クイーンS
2000/08/13 札幌競馬場 芝1800m

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調教診断

<8月11日 調教を終えて>
サンデーピクニック は、中1週と輸送を考慮して軽めの調教も張りのある馬体 とフットワークは非常に目に付き、いい状態を保っている。ここは負けられない。

トゥザヴィクトリー は、札幌ダート6Fを馬なりで79.6秒、ラスト1F 11.7秒と絶好の動き。叩き3戦目で更に調子を上げている。道中、掛からな ければ、間違いなく好勝負できる出来。

カートゥーン は、函館ウッドを馬なりで好タイムをマーク。腹回りに張りが出て やや良化した感じだが、全体的にはもっとよくなりそうな部分を残している。

エイダイクイン は、函館ウッドを強めに追ってまずまずの出来。休養前より、 逆にいい感じさえある。休み明けでも、鉄砲の効くタイプなので注意は必要。

今のところ、 サンデーピクニックトゥザヴィクトリーで勝負する予定です。 人気でも今度こその気持ちで大勝負します。

相馬眼予想

 今年からレースの位置づけが変わり、古馬も出走できるようになったクイーンS。 エリザベス女王杯の前哨戦ムードが漂うが、ここを勝たないと賞金的に出走さえも 危ぶまれるサンデーピクニックとトゥザヴィクトリーの2頭にとっては、どうして も勝ちたいところだろう。

 札幌芝1800mは、スタンド前からスタートし、4つのコーナーを回るコース。 小回りコースのため、コーナーワークを利して逃げる馬が一見有利に思えるが、実 際には先行して差す馬が活躍している。札幌の芝コースは力のいる芝で踏み込みが 強いパワー型の末脚を持った馬が有利なコースだ。

 逃げ馬不在だが、内枠を引いたトゥザヴィクトリーが逃げることになるだろう。 先行差しが理想だが、逃げ馬不在でスローペースでの上がりの競馬は向かないだけ に平均ペースで逃げることになる。2番手は芝だと行き脚がつくプリエミネ ンス、3番手はペース不問で自在性があるサンデーピクニックが進む展開だ。

 ここでのポイントは、サンデーピクニックがどこでトゥザヴィクトリーに競りか けて行くかということ。あまりに早くから競い合いになると昨年の秋華賞の再現に なるかもしれないが、そこは武幸四郎騎手、無謀な賭けには出ないだろう。4コー ナーで馬体を合わせ直線で差す定石通りの競馬になるはずだ。対して、トゥザヴィ クトリーは、そのスピードで他馬に脚を使わせ、直線に向いて一気に差を広げる騎 乗をしたいところ。この2頭が4コーナーで馬体を合わせ、直線の攻防でどちらが 勝つか、予想はこの1点に絞って良さそうだ。

サンデーピクニック
 前走で900万条件を楽勝し中1週で重賞挑戦となるが、馬体の張り、調教での やわらかい動きから調子は更に上向いている。マーメイドSでは、トゥザヴィクト リーに敗れているが、その時とは調子自体が違うのだから心配する必要はない。今 までのレースぶりからペース不問の自在性があり、これも強力なプッシュ材料。道 中は3番手を進み3コーナー過ぎから徐々にスパート。4コーナーでトゥザヴィク トリーに馬体を合わせ、直線での競い合いを闘志ある走りで制して1着でゴール。 今回は優勝して賞金を上積みしエリザベス女王杯に向け好発進と行きたいところ。 陣営も相当に気合が入っており、負けるわけには行かないだろう。馬体、顔つきか ら、名馬のそれを感じさせる馬。今後も含め、期待したい。

トゥザヴィクトリー
 前走のマーメイドSは逃げてマイペースに持ち込んだが、フサイチエアデールの 強襲に屈して惜しくも2着。叩き2戦目で確実に結果を出してきた点は評価でき、 今回は更に上積みが見込めるのだから、狙わない手はないだろう。調教での最後の 切れも良く、腹回りもスッキリし、ほぼ完璧なデキ。このデキと距離1F短縮を見 方につければ、直線での粘りも増すはずだ。乱ペースにならなければ、2着は外さ ない。

