■5/8 タニノギムレットはダービー馬になれるか(前編)

皐月賞で大外から追い込んで3着、NHKマイルCでは直線で大きな不利が 2回あって最後追い上げたが3着までと2戦続けて1番人気を裏切った。 3着に敗れはしたが負けて強しの内容は誰もが認めるところだろう。直線での伸びが物凄いので、これまで大外を回る競馬ばかりしてきたツケが多頭数のG1で出てしまった感じだ。

ただし、競馬が下手というのではなく、アーリントンCで4コーナーから直線で見せたように一瞬の脚を持っているのがギムレットのいいところ。同じ松田国厩舎のクロフネはスピードが乗るのに時間がかかったが、ギムレットはクロフネとは違う。

NHKマイルCで武豊騎手が直線で馬群を突いたのは、岡部騎手のメジャーカフェに道中ビッシリマークされたこともあるが、それだけではないはずだ。直線で大外に出そうと思えば少々ロスはあるが出せたはず。おそらく武豊騎手はダービーに向けて馬群を割る競馬を経験させたかったのだろう。アーリントンCで一瞬にして先団に取り付いた脚と反応の良さがあれば馬群を割れるという感触があったに違いない。

NHKマイルCは3着に敗れはしたが、馬群を割る競馬ができたし、最後まで勝負を諦めないギムレットの精神面を改めて確認することができたのは収穫。スプリングS、皐月賞、NHKマイルCと厳しい競馬が続いているが、まだベールを脱いでいないし、余裕残しの馬体で出てきていたのだから、少なからず上積みはあると考えたい。最近ではカオリジョバンニがかなり使い込んでも好調をキープしているように調子がいいときはそれほど消耗しないもの。正直なところ不安はなくはないが、現時点ではマイナスとはしない。

クロフネはNHKマイルCの疲れなのかダービーのパドックで元気がなかったが、果たしてギムレットはどんな馬体、雰囲気で出走してくるのか今から楽しみだ。2400mの距離はこの時期の強い3歳馬なら問題ないというのが私の持論。鞍上が馬を信頼できない場合に無理に抑えるなどすると勝つのは難しいが、そこは武豊騎手、問題ないだろう。

あれだけ強い競馬をして勝ち切れないのが競馬。ギムレットがダービー馬になれるかと聞かれたら、まだ自信を持ってYESとはいいずらい。やはり条件がつく。ただ、ギムレットはまだ能力の一部しか出していない。今は競馬を覚えている段階だし、馬体もまだ完成されていない状態。それでこれだけの競馬ができるのだから、末恐ろしい馬ということは間違いないだろう。果たしてギムレットが完成されたら一体どこまで強くなるのか、それを考えるだけでもWAKUWAKUさせられる。とにかく無事にそれがファンの願いでもある。

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