札幌記念
2000/08/20 札幌競馬場 芝2000m

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相馬眼予想

 ここ4年で優勝したのは、マーベラスサンデー、エアグルーヴ、セイウンスカイと すごい顔ぶれ。今年出走のG1馬は、シンボリインディ、ファレノプシス、アドマイ ヤコジーンと3頭揃ったが、上記3頭と比べると現時点ではそこまでのレベルには達 していないようだ。そう考えれば、G1馬でなくても、また重賞未勝利馬でも通用し ておかしくない。夏場だけに各馬の調子をしっかり見極めれば、結果はついてくるは ずだ。

 今年のポイントは、アドマイヤコジーンが叩き3戦目で復活するかと休み明けの ファレノプシスが昨年2着と同じ走りができるかということ。結論から言うと アドマイヤコジーンは、まだ本調子一歩手前で抑えの評価。対してファレノプシス は、調教も良く、力は出し切れるデキで狙えると判断した。

 ダイワカーリアンが逃げて、サクラナミキオー、ダイワオーシュウが続く展開。 ダイワカーリアンは、UHB杯でスローペースに持ち込み逃げ切り勝ちをしている だけにスローにしたいはず。ただし、先行馬が多い今回は、久々のG2レースで 騎手たちもやる気になっていることもあって、平均よりやや早いペースになるだろ う。そして3コーナー手前からペースが更に上がり、先行馬には苦しい展開になる。 小回りでも差しが届くのが札幌2000mの特徴でもあり、早めにスパートしても 長くいい脚を使える差し馬を狙いたい。

 ブリリアントロード
 前走の函館記念は、逃げ馬が外枠で内に切れ込み後方からに競馬にな ったため、5着敗退もメンバー中最速の差し脚で見所は十分。今回は、調教での気合 乗りも抜群、脚捌きも軽快そのものでかなりの上積みが期待できる。得意の平坦2000m 、前走からマイナス1キロの斤量といい、条件が揃った感があり、ここは 間違いなく好勝負だ。道中は中団を進み、3コーナー手前から早めにスパート。 4コーナーで外に出し、先に抜け出した馬を競い落として1着でゴール。今の デキなら長くいい脚が使えるはずで、早めに先頭に立っても粘り切れるだろう。初 騎乗になる安田康騎手には、積極的な競馬を期待したい。不安があるとすれば、 地下道で入れ込む癖があるだけに、地下道がある札幌競馬場を陣営が避けてきた こと。こればかりは、当日見てみないと分からないが、あまりに入れ込んでいる ようであれば、狙いを下げた方がいいだろう。今の調子のいい状態なら、入れ込 みも最小限とみたが。

 ファレノプシス
 4ヶ月の休み明けになるが、調教の動きも良く、9分以上の仕上がり。入念に 乗り込んでいるため、脚捌きも実に軽やかで力を出し切れる出来と判断できる。 あとは今回出走する牡馬との力関係だが、昨年でもツクバシンフォニー、ダイ ワテキサスを差し切っており、十分勝負になるとみた。道中は後方からじっくり 進め、直線勝負の競馬。直線での切れ味勝負なら、牝馬独特の 切れのある末脚で好勝負に持ち込めるだろう。昨年のセイウンスカイに迫った脚 に今年も期待したい。

 エアギャングスター
 前走の函館記念は、先行し早めに仕掛けた分、最後は止まり3着。ただし、差し追い込み有利の 展開だったため、直線で粘りは評価できる点。今回は、馬場がいい札幌なら更に 粘りは増すはずで、堅実な走りが見られるだろう。調教は、函館ダートを軽めに 追われるも調教量は豊富で調子落ちは感じられない。まだ、重心の低い走りは 見られないが、だんだんと体がスッキリしてきた感があり、今回はいつもより 切れがある走りを見せてくれるはずだ。

 アドマイヤコジーン
 調教は、函館ウッドで一杯に追われ、6F63.1秒と 好タイムを出した。後藤騎手が駆けつけて調教をつける熱の入れ様で、陣営の勝負 気配は本物と言っていいだろう。函館記念の回顧でも書いたが、調子が良くなれば、 唸るような勢いがでるはずだが、調教を見る限りまだそのレベルには達していない ようだ。それでも前走よりは良化しているが、手前を変えたり、前脚の伸び具合が ぎこちなく、まだ本調子ではない。骨折が重傷だっただけに馬自身が足元を気にし ているため、この不安を