函館３歳Ｓ
2000/07/30 函館競馬場　芝1200m

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■ 相馬眼予想

　今年初めての３歳重賞で難解な函館３歳ステークス。ラガーリュウ以外はみな キャリアが１、２戦でみな１勝馬。人気がゲイリームーチョに集中しているが、１勝馬 同士ならそこまで差がないというのがここでの見解。１、２戦では実力を出し切ってい ない馬も当然いるので、それを見抜けば解があるはず。レースぶり、走法、調子を見際 めて、あくまでこのレースで好走できる馬を見つけ出すことにする。

　前走で逃げて勝った馬が５頭いるため、どの馬が逃げるか難しいが、前走３Ｆ３４． ２で逃げたマイネルグランプリのスピードが一枚上でこの馬が逃げることになるだろう。 激しい気性から抑えは効かずにハイペースの逃げになる。経験が少ない馬にとって、 このハイペースはかなり苦しく、特に逃げて勝ってきた馬にとっては馬込みで揉まれる 競馬の経験がないため非常に厳しいはずだ。こんな展開で有利なのは、いかに先行有利 な函館千二でも差し馬だろう。ただし、バテた馬が３、４コーナーで下がってくるので、 それを上手く捌ける器用な脚がある馬でないと差し切るのは難しいだろう。

　◎タカラサイレンス 　前走で見せた上がり３４．６秒の末脚は迫力を感じさせる素晴らしいもの。加速がつ いてからは抑える余裕があり、それでも他馬が止まって見えたのだから恐れ入った。今 回の展開はまさに打ってつけで、ここは間違いなく好勝負できるだろう。調教は単走予 定だったが、前に行く馬にうまく合わせ、最後は突き放して好調をアピール。２戦目で 更に体調がアップしているのは明白だ。道中は中団よりやや後ろにつけ、３コーナーか ら徐々にスパート。直線に向き、自慢の切れる末脚で先行馬をまとめてかわして１着で ゴール。馬体は小さいが搭載したエンジンの性能は、このメンバーでは一枚上。冷静沈 着な加藤騎手が勝利に導いてくれるはずだ。

　○マイネルジャパン 　ラベンダーＳで出遅れながらも、鋭い末脚で２着と接戦に持ち込んだ点を評価したい。 ダートの新馬戦を楽勝した後の芝千ニのレースで、芝に戸惑うことなく上がり３５．５ 秒の末脚を使っている。１回芝を使ったことで、今回は更に走りに上積みを見込める。 唯一のオープンレース連対馬でもあり、厳しいレースの経験は大きなアドバンテージだ。 調教は軽快な脚捌きで更に良くなった印象。首を使った走法にも好感が持てる。馬体は バランスのいい作りで大物感がある。スタートが上手くクリアできれば、好勝負できる だろう。

　▲ゲイリームーチョ 　新馬戦で２着馬を１秒離して好タイム勝ちし、今回の人気の中心。強く追わないで直 線で楽に抜け出したレースぶりは素晴らしかった。ただし手前を変えないで走っていた 点は少々不安な点。それだけに狙いは下げたが、陣営もかなりの自信を持っており、こ こは３番手が妥当だろう。調教は軽めだが、馬体はふっくらしていい状態を保っている。 断然の１番人気で早めに仕掛ける競馬になりそうだが、どこまで前に迫れるか、それと も突き抜けるのか、正念場の一戦だ。

　△マイネルグランプリ 　芝千ニを２戦しいずれもハイペースで逃げる競馬で好走している点を評価したい。ハ イペースで逃げても粘り強い脚はここでは強調できる。今回もハイペースの逃げになる が、後ろに脚を使わせる競馬ができれば、好走できる下地はあると見た。調教は強めに 追ってまずまずの動きで好調を維持している。一発あるとすればこの馬だろう。木幡騎 手の手綱捌きに期待したい。

