天皇賞(春)
2000/4/30 京都競馬場 G1 芝3200m

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レース展望

<4月24日>
いよいよ天皇賞。馬券的な妙味は少ないですが、ぜひ当てたいですね。
  今のところ、ナリタトップロードで勝負することにしています。
テイエムオペラオーが断然の1番人気になります、死角はあるのでしょうか?
  1番人気が死角になるといえばなるか? ただいま、熟考中。
ステイゴールドが大逃げしたらおもしろいと思いますが、どうでしょう?
  好位からでも、厳しいレースになれば、きっと出番はあるでしょう!

<4月26日>
3強はいったいどんな競馬をするのだろう?
テイエムオペラオー
 竹園オーナー「阪神大賞典の乗り方がベスト。本番に向けて、よく頭に入れておけ」
 和田騎手「自分のレースができれば、という気持ちですね」
ナリタトップロード
 渡辺騎手「負け続けているので、工夫して乗らないとダメですね。乗り方ひとつで絶対に 何とかなるんです。今度こそは、勝つ競馬をしたいです」
ラスカルスズカ
 橋田調教師「お母さんの血筋を考えれば、3200mは長いと思うんです。距離的には 宝塚記念の方が向いているように思います」
 武豊騎手「逆転は難しいかもしれないけれど、けっして不可能ではないと思う」

<4月30日>
ナリタトップロードとラスカルスズカの馬連で勝負します!
以下、調教診断です。
ナリタトップロード
 いつもの掻き込む走法が見られ、スピード感もあり、まずまずの出来。 顔つきが少々やせてみえたが、馬体の張り、馬の仕草は好調時のもの。菊花賞を 勝ったときの出来と判断したい。
ラスカルスズカ
 バランスのよい走法、鋭い反応は、間違いなく絶好調。前走からの上積みは1番だ。 強い調教を3週連続やって馬体もかなり絞れている。天皇賞では強い調教をできた 馬が好走することが良くあり、トップロードを逆転するとすればこの馬。
ステイゴールド
 鞍上の指示に鋭く反応し、以前の気の悪い印象を払拭し、精神的な成長が伺えた。 今年のレースぶりがついに調教にまで現れてきた。7歳にしてついに精神的にも 本格化したと思っていい。3強が強引なレースをすれば2着はある。
テイエムオペラオー
 直線で鞍上の指示に応え鋭く伸びタイムはいいが、前脚の出方、首の使い方は 間違いなく前走の方が良く見えた。馬体は少々細く、威圧感が少しなくなっている 印象。ただし、この評価は、1番人気のオペラオーに完璧を求めるがための評価で 心配するレベルではないのかもしれない。それでも、当日の馬体重には注意したい。

相馬眼予想

 世間では3強対決と騒がれている天皇賞。G1を1勝のナリタトップロードとテイエムオペラオー と重賞0勝のラスカルスズカ。このレベルの馬で本当に3強と言えるのでしょうか。 今までの2強、3強対決はその時点でのレベルがもっと高かったような気がしますが、 これからもっと強くなるこの3頭に期待するのは当然のことかもしれない。 実際、3強とステイゴール以外は、とても勝負になりそうもないメンバーで この4頭をボックスを買えば的中は間違いないだろう。ただし、配当的には絞り込ま ないと当然勝ちは見えてこない。展開、調子、実績を元に絞りこむことにしよう。

 展開はトキオアクセルが逃げ、これにタマモイナズマ、レオリュウホウが続くが、 競い合いは避けるために、ペースは平均よりややスローになるだろう。これに ステイゴールドが続き、テイエムオペラオーとナリタトップロードは中団より少し前、 ラスカルスズカは2頭の出方を伺いながら後方に控える。こんな展開で最初にスパート して厳しいレースにするのは、ステイゴールドの熊沢騎手。今回は2着よりも勝ちに 行くレースをするはずで果敢な攻めの騎乗をする。これにナリタトップロードが 得意のロングスパートで続くのだが、2頭の手応えが良ければ、テイエムオペラオーも ついて行かないわけにはいかないだろう。ラスカルスズカは、テイエムオペラオーが 一気にスパートすれば、じっくり抑え、ゆっくりとしたスパートならついていく作戦 になるだろう。

 このような展開で最も有利なのは、自分の勝ちパターンの競馬ができる馬だ。 中でもナリタトップロードは、ロングスパートといってもゆっくりしたスパート で下りで徐々に加速できる点が他の馬にはできない点で、それが自分の勝ちパターン なだけに最も有利となる。テイエムオペラオーは、早めに動くと直線で手応えが1回は 悪くなるところを見ると道中はじっくり抑えて最後の切れで勝負するタイプ。 早めに動くと最後は少し鈍る傾向で、実際ステイヤーズSで早めに動いてペインテッド ブラックに差されて負けている。今回もステイヤーズSと同じで断然の1番人気。 何度も言うが、ステイゴールドが果敢にスパートし、これにナリタトップロードが 手応え絶好でスパートすれば、テイエムオペラオーは必ずスパートする。これが 競馬の芋蔓方式なのだ。そのスパートは、ゆっくりとしたスパートではなく一気に 差をつめるスパートだ。こうなれば、自分の競馬でないオペラオーはもっとも苦しい はずだ。これを跳ね除ける力があれば勝てるが、京都の長距離戦では難しいだろう。 ラスカルスズカは、この展開では3,4コーナーの下りでゆっくりと差を詰め、 直線勝負だ。5戦目の菊花賞で使った末脚は、テイエムオペラオーに見劣ることは なかっただけに、武豊騎手はここに注目した騎乗をするだろう。

