皐月賞
2000/04/16 中山競馬場 G1 芝2000m

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レース展望
<4月11日>
今のところ、◎ダイタクリーヴァ、○フサイチゼノン、▲エアシャカールです。
ダイタクリーヴァとフサイチゼノンの顔つきから、名馬のそれを感じます。
恐いのは馬体の成長度が見込めるエアシャカール。精神的にも幼いが、 これから1番成長しそうだ。器用さも欠けるだけに東京コースのダービーが狙いか。 今回の調整は、過程も含め要チェックです。

<4月14日>
フサイチゼノンが謎の回避で混戦模様。これでダイタクリーヴァが断トツ人気に なると高橋亮騎手も少々乗りづらくなるだろう。それでも、ダイタクリーヴァは 調教絶好で体調は万全。調子が良すぎてタイムが出過ぎたため、逆に当日のコズミ が心配になったが、前日追いでチェックすれば、問題ないだろう。
エアシャカールも馬なりで52秒を出しており、こちらも調子は上々。弥生賞は 厳しいレースだったが、この馬は休み明けでひと捲くりの競馬だっただけに それほど疲れはなかったようだ。相変わらず、馬体の作りは目立つタイプ。
アタラクシアの馬体の良さが目に付く。馬力タイプなので、今の馬場は合いそう。 ただし、レースの流れが早くなったときに鋭い脚を使えるかが課題。
好走しても人気にならない地味な馬パープルエビスとチタニックオーも順調。 混戦になるとなぜか2着に来るタイプで今回も当然人気はないが少々注意は必要。

相馬眼予想

 土曜日の雨は相当量で元々悪い中山の馬場は更に悪化の傾向。土曜のレースは馬場が 荒れていても内側を通った馬、それも先行馬の好走が目立った。芝のいい外が伸びない のは、芝が長い分、逆に力のいる馬場になっているのだろう。これから降る雨でどこま で馬場が悪化するか、更に悪化すれば、土曜日の傾向と逆になることもありえる。 ただし、日曜の朝には雨が上がる予報なので、馬場は土曜と同じくらいか少し重い状態 と考えて良いだろう。そうなれば大外一気の追い込み馬より、ある程度先行できて直線 で先に抜け出す馬が有利になる。

 逃げ馬が不在だが、スプリングCで逃げて2着のパープルエビスが内枠を引いたので これが逃げることになるだろう。これにジョウテンブレーブ、タイムリートピック、 アタラクシアが先行勢を構成する。弥生賞と同枠のジョウテンブレーブは、前走内で包 まれただけに今回は積極的なレースをするはずだ。タイムリートピックは、切れる脚が ないので先行して粘り込む競馬で、アタラクシアは有力馬が差し馬なだけに先行して先に 抜け出し粘り込む競馬だ。パープルエビスは平均ペースに強い先行馬なので、ある程度、 後続に脚を使わす競馬をするはずで、スローペースにはならないだろう。馬場悪化も 考慮するとペースは平均ペースで一貫したラップで進む展開と読む。各馬は3コーナー 手前から一気にペースアップし、G1レースだけにかなり厳しいレースになり、最後は 実力がものをいうレースになるだろう。

 ◎ダイタクリーヴァ  シンザン記念、スプリングCを連勝したレースぶり、 馬体、走法、顔つきとどこをとっても一流馬のそれを感じずにはいられない。また頭の いい馬で今まで与えられた課題を1つずつ確実にクリアしている点も見逃せない。 騎手の指示に素早く反応し、鋭い脚を繰り出す競馬センスは、多頭数のレースでは信頼 度が増すのは間違いない。前走は皐月賞を意識してプラス6キロとやや余裕残しの仕上 げ。今回は強めの調教で馬体も絞れ、動き、気配ともに万全の仕上げだ。不安はゲート と重馬場と言われているが、ゲートは十分に練習して前走でクリアできたと見る。重馬 場は、飛びが大きいだけに得意とは言えないが、つなぎの柔らかさと前脚の捌きから 十分にこなせると見る。道中は先行馬の後ろの6,7番手を進み、3コーナー手前から 徐々にスパート。4コーナーでのスピードをそのまま直線につなげる騎乗で直線鋭く伸 びるダイタクリーヴァが1着でゴール。現時点での完成度は1番でここで負けるわけが ないだろう。父フジキセキが成し得なかったクラシック制覇を見事に達成する。騎乗す る高橋亮騎手は「どんなライバルがいたとしても、最低限は自分の力、技術や精神力を 出すことが一番大事」と言っており、プレッシャーに押し潰されることはないだろう。

 ○アタラクシア  すみれSで見せた先行しての鋭い末脚は 素晴らしかった。直線でまだ余裕があったところに注目したい。また頭を下げての走法 から、よほど心肺機能が強いことが伺える。G1の厳しい流れでは、この心肺機能の 強さは頼りになるものだ。調教は、軽い脚捌きで直線鋭く伸び、また毛づやも良いので 誰が見ても好調と見える状態。道中は3,4番手で進め、4コーナー先頭集団に取り付 き、直線でいち早く抜け出す騎乗。今の馬場にも合いそうなタイプで2着は確保する。 ダイタクリーヴァに少しでも不利があれば、こちらが勝つだろう。

