安田記念
2000/06/04 東京競馬場 芝1600m

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相馬眼予想

 G1馬が9頭揃った安田記念。ただ例年より小粒のメンバーなのは気のせいか。 古馬G1を勝っているのは、ブラックホークとキングヘイローと外国馬2頭。 勝った距離が1200m、1300mでマイルではない点が非常に引っかかる。 マイルでの実力が紙一重なら、展開と調子を重視して攻めるのが正攻法だろう。

 エイシンルーデンスが逃げて、ダイワカーリアンが2番手。これは予想する人、 騎手たちも考えている通りの順列だろう。問題はペースがどうなるか。逃げ2頭 は、最初ハイペースで後続を離し、道中淀みのない流れで後続に脚を使わせなが らも息を入れ、直線で早めに抜け出し粘り込む競馬をしたいに違いない。2頭が 逃げる展開を当然と考える騎手たちは、余程のスローにならない限り、逃げ2頭 を追いかけて競い合うことはしないだろう。道中で脚をため、直線勝負の競馬と 考えているに違いない。よって、道中は一貫した淀みのない平均ペースで進み、 3コーナーからペースが上がり始めるごく一般的な展開だ。こんな展開で有利 なのは、道中は後方に控え、直線で切れる脚を使える馬だ。特に坂を上ってから も切れる脚が使える馬が最も有利。中途半端な切れでは、G1レースでは通用 しないと考えた方がよいだろう。

 ◎スティンガー  前走の京王杯で16頭を直線で抜き去り 0.2秒離して勝った点を評価する。京王杯はグラスワンダーも出走し、G2 とは言えG1級のメンバー。そこで今までに見せたことのない末脚で見事に 差し切ったのだから、けちのつけようがない。休み明けでの好走だったため 反動を心配していたが、中間の調教状態、追いきりでの動きから反動はないよう だ。それどころか、実に落ち着いた状態で精神面の成長も見受けられる。 道中は中団よりやや後ろに控えて脚を温存し、直線で外に出して鋭く追い込む スティンガーが1着でゴール。武豊騎手から田中勝騎手に乗り変わりで人気を 落としているが、安田記念での成績は劣るものではないし、スティンガーが クセのない馬なので、それほど気にすることはないだろう。

 ○フサイチエアデール  前走マイラーズCは13着と大敗 したが、中1週と太め残りが影響したもので問題ない。今回は調教を強化 し、中間坂路10本と十分に乗り込んみ、体をギリギリまで絞り込んでいる。 最終追いきりは、坂路をまっすぐに駆け上がっており、脚捌きも鋭く好調だ。 デキは、ダービー卿CTを勝ったときより、いいくらいだ。この馬のセールス ポイントは、ペースを問わない差し脚。特に競い合いになればなるほど切れる ところだろう。直線で先に抜け出す先行馬に上手く合わせられれば、1着も ありえる。実力的にスティンガーに劣ることはない。

 ▲ディクタット  京王杯はペースに戸惑い伸びを欠き 6着。日本への輸送、休み明けとマイナス要因が多かったため、実力を出し 切れなかった感もある。今回は日本に滞在し、環境にも慣れ、体調面は万全 だ。調教でも東京ダートで早いタイムを出しており、前走からの上積みは あると見た。マイル経験がなく、千ニ、千四が適距離の気がするが、最初の 2Fを上手く進められれば、末が鈍ることはないだろう。馬体も徐々に絞れ、 威圧感も増してきた。デットーリ騎手が騎乗できないのは残念だか、馬の 状態はいいだけに果敢に狙いたい。

 △アドマイヤカイザー  休み明けを1度叩いて調子は上向き。 調教は相変わらず良くは見えないが、脚捌きは軽快で好調と判断したい。 この馬の末脚は既にG1級。武豊騎手がこの末脚をどう生かすかが見物だ。 昨年のマイルCSで4着と実績もあり、実力的にもここで劣ることはない だろう。マイルCSは、使い込んでいたため、強い調教ができなくても4着。 十分に調教ができた今回の方が、チャンスが大きいのは言うまでもない。 小柄な馬だけに58キロを背負う点が少し心配だ。