 ◎ナリタトップロード  菊花賞の勝ちタイムは平凡だが、3,4コーナーを 1番スムーズに回ったのはこの馬で走法からも京都コースの適性は最もあると見た。 阪神大賞典はテイエムオペラオーに完敗だったが、直前の強い調教で馬体がコズミ 気味で実際パドックで前脚の出が悪くかったのだから仕方がない。こんな状態でも 0.4秒差なら今回は逆転は可能だろう。京都コースを最も得意にする点も強力な プッシュ材料。調教は回転の早いフットワークで掻き込みも鋭く好調なのは間違い ない。何より馬自身がやる気になっている仕草が印象的で今年1番の出来と判断し ていい。絶好調で望んだ有馬記念で折り合いを欠き敗れたときの屈辱を渡辺騎手は を忘れてはいないだろう。この悔しさを胸に今回は緊張よりも、何とかしてやろう という意志の方が強いはず。ついに有馬記念の屈辱を晴らす時がやってきたと見たい。

 ○ラスカルスズカ  3,4コーナーで各馬が動いてもじっくりと脚を溜め、 直線での爆発力にかける作戦で活路を開く。1997年の3強対決で田原騎手の マヤノトップガンが怒涛の追い込みでサクラローレルとマーベラスサンデーを差し 切ったレースと同じイメージ。ラスカルスズカの末脚は、世間では評価されていな いようだが、菊花賞のときの末脚から判断するとこの馬の切れ味は3強の中では 1番と見る。また、内には兄サイレンススズカのスピードも持っており、最後の スピード争いでは一歩も引けを取らない。この天皇賞を目標にゆったりした ローテーションで長距離戦を使ってきた点は評価していい。調教は、スピード感 満点で誰が見ても好調と判断できる出来。3週連続で強く追い、体を絞りに絞っ ている。前走からの上積みならメンバー1番。前走で2頭の脚を測った武豊騎手 は、ゴール前ぎりぎりで先頭に立つ競馬をするはずだ。

 ▲ステイゴールド  上位2頭との差はあるが、テイエムオペラオーの仕掛け が遅れた場合に好走する余地がある。今更、この馬の実力は説明しないが、今年に なってからのレースぶりは、精神面の成長が伺え、7歳になってやっと本格化と 見たい。調教もいつになく真面目に走っており、出走体勢は十分に整っている。 熊沢騎手も今回は期するところがあり、どんな騎乗をするか今から楽しみだ。 できることなら、3コーナー手前で先頭に立って、そこから力で押し切る競馬を 1回はやって欲しいものだ。

    勝負馬券:馬連 ナリタトップロード − ラスカルスズカ

     ◎ナリタトップロード
     ○ラスカルスズカ
     ▲ステイゴールド

レース結果
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 着 予 枠 馬       馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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   1    5  5  テイエムオペラオー 牡 5 58.0kg  和田竜二 3:17.6  468Kg  -4  1
   2 ○  2  2  ラスカルスズカ   牡 5 58.0kg  武豊   3:17.7  478Kg  -2  3
   3 ◎  8 11  ナリタトップロード 牡 5 58.0kg  渡辺薫彦 3:17.8  484Kg  +2  2
   4 ▲  3  3  ステイゴールド   牡 7 58.0kg  熊沢重文 3:18.3  432Kg +10  4
   5    6  8  ホッカイルソー   牡 9 58.0kg  四位洋文 3:18.8  492Kg  -8  6
   6    7  9  レオリュウホウ   牡 6 58.0kg  菊沢隆徳 3:18.9  478Kg -20  5
   7    1  1  テナシャスバイオ  牡 8 58.0kg  武幸四郎 3:19.0  476Kg  +2 10
   8    6  7  トシザブイ     牡 5 58.0kg  河内洋  3:19.3  482Kg  -2  7
   9    5  6  ジョーヤマト    牡 8 58.0kg  須貝尚介 3:19.3  470Kg  +2 11
  10    4  4  トキオアクセル   牡 8 58.0kg  松永幹夫 3:19.5  472Kg  -2 12
  11    7 10  タマモイナズマ   牡 7 58.0kg  小原義之 3:20.5  452Kg   0  8
  12    8 12  ノボエイコーオー  牡 5 58.0kg  小野次郎 3:25.1  480Kg -14  9
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 天候:曇  芝:良
 ハロンタイム  12.6 - 11.4 - 11.6 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.4 - 13.9 - 13.5
            - 13.2 - 12.7 - 12.0 - 11.5 - 11.5 - 11.2 - 11.9  
 上り  4F 46.1 - 3F 34.6 
 1コーナー  10-9-4,11,12,3-5,8,7,2,6-1  
 2コーナー  10-9-4(11,12)3-5,8,7(2,6)-1  
 3コーナー(2周目)  9,11(10,3,5,7,6)12(4,8,2)-1  
 4コーナー(2周目)  (*9,11)5(3,8,7)(4,2,6)-(10,1)-12  

