函館記念
2000/07/23 函館競馬場 芝2000m

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相馬眼予想

 3年連続万馬券が出ている函館記念。今年も16頭フルゲートでハンデ差も あり、いかにも荒れそうなメンバー構成。果たして4年連続万馬券となるのだ ろうか。
 人気はアドマイヤコジーンとエアギャングスター。アドマイヤコジーンは、 朝日3歳SでG1制覇したあと骨折し19ヶ月休養。前走のUHB杯で4着と 実力の片鱗を見せたが、1度叩いただけで完全復活なるのだろうか。エアギャ ングスターは、エアダブリン、ダンスパートナー、ダンスインザダークの弟と いうこともあって4戦連続1番人気。結果は3着を外さない堅実な走りだが、 今回は初重賞挑戦。ここで通用すれば秋の飛躍を期待できるが、どんなものだ ろう。この2頭の取捨がこのレースのポイントだ。

 ダイワカーリアンが逃げてサクラナミキオーがこれに続く展開。サクラ陣営 が抑える競馬を宣言しており無理な競い合いにはならないだろう。ただし、ダ イワカーリアンがあまりにスローに落とすようであれば、そこは岡部騎手、果 敢に先頭に立つことになる。ダイワ陣営もそれは当然分かっており、ここは平 均ペースで逃げる展開になるだろう。

 函館の馬場はだいぶ荒れてきており、当日は午後から雨が降る見込み。雨量 にもよるが、力のいる馬場状態なのは間違いないようだ。こんな馬場状態では 先行が有利になるのは、騎手たちも重々承知しており、16頭の多頭数という ことも手伝って、向こう正面では早くも先手争いが激化するはずだ。こうなれ ば、逃げ馬にも苦しい展開で、かつ追い込み馬も追走に苦労するため苦しくな る。特に追い込み馬は、力のいる馬場状態と短い直線もあって難しいレースに なるはずだ。

 こんな展開で有利なのは、好位を進めて長くいい脚を使える馬だ。直線では 力勝負になるだけに実績馬に有利になる。特に内々をコースロスなく進み力を 温存できる馬が好走する可能性が高い。

 ◎アドマイヤコジーン  UHB杯で4着とまずまずの走りを見せ、その実力が古馬オープンでも通用 することをアピールした。前残りの展開だっただけに追い込みきれなかったが、 上がり3Fは35.2秒とメンバー中最速。一度叩いて上積みが見込めるだけ にここはチャンスだろう。調教は7Fと長めを追われ、前走より鋭い動きを見 せだいぶ復調してきている。道中は中団より前につけ、向こう正面から先団に 取り付く積極的な競馬。直線で首を使った独特の鋭い末脚で先に抜け出した馬 を差し切って1着でゴール。逃げ馬が外枠でスタートして内に切れ込んで行く だけに、楽に中団につけられるのも有利だ。前走で騎乗した横山典騎手も今回 は相当な色気をもっており、ここは間違いなく勝負気配。ここを勝って、天皇 賞(秋)の有力馬に名乗りを上げるだろう。

 ○ブリリアントロード  前走は2.1秒離され6着と大敗もダート戦だけに気にする必要はない。陣 営の狙いは今回の適距離のハンデ戦でここは狙える。レース間隔はあいたが、 使い込んでいるよりはよく、十分に調教を消化している。今週の調教もまずま ずの動きで調子は良さそうだ。道中は中団の内々をロスなく進め、直線内から 差す競馬で上位に迫れるはずだ。また、力のいる馬場は合うタイプなだけに有 利だ。今回は軽ハンデ馬で万馬券狙いの人が多いため、トップハンデのこの馬 は人気もないので馬券的にも絶好の狙い。

 ▲エアギャングスター  巴賞1着、UHB杯2着と堅実な走りをしており、今回も大崩れはないと見 る。距離が現時点での適距離に戻って前走よりは走れるはずだ。中1週だけに 調教は軽めだが、仕上がっているため問題はないだろう。先行して直線で先に 抜け出し、粘り強い末脚を繰り出すはずだ。ただし、今回は初重賞挑戦で厳し いレースの経験が浅いだけに狙いを下げた。またUHB杯で勝ったダイワカー リアンと脚色が同じになってしまった点も不安材料。それでも血統的には大き く化ける可能性は秘めているので注意は必要だ。

