小倉記念 |
2000/08/13 小倉競馬場 芝2000m |
■ 調教診断 |
■ ヒシピナクル は、坂路調教で強めに追われ好タイムをマーク。特に最後の1Fは12.4秒と切れを見せた 点が評価できる。前走のマーメイドSからの上積みが感じられ、ここは好勝負できそう。 ■ マルカコマチ は、小倉ダートで強めに追われ、早いタイムで駆け、疲れはなさそう。前走が連闘だったため、 小倉滞在がいい方向に向いたといっていい。 ■ ミッキーダンス は、坂路で一杯に追われ50.8秒と好タイムをマーク。前走で小倉2000mを優勝し、 更に調子を上げている。この距離で本格化の気配さえあり、恐~い一頭。 ■ アンブラスモア は、中1週が続くが坂路で強めに追われ、まずまずの動き。上積みはないが、ベストな条件 だけに注意は必要か。小倉の馬場が荒れてきているには、気になる点だが、、、。 ■ ロサード は、今回もCウッドで追われ、直線一杯に追いラスト1F11.6秒と切れた。今回も陣営 は、半信半疑だが調子は悪くないようだ。多頭数だけに前回同様に内からの競馬ができれば チャンスはある。 |
■ 相馬眼予想 |
夏の名物レース小倉記念。今年はメンバーが揃って混戦模様で、非常に面白い レースになりそうだ。昨年の覇者アンブラスモアが連覇するのか、夏に強い牝馬 か、それともこの夏の上がり馬ミッキーダンスとロードスターか、どこからでも 入れそうだが、夏場だけに各馬の調子を見極めが馬券的中への道となりそうだ。 小倉2000mは、4コーナーのポケット地点からスタート。最初に長い直線 があるため、1800mよりは先行争いは激化しないが、実績を見ると逃げ先行 が絶対有利とも言えないのがこのコースの特徴。特に最初の長い直線で各馬は内 に切れ込んで行くため、内枠の馬が受けるストレスは大きい。それを嫌って、内 枠の馬が果敢に行くケースもあり、乱ペースになることもある。一概には言えな いが、外枠からスタートしてマイペースで進められる馬が有利なコースだ。 アンブラスモアがいつものように逃げてハイペースの展開。馬場が荒れてきて いるのは陣営も重々承知だが、ハイペースで逃げた方がいいタイプなのはこれま での実績が示しているだけに逃げることになるだろう。2番手以下は、内からイ ンターシャーク、外からタガジョーノーブル、エイシンキャメロンが続く展開だ。 ここでのポイントは、アンブラスモアの逃げに対し、各騎手がどう仕掛けて行 くかということ。アンブラスモアは離して逃げるので、直線の短い小倉コースで は、早めに仕掛けないと届かないと各騎手は考えている。そのため、3コーナーのかなり 手前から各馬一斉に仕掛けることになる。またアンブラスモアは、北九州記念で 馬場がいい外を選んで内から差されたため、今回は馬場が悪くても内々の最短コ ースを進むはず。そうなれば、外を回る差し馬でもそれほど外に振られないので、 差し込みは可能なはずだ。中でも、先行して流れに乗り、粘り強い差し脚のある 馬が最も有利になる。 ◎ ヒシピナクル 前走のマーメイドSは、休み明けでも0.4秒差の5着とまずまずの走り。1 度叩いて調子は上向きで、今回の調教は末も鋭く好調と判断していいだろう。 今回は小倉コース、外枠、適距離と条件が揃っており、ここで好走しないわけは ないだろう。道中は4、5番手につけ、4コーナーを回ったところで先頭に立つ 積極的な競馬。直線で粘り強い末脚で後続を完封して1着でゴール。ハイペース のレースで先行しても、その粘り強い走りは4歳時に証明済み。手の内に入れて いる河内騎手が騎乗するのも心強い。姉のヒシアマゾンにどこまで近づくか。 ○ マルカコマチ 連闘で望んだ北九州記念は、0.7秒差の8着と敗退したが、敗因は外々を回 るコースロスによるもので、調子落ちではない。ハイペースになる今回は、十分 に好走する可能性はあると見た。小倉滞在で調子の方は、前走よりいいようだ。 道中は後方を進み、3コーナーから捲くる競馬。今回はコースロスも大きくは ならず、何より外の方が伸びる馬場なのもいい。福永騎手に乗り替わって、この 馬の末脚を最大限に生かしてくれるだろう。 ▲ ミッキーダンス 900万条件を勝ったばかりだが、その勝ちタイムと勝ちっぷりが見事でここ でも通用しそうな勢いを感じる。陣営はこのレースを目標で調教は坂路で一杯に 追い勝負にきているのも買える点。今の調子と勢いでハンデが53キロなら、一 発あっても不思議でない。重賞レースで流れは厳しくなるが、上手く流れに乗れ ば上位にこれるだろう。 △ ロサード 北九州記念は、最内から追い込む競馬で2着と結果を出し、不調でないことを 証明した。陣営は相変わらず、調子は特に変りはないと言っているが、調教を見 る限り、今回は更に調子を上げている。その気性から外々を回る競馬しかできな かった馬が、内々を回る競馬を覚えたのは心強い点。ただし、今回は内は空かな そうでなので、内にこだわると届かないことも考えられるだけに狙いを下げた。 馬場の真ん中をつく競馬でも突き抜ける脚があるので、高橋亮騎手には臨機応変 に騎乗してもらいたい。 勝負馬券:馬連 8 - 13 ◎ヒシピナクル ○マルカコマチ ▲ミッキーダンス △ロサード |
■ レース結果 |
------------------------------------------------------------------------------ 着 予 枠 馬 馬名 性齢 重量 騎手 タイム 馬体重 人気 ------------------------------------------------------------------------------ 1 ▲ 7 11 ミッキーダンス 牡 5 53.0kg 佐藤哲三 1:59.7 490Kg -2 3 2 4 5 アンブラスモア 牡 7 58.0kg 須貝尚介 2:00.0 470Kg +4 2 3 △ 3 4 ロサード 牡 5 56.5kg 高橋亮 2:00.0 418Kg 0 6 4 6 9 (外)エイシンビンセンス 牡 7 55.0kg 野元昭嘉 2:00.3 478Kg +6 5 5 ○ 5 8 マルカコマチ 牝 6 53.0kg 福永祐一 2:00.3 436Kg +6 4 5 6 10 (父)グランドシンザン せ 7 54.0kg 石橋守 2:00.3 476Kg -4 12 7 3 3 (父)ロードスター 牡 5 53.0kg 村本善之 2:00.4 490Kg +2 7 8 ◎ 8 13 (外)ヒシピナクル 牝 5 54.0kg 河内洋 2:00.7 474Kg -8 1 9 4 6 (父)カネトシガバナー 牡 6 56.0kg 秋山真一 2:00.8 494Kg +2 8 10 5 7 (外)ビッグバイキング 牡 5 54.0kg 土肥幸広 2:01.0 458Kg +6 10 11 8 14 (市)タガジョーノーブル 牡 7 50.0kg 酒井学 2:02.0 492Kg -2 13 12 7 12 (外)エイシンキャメロン 牡 5 56.0kg 幸英明 2:02.0 470Kg -6 11 13 1 1 (外)インターシャーク 牡 8 50.0kg 渡辺薫彦 2:02.2 544Kg +8 14 14 2 2 (父)テイエムトッキュー 牡 7 55.0kg 和田竜二 2:06.4 480Kg +4 9 ------------------------------------------------------------------------------ 天候:晴 芝:良 ハロンタイム 12.4 - 11.0 - 11.2 - 12.2 - 12.0 - 11.8 - 12.2 - 12.4 - 12.5 - 12.0 上り 4F 49.1 - 3F 36.9 1コーナー (*5,13)14(1,3)(2,12)9,6-(7,11)-8,10,4 2コーナー 5,13(1,3,14)12,2(6,9)-(7,11)-8(4,10) 3コーナー 5,13(3,6,12)(1,14,9)(7,11)(8,10)4-2 4コーナー 5,13(3,6)11(12,9)(8,10,4)-(1,14)7=2 <払戻金> 単勝 11 610円 3番人気 枠連 4- 7 1,460円 9番人気 複勝 11 230円 4番人気 馬連 05-11 1,980円 7番人気 05 190円 2番人気 ワイド 05-11 720円 6番人気 04 280円 6番人気 04-11 980円 16番人気 04-05 820円 10番人気 |