　　　　勝負馬券：馬連 タカラサイレンス − マイネルジャパン

　　　　　◎タカラサイレンス
　　　　　○マイネルジャパン
　　　　　▲ゲイリームーチョ
　　　　　△マイネルグランプリ

■ レース結果
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　着 予 枠 馬       　　馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ○ 6  6 (市)マイネルジャパン　 牡 3 53.0kg  四位洋文 1:10.6  486Kg  -2  3
   2 ▲ 3  3 (外)ゲイリームーチョ　 牝 3 53.0kg  岡部幸雄 1:10.7  454Kg  -2  1
   3 　 8 11 (抽)ベストタイクーン　 牡 3 53.0kg  小池隆生 1:10.8  466Kg  -6  6
   4 　 8 10 (市)コスモリーディング 牡 3 53.0kg  松永幹夫 1:11.1  424Kg  -2  9
   5 ◎ 6  7  　 タカラサイレンス　 牝 3 53.0kg  加藤和宏 1:11.7  420Kg  +6  2
   6 　 2  2  　 マイネルコンシャス 牡 3 53.0kg  勝浦正樹 1:11.8  488Kg +10  7
   7 　 1  1 (外)ダイワアンデス　　 牡 3 53.0kg  河内洋　 1:11.8  428Kg  -8  4
   8 △ 7  8 (市)マイネルグランプリ 牡 3 53.0kg  木幡初広 1:11.8  450Kg +10  5
   9 　 7  9 (父)マイネカプリース　 牝 3 53.0kg  岩部純二 1:12.1  452Kg  -6  8
  10 　 5  5 (抽)ラガーリュウ　　　 牝 3 53.0kg  藤田伸二 1:12.5  424Kg   0 10
  11 　 4  4 (地)テンドウ　　　　　 牡 3 53.0kg  横山典弘 1:18.0  462Kg -14 11
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  天候：晴　 芝：良　 
  ハロンタイム　 12.1 - 10.8 - 11.2 - 11.6 - 12.3 - 12.6  
  上り 　4F 47.7 - 3F 36.5 
  3コーナー　 11(9,6)(7,8)-(3,10)5(1,2)-4  
  4コーナー　 11(9,6)(7,8)-3,10-(5,2)1=4  

  ＜払戻金＞ 
  単勝 06 460円 3番人気  枠連　  3- 6 250円  1番人気
  複勝 06 150円 3番人気  馬連　 03-06 530円  1番人気
  　　 03 120円 1番人気  ワイド 03-06 250円  1番人気
  　　 11 360円 7番人気  　　　 06-11 990円 15番人気
  　　       　  　　　  　　　 03-11 760円  6番人気

■ レース回顧

　２０００年初の新馬勝ち馬マイネルジャパンが３歳最初の重賞制覇。今年は４頭が出走し、 優勝を射止めたマイネル軍団。さすがは早めに仕上げるスペシャリスト。今後の３歳レース でも必ず活躍できる馬を出走させてくるだろう。特に復数頭出走してくる時には注意したい。 では、回顧です。

　○マイネルジャパンは、３番手と早めの競馬。 ４コーナーでの手応えも抜群で直線楽に抜け出して１着。唯一のオープンレースで連対した 経験を生かしたレースぶりで安定感さえ感じられた。首を使った柔軟な走りは、この時期の ３歳馬としては素晴らしいもの。また、パドックでの気合乗りも抜群で馬が競馬を覚えてき ている。今後は休養しデイリー杯３歳Ｓから復帰するそうだが、今のデキなら当然好勝負で きるだろう。距離が短い３歳戦線なら十分勝負になる存在。

　▲ゲイリームーチョは、６、７番手を進み、直線 で追い込んで２着を確保。スタートで後手を踏んだため仕方なく控える競馬だったが、直線 で鋭く差してきたのは地力の証明と言っていいだろう。上村騎手が落馬負傷で岡部騎手に乗 り変わって冷静に対処できたのも好走の要因のひとつだ。また、丸みを帯びふっくらした馬 体にも好感が持てた。牝馬同士のレースなら現時点で実力は１枚上。パワーもあるので坂の あるコースでも好走できそうだ。

　ベストタイクーンは、果敢に逃げる競馬。直線で マイネルジャパンにかわされても粘り抜いて３着を確保した。ソエで調教が十分にできない 状態と伝えられたが、パドックでの気配は非常に良く見え、特に馬体の良さは引き立ってい た。このデキで本調子でないのだから、今後に期待が持てる。当分、短距離のレースでは、 スピードを生かして活躍できそうだ。

　◎タカラサイレンスは、４、５番手を進み、直線 で内から追うも新馬戦での伸びが見られずに５着まで。パドックからの入れ込みがひどく、 レースでも折り合いを欠いていたのが敗因。初戦で勝っても２戦目ではこれがあるから競馬 は難しい。調子は悪くはないだけに、入れ込まなければ次走は好走できるだろう。現時点で は馬体が小さく威圧感はないが、まだまだ成長の余地が十分にあるので、期待して見ていき たい。搭載しているエンジンの性能はいいので、まだまだ活躍できる馬。

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