フェブラリーS
2000/02/20 東京競馬場 ダ1600m

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相馬眼予想

 東京ダ千六は最初に芝を走るため、スピードの違いでキョウエイマーチが逃げ、 オリオンザサンクスとアローセプテンバーが追いかける展開。特にオリオンザサンクスは、 ハイペースで粘り込む脚質なだけに、今回もあくまで自分の形にもって行こうとするはずで、 キョウエイマーチとの逃げ争いは避けられそうにない。オリオンザサンクスがあまりに 強引だとキョウエイマーチも鼻を譲るだろう。いずれにしても、スタート直後からハイペース は間違いないところ。また、天気が下り坂で昼まで雪の予報。馬場の悪化も避けられない 状態で脚抜きのいい馬場になりそうだ。こうなると狙いは、ダート重での実績馬でかつ スピード決着にも絶えられる先行馬だ。展開はハイペースでも中途半端な追い込み馬では、 届かないだろう。

 ◎メイセイオペラ  東京大賞典11着と厩舎の弱気なコメントで人気がないが、 いうまでもなくダート実績はここでは1番だ。特に今回と同じ条件のダート千六は6戦全勝、 ダート重は7戦全勝と適性は完璧だ。競馬新聞等では、状態は良くないと報じられているが、 実際見てみると調教も良く見え、馬体の張りや毛づやも良く映り、状態に関しては、問題ないと見た。 激しい先行争いを伏し目に道中は7、8番手を進み 4コーナー手前から一気スパートし、直線で早くも抜け出すメイセイオペラが1着でゴール。 前走の負けだけでダート実績馬を評価していけないのは、今までのダート実績馬がそれを 示している。大敗しても、その負けの原因がはっきりしていれば、その次のレースで 巻き返せるものだ。ホクトベガ、アブクマポーロ、ロジータが芝のレースで大敗しても、 自分の庭に戻れば、必ず楽勝している点を見逃す手はない。厩舎側は精神面を心配しているが、 G1のファンファーレと歓声を聞けば、名馬の闘志が戻らないわけがないだろう。

 ○シンボリインディ  東京新聞杯はまさかの9着と敗れたが、 こちらも原因がはっきりしており、ダート適性さえあれば、問題なくクリアできると見た。 北Cコースでのダート調教での脚捌きを見る限り、ダートに不安はない。それどころか、 軽い脚捌きが目立ち適性はあると見る。何より、前走よりも前脚の出がスムーズになり、やや前傾 気味の走法になってきた。目つきもギラギラしており、叩き3戦目でやっと本調子になったか。 初ダートだが、馬込みを気にしないこの馬には多少の砂も平気か。昨年のマイルCは、発表は良 でも馬場は荒れており、それを馬込み絶え、一気に抜け出した脚は素晴らしいの一言。 今回は人気もないだけに横山典騎手も気楽に乗れ、本来の末脚を見せてくれるだろう。

 ▲ファストフレンド  最内枠だけに包まれるのを嫌って、早めの 競馬になるが、状態が絶好、コース実績と狙い目は十分。東京大賞典でワールドクリークに 食い下がった脚と根性は、まさにG1級。蛯名騎手騎乗で5戦全勝なのも、大きな武器だ。

 △キョウエイマーチ  7歳牝馬にして、前走の京都金杯のインパクトのある勝ち方は素晴らしいの一言。破った 相手もアドマイヤカイザー、ロサードと千六では 一線級なだけに内容のある勝利。桜花賞を勝つ前に4歳牝馬特別をぶっちぎりで勝ったレース を思い起こさせる。次走は不良馬場の桜花賞だっただけに同じサイクルにはまるか。 調教からも今が絶好調だが、ただあまりに絶好調過ぎると、馬が入れ込んだり、騎手も色気を 持ち、良くない傾向があるだけに4番手に狙いを下げた。脚抜きの良い馬場でスピードの 持続性を生かした逃げを打ち、先行、差し馬がけん制し合えば、逃げ粘りもあるだろう。

 気分は馬連の60倍で大勝負と行きたいが、ワイドで24倍つくなら、確立の高いワイドで勝負!

    勝負馬券:ワイド メイセイオペラ − シンボリインディ

     ◎メイセイオペラ
     ○シンボリインディ
     ▲ファストフレンド
     △キョウエイマーチ

レース結果

着順 予想 枠番 馬番 馬名 騎手 重量 体重 増減 タイム 人気
1   7 14 ウイングアロー ペリエ 57 456 -18 1:35.6 4
2   3 6 ゴールドティアラ 武 豊 54 446 -16 35.7 2
3 1 1 ファストフレンド 蛯 名 55 502 +4 35.7 7
4 8 15 メイセイオペラ 菅原勲 57 504 +10 35.7 3
5   7 13 セレクトグリーン 後 藤 57 512 -2 35.9 11
6   3 5 オースミジェット 四 位 57 526 -2 36.2 8
7   6 12 アローセプテンバー 左 海 57 470 0 36.2 9
8   5 10 ビーマイナカヤマ 鹿 戸 57 478 -2 36.5 12
9 5 9 シンボリインディ 横山典 56 460 0 36.5 5
10   2 3 バトルライン 岡 部 57 498 +2 36.7 14
11 4 8 キョウエイマーチ 秋 山 55 502 0 36.8 6
12   4 7 テセウスフリーゼ 横山義 57 494 0 37.1 16
13   1 2 キングヘイロー 柴田善 57 494 0 37.2 1
14   6 11 レッドチリペッパー 藤 田 54 480 -2 37.2 10
15   2 4 オリオンザサンクス 早 田 56 524 -8 37.5 13
16   8 16 メイショウモトナリ 江田照 57 522 +5 38.8 15