カートゥーン
 前走の吾妻小富士オープンは、休み明けでも直線の伸びは目立ち、本格化さえも 予感させるもの。特に馬体の作りが変わってきたのを見逃してはいけない。重賞初 挑戦になるが、堅実な走りと末脚は、ここでも輝きを失うことはないだろう。中団 から差す競馬で上位2頭にどこまで迫れるか。

    勝負馬券:馬連 3 − 12

     ◎サンデーピクニック
     ○トゥザヴィクトリー
     △カートゥーン

レース結果

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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ○ 3  3    トゥザヴィクトリー 牝 5 55.0kg  藤田伸二 1:46.8  482Kg -2  1
   2   4  4 (父)エイダイクイン   牝 6 55.0kg  二本柳壮 1:46.9  422Kg +2  7
   3 ◎ 8 12    サンデーピクニック 牝 5 55.0kg  武幸四郎 1:47.5  478Kg -6  2
   4   5  7 (外)ハイフレンドコード 牝 6 55.0kg  松永幹夫 1:47.5  504Kg +2  4
   5   4  5 (父)ミホギャラリー   牝 5 55.0kg  青木芳之 1:47.7  474Kg +2 10
   6   6  9    エリモセントラル  牝 6 55.0kg  山田泰誠 1:47.9  458Kg  0 11
   7   6  8    プリエミネンス   牝 4 52.0kg  岡部幸雄 1:48.0  454Kg +4  6
   8 △ 7 11    カートゥーン    牝 6 55.0kg  四位洋文 1:48.0  470Kg +6  3
   9   8 13 (外)フェザンレーヴ   牝 7 55.0kg  田面木博 1:48.7  430Kg  0 13
  10   7 10 (父)ヒダカビギン    牝 7 55.0kg  村田一誠 1:48.8  464Kg -2  9
  11   5  6    ヴァイタルトラック 牝 6 55.0kg  勝浦正樹 1:48.9  460Kg -2 12
  12   1  1    ブゼンキャンドル  牝 5 55.0kg  上村洋行 1:49.0  468Kg +6  8
  13   2  2 (外)レッドチリペッパー 牝 5 56.0kg  安田康彦 1:49.1  486Kg +4  5
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  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  12.6 - 11.1 - 11.8 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 11.5 - 12.0 - 12.0
  上り  4F 47.3 - 3F 35.5 
  1コーナー  3,8,10(5,7,12)(2,6,11)(1,9)13,4  
  2コーナー  3,8(7,10)12(5,11)(6,2)9(1,13)4  
  3コーナー  3,8(7,12)(10,2)(5,11)9(1,6)(13,4)  
  4コーナー  3,7(8,12)(5,4)(10,11,2,9)(1,6,13)  

  <払戻金> 
  単勝 03 180円 1番人気  枠連   3- 4 1,840円  7番人気
  複勝 03 110円 1番人気  馬連  03-04 2,290円  8番人気
     04 400円 7番人気  ワイド 03-04   890円  9番人気
     12 140円 2番人気      03-12   220円  1番人気
                       04-12 1,590円 19番人気

レース回顧

 トゥザヴィクトリーが8回目の1番人気のレースでついに初重賞制覇。桜花賞3着、 オークス2着、マーメイドS2着と重賞に手の届くところに常にいた存在だけにこの 勝利も当然の感があるが、これでエリザベス女王杯への出走できるので大きい勝利だ。

 予想は、サンデーピクニックとトゥザヴィクトリーのマッチレースを期待したが、 エイダイクインが2着し勝負馬券は不的中。かなり自信があったが、思った以上に サンデーピクニックが走らなかった。それとは逆に2着したエイダイクインの唸るよ うな勢いは凄かった。調教診断でエイダイクインをマークしていただけに印をつけな ったのは悔やまれるが、勝負は勝負で仕方がない。調教は見えているだけに予想スタ ンスは変えずに次回に挑むだけだ。では、回顧です。

