桜花賞
2000/04/09 阪神競馬場 G1 芝1600m

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レース展望

<4月6日>
サイコーキララ調教絶好ですね。顔つきも名馬のそれになって来ました。 馬体、走りともに昨年のフサイチエアデールと似た雰囲気を感じています。 馬には死角がないだけに石山騎手が普通に騎乗できれば勝てるでしょう。
シルクプリマドンナも調子の良さが目立ちます。陣営によると前走は 歯替わりでカイバが落ち、ソエも痛がっていたようです。それでもあの レースぶりなら、好走してもおかしくないも。ただ差し脚が課題です。
レディミューズは、馬体の張り良く、調教も気合満点で好調。岡部騎手 は桜花賞を勝っていないそうだ。昨年のスティンガーのリベンジなるか? 母シンコウラブリイにお世話になったので、心が動いている人も多いはず。
フューチャサンデーは、馬なり調教だが、出来はまずます。まだこれから すごく成長しそうな馬体。少し細いが、切れ味がありそうなトモの作り。
チアズグレイスは、ラストの切れもあり復調気配。千六が適距離なだけに 復活するか?ただ最近の桜花賞では前走4着以内が目安なだけに、、、

<4月7日>
抽選での出走は、マヤノメイビー(幸)、パールビコー (上村)の2頭に決定! スギノオトヒメは調教絶好も出走できず。
抽選出走のマヤノメイビーは、阪神3歳牝馬Sの3着馬。差し脚が強烈なだけに 恐〜い馬。
サイコーキララ石山騎手の阪神千六の成績は、なんと39戦0勝でした。 本命にする人は、見なかったことに、、、、。

相馬眼予想

 なかなかの好メンバーが揃った桜花賞。どの馬の順調な調整が出来ており、 実力は出せそうだ。今回のポイントは、サイコーキララの石山騎手がどんな騎乗を するかということ、というよりむしろ緊張せずに普通の騎乗ができるかということ。 初G1騎乗で断然の1番人気。緊張しない方がおかしいくらいである程度は仕方 がないが今の精神状態なら大丈夫だろう。石山騎手の阪神千六の成績は00039で 4着が最高。それがなんとチューリップ賞のファレノプシスなのだからおもしろい。 この壁をいかに乗り切るか、石山騎手の騎乗が問われるが、今回の石山騎手は、 ほぼ万全の騎乗ができる見た。では、予想です。

 断固とした逃げ馬不在でペースがつかみにくいレース。ただ松田国厩舎の2頭 ジョーディシラオキ、オリーブクラウンは、前走で逃げて好結果を上げている点 から今回は逃げるだろう。同厩舎の2頭が競う合うこともないため、ペースは平均 程度で落ち着いたペースになるだろう。仮柵を外した内側は馬場状態も良く、内枠 の馬はそのまま内でスムーズに進めたい。内からシルクプリマドンナが先行し、 差し脚が魅力のレディミューズも今回は内枠だけに先行するだろう。サイコーキララ も道中は中団より前につけて流れに乗り、4コーナーでいつもより若干スパートを 遅らせて直線先行馬をまとめて交わす騎乗。差し馬はサイコーキララを徹底マーク し、直線で差し切る騎乗。現時点での能力と完成度は誰もがサイコーキララが1番 と認めているだけに、負かしに行っては勝てないのは承知している。そのため、 一瞬の差し脚でゴール前少しだけ交わす騎乗になるだろう。  こんなレース展開で有利なのは、後ろから追い込む馬より、コースロスなく内を まわり、直線である程度の差し脚を使える馬だ。差し馬なら、中団で進められ 切れ味で勝負するタイプが好走するチャンスがある。

