ダービー
2000/05/29 東京競馬場 芝2400m

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相馬眼予想

 ついにダービーがやってきた。武豊騎手がダービー3連覇を達成するか、 皐月賞馬エアシャカールが1番人気なだけにその確率は高いのは確かだ。 武豊騎手が好きなので応援したいが、それと予想とは別。ダービーは、 調子と完成度を重視して予想するのがスタンスなので、エアシャカールは 3番手評価とした。予想する上で不安な点は、雨でどれくらい馬場が悪化するかと いうこと。重馬場までなら今の予想で問題ないと思うが、不良馬場になると 重が得意な力馬が好走することもありえるので注意したい。では、予想です。

 パープルエビスが逃げ、タニノソルクバーノがこれに続く展開。馬場が悪ければ、 ペースが上げることも考えづらく、スローペースの展開だろう。スローの展開に よって追い込み馬は3コーナーから仕掛け、それにつられて先団のペースも上がる。 悪い馬場で消耗した馬たちは、このペースアップによって4コーナーで 脱落する。差し追い込み馬が、これをいかに上手く捌くかもポイントのひとつだ。 こんな展開で有利なのは、中団より前で競馬ができる差し馬だ。それも折り合いに 不安のない馬に勝機がある。追い込み馬は、馬場の悪化で切れる脚が使えるかが 問題。それを嫌って前々の競馬をすれば、最後の切れはいつもより鈍るのは当然 で追い込み馬の騎乗は非常に難しいレースになりそうだ。

 ◎ダイタクリーヴァ  今更この馬の良さは説明しないが、現時点 での完成度は、気性面を含めてメンバー中1番とみる。橋口調教師が、ゲート、 重馬場、距離など不安材料を上げているが、それもレベルが高いところでの話で 全てクリアできると考える。また、高橋亮騎手に人気のプレッシャーを与えない 気配りもあるような気もする。調教は馬場が荒れていたため、タイムが掛かったが、 それでもその日の1番時計。素早い動きで力強さがあり、皐月賞と同じくらいの デキとみる。顔つきに風格さえ感じとれ、全体的な威圧感も出てきた。この気配なら 競馬で他馬に与えるプレッシャーも大きいだろう。道中は6、7番手を進み、 じっくり脚を溜める。スローでも折り合いが心配ない。4コーナーから徐々に スピードに乗り、直線で馬場がいいところを選んで一気にスパート。4コーナー での加速を直線で爆発させて一気に先頭に立ち、後続を完封し1着でゴールだ。 皐月賞の雪辱をするには、4コーナーでの加速を直線に伝えられるかが絶対条件。 高橋亮騎手もこの点は当然理解しているだろう。積極的な騎乗を期待したい。

 ○カーネギーダイアン  青葉賞を優勝してようやく復活。最後の 直線で楽に抜け出したところに見所があった。ダービーと同じ舞台を経験して いるアドバンテージは大きいはずだ。それよりも前走からの上積みは、この馬が 1番。調教はウッドを蹴散らし、すごい迫力で登坂してきた。軽い脚捌きなのに 力強い感じがするこの馬独特の走法がやっと戻ってきており、間違いなく絶好調だ。 この絶好の気配を見逃す手はないだろう。鞍上はオークスを制した藤田騎手で オークスと同じ5番枠。流れ的にも勝負気配は十分だ。道中は7、8番手を進み 直線までじっと我慢の競馬。直線で馬群を割って闘争心に火をつければ、末脚は 素晴らしいものがあるだけに2着は確保できるだろう。走法から重馬場もこなせる。

 ▲エアシャカール  直前の調教が軽めだが、1週前の土曜日に 坂路で51秒の1番時計を出しており、仕上がりはほぼ万全の状態。気になるのは、 調教を軽めにしたのがテンションを上げないようにしたという理由だ。要は陣営も 精神面が心配ということ。ダービーは観客も多く盛り上がり、スタートはスタンド 前のため、普通の馬でもテンションが高くなってしまうのだ。エアシャカールの テンションが上がり、大きく出遅れれば、間違いなく勝てないだろう。それくらい の危険度を持っている馬だと言える。ただし、雨が降っていると妙に落ち着い ていると前に陣営が言っていたので、それも杞憂に終わるかもしれないが、、、。 武豊騎手は、馬場が悪ければ中団からの競馬をするはずだが、馬のテンションが 高ければ逆に後方からの競馬をするだろう。内枠だけに非常に難しい騎乗になり そうだが、そこは腕に見せ所でもある。大外が伸びるような馬場状態になれば、 あっさり勝つケースもあるので、馬場状態には注意したい。

 △アタラクシア  皐月賞で対抗をつけたが、馬体、走法からまだ 捨て切れない。今回は調教量を増やし、仕上げりは皐月賞よりもいい状態。馬体の 張りも良く、脚捌きも軽快でいかにも走りそうな気配が漂っている。今回は得意の スローペースで先行して末を生かすには絶好の競馬。飛びが大きい走法から、重馬場 をこなせるかが課題との見解もあるが、しっかりとした脚捌きから十分こなせると 見る。一発あるとすれば、この馬だ。