 ○トゥザヴィクトリーは、早いペースで単騎 逃げの競馬。3コーナーからスパートし後続に脚を使わせ、直線で更に後ろを突き放 した。最後は追い込むエイダイクインに迫られたが押し切って1着でゴール。掛かり 気味でハミも外さずに進み、スピードで押し切ってしまうのだから恐れ入った。普通 なら直線でバテるが、ラスト2Fを12秒フラットでまとめてしまうのだから、相当 に心肺面が強いのだろう。今の気性が改善され、折り合って道中力を抜きながら走れ れば、もっと楽に勝てるだろう。現時点ではその気性から逃げの方が良さそうだが、 今後は好位差しの競馬を覚えてもらいたい。好位差しの方が他馬の目標にならない分、 競馬はやりやすくなるはずだ。パドックではいつものことだが、落ち着きがなくチャ カチャカした歩様。ただし腹回りの張りと後脚の深い踏み込みは素晴らしく、叩き3 戦目のいい仕上がりをアピールしていた。馬体にはまだ若い部分を残しているので、 これから成長して良くなるだろう。今後は、連闘で札幌記念に出走するプランもある ようだが、頑張ってもらいたい。滞在競馬なので、連闘でもそんなに気にする必要は ないだろう。

 エイダイクインは、最初から追い込む作戦 で最後方からの競馬。3コーナーから捲くり、4コーナーでは外目の5番手。直線で もいい脚を長く使ってトゥザヴィクトリーに迫ったが惜しくも2着。4コーナーでの 行きっぷりは素晴らしく、間違いなく今年一番のレースだろう。休養して疲れが取れ、 本来の力を出し切っている。昨年の富士Sも切れる脚を使ったように鉄砲が効くタイ プ。毎回一生懸命に走る気性のため、使い込むと良くないので、この調子なら次走が 狙いか。好調時は首を上手く使った柔らかい走りで、調子が悪くなると明らかに堅い 走りになるので、好不調を見破りやすいタイプであることも付け加えておこう。

 ◎サンデーピクニックは、外目の4番手を進 み好位からの競馬。3コーナー手前でペースが上がるとモタモタして若干置かれ気味。 直線に向き一瞬止まりかけたが、最後はひと伸びして3着を確保した。3、4コーナ ーでペースが上がって、突っ張るような走りで一杯に見えたが、直線の最後でもうひ と伸びしたところにこの馬の底力を感じた。とは言っても、もっとトゥザヴィクトリ ーと際どいレースをしていい馬なので、この走りには納得がいかない。目に見えない 中1週の疲れがあったか。パドックでは、若干イラつき気味も馬体には張りがあって いい状態を確保していた。この敗戦でエリザベス女王杯出走は苦しくなったが、今後は エリザベス女王杯を意識し過ぎて使い込むことだけはしないでで欲しい。じっくり育 てれば、必ず更なる素質が開花するはずだ。まだまだ期待したい馬。

 ハイフレンドコードは、4番手と先行し、 4コーナーでは2番手まで押し上げたが、最後は伸び切れずに4着まで。4コーナー 2番手と自分の勝ちパターンに持ち込んだが、結局、3着のサンデーピクニックに競り負けた。 1回叩いて、だいぶ馬体も引き締まってきており、そろそろ本調子になりそうな状態。 適距離の1600mに戻れば、次走は期待できそうだ。

 △カートゥーンは、中団を進んだが、勝負ど ころで反応できずに置かれて8着敗退。重賞の厳しい流れに戸惑ったか、好走した前 走の末脚は使えず終い。調教診断でも書いたが、全体的にはもっとよくなりそうな部 分を残しているだけに、重賞ではまだ時間がかかりそうだ。馬体がもっと引き締 まり、毛づやが良くなれば、もっと走れるだろう。それでも、自己条件に出走すれば、 好勝負は間違いない。それくらい資質はある馬。


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