 ▲エアシャカール  弥生賞で見せた息の長い末脚は、 この馬の成長を示すもので、ここで十分に通用することを裏付けた。ただし休み明け のためか、パドックでは飛び跳ねて気性が悪いところを見せていたのが気になる点。 武豊騎手は弥生賞で脚を測った感があり、今回は差し切れる位置どりにつけてのレース になるだろう。調教は馬なりだが動きは良く、調子は悪くない。相変わらず、馬体の 作りは良く見せるタイプで魅力を感じる。末脚勝負でどこまで迫れるか。

 △チタニックオー  弥生賞は離されて6着と負 けはしたが、3,4コーナーで一気に捲くったレースぶりは見所があった。今回は調教を 強化し、今がまさに絶好調。調教で見せる前脚の繋ぎの柔らかさは、父トウカイテイオー のそれを十分に受け継いでいる。人気はないが、好走できる実力はあると見た。 今までにダイタクリーヴァの2着に2回来ているが、ダイタクリーヴァの父フジキセキ の厩舎がチタニックオーの渡辺厩舎で手綱は角田騎手が取っていたというのが面白い。 2度あることは3度あるか。

    勝負馬券:枠連 ダイタクリーヴァ − アタラクシア

     ◎ダイタクリーヴァ
     ○アタラクシア
     ▲エアシャカール
     △チタニックオー

レース結果
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 着 予 枠 馬       馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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  1 ▲  8 16  エアシャカール   牡 4 57.0kg  武豊   2:01.8 492Kg  -8  2
  2 ◎  2  3  ダイタクリーヴァ  牡 4 57.0kg  高橋亮  2:01.8 490Kg  -6  1
  3 △  7 14  チタニックオー   牡 4 57.0kg  角田晃一 2:02.2 478Kg  +2 13
  4    1  2  ジョウテンブレーヴ 牡 4 57.0kg  蛯名正義 2:02.2 472Kg  +6  6
  5    7 15  ヤマニンリスペクト 牡 4 57.0kg  柴田善臣 2:02.3 498Kg   0 11
  6    5 10  エリモブライアン  牡 4 57.0kg  的場均  2:02.4 474Kg   0  8
  7    3  5  パープルエビス   牡 4 57.0kg  石橋守  2:02.5 464Kg  +4  7
  8    6 11  トップコマンダー  牡 4 57.0kg  和田竜二 2:02.6 446Kg  +2 12
  9 ○  7 13  アタラクシア    牡 4 57.0kg  四位洋文 2:02.8 494Kg  -6  4
 10    6 12  ニシノアラウンド  牡 4 57.0kg  藤田伸二 2:02.8 468Kg  -2 17
 11    3  6  タイムリートピック 牡 4 57.0kg  熊沢重文 2:02.9 484Kg -10 14
 12    4  7  リワードフォコン  牡 4 57.0kg  後藤浩輝 2:02.9 468Kg  +6  5
 13    5  9  カネツフルーヴ   牡 4 57.0kg  松永幹夫 2:03.1 514Kg  +2 10
 14    2  4  ピサノガルボ    牡 4 57.0kg  横山典弘 2:03.2 412Kg -14 18
 15    4  8  マイネルチャージ  牡 4 57.0kg  岡部幸雄 2:03.9 454Kg   0 16
 16    8 17  クリノキングオー  牡 4 57.0kg  幸英明  2:03.9 442Kg -12  9
 17    8 18  マイネルコンドル  牡 4 57.0kg  伊藤直人 2:04.7 472Kg  -4 15
 中止   1  1  ラガーレグルス   牡 4 57.0kg  佐藤哲三       450Kg  -2  3
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 天候:曇  芝:稍重  
 ハロンタイム  12.4 - 11.0 - 12.0 - 12.5 - 12.3 - 12.7 - 12.6
          - 12.3 - 12.0 - 12.0  
 上り  4F 48.9 - 3F 36.3 
 1コーナー  5,18,6(3,13)(2,11)(4,12)(9,8)(7,15)10,16,17-14  
 2コーナー  5,18-6(3,13)(2,11)4(9,12)(7,8)(10,15)-16,17-14  
 3コーナー  5,18,6(3,13)2(4,9,11)12(7,8)(10,15)16(14,17)  
 4コーナー  5,6(3,18,13)(2,11)16(4,9,12)(8,15)7(10,17)14  

 <払戻金> 
 単勝 16   340円  2番人気  枠連   2- 8   620円  1番人気
 複勝 16   140円  1番人気  馬連  03-16   720円  1番人気
    03   150円  2番人気  ワイド 03-16   350円  1番人気
    14 1,250円 14番人気      14-16 4,670円 51番人気
                        03-14 4,190円 48番人気