 ◎サイコーキララ  この馬のいいところは、抜群の 競馬センスと馬体が素晴らしいところ。新馬戦で見せた直線での馬群を割るとき の姿は印象的でとても初出走とは思えないレースぶり。何より涼しい顔で馬群を 割ったのだから恐れ入る。この時点で相当な競馬センスを感じたが、その後の レースでも、内から差したり、外から追い込んだりと競馬センスの良さを随所に 見せている。この競馬センスの良さは、今回の多頭数のレースでは大きな武器だ。 また馬体の作りも非常に目につき、皮膚の薄いところ、風格ある顔つきにも一流 馬のそれを感じる。パドックでも落ち着いて周回し、精神面でも文句はない。 まさにG1馬にふさわしい馬だと言っていい。調教は直線でムチを入れ一杯に 追い鋭く加速しており、体調も絶好と見る。道中は中団より前につけ、馬込みで じっと我慢し4コーナーからスパートするサイコーキララが先行馬をまとめて交わし1着でゴール。 直線で先に抜けた馬に馬体を合わせ、競い合う形になれば負けることはない。 石山騎手も言っているが、馬がゴールを知っているので最後はきっちり差し切れる。 石山騎手にかかるプレッシャーは相当なものだが、ファレノプシスで味わった 屈辱をバネに精神的にたくましくなっており、ここで失敗することはないだろう。 自分のために勝ちたいという考えから馬のため関係者のために勝ちたいと意識が 変わって来ている点に注目したい。浜田調教師の師匠としての熱い思いには心が打たれる。

 ○シルクプリマドンナ  2着は内をスムーズに進められるシルクプリマドンナとレデイミューズが候補。 非常に迷ったが調教でキビキビとした動きを見せたシルクプリマドンナの 上積みを上位にとる。新馬戦で見せた2.7秒ぶっちぎりはスゴイの一言。今までの 名馬が新馬戦で大きな差をつけて勝っている点からもこの差は能力の証。前走の 4歳牝馬特別は、歯替わりによる馬体減、ソエによる調教軽めととても万全では なかったのにも関わらず、サイコーキララと0.3秒差の2着。それも初芝での ものだけに価値がある。今回は馬体もフックラと回復し、調教も一杯に追っている ので上積みは相当大きいと見る。見逃せないのは、4歳牝馬特別で3着のエアトゥーレ に騎乗した武豊騎手が直線で前を行くシルクプリマドンナを見たときの顔。初芝で ハイペースを先行して最後もバテていないのだから、相当走る馬だと実感したのだろう。 それくらい体の芯がしっかりとした馬なのだ。道中は馬場の良い内をまわり脚を温存し、 直線で早めに抜け出すシルクプリマドンナが2着を確保する。ノーザンダンサーの肌に ブライアンズタイムというのは、あのナリタブライアンと同じ血統構成。芯の強さは ここから来ているのだろう、特に4歳時の強さは本物と思った方がいい。 ナリタブライアンの近親ファレノプシスが桜花賞1着。ファレノプシスといえば、 石山騎手の4歳牝馬特別。なにかの巡り合わせがあるか?

 ▲レディミューズ  チューリップ 賞で追い込みが目立ったが、本来は先行抜け出しがこの馬には合いそう。今回は 内枠を引いただけに先行してバテばい強みを生かす騎乗で活路を開く。調教は 相変わらず藤沢流の馬なり調整だが、予定通り順調に追われている点と馬体の張り がある点を評価したい。昨年のスティンガーと違って、精神的な落ち着きもあり、 馬込みも気にしないのなら、十分好走できるだろう。母が名牝シンコウラブリイと いうのも魅力で非常に気になる存在だ。

 △マヤノメイビー  阪神3歳牝馬Sで直線鋭い追い込み を見せて3着。4コーナーから直線ですこしご茶ついたため3着だったが、まとも なら勝っていたかもしれない。それくらい強烈な末脚の持ち主だ。今回は休み明け となるが、調教は悪くないというよりむしろ良く見えた。坂路を駆け上がるときの 前脚の捌きは非常に鋭く、これが休み明けの馬かと思わすほどのもの。少しでも ペースが上がり、またスムーズな競馬ができれば、まとめて交わす差し脚を持っている だけに恐い馬。ただし今までのレースぶりから、少しズブいところがあり、流れに 乗れるかが心配なため、少し狙いを下げた。抽選出走のツキを生かせるか?