 △オースミタイカン  前走で900万条件を勝ったばかりで格下だが、今の勢いは目立つ馬で狙い は立つ。何より函館芝を4勝と得意にしている点はプッシュ材料。調教は一杯 に追われ、今がまさに絶好調。52キロなら上位にくる可能性は十分あると見 た。前走で負かしたトラストミュウツーが土曜日に楽勝し、流れ的にも向いて きている。穴を開けるなら、この馬だろう。

    勝負馬券:馬連 アドマイヤコジーン − ブリリアントロード

     ◎アドマイヤコジーン
     ○ブリリアントロード
     ▲エアギャングスター
     △オースミタイカン

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1   7 13    クラフトマンシップ 牡 6 52.0kg  勝浦正樹 2:02.7  416Kg   0 14
   2 △ 6 12    オースミタイカン  牡 6 52.0kg  小林徹弥 2:02.8  444Kg  -2  7
   3 ▲ 8 15    エアギャングスター 牡 5 55.0kg  四位洋文 2:02.9  430Kg   0  2
   4   5 10    サクラナミキオー  牡 6 55.0kg  岡部幸雄 2:02.9  492Kg   0  5
   5 ○ 4  7    ブリリアントロード 牡 6 57.0kg  山田和広 2:03.0  470Kg +10  4
   6 ◎ 8 16    アドマイヤコジーン 牡 5 56.0kg  横山典弘 2:03.1  452Kg  +2  1
   7   1  2    レガシーハンター  牡 6 55.0kg  松永幹夫 2:03.3  472Kg  -4  3
   8   2  4    ドラゴンマンボ   牡 5 53.0kg  藤田伸二 2:03.4  450Kg  +2 11
   9   6 11 (外)ダイワカーリアン  牡 8 56.5kg  田面木博 2:03.5  508Kg  +4  6
  10   7 14    インターフラッグ  牡 8 55.0kg  加藤和宏 2:03.5  434Kg  +6 15
  11   4  8 (抽)ミヤギロドリゴ   牡 7 53.0kg  上村洋行 2:03.8  540Kg +12 13
  12   1  1 (外)グレートサクセス  牡 7 52.0kg  小野次郎 2:03.9  460Kg  +4 10
  13   2  3    エリモセントラル  牝 6 49.0kg  二本柳壮 2:03.9  458Kg  -2 16
  14   3  5 (外)ロードサクセサー  牡 6 56.0kg  芹沢純一 2:04.6  464Kg  -2 12
  15   5  9    センターフレッシュ 牡 6 55.0kg  橋本広喜 2:04.7  462Kg  -2  8
  16   3  6 (父)メジロロンザン   牡 5 53.0kg  吉田豊  2:04.9  482Kg  -2  9
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  天候:曇  芝:稍重  
  ハロンタイム  12.4 - 11.6 - 11.8 - 12.6 - 12.6 - 12.6 - 12.2
                      - 11.9 - 12.6 - 12.4  
  上り  4F 49.1 - 3F 36.9 
  1コーナー  11,15,3(10,16)6(12,9)(5,13)14,7(4,8)2,1  
  2コーナー  11,15(3,10)(6,16)12,9(5,13)(4,7,14)8,2,1  
  3コーナー  (*11,15)10,3(6,16)(5,12)(4,13,9)(7,2)(1,14)8  
  4コーナー  (11,*15)10-(3,16)12,6(4,13)5(7,2)1(9,8)14  

  <払戻金> 
  単勝 13 4,710円 14番人気  枠連   6- 7  7,760円 28番人気
  複勝 13 1,250円 14番人気  馬連  12-13 30,130円 86番人気
     12   480円  7番人気  ワイド 12-13  6,950円 88番人気
     15   180円  2番人気      13-15  4,050円 57番人気
                          12-15  1,180円  8番人気

