NHKマイルC
2000/05/07 東京競馬場 芝1600m

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相馬眼予想

 エイシンプレストンとシルヴァコクピットの回避でやや小粒なメンバー構成と なった今年のNHKマイルC。実力的に抜けた存在がいないため、展開次第で 着順は変わりそうで、これなら前走で連対を外した馬でも好勝負ができそうだ。

 今週からA1コースで馬場の内側は絶好の状態。先行したい各馬は当然この グリーンベルトを通りたいのは明らかで前半はやや早いペースで進む。 ファイターナカヤマ、ユウマ、マルターズスパーブの先行争いで幕を開け、 これに内枠のトッププロテクター、アグネスデジタルが続く展開。各馬の位置 どりがほぼ決まる3コーナー手前ではペースは落ち着くが、それでもG1 レースだけに3、4コーナー中間から一気にペースが上がり、最後は直線勝負 のレースになると見る。こんな展開で有利なのは、馬場のいい内を先行して 流れに乗り、直線で先に抜け出せる馬だ。ただし、先に抜け出すと直線の坂を 登り切ったあとに末が鈍るのも事実で、直線一気の馬に足元をすくわれる 可能性もある。

 ◎マチカネホクシン  朝日杯3歳Sで3着も上位2頭が出走しないの だから、ここでは実績が1枚上。共同通信杯は大外を伸びそうで伸びずに5着 と歯がゆい競馬だったが、冬場でやや重め残りだったのだから仕方ない。前走 のNZT4歳Sでは、最後方からの怒涛の追い込みで2着と復調気配を見せて いる。この時の末脚は他馬が止まって見えたほどで素晴らしかった。この末脚 を生かすレースを武豊騎手はするはずで、道中は後方に控え、4コーナー手前 からスパートし、直線勝負の競馬だ。4コーナーから直線で絶妙なコース取り で最後はきっちり差し切るとだろう。武豊騎手は、今絶好調で競馬が見えてい るのは間違いない。この混戦でこれに乗らない手はないだろう。 調教は、ヤマニンリスペクトの内に合わせて、上々の動きで好調だ。馬体の太 め感もなく、完全に仕上がっている。昨年からの成長という目で見ても、この 馬が1番。ここは人気でも狙う。

 ○ノボジャック  ダートでの実績があるだけに芝ではの印象 があるが、3歳時の京王杯3歳Sで2着と芝でも走れるところを見せている。 朝日杯3歳Sは8着と精彩を欠いたが、中山の大外枠は不利でそれも超ハイ ペースの展開では仕方がないだろう。それより注目したいのは、ヒヤシンスS で前半34.6秒のハイペースを2番手を進み7馬身差で勝ったところだ。 何しろNZT4歳S3着のアグネスデジタルを1.4秒もちぎったのだから 恐れ入った。芝適性があるのだから、ここで好勝負しないわけがないだろう。 今回は絶好枠を引き、馬場のいい内を先行し、直線で早めに抜け出す作戦。 切れる脚がなくても、平均的ないい脚を使えるのがこの馬の特徴。イメージは、 天皇賞(秋)でヤエノムテキの競馬だ。調教は絶好とまではいかないが、力は 出せる出来と判断したい。

 ▲ラヴィエベル  派手さはないが、堅実なレースぶりは目に付く 馬。クイーンCで東京1600mを経験し、2着と実績を残している。馬込み を気にせず馬群を割って伸びる姿に競馬センスを感じずにはいられない。 今回はじっくりと間隔をあけ、調教を強化している点を評価したい。2週連続 で強い攻め馬を消化し体調も絶好。何より、馬に覇気が戻っており、そろそろ 本格化の予感。混戦になればなるほど、競馬センスは大きな武器になるはずだ。

 △イーグルカフェ  NZT4歳Sで7着だが、前走は火事の影響も あって7分仕上げ。今回は目標レースだけに万全に仕上げて望んできている。 共同通信杯で後方一気の追い込みで1着とこれを評価すれば2番人気も当然 か。この瞬発力は認めるが、スピードは前記3頭には劣るだけに狙いを下げた。 平均ペースで流れ、各馬がなし崩しに脚を使う展開になれば、好走する確率 は増すだろう。

 ペースが予想より早くなると追い込み馬が有利で中でも確実に伸びる ミスターサウスポーが恐〜い1頭。 抽選出走によるツキと佐藤哲騎手の 気合は、混戦になればなるほど力を発揮するような気がしてならない。