    勝負馬券:馬連 サイコーキララ − シルクプリマドンナ

     ◎サイコーキララ
     ○シルクプリマドンナ
     ▲レデイミューズ
     △マヤノメイビー

レース結果
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 着 予 枠 馬       馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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  1    4  8  チアズグレイス   牝 4 55.0kg  松永幹夫 1:34.9 490Kg -16  6  
  2 △  6 11  マヤノメイビー   牝 4 55.0kg  幸英明  1:35.1 448Kg   0  7  
  3 ○  2  4  シルクプリマドンナ 牝 4 55.0kg  藤田伸二 1:35.1 422Kg  +4  3  
  4 ◎  7 13  サイコーキララ   牝 4 55.0kg  石山繁  1:35.2 480Kg   0  1  
  5    1  2  サニーサイドアップ 牝 4 55.0kg  四位洋文 1:35.4 432Kg  +2  8  
  6 ▲  3  5  レディミューズ   牝 4 55.0kg  岡部幸雄 1:35.4 466Kg   0  2  
  7    6 12  スプリングガーベラ 牝 4 55.0kg  後藤浩輝 1:35.6 432Kg -12 12  
  8    2  3  ベルグチケット   牝 4 55.0kg  柴田善臣 1:35.7 420Kg  -8 11  
  9    5  9  ジョーディシラオキ 牝 4 55.0kg  武幸四郎 1:35.8 430Kg  +4  9  
 10    5 10  オリーブクラウン  牝 4 55.0kg  的場均  1:35.8 446Kg  +8 10  
 11    8 16  エアトゥーレ    牝 4 55.0kg  武豊   1:36.3 436Kg  -2  4  
 12    1  1  アカズキンチャン  牝 4 55.0kg  熊沢重文 1:36.3 452Kg   0 13  
 13    7 14  エンゼルカロ    牝 4 55.0kg  田中勝春 1:36.4 442Kg  +4 14  
 14    4  7  グロウリボン    牝 4 55.0kg  松田大作 1:36.5 474Kg  -2 18  
 15    8 17  フューチャサンデー 牝 4 55.0kg  横山典弘 1:36.5 436Kg  +4  5  
 16    8 18  カシノエトワール  牝 4 55.0kg  安藤勝己 1:36.9 456Kg  +4 17  
 17    3  6  アルーリングアクト 牝 4 55.0kg  秋山真一 1:37.0 400Kg  -6 15  
 18    7 15  パールビコー    牝 4 55.0kg  上村洋行 1:40.2 448Kg  +6 16  
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 天候:晴  芝:良  
 ハロンタイム  12.5 - 11.0 - 10.9 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 12.1 - 12.6  
 上り  4F 48.6 - 3F 36.7 
 2コーナー  (3,*9)(5,7,8)11(1,4,10,12)(2,13)14,18-(6,16,15,17)  
 3コーナー  9(3,8)(5,7,10)(4,11)(1,13)(2,12)14-(18,16)-(17,15)-6  
 4コーナー  (*9,3,8)-(5,10,11,13)(7,4,12)(1,2)14,16,18-17,6-15  

 <払戻金> 
 単勝 08 1,590円 6番人気  枠連   4- 6 7,130円 24番人気
 複勝 08   380円 6番人気  馬連  08-11 8,010円 27番人気
    11   530円 7番人気  ワイド 08-11 2,060円 25番人気
    04   240円 2番人気      04-08 1,200円 13番人気
                       04-11 1,550円 18番人気

レース回顧

 サイコーキララの石山騎手、またも4着と結果を出せなかったが、騎乗は特に大きな ミスもなく、まずまずの騎乗で問題なかった。少々緊張気味でそれが馬に少し伝わり、初めて ゲート入りをやがったが、断然の1番人気なのだから、この程度は仕方ないだろう。 あの武豊でさえも、致命的な出遅れで敗れ去ったのだから、、、。この経験を胸に石山騎手の 巻き返しに期待したい。オークスに出走してくれば、掛かる馬ではないので十分勝負に なるはずだ。では、回顧です。

