エンブロイダリーを外からマークして外に出させないようにし、4コーナーから直線で外に出して最速上がりで伸びてきたが、モレイラ騎手が馬群を捌いてきたエンブロイダリーに競り負けた。岩田望騎手はG1では位置取りが悪くなることが多いが、今回はエンブロイダリーをマークして上手く進めたが、馬群を捌いてきた馬に競り負けたのだからモレイラ騎手と馬を褒めるべきか。阪神JF以来のレースで馬体が12キロ増えていたが、太くはなくほとんどが成長分。エンブロイダリーより長い距離の適性は高い。オークスでリベンジなるか。

リンクスティップは出遅れて離れた最後方を進み、勝負どころで大外から少し押し上げるとメンバー2位の34.0秒で上がって0.4秒差の3着。未勝利戦1着、きさらぎ賞2着は先行していたため、前に行くと思われたが、離れた最後方から大外をブン回して3着まで追い上げた。まだ馬体の線が細く、腹目も薄く映るが、牡馬相手のきさらぎ賞で2着に入ったことはダテではないことを示した。デビューから2戦とも芝2000mを使ったように距離は長い方が合うタイプ。半兄デュアルウィルダーは青葉賞で3着に入っている。次走オークスは出遅れずに末脚の持続力を生かせるレースになれば、激走があるかもしれない。

マピュースは出遅れて内ラチ沿いの12番手を進み、直線で最内を突いてメンバー6位の34.7秒で上がり0.9秒差の4着。一瞬見せ場を作ったが、外か伸びる馬場で伸び切れなかった。10Rの大阪−ハンブルクCのレースを見れば、外が伸びるのは明らかだったが、田辺騎手は内が悪くなく走れると思って内を選択した模様。まさか10Rのパトロールビデオを見ていないのか。出遅れて伸びない内を突いて4着なら悪くない。予想に書いたようにデータ的にはG1を勝ってもおかしくない馬。デビューから芝1600mを使ってきたため、次走はNHKマイルCか。ちなみに田辺騎手はNHKマイルCでは[0−0−0−8]で5着が最高。ありゃま(笑)

エリカエクスプレスは1枠1番からハナを切って前半5F58.6秒(稍重)で飛ばし、メンバー9位の35.6秒で上がって1.1秒差の5着。内でごちゃつくのを嫌ってハナを切る作戦に出たのだろう。1〜4着、6〜9着は差し追い込み馬で前に行って粘ったのはエリカエクスプレスだけ。フェアリーSを1分32秒8で3馬身差で圧勝したように能力はあるが、稍重の馬場でハナを切って飛ばし過ぎたことが堪えた。戸崎騎手は東京マイルG1に強いが、乗り慣れていない関西圏のG1では連対を外すことが多い。エリカエクスプレスはスピードがあるため、NHKマイルCに向かう手もあるが、戸崎騎手でオークスに向かうことになった。

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