    勝負馬券:馬連 マチカネホクシン − ノボジャック

     ◎マチカネホクシン
     ○ノボジャック
     ▲ラヴィエベル
     △イーグルカフェ

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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   1 △  6 12 (外) イーグルカフェ   牡 4 57.0kg  岡部幸雄 1:33.5  460Kg  -6  2
   2    2  3 (外) トーヨーデヘア   牡 4 57.0kg  後藤浩輝 1:33.5  492Kg  -8  5
   3 ◎  5 10 (外) マチカネホクシン  牡 4 57.0kg  武豊   1:33.8  484Kg  +2  1
   4    6 11     ミスターサウスポー 牡 4 57.0kg  佐藤哲三 1:34.2  458Kg  +2  6
   5    4  7 (外) スイートオーキッド 牝 4 55.0kg  横山典弘 1:34.3  472Kg -12  3
   6    5  9     プラントタイヨオー 牡 4 57.0kg  武幸四郎 1:34.3  450Kg   0  9
   7    2  4 (外) アグネスデジタル  牡 4 57.0kg  的場均  1:34.3  444Kg   0  4
   8    4  8 (父) ハセノバクシンオー 牡 4 57.0kg  田中勝春 1:34.5  520Kg  -2 16
   9 ▲  7 14 (外) ラヴィエベル    牝 4 55.0kg  小野次郎 1:34.5  458Kg   0 10
  10    1  2     トッププロテクター 牡 4 57.0kg  和田竜二 1:34.6  464Kg   0 11
  11    8 18     ピサノガルボ    牡 4 57.0kg  吉田豊  1:34.7  410Kg  -2 18
  12    8 17 (外) ネオポリス     牡 4 57.0kg  四位洋文 1:34.7  556Kg -14 14
  13    7 15 (外) ダイワカーソン   牡 4 57.0kg  蛯名正義 1:35.0  470Kg  -8  8
  14    3  6     マイネルブライアン 牡 4 57.0kg  北村宏司 1:35.0  510Kg   0  7
  15    8 16 (外) マルターズスパーブ 牝 4 55.0kg  柴田善臣 1:35.5  450Kg   0 12
  16    1  1 (外) ファイターナカヤマ 牡 4 57.0kg  藤田伸二 1:35.6  440Kg  -8 17
  17    7 13     ユウマ       牡 4 57.0kg  江田照男 1:35.8  510Kg +10 15
  18 ○  3  5 (外) ノボジャック    牡 4 57.0kg  菊沢隆徳 1:36.6  456Kg -16 13
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 天候:晴  芝:良  
 ハロンタイム  12.2 - 10.7 - 11.3 - 11.7 - 11.8 - 12.1 - 11.5 - 12.2  
 上り  4F 47.6 - 3F 35.8 
 3コーナー  13(16,17)(2,7,15)(1,4,14)(3,8)(6,12)-9(5,11)10,18  
 4コーナー  (13,*16,17)(2,7,15)(1,4,14)(3,8,12)-6(10,5,9)-11-18  

 <払戻金> 
 単勝 12 430円 2番人気  枠連   2- 6   760円 3番人気
 複勝 12 150円 2番人気  馬連  03-12 1,880円 7番人気
    03 250円 4番人気  ワイド 03-12   790円 7番人気
    10 120円 1番人気      10-12   330円 1番人気
                      03-10   670円 5番人気

レース回顧

 イーグルカフェが混戦レースを制して小島太厩舎G1初勝利。サクラではないが、 初G1だけにこれほどうれしいものはないだろう。それにしてもさすが岡部騎手と 言わんばかりの騎乗でコース取り、仕掛けは完璧だった。かってのライバルの期待 に応えた勝利だけに岡部騎手にとってもまた格別だったろう。では、回顧です。

 △イーグルカフェは、後方を進み3コー ナーから外目を徐々に進出し、 絶好の手応えで直線に向き、大外をじわじわ伸びて1着。スパッと切れなかった のは、1頭で上がって行き合わせる形を取れなかったからで、それでもあれだけ 長くいい脚を使えるのだから大したものだ。最後は内のトーヨーデヘアと際どか ったが、G1勝ちは価値ある1勝。次走は安田記念で古馬と対戦するそうだが、 がんばってもらいたい。ガルチ産駒だけに今が旬なのも付け加えておこう。

 トーヨーデヘアは、中団からの競馬で 直線は前が詰まって追えない状態 があったが、前が開くと馬群を割って伸びて2着。1着とは9cmの鼻差だけに、 ゴール手前で内によれたのが非常に悔やまれる。そこがG1の厳しさと言って いいだろう。馬体の縦の太さとトモの作りは目に付くタイプだが、まさかここで 2着するとは、、、。NZT4歳Sの4着がイマイチ伸び切れない競馬だけに 強く推せなかった。今後は、もう少し馬体に柔らかさが欲しいところ。柔らかさ 出れば、もっと走れそうだ。

 ◎マチカネホクシンは、最後方からの競馬 で3コーナーから徐々に進出。 4コーナーでは内目に進路を取り直線に向くが馬群に詰まって外に出しそこから 追い込むも3着が精一杯。外に出してから一気に伸びたが、坂を登り切ったところ で止まってしまった。相変わらず、一瞬しかいい脚を使えない。器用な脚がない ため、武豊騎手でも馬群を割れずに外に持ち出すしかできなかったのだから仕方 ない。追い込みの同馬にとって東京コースは絶好の気がしたが、一瞬の脚だけなら、 逆に中山、阪神コースの方がいいかも知れない。それでも、一瞬でも切れる脚が あるのは凄いことで、更に切れに磨きをかければ、活躍できるだろう。馬体も 良く見え、まだまだこれから強くなる馬。

 ○ノボジャックは、出遅れ気味のスタート で予想外の後方からの競馬。 直線でも全く伸びずになんと18着のシンガリ負け。出遅れたと言っても、この 結果は情けない。馬体が−18キロも影響したかもしれないが、次走は間違いなく ダートだろう。まずは馬体を立て直して、ダートでの好走が目標。チャンスがあれば 芝に再チャレンジして欲しい。時計が掛かる芝なら好戦できると思うが、、、。


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