単勝複勝枠連馬連ワイド
14番14番6番1番 3- 7 6-14 6-14 1-14 1-6
710円190円200円270円880円1530円600円1030円830円

レース回顧

 雪は降ったが、馬場状態は何と良馬場。G1予想も天に見放されたか...。工藤調教師が 2月一杯で引退で最後に花を飾る結果となった。最近、こういうのがやけに多い気がするので、 予想にも競馬界の出来事を少し折り込むか。厩舎が一丸となって攻めに向かうと好結果につな がることも思い知らされた。では、回顧です。

 予想通り、芝のスピードを利してキョウエイマーチが逃げたが、オリオンザサンクスが一気に 交わして先頭。先頭に立つともう抑えは効かず、1000mを57.7秒の超ハイペース。 それも2、3F目が10秒台と凄まじいペースだ。そのため、ペース判断に優れたペリエ騎手、 武豊騎手が後方からの追い込みを決めたのだろう。

 ウイングアローは、最後方から直線を大外一気に 差し切り勝ち。最初の芝コースで脚をとられ、 結果的に最後方からの競馬だが、直線までガマンにガマンして末脚に賭けたペリエ騎手の好騎乗 だろう。東京ダ千六の直線で最後方から、それも外に持ち出すロスがありながら、差し切るのだから 恐れ入った。直線でのムチはあの南井騎手を彷彿させるほどの迫力で、TVの正面からの映像で は、ムチを入れる手が肩まで上がっていた。南井騎手が乗っていた時に走っていただけに、 馬もあの迫力ある追いに目覚めたのだろう。厩舎がペリエ騎手を騎乗させた理由までは 気づかなかった。馬体は−16キロとまさに究極の仕上げで厩舎の努力がそこにも感じ取れた。 このG1勝ちで目指すはJCダートか。ただし、JCダートではマチカネワラウカドが大きく 立ちはだかることを今から予言しておく。2頭の末脚比べを見てみたいものだ。

 ゴールドティアラは、道中12番手から直線追い 込み2着を確保。ファストフレンドとの壮絶 な叩き合いを征しただけに価値がある。さすがに武豊、現時点でのこの馬の力は出し切っている。 馬体は−16キロでギリギリに映り、仕上げが万全ではなかったのを浮き彫りにした。それでも これだけ走るのだから立派だ。

 ▲ファストフレンドは、芝で置かれて後方からの 競馬だったが、直線追い込んで3着。陣営の 作戦は最内だけにある程度先行する予定だったが、まさか芝に戸惑うとは。結果的には、 後方からの競馬で3着したのだから、よかったように思えるが、本来は好位差しだけに中団 くらいにつけていれば、2着はあったかもしれない。7歳牝馬だが、ここにきて更に力をつけて いるようだ。パドックでも馬体のバランス、柔らかさが感じられ、好調をアピールしていた。 好きなタイプの馬体の作りだ。目指すは大井の帝王賞か。がんばってもらいたい。

 ◎メイセイオペラは、超ハイペースを3番手で 進み、直線先頭に立つが粘りきれずに4着。 この超ハイペースを正攻法で先行してここまで粘るのだから能力は一番か。4コーナーで 上がって行き、直線で抜け出すときの手応えには、ほんとうにしびれた。馬体は+10キロ で陣営が言っている通り、追い切りが1本足りなかったか。それでも、太め感はないし、 踏み込みも良く、とても不調には見えなかった。最後は差されたが、この馬自身は止まって いなかっただけに非常に残念。次走は、自分の庭に戻るだけに楽勝するだろう。帝王賞に出走 したら、応援に行きたい。あのしびれるような手応えと最初にゴールする姿を見に...。

 ○シンボリインディは、先行し3、4コーナーで 少々抑えたが、直線伸びずに9着敗退。 初ダートだけに道中は外を周って欲しかったが、東京新聞杯での出来事から内に入れたのか? 直線もせめて外から追い込んで、競い合う形にすればもう少し着順を上げていただろう。 それにしても、走らなすぎで、そろそろ早熟と言われても仕方がないか。マイルC2着のザカリア も古馬には歯が立たなかったので、2頭ともこの結果だとレベルが低かったのか。 しかし、馬体、気配、走法からは、まだ捨て切れない。調教で一杯に追ったときに買うことに したいが、藤沢流からするとこのまま馬なり調教かもしれない...。早く目覚めろインディ。

 今年も芝の実績馬が好走できなかったところを見るとハードルは相当高いのだと認識した。 来年は、この点を要チェックし、思い切った予想をしていきたい。今年は、シンボリインディに 騙されたが、この借りは、インディ自身に芝のレースで返してもらうことにしょう!


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