■8/21 最強牝馬への道 テイエムオーシャン

8月18日の札幌記念(G2、札幌芝2000m)を勝ったテイエムオーシャンを取り上げたい。プラス38キロの馬体重はある程度想定できていたのでパドックでは太め感と気配に注目していたが、太め感はそれほどなく、気配も上々なので推奨馬として取り上げた。レースでは4番手を進み、3コーナー過ぎから積極的に仕掛けて先団に取りつき直線に向くと、そこからが違った。

他馬が止まって見えるほどの勢いで一気に後続を引き離して1馬身半差で快勝。上がり34.5秒の末脚の切れも素晴らしいが、行きっぷりの良さが他馬を圧倒していたのが印象的。何だこの馬はというインパクトを受けた人も多いのではないだろうか。久々の出走で絶好調までいかない状態だっただけにこの強さは何と表現していいのだろう。春の古馬G1レースよりインパクトがあるように見えたのは私だけだろうか。

テイエムオーシャンは、昨年のレースでも随所に性能の違い見せていたが、馬体が充実してきたことでさらに能力を発揮できるようになってきた。昨年の有馬記念でも3,4コーナーで控えなければ、マンハッタンカフェと際どい競馬ができたと思うが、そのときのレベル以上になった今なら牡馬相手でも全く問題ないだろう。メジロドーベル、エアグルーヴ、ヒシアマゾンなどの数々の名牝を見てきたが、テイエムオーシャンと同じようなイメージの馬はこれまでいない。既に名牝のレベルまで達していると言ったら言い過ぎだろうか。

テイエムオーシャンはこの秋、天皇賞秋→ジャパンC→有馬記念と王道を進む。レースの直前にならないとはっきりしたことは言えないが、春のG1で好走した馬が出走してきても負けることがないような気がしている。今年は中山で行われるだけに先行してこの脚を使われたら、差し馬が差し切るのは難しいだろう。そういう意味も含めて、テイエムオーシャンを負かすとすれば、怪物エアエミネムか、成長力溢れるローエングリンとみている。この2頭が完調で出走してくるとレースが面白くなる。
テイエムオーシャンは使い込むと馬体がだんだんこじんまりとして威圧感が薄れてくるので、そのあたりが今年はどうかというのがポイントになる。馬体が充実した今なら大丈夫な気もするが、天皇賞秋→ジャパンC→有馬記念というステップは想像以上に厳しいもの。そのあたりを十分に注意して見ていきたい。このまま順調にいけば、メジロドーベルのG1-5勝を越える可能性は十分。この秋は名牝テイエムオーシャンの走りをしっかり目に焼き付けたい。名馬を見ることが相馬眼を養うのに最も役に立つはずだ。

★テイエムオーシャン
牝4歳 鹿毛
[西]西浦勝一
馬主:竹園正繼
父:ダンシングブレーヴ
母:リヴァーガール
母父:リヴリア
全成績:7-0-2-2
誕生日:1998/4/9

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