 土曜日夜から日曜日の朝の雨で馬場が少し悪化すれば、他が苦にする分 有利なシンボリインディが浮上する。 昨年勝ったNHKマイルCは、良馬場発表でも前日の雨で馬場は荒れていた のは事実。調子も上向きで東京のマイルはベストの条件だけに恐い馬。

    勝負馬券:馬連 スティンガー − フサイチエアデール

     ◎スティンガー
     ○フサイチエアデール
     ▲ディクタット
     △アドマイヤカイザー

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名          性齢 重量      騎手   タイム  馬体重  人気
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   1    6 12 [外]フェアリーキング  せ 6 58.0kg  フラッド 1:33.9  502Kg     10
                プローン
   2 ▲  5 10 [外]ディクタット    牡 6 58.0kg  オドノヒ 1:34.1  490Kg   0  6  
   3    5  9    キングヘイロー   牡 6 58.0kg  福永祐一 1:34.1  490Kg   0  3  
   4 ◎  3  6    スティンガー    牝 5 56.0kg  田中勝春 1:34.2  464Kg  +4  1  
   5    7 15    トロットスター   牡 5 58.0kg  横山賀一 1:34.3  442Kg   0 18  
   6    8 17 (外)エイシンルバーン  牡 5 58.0kg  秋山真一 1:34.5  516Kg  -8 13  
   7 ○  2  3    フサイチエアデール 牝 5 56.0kg  和田竜二 1:34.6  440Kg  -8  9  
   8 △  1  2 (外)アドマイヤカイザー 牡 5 58.0kg  武豊   1:34.6  446Kg  +8  5  
   9    4  8 (外)ブラックホーク   牡 7 58.0kg  横山典弘 1:34.6  522Kg  -4  2  
  10    3  5 (外)シンボリインディ  牡 5 58.0kg  蛯名正義 1:34.6  460Kg   0  4  
  11    6 11    オースミジェット  牡 7 58.0kg  四位洋文 1:34.7  526Kg  -5 17  
  12    7 13 (父)ウメノファイバー  牝 5 56.0kg  後藤浩輝 1:34.7  440Kg  -6  8  
  13    8 16 (外)イーグルカフェ   牡 4 54.0kg  岡部幸雄 1:34.8  462Kg  +2  7  
  14    7 14 (外)レッドチリペッパー 牝 5 56.0kg  藤田伸二 1:34.9  482Kg  +2 11  
  15    8 18 (市)マイネルマックス  牡 7 58.0kg  勝浦正樹 1:35.0  502Kg  -8 12  
  16    4  7    ロサード      牡 5 58.0kg  高橋亮  1:35.1  422Kg  -4 15  
  17    1  1 (外)ダイワカーリアン  牡 8 58.0kg  北村宏司 1:35.4  514Kg  +4 14  
  18    2  4    エイシンルーデンス 牝 5 56.0kg  野元昭嘉 1:35.7  454Kg  -2 16  
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  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  12.4 - 11.2 - 11.3 - 11.9 - 11.8 - 11.9 - 11.2 - 12.2  
  上り  4F 47.1 - 3F 35.3 
  3コーナー  4,1,18,17(5,9)(6,15)(3,11)(8,12,10)(2,13,16)14,7  
  4コーナー  4(1,18)9(17,6)(5,15)(3,11)(8,12,10)(2,13)(7,14,16)  

  <払戻金> 
  単勝 12 3,990円 10番人気  枠連   5- 6  6,850円 27番人気
  複勝 12   830円 10番人気  馬連  10-12 14,700円 40番人気
     10   320円  3番人気  ワイド 10-12  3,780円 44番人気
     09   370円  7番人気      09-12  4,270円 47番人気
                          09-10  1,790円 27番人気