 <払戻金> 
 単勝 05 170円 1番人気  枠連   2- 5 290円 2番人気
 複勝 05 100円 1番人気  馬連  02-05 290円 2番人気
    02 110円 3番人気  ワイド 02-05 130円 2番人気
    11 100円 2番人気      05-11 130円 1番人気
                      02-11 150円 3番人気

レース回顧

 3強対決の天皇賞。結果はその通り3頭で決まり、強い馬が実力通りに強いレースを したのだから、満足できる結果だ。予想は果敢にもテイエムオペラオーを切ったが、 本命にできない理由があったのも事実であり、勝ったテイエムオペラオーを誉めるしか ない。それにしても、テイエムオペラオーの強さは本物でグラスワンダーがあんな状態 なら、間違いなく現役最強だろう。宝塚記念でグラスワンダーとの対決を見たいが使い 込んでいるため、出走しない可能性が高いか。宝塚記念では、ラスカルスズカは適距離 になるため、まとめて交わすならこの馬しかいない。では、回顧です。

 テイエムオペラオーは、道中は7番手でゆっくり と進み、3,4コーナーの 下りで馬なりで徐々に進出。ナリタトップロードを射程圏内に置き、直線で余裕を持っ て追い出すと楽にナリタトップロードを交わし先頭に立つとラスカルスズカの追い込みも完封し 見事1着。断然の1番人気でもこの落ち着いた騎乗ができた和田騎手の冷静さを誉めたい。 向こう正面で超スローペースになり、最後は上がりの決着になったのも、この馬に見方 した。パドックで馬体を見る限り、馬体が少々ガレ気味でトモの張りも絶好調時に比べる と今一歩の感はあったのだが、それでもこの強い勝ち方をみるとこの距離では実力差が あるのは否めない。今年はこの馬を中心に回ることになりそうが、予想は今回同様に 本命にするか切るかで強気に攻めたいと思っている。

 ○ラスカルスズカは、予想通り後方2番手を進み、 追い込みにかける競馬。 3,4コーナーの下りで徐々に進出し、直線で追い込み、ゴール前でナリタトップロード を捕らえて2着を確保。向こう正面であまりにペースが落ちたことが誤算だが、良く 追い込んできている。4コーナーから直線に向くところで上手く馬群を捌いて先団に 取り付いたコースどりは、さすが武豊騎手と思わせるものだった。目立たないが素晴 らしい騎乗だ。直線で追い出すと内によれ、1度立て直す不利があったのが悔やまれる。 あれがなければ、もっと際どくなっていただろう。よれたのは、スローの上がりの競馬 であの位置から33秒台の脚を使っているのだから仕方ないだろう。 順調なら宝塚記念に出走するが、今度は適距離になるので、当然好走するだろう。 兄サイレンススズカとの兄弟制覇に期待だ。そして秋の天皇賞制覇。この目標に向って 更に強くなって欲しいし、それができる馬だと確信している。

 ◎ナリタトップロードは、道中4番手進み、 3コーナー手前から得意のロング スパートで自分の競馬に徹するも3着まで。向う正面でスローに落ちたことで後ろの 馬の追走が楽になったのが、誤算といえば誤算。4コーナーでテイエムオペラオーに 馬なりで接近された時点で負けが確定していた。菊花賞でゴールした直後にテイエム オペラオーとラスカルスズカに交されていた点が今回距離が200m伸びたことで 現実となってしまった。今回のレースを見て、ナリタトップロードの前脚の掻き込み がだんたんと上にあがってきている印象を受けた。上にあがることで脚を早く回転 させることができなくなってきている感がある。この走法は少々強制する必要が ありそうだ。今後は坂路を中心とした乗り込みになるかもしれない。

 ▲ステイゴールドは、道中は内々の6番手 を進み、直線で内を狙った競馬で 直線伸びるも4着まで。3コーナー手前からのスパートせずに積極的な競馬は見られ なかった。向こう正面でペースが落ちた時に抑えずに行って欲しかったと思ったファン も多いことだろう。熊沢騎手は、コースロスなく最内を回ることで逆転を狙ったの だろうが、結果から見るといつもと同じでもう少し工夫が欲しかった。4番人気で 4着と実力通りには走ったので、まだまだ衰えはなく、重賞初制覇となる日も近いだろう。 いつになるのか本当に楽しみだ。


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