オークス
2000/05/21 東京競馬場 芝2400m

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相馬眼予想

 雨が降って馬場悪化が予想されるため、混戦模様のオークス。人気も割れており、 桜花賞馬のチアズグレイスが8番人気となっている。今回のポイントは、桜花賞1番人気 で4着と敗れたサイコーキララをどうするかだ。世間では距離不安がささやかれ、競馬 新聞の予想欄には◎がほとんどない状態。父が短距離馬だということで、距離不安と考え られるているが、競馬はそんなに単純ではないといいたい。唯一の4勝馬サイコーキララ の逆襲に期待する。では、予想です。

 オリーブクラウンとリビングデイライツが逃げてスローペースの展開。馬場も悪いため、 ペースが早くなることもないだろう。ただし、3コーナー手前からは、いい位置につけ ようと各馬動き出しペースが上がる。多頭数の競馬だけに馬込みを気にするような馬は、 ストレスが大きく4コーナーで脱落する。また短距離馬も4コーナーで力尽きズルズルと 下がってくる。これらの馬をうまく捌いて末がしっかりした馬が好走できるだろう。 中でも馬群を割る根性と競馬センスのある馬が最も有利だ。

 ◎サイコーキララ  桜花賞は断トツ1番人気で4着で今回は人気を下げて いるが、好走できる要素は多数あり、間違いなく狙える。まず桜花賞だが、出遅れ気味で 道中は後方から進み、外の馬場の悪いところを通った。3コーナーから11−9−4番手 と捲くって行った姿は凄みがあったし、この馬だけ捲くって行ったところを評価したい。 勝ったチアズグレイスが先行して内のいい馬場を通ったのだから、0.3秒差なら許容範囲 だろう。桜花賞前の金曜日にフケだったことも分かり、それでもこの差なら実力は1番と 見ていいはずだ。次に距離適性だが、父が短距離のリンドシェーバーのため、距離不安が ささやかれているが、こちらも問題ないと見る。まず折り合いを欠いたことがない点だ。 競馬センスが良く、騎手の指示通りに動く非常に賢い馬なので、今回も折り合えるはずだ。また、 馬体は胴長で短距離馬のそれではない。走法も間歩が広いため、ロスなくスピードに乗れ るので距離は問題ないだろう。桜花賞の敗退の後、オークスに向け調教量を増やして距離 に対応するようにしており、1週前調教は絶好の動き。今週は輸送もあるため、静の動き に終始したが、調子は非常にいい状態だ。厳しい調教を耐え抜き、更に完成度を増している。 道中は中団より少し前でじっくり脚を溜め、3コーナー過ぎから徐々にスパート。直線 入り口で先団に取り付き、直線で先行馬をまとめて交わす正攻法の競馬で 1着でゴールする。石山騎手も人気がない今回は焦りもないだろう。普通の騎乗ができれば、 結果はついてくるはずだ。

 ○シルクプリマドンナ  桜花賞で見せた末の切れは素晴らしく、距離が 伸びて更にいいと予感させるもの。中間の調教状態も良く、今回は馬体をふっくら見せて いる。何よりソエが完治してウッドコースで強めの調教ができ、確実にパワーアップ している点は見逃せない。新馬戦のダ千八で2.7秒ちぎったところからも、距離に不安は なく、馬場が渋るのも有利になるはずだ。道中は中団から進め、直線勝負の競馬。 桜花賞より調子はいいので、末の切れは増すはずだ。芝が3戦目でそろそろ走り頃。

 ▲マニックサンデー  未勝利を勝った次走で4歳牝馬特別を制する のだから素質はある。新馬戦で3F34秒の切れる脚を使っている点もプッシュ材料。 ダートのやや重で好走経験もあり、今回の馬場は向くはずだ。また、調教状態もよく、輸送がない点も 有利だ。あとは何と言っても武豊騎手。上位2頭が相当強いだけに負かすのは難しいが、 どんな騎乗をするのか非常に楽しみだ。

 △フサイチユーキャン  4歳牝馬特別は最後方からの競馬で3着。 上がり3Fはメンバー中最速で見所はあった。更に気に入った点は、馬体の作りと 今週の調教。調教は弾むような走りで好調間違いなしだ。走りに柔らかさがあり、 一流馬となれる資質は十分と言える。今回好走できなくても、長い目で見れば、必ず 走ってくる馬だ。今回は最後方からではなく好位からの競馬でどこまで迫れるか。