■ レース回顧 |
上がり馬のミッキーダンスが見事に初重賞制覇。前走で本格化の兆しを見せていただけに
レースの流れに乗れればこれくらい走って当然だろう。それにしても、佐藤哲騎手にとっては、
ラガーレグルスの一件があっただけに非常にうれしい勝利だろう。今日は本当にうまい
騎乗ぶり。この勝利で全てを吹っ切って、思い切った騎乗をしてもらいたい。苦境を
経験しているだけに、騎乗馬が揃えば、当然活躍が見込めるはずだ。では、回顧です。 ▲ミッキーダンスは、後方4番手からゆっくり 進み、3コーナー過ぎから一気にスパートする競馬。4コーナーでは、先団の外目に とりつき、直線でも鋭く伸びで一気に突き抜けて1着でゴール。4コーナーでの手応えは 非常に良く、その時点で騎手は勝利を確信しただろう。それくらい、完璧なレースだ。 パドックでは、張りのある馬体で周回し、ひと目で好調と分かるデキ。特に縦に幅を 増してきた馬体が印象的で馬体面からも本格化を感じさせた。元々、1600mくらい の距離を使っていた馬が2000mに変わって2連勝と一気に素質を開花。このレース ぶりなら、中央場所の重賞でも活躍できそうだ。今回相当に仕上げただけに、どこまで そのデキを維持できるかがカギになる。 アンブラスモアは、いつものように早いペース で逃げる競馬。4コーナーでは内をあけないように最内を進み、直線でもしぶとく粘って 2着を確保。今日も自分の競馬に徹し、力を出し切っているだけに陣営も悔いはないだろう。 それにしてもそのタフネスぶりには驚かされる。中1週で小倉→福島→小倉に出走し、 3→1→2と結果を出しているのだから恐れ入った。以前からそうだが、本当に夏場に 強いタイプだ。馬体は、軽めの調教にしたことでプラス4キロと回復していたが、それほど 良く見えない状態。次走は、そろそろコズミや疲れが出てもおかしくないので、調教、 馬体重、パドックを十分にチェックした方がいいだろう。 △ロサードは、最後方からじっくり進み、末脚に 賭ける競馬。3、4コーナーで大外を捲くり、直線で大外を強襲したが、アンブラスモア をぎりぎりかわせずに3着まで。前走で内を突く競馬で好走したので、内を突く競馬に意識 が行くところだが、高橋亮騎手がいい判断をしている。大外のコースロスで届かなかったが、 直線での伸びは素晴らしかった。本来の首を上手く使った走りが戻ってきたので、そろそろ 本調子か。次走は人気になるだろうが、差し有利の展開なら外せない存在だ。 ○マルカコマチは、いつものように後方を進み、 直線勝負の競馬。直線は外に出さずに真ん中を割ったが、伸び脚一息で5着敗退。 コースロスを意識して馬群を割る作戦に出たが、ちょうど馬場の悪いところを走らされた のが痛かった。パドックでは、じんわり気合いがのり、馬体も引き締まっていい状態。 調子自体はいいだけに結果が出ないのは気になるところ。展開、馬場に注文はつくが、 この調子で結果が出せないと牡馬とは力差があることを認めざるを得ないか。本質的に 距離は1600~1800mくらいの方がいいので、そのあたりに期待したいところだ。 ◎ヒシピナクルは、やや掛かり気味で2番手から の競馬。早めにアンブラスモアに取りついたが、3コーナー過ぎから手応えが悪くなり、 直線は伸びずに8着敗退。早いペースで息が入らなかったのか、やや情けないレースぶり。 調教、馬体から調子は悪くは見えなかっただけにこの結果はいただけない。いったい、 どうしたのだろう。元々叩き良化型なので、次走はその辺に期待はできるが、もう少し 厳しくチェックした方がいいだろう。チェックポイントとして、坂路調教でのウッドを 蹴散らす量に注目してみたい。後ろ脚の蹴りが強いので、ウッドが飛び散る量が多ければ、 上積みを期待していいだろう。 |