レース回顧

 どうしたんだ日本馬。外国馬2頭で決着した安田記念。外国馬招待が始まって 以来の初めてのワンツー決着。日本の有力馬に強力なマイル王がいなかったこと 浮き彫りにした結果だ。予想していて、どの馬にも強力なプッシュ材料がないこ とには気づき、外国馬2頭で勝負するところまで行きかけたので、非常に悔しい 結果だ。負け惜しみを言っても仕方ないが、負けは負けでこの結果をこれからの 予想の糧にするしかない。これからのマイル路線、タイキシャトル、エアジハード 級の強力なマイル王の出現が待たれる。では、回顧です。

 フェアリーキングプローンは、道中は 11番手を進み、直線勝負の競馬。 直線で上手く外に出すと一気に伸びて1着でゴール。戦績から千ニが適距離だと 思われていたが、日本の軽い馬場では400mの延長も問題なかったようだ。 馬体は重厚な作りで、これぞ短距離馬といった感じ。ただ全体的な威圧感はかなり のものでパドックでもひときわ大きく見せていた。上がりも最速の34.3秒で 切れ味は予想以上に素晴らしかった。しかしながら、フラッド騎手は最初からこの馬の切れ味 を知っての騎乗だから恐れ入った。さすがに香港のNo1ジョッキーだ。これで 香港馬は、オリエンタルエクスプレス、インディジェネスと3頭が連対となった。 全てが人気薄での連対で、世間が香港の競馬を理解していない点を浮き彫りに している。今後は、細心の注意を払って判断したい。

 ディクタットは、道中12番手を進み、 こちらも直線勝負の競馬。4 コーナーでの行きっぷりは良くなかったが、エンジンがかかると鋭く伸びで2着 を確保。坂を上り切ってからの伸びは1番でゴール寸前で粘るキングヘイローを かわした。京王杯では伸び切れなかったが、調子も上がっていた今回はしっかり 伸び実力を発揮した。これくらい走って当然の馬。

 キングヘイローは、5番手と先行し、 直線で早めに仕掛けて粘り込む 競馬で3着。日本馬最先着で強さとマイル適性を証明した。4コーナーで早めに スティンガーが来たため早めに仕掛けたが、そこでゆっくり進められれば2着は あっただろう。昨年のマイルCSで2着、今回3着と実績的に現時点のマイル王 はこの馬。今年一杯で引退が決まったが、マイルG1奪取に向け、がんばって もらいたい。

 ◎スティンガーは、中団を進み、 3コーナー手前から早くもスパート。 4コーナー終わりでは先団に取り付く横綱相撲の競馬をするも、直線伸び切れ ずに4着まで。向こう正面で折り合いを欠いて抑えるのに苦労していたのが 目に付いた。早めの仕掛けたのもあるが、これが敗因だろう。京王杯であれほど の脚を使ったのだから、田中勝騎手には同じ乗り方をしてもらいたかった。 G1では1番人気でも思い切った競馬が必要ということだ。スティンガーは、 今後は海外での出走になるが、末を生かしたレースで活躍してもらいたい。

 ○フサイチエアデールは、内々の 中団を進むが、終始揉まれる競馬。 4コーナーからスパートするも前が壁になり、うまく外に出せずに7着敗退。 直線でうまく外に出せれば、もっと着順を上げていただろうが、内々で揉まれ たのが痛かった。調教師も言っているが、この馬には外枠が合う。末脚は確か なので、今後も好レースができるだろう。今後も追いかけたいし、果敢に 狙って行く。

 △アドマイヤカイザーは、後方14 番手を進み、直線は内に切れ込み 追い込むも8着まで。外を捲くる手もあると思っていたが、4コーナーで多く の馬が外に行ったのでそれを捲くるのはロスが大き過ぎると武豊騎手が判断 した結果だろう。内は馬場が悪かったので、伸び切れなかったが、この馬の 競馬はできている。馬体はまだまだ成長の余地があるので、今後の成長を期待 したい。夏競馬を使うかは分からないが、使うのなら相手関係からも好走でき るだろう。早く重賞を勝って賞金面の不安を打ち消したい。


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