レース回顧

 4年連続万馬券となった函館記念。稍重となった馬場が更に拍車をかけたか300倍の 大荒れの決着。ハンデ52キロの条件馬クラフトマンシップとオースミタイカンの2頭が 連対し、これぞハンデ戦の結果となりハンデキャッパーはしてやったりだろう。
 予想の方は、クラフトマンシップを無印にしあえなく敗退。馬場状態/コース/輸送と マイナス材料が多かっただけに無印にしたが、ここまで切れる脚を使うとは、、、。七夕 賞の予想では、掻き込む走法なので荒れ馬場は苦にしないと本命にしたが結果は大敗。こ の大敗で力のいる馬場は向かないと判断したのが間違いだった。函館の馬場は力がいる馬 場だが、芝の根がしっかりしている分、脚のかかりがあり、七夕賞の東京の馬場とは完全 にかけ離れていたのだ。そこを見逃しては予想は当るわけがない。敗因分析の重要性を改 めて思い知らされた一戦となった。では、回顧です。

 クラフトマンシップは、10番手と後方に控え 末脚勝負の競馬。4コーナー手前からスパートし、直線で前が開けると一気に伸びて1着 でゴール。直線での目の覚めるような差し脚は素晴らしかった。この馬の末脚を信じて道 中後方で溜めに溜めた勝浦騎手のファインプレーだろう。直線の短い函館コースで稍重の 馬場だけになかなかできないものだ。パドックでは、馬体減りも見られずにしっかりと した踏み込みで首の振りも良くまずますの出来。小さい馬だけにハンデ52キロもよかっ たのだろう。今後はこの勝利で斤量を背負うことになるだけに、小さい馬体のこの馬には 厳しいかもしれないが、頑張ってもらいたい。

 △オースミタイカンは、道中6番手と中団を進 み、ペースが上がると積極的に仕掛けていく競馬。直線で外に出すと鋭く伸びて2着を確 保。調教も絶好調だったように今の勢いをそのままレースで出した感じ。直線でアドマイ ヤコジーンとの追い比べを制した点を評価したい。馬体は小さいが、キビキビとした動き には好感が持てる。追ってしぶといこのレースぶりなら、これからの活躍が見込めるはず だ。次走はオープン特別で確勝を期すことになるか。

 ▲エアギャングスターは、2番手と積極的な競 馬。ダイワカーリアンを追いかけ、直線で抜け出すが、早めに動いた分、最後は止まり3 着まで。レースとしては先行したこの馬には非常に厳しかっただけに直線で粘りは評価で きる点。馬場荒れは得意ではないので、相当な底力があるのだろう。今後に向け、馬体が 小さく威圧感がないのが気がかりだが、走る馬に共通するやわらかさがあるので、重賞レ ースでそこそこの活躍はできるだろう。まだ馬体は若いので成長の余地は十分ある。重心 の低い走りになったときが、本当の意味での本格化と判断して良いだろう。

 ○ブリリアントロードは、スタートしてすぐに ごちゃついて後方からの競馬。直線に向いてかなり後方だったが、末脚を伸ばして5着ま で挽回した。逃げ馬が外で内に切れ込んだため、後方からに競馬になったが痛かった。そ れでも、直線よく追い込んでおり、出来自体は悪くなかったことを証明した。プラス10 キロの馬体は重め感もなく、張りもあって良く見えた。だいぶ復調気配が見えて来たので 次走は人気になるかもしれないが、狙っておもしろそうだ。

 ◎アドマイヤコジーンは、外枠を利して5、6 番手の好位からの競馬。3コーナー手前から仕掛けて行き、直線に向くも伸びがイマイチ で6着敗退。4コーナーで手応えが悪く見えるのはいつものことだが、直線でオースミタ イカンに先に抜け出された点は頂けない。直線での追い比べで脚があれば、多少狭くなっ てもそこをこじ開けられるはずだ。狭くはなって追えなかったが、不利がなくても勝ち切 るまではどうだろう。調教ではだいぶ素軽さを増していたが、この結果を見るとまだまだ 復調途上なのだろう。パドックでは、まだ子供っぽい面があるので精神面の成長も期待し たい。まずは調教で唸るような勢いが出るのを待ちたい。復調すれば、馬体的にもG1で 好勝負できる馬。


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