レース回顧

 ラガーレグルスがゲートから出ないで競走中止。ゲートが開く寸前に立ち上げり、 開くゲートにビックリして尻もちをついてしまった。もう少し早く立ち上がって いれば、ゲートも開かなかっただろうに、一番いけないときにだった。ゲートに 乗りかかるラガーレグルスも心配したが、レースが始まっていただけに、ゲートを 動かせないと走っている馬の行き場もなくなるのではと思い、とてもレースを 見れる状態ではなかった。ラガーレグルス、佐藤哲騎手ともに無事ということで、 本当によかった。今後、レースの使い方が非常に難しいと思うが、この課題をクリア して欲しいものです。では、回顧です。

 ▲エアシャカールは、後方3番手を進み、 3コーナーから一気にまくる競馬 で1着。弥生賞で差し脚を測った武豊騎手が、この馬の長所である長くいい脚を使える ところを生かし切った。3コーナーからスピードに乗って、4コーナー手前でその スピードを利用してひと呼吸入れたところが、直線の伸びにつながっている。レース をVTRで見るとひと呼吸入れているのがよく分かる。エアシャカールの長所は、 間歩が大きいため、スピードに乗るとそのスピードを持続できるところ。武豊騎手は、 この長所を見抜いての騎乗、さすがだ。パドックでは、弥生賞よりも入れ込みは マシで馬体も絞れスッキリとした感じ。相変わらず、ほれぼれする馬体で今後の成長 が楽しだ。骨格が大きいため、非常に大きく見せ、レガシーワールドに似た感がある。 これで1冠。皐月賞よりダービー向きなので、普通の状態なら間違いなくダービーで 好走できるだろう。そして武豊騎手のダービー3連覇なるか。今のこの馬の強さと 武豊騎手を止めるには、笠松の勇レジェンドハンターと安藤勝が最も近い位置にいる ことを付け加えておく。

 ◎ダイタクリーヴァは、4番手を進み、 4コーナーの終わりまで抑え、直線 でここぞとばかり内から伸びたが惜しくも2着。内枠のため、馬場の悪い内を終始 走ったことが最後に響いた感じで本当に惜しいレース。4コーナーで外に出せれば、 おそらく勝っていただろう。4コーナーからの加速を直線につなげるのが、この馬 の勝ちパターンで、それを出せなかったのが非常に痛い。しかしながら、勝ち馬と首差 で上位にきたほとんどが追い込み馬だったことからも、この馬の強さが証明された。 パドックでは、落ち着いて気合乗りも良く非常にいい仕上がり。エアシャカールと ほぼ同じ体重だが、こちらはパドックでは小さく見せるタイプで馬体の張りは 素晴らしい。欲を言うなら、もっと毛づやが良くなれば完璧だ。ダービーは距離が 長いと言われているが、折り合いが付くタイプなので、問題ないと考えていいだろう。 ただし、本質的には中距離タイプなだけに、厳しい流れになった場合は、苦しい 競馬になるかもしれない。好きなタイプの馬なので、今後も追いかけたい。

 △チタニックオーは、スタートして すぐに最後方に下げ、道中で脚を溜め、 直線大外を豪快に伸びて3着。直線の伸びは素晴らしく、ゴール前の勢いは勝った エアシャカールをも凌ぐもの。弥生賞では、エアシャカールと一緒に上がって行って 痛い目にあったので、今回は自分の競馬に徹したのだろう。それにしても伸びた。 調教で見せた前脚の繋ぎの柔らかさは、ダテではなかったことを証明した。母の父に リアルシャダイが入っているだけに距離が伸びていいタイプでダービーも期待でき そうだ。地味な馬なだけにダービーでも当然人気はないので、狙っておもしろい。 10戦消化しているが、まだ馬体は幼く、これからまだまだ成長が見込めるところも 魅力だ。

 ジョウテンブレーブは、道中6番手を進み、 直線で一瞬伸びかけたが、 最後は上位と同じ脚色で4着まで。休み明けの前走より、プラス6キロで馬体の張り が少し戻っていた。4着なら好走と言っていいだろう。器用なタイプではないので、東京 スポーツ杯を勝った東京コースがベストコースでダービーは当然好走が期待できる。 この馬は、好調になると顔がふっくらするので、ダービーではぜひチェックして もらいたい。

 ヤマニンリスペクトは、後方から直線だけ の競馬で5着。勝負所で上が って行けなかったところを見るとまだ本調子の一歩手前か。調教でサンデーサイレンス 特有の馬体の良さが目に付きチェックしていたが、やはり走る馬だ。惜しくも ダービー優先出走権を逃したが、トライアルに出走すれば、出走権を取ることも 難しいことではないだろう。それくらい、今後走っていい馬。

 ○アタラクシアは、予想通り4番手と先行し、 直線までじっと我慢し直線 に向き追い出すも伸びを欠いて9着敗退。道中は不利もなく、スムーズに進めたが、 直線の競り合いであっさり負けて伸びなかった。ペースの早いレースを経験して いなかったこと、強い相手と初めて対戦したことで、馬が戸惑ったのだろう。 調教で荒れたウッドコースを一糸乱れなく走っていただけに、馬場は合っていたはず なのだが、、、。パドックを見せた馬体から、かなりのパワータイプという印象を 受けた。今後はスピード面が課題になる。ダービーでは、スローペースになれば、 出番があるかもしれない。


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