    勝負馬券:馬連 サイコーキララ − シルクプリマドンナ

     ◎サイコーキララ
     ○シルクプリマドンナ
     ▲マニックサンデー
     △フサイチユーキャン

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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   1 ○  3  5    シルクプリマドンナ 牝 4 55.0kg  藤田伸二 2:30.2  424Kg  +2  1  
   2    6 12    チアズグレイス   牝 4 55.0kg  松永幹夫 2:30.2  490Kg   0  5  
   3    8 16    オリーブクラウン  牝 4 55.0kg  高橋亮  2:30.4  440Kg  -6 16  
   4    1  2    レディミューズ   牝 4 55.0kg  岡部幸雄 2:30.5  466Kg  -2 11  
   5    4  8 (父)グランパドドゥ   牝 4 55.0kg  河内洋  2:30.5  444Kg   0  2  
   6 ◎  1  1    サイコーキララ   牝 4 55.0kg  石山繁  2:30.7  478Kg  -2  4  
   7    5  9    サニーサイドアップ 牝 4 55.0kg  後藤浩輝 2:30.8  430Kg  -2 10  
   8 ▲  2  4    マニックサンデー  牝 4 55.0kg  武豊   2:30.8  474Kg  +4  6  
   9    2  3    フューチャサンデー 牝 4 55.0kg  横山典弘 2:31.0  428Kg  -2  7  
  10    4  7 (市)スギノフォルモーザ 牝 4 55.0kg  的場均  2:31.1  426Kg  +6 17  
  11    5 10    バイラリーナ    牝 4 55.0kg  小林淳一 2:31.2  434Kg  -6  8  
  12    8 18    マヤノメイビー   牝 4 55.0kg  四位洋文 2:31.2  444Kg  -4  3  
  13    7 14    カリスマサンオペラ 牝 4 55.0kg  和田竜二 2:31.3  452Kg  -2 12  
  14    8 17 (地)ジョーディシラオキ 牝 4 55.0kg  武幸四郎 2:31.7  430Kg   0 15  
  15 △  6 11    フサイチユーキャン 牝 4 55.0kg  千田輝彦 2:31.7  458Kg  -2  9  
  16    7 13    グロウリボン    牝 4 55.0kg  田中勝春 2:32.6  472Kg  -4 18  
  17    7 15    サマーベイブ    牝 4 55.0kg  吉田豊  2:33.1  436Kg  +2 13  
  18    3  6 (父)リビングデイライツ 牝 4 55.0kg  中舘英二 2:33.5  452Kg   0 14  
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  天候:曇  芝:稍重  
  ハロンタイム  12.4 - 11.4 - 12.6 - 13.6 - 13.5 - 13.0 - 13.1 - 12.7 - 12.6
                      - 12.3 - 11.2 - 11.8  
  上り  4F 47.9 - 3F 35.3 
  1コーナー  2,16,1,6(4,12)5,14(3,8,11)(7,9,13,15)17,10,18  
  2コーナー  2,16(1,6,12)4(5,14,11)(3,15)(7,9,8)13(18,10)-17  
  3コーナー  2,16(1,6,12)(5,11)(4,14,15)(7,3,8)(18,9,13)10,17  
  4コーナー  2,16(1,6,12)(5,11)(4,3,14)(7,18,9,8,15)(10,13)17  

  <払戻金> 
  単勝 05   370円  1番人気  枠連   3- 6  1,260円   4番人気
  複勝 05   150円  1番人気  馬連  05-12  1,630円   4番人気
     12   260円  4番人気  ワイド 05-12    680円   4番人気
     16 2,430円 16番人気      05-16  7,600円  72番人気
                          12-16 17,390円 103番人気

レース回顧

 シルクプリマドンナとチアズグレイスのワンツーで山内厩舎の親子丼。一週前の 調教で合わせていた2頭だが、お互いに競い合うことで、身になっていたのだろう。 以前、大久保厩舎のエリモダンディーとシルクジャスティスが調教で競い合って 強くなっていったのが思い出された。パドックでの気配も2頭が抜けていて、精神 面の充実もすばらしいと言っていいだろう。山内調教師の腕を証明したレースでも あった。それにしても、どうしたんだサイコーキララ。スタート後に落鉄したのが 影響したとも言えるが、なんとも煮え切らないレースだった。いちから出直しだ。 では、回顧です。

 ○シルクプリマドンナは、超スローペースの中、6、7番手で折り合いに 専念。4コーナーから仕掛け、直線入り口で内の馬群を割り、鋭く伸びて追いかけて きたチアズグレイスを完封し見事優勝。パドック、返し馬での落ち着きは、非常に 目を引き、レースでもその落ち着きで完全に折り合っていた。調子が上向いていた 点もあるが、この落ち着きが勝因と言ってもいいだろう。桜花賞での直線最後の伸び は、距離が伸びていいものと予感させていたが、現実のものとなった。今後は 秋華賞を目指し放牧に出される予定だが、ひと回り大きくなって帰ってきて欲しい。

 チアズグレイスは、3番手できっちり折り 合い、直線でも伸びて2着を確保。 着差がクビのため、4コーナーでごちゃついて外をまわったのと仕掛けが少し遅れた 点が痛いところ。それでも最後の伸びは、さすがに桜花賞馬といったところか。 パドックでは、非常に落ち着いており、気合乗りも良く見せていた。調教では、 尾を振って、じゃじゃ馬ぶりを見せるが、パドックではぜんぜんそんなうるささを 見せないのだから不思議だ。意外と賢い馬なのかもしれない。また馬場が回復したのも 好走できた理由のひとつだろう。

 オリーブクラウンは、2番手と果敢に先行し、 直線も粘って3着とワイド穴 をあけた。スローペースを見方につけての好走だが、調子も良かったのだろう。 フラワーカップ2着の実績が、ダテではなかったことを証明した。走法もなかなかいい。

 ◎サイコーキララは、好スタートから 1コーナーで無理に抑えて首を上げて 折り合いを欠いた。道中は最内の3番手を進み直線に向いたが、抜け出るところが なく、また伸びがイマイチで6着敗退。直線に向いたときには、最内に1頭分入る ところがあったのだが、そこを突けなかったのだから、前が詰まっても仕方がない。 また、道中も折り合いがついておらず、スタート直後に落鉄したと言っても完敗だろう。 石山騎手には、もっとサイコーキララを信じて思い切ったレースをして欲しかった。 パドックでは、馬体の仕上がりも良く見え、また最初は気負いが見られたが、徐々に おとなしくなり気合も乗っていていい気配だったのだが、、、。今後は、秋華賞か マイル路線なのかは分からないが、今の末脚の切れでは苦しい戦いになるだろう。 まずは末脚の切れを磨いて欲しい。そうすれば、おのずと道は開けるだろう。期待したい。


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