    勝負馬券:馬連 ダイタクリーヴァ − カーネギーダイアン

     ◎ダイタクリーヴァ
     ○カーネギーダイアン
     ▲エアシャカール
     △アタラクシア

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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   1    2  4    アグネスフライト  牡 4 57.0kg  河内洋  2:26.2  452Kg  -4  3
   2 ▲  1  2    エアシャカール   牡 4 57.0kg  武豊   2:26.2  494Kg  +2  1
   3 △  7 13    アタラクシア    牡 4 57.0kg  四位洋文 2:26.8  500Kg  +6  6
   4    6 12    トーホウシデン   牡 4 57.0kg  田中勝春 2:27.0  420Kg  -2  9
   5    1  1    リワードフォコン  牡 4 57.0kg  後藤浩輝 2:27.1  462Kg  -6 10
   6    8 17 (抽)ジョウテンブレーヴ 牡 4 57.0kg  蛯名正義 2:27.2  468Kg  -4  5
   7 ○  3  5    カーネギーダイアン 牡 4 57.0kg  藤田伸二 2:27.3  460Kg  +2  4
   8    8 16    プラントタイヨオー 牡 4 57.0kg  小野次郎 2:27.5  454Kg  +4 16
   9    2  3    オースミコンドル  牡 4 57.0kg  武幸四郎 2:27.7  478Kg  +4  7
  10    7 15    ジーティーボス   牡 4 57.0kg  吉永護  2:28.0  546Kg  -4 15
  11    4  8 (市)クリノキングオー  牡 4 57.0kg  幸英明  2:28.1  452Kg +10 17
  12 ◎  5 10 (父)ダイタクリーヴァ  牡 4 57.0kg  高橋亮  2:28.4  492Kg  +2  2
  13    3  6    タニノソルクバーノ 牡 4 57.0kg  岡部幸雄 2:29.3  468Kg   0  8
  14    4  7 (父)マイネルブラウ   牡 4 57.0kg  横山典弘 2:29.5  454Kg  +4 12
  15    8 18 (市)マイネルコンドル  牡 4 57.0kg  伊藤直人 2:29.8  472Kg   0 18
  16    7 14    パープルエビス   牡 4 57.0kg  石橋守  2:30.0  462Kg  -2 11
  17    6 11    マルカミラー    牡 4 57.0kg  福永祐一 2:30.0  420Kg  -4 14
  18    5  9    マイネルブライアン 牡 4 57.0kg  北村宏司 2:31.3  500Kg -10 13
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  天候:晴  芝:良
  ハロンタイム  12.5 - 10.6 - 11.9 - 11.9 - 12.3 - 12.5 - 13.1 - 13.0
                      - 12.3 - 12.0 - 11.7 - 12.4  
  上り  4F 48.4 - 3F 36.1 
  1コーナー  (*6,7)14-(9,15)-(5,11)12(8,10)(17,13)(1,16)(2,18)-(3,4)  
  2コーナー  7(6,14)=15,9(5,11)(8,12)(10,13)17,1-(2,16)18-(3,4)  
  3コーナー  (*7,14)(6,15,13)(9,5,11,12,17)(8,10)(1,2)(16,18)(3,4)  
  4コーナー  (7,14,*15)(11,13)(6,1,5,12,17)(10,2)(9,8,3,4)(16,18)  

  <払戻金・給付金> 
  単勝 04 510円 3番人気  枠連   1- 2   540円  2番人気
  複勝 04 210円 3番人気  馬連  02-04   600円  2番人気
     02 120円 1番人気  ワイド 02-04   350円  2番人気
     13 540円 6番人気      04-13 2,230円 21番人気
                       02-13 1,120円  9番人気

レース回顧

 アグネスフライトが優勝し河内騎手がついにダービー制覇。1番人気で望んだラグビーボール、 サッカーボーイ、ロングシンホニーで敗れはしたが、ダービーに必要なことを完全に学んでいた のだろう。それくらい完璧な騎乗だった。直線での渾身のムチに応えて伸びるアグネスフライト の素晴らしさにも感心した。アグネスレディ、アグネスフローラ、アグネスフライトと親子3代 でクラシック制覇。3頭ともに騎乗しているのが、河内騎手というのも、競馬の面白さだろう。 それにしても惜しかったのは、エアシャカールと武豊騎手。直線で1度はセイフティーリードに 見えたが、アグネスフライトにゴール寸前でかわされた。エアシャカールも力を出し切っている だけに、差し切ったアグネスフライトを誉めるべきだろう。武豊騎手のダービー3連覇はならな かったが、将来はダービー3連覇を必ずやるだろうし、海外でそれ以上の活躍をするに違いない。 トップに立っても挑戦して行く姿勢は、見習いたいし尊敬もしたい。では、回顧です。