 チアズグレイスは、好スタートから2,3 番手を先行し、直線突き放す競馬 で1着。先行し馬場のいい内を通るスムーズな競馬で4コーナーの手応えは抜群。 直線も馬場のいい内を通り、後続を見事に完封。考えられた騎乗で松永幹夫騎手の ファインプレーだ。牝馬のレースは強い。馬体重は−16キロで待望の490キロ台。 3週連続で強めに追った効果が表れ、すっきりとした腹構えは好感が持てた。調教が しっぽを振り、行儀の悪さが目に付いたが、長い前脚の捌き方は鋭かっただけに、 やはり好調だったのだろう。ただ、あの調教を強く推すのも非常に難しいことだ。 今後はオークス直行するそうだが、暖かくなるにつれ馬体も更に引き締まるので 馬体面では問題なさそうだ。ただし現時点の走法は、馬体を持て余している感がある ので、距離が伸びると苦しいかもしれない。

 △マヤノメイビーは、予想外にも6番手と 先行し、直線でシルクプリマドンナ の追撃を凌ぎ2着確保。休み明けだが、馬体も太くなくほぼ万全の仕上がり。阪神3歳 Sで小差3着の実力を見せつけた。今までは追い込む競馬だったが、今回は先行する 競馬で末も伸びたのだから、気性面も成長しているのだろう。パドックでは、トモの 作りの良さと踏み込みの力強さが目についた。休み明けでこれだけ走るのだから、 末恐ろしいタイプか?父ミスワキ、母の父ニジンスキーでオークスはいかにも向き そうだ。器用なタイプではないので、末脚を十分に生かせる東京コースは向くだろう。

 ○シルクプリマドンナは、サイコーキララを 意識したのか、中団で控え、 直線で外に出し追い込む競馬で3着。内枠のため、先行する競馬を想定していたが、 やや後ろ過ぎた感。それでも直線で狭いところを割ってきた伸び脚は素晴らしかった。 前走で負けたサイコーキララを唯一差し切ったのだから、評価できる。馬体は小さいが 芯がしっかりした馬でこれから活躍できるだろう。パドックでも首の振り具合が、 いかにも好調と思わすもので、キビキビとした動きに好感が持てた。ただソエの治療の 跡はまだあり完治の寸前の状態か。これが直れば、更に鋭い脚が使えるだろう。 今回初めて差す競馬で鋭い差し脚を使えた点は、オークスで大きな武器になるだろう。

 ◎サイコーキララは、中団より後ろから進め、 3コーナーから一気にスパート し直線伸びるも4着まで。石山騎手は最初から抑える競馬をすることを決めていたのか、 いつもより後ろの位置どり。予想では、いつも通り先行し勝負所でひと呼吸おいて 追い出すことを想定していたのだが、、、。それでも、3コーナーから上がっていく姿 は迫力があり、走る馬だと再認識させられた。直線で外によれたのを距離が長いと見る 人もいるが、ちょうど馬場の悪いところ通り、豪快に捲くったのだから、仕方がない ことで、距離ではないだろう。パドックでは、1点の曇りもない素晴らしい仕上がりで 完璧だった。それでも勝てないのだから、競馬は難しい。 オークスに出走するかは分からないが、折り合いは付くだけにリンドシェイバー産駒でも 距離はこなせるだろう。4歳牝馬同士なら、あまり距離は気にしなくてよいことを 過去の好走馬が証明している。陣営は今回の敗戦で燃えているに違いない。距離延長の 課題に向け、どんな調教をしてくるか、チェックして行きたい。

 ▲レデイミューズは、予想通り、馬場の良い 内を通り先行するも直線の伸び がイマイチで6着敗退。今まで早いペースのレースを経験していなかっただけに馬が 戸惑った感じ。また直線で伸びなかったのは、現時点での完成度の差なのだろう。 馬体はふっくらして良く見せており、作り自体はいいものがある。血統的にもこれから 成長していいレースを見せてくれるだろう。レース経験を積めば、強くなる馬。


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