 アグネスフライトは、好スタートを切るも最初から 控える作戦で最後方からの競馬。 向こう正面でも最後方で前のエアを徹底マーク。3コーナーからエアがスパートすると一緒に 大外をスパート。直線に向き一度はエアに離されたが、坂を上がってから一気に伸びてゴール ぎりぎりでエアをかわして1着でゴール。それにしても最後の末脚の切れは素晴らしかった。 馬自身も前をかわそうという根性も見せていた。道中が早いペースだったこともあるが、17 頭をゴボウ抜きした末脚は今後も驚異だろう。パドックでは、毛づやも良く、また後ろ脚の踏 み込みに力強さがあり、非常に目立っていた。今後は、海外に行くのか、菊花賞に向かうのか 分からないが、この末脚があれば、当然活躍できるだろう。脚に負担がかかる走法でもあるの で、無事に秋を迎えて欲しい。
 予想は前日の天気予報で夕方まで雨だったため、アグネスフライトが最後方から追い込み 切れないと考え切ってしまった。今年は天気予報が当たらないことを感じていただけに信用 した自分を責めるしかない。しかし、今年は天気に悩まされる、、、。

 ▲エアシャカールは、いつも通り後方に控え、 3コーナーから捲くる競馬。直線で 一気に先頭に立ちリードを広げるが、アグネスの強襲に屈し惜しくも2着。3コーナーで 武豊騎手が何度も後ろを気にしていたのが印象的。アグネスの強さを最初から分かっていた のだろう。エアの末脚を持ってしても、アグネスの末脚が驚異だったということだ。直線で アグネスが迫ってきたとき、武豊騎手は即座にステッキを左手に持ち替えてムチを入れたが、 そのムチでエアはアグネスのいる右側によれた。それを立て直すため今度は右手にステッキ を持ち替えて追ったのだが、手前をかえざるを得なかったため、スピードが落ち多少なりとも ロスがあった。結果的にこのロスがなければ、エアが勝っていたかもしれない。しかし、 武豊騎手の判断は正しいと思う。アグネスが迫ってきたときにそれに合わせなければ、 スピードの違いからして、あっさりかわせれてしまう恐れがあったからだ。結果としてよれ てアグネスの進路妨害し過怠金を払うことになったが、瞬時の判断で行動した武豊騎手の 凄さを目の当たりにした気がする。ダービーの大舞台でこの判断は普通できるものではない。 パドックでは、暴れることもなく、実に落ち着いており、だいぶ気性も成長してきたようだ。 馬体は、相変わらず良く見せており、万全の仕上がりをアピールしていた。今後はヨーロッパ に遠征しキングジョージY&クイーンエリザベスSに出走する予定とのことが、調子さえ崩さ なければ好走は可能だろう。応援したい。

 △アタラクシアは、中団を進み、3コーナーから スパートし直線入り口で4番手と 正攻法の競馬。直線で先頭に立つも、一気に外から2頭にかわされ3着まで。直線で2頭に かわされた後も伸びており、3着を確保した点は評価できる。現時点で前の2頭とは瞬発力 ではかなわないが、前で競馬ができる強みを今後どこかで生かせるはずだ。皐月賞で対抗と 評価し結果9着と振るわなかったが、今回の好走で実力を証明してくれて非常にうれしい。 まだ馬体を持て余しているところがあるので、秋には成長した姿を見せてもらいたい。調教 で瞬発力を補えれば、更に活躍できるだろう。

 トーホーシデンは、8番手で流れに乗り、直線で しぶとく伸びて4着確保。5戦目 で望んだダービーで4着なら上々だろう。馬体は小さいが、競馬センスはいいし、根性がある。 折り合いもつくので、距離はもっと伸びても大丈夫だろう。もっと成長すれば、菊花賞では 面白い存在になるかもしれない。

 ○カーネギーダイアンは、道中は6番手を進み、 直線で追うもいつもの切れが出ず に7着敗退。少々入れ込み気味で発汗していたのが気になったが、早いペースで先行したのも 敗因だろう。仕上がり自体は良く、体を大きく見せていたのは、好感が持てる。今後は気性 面の成長が課題といったところか。まだまだ活躍できる馬。

 ◎ダイタクリーヴァは、内々の10番手を進み、 3、4コーナー中間でエア、 アグネスにあっさりかわされ、直線でも全く伸びずに12着敗退。道中、馬群で揉まれた こと、3コーナー過ぎで前が詰まって下げざるを得なかったこと、直線でも前が詰まった ことと不利はあったが、12着は負け過ぎではないか。というよりも、高橋亮騎手には、 もっと積極的な競馬をして欲しかったというのが正直なところ。この馬のいいところは、 4コーナーからの加速を直線で爆発させるところ。距離不安があっても、果敢に攻めの 騎乗をして欲しかった。レース直後に距離が持たないと答えたそうだが、本当に距離 なのかは疑問が残る。ただジョッキーにしか分からないものはあるのだろうが、、、、。 パドックでは実に落ち着いて周回し、馬体に張りもあり良く見えた。ただ走っている姿は、 いつもより首の使い方と前脚の出に固い印象があった。もしかすると調子落ちだった のかもしれない。今回の結果で今後の路線がどうなるかは分からないが、じっくり検討 して決めてもらいたい。まだまだ見限れないし、活躍して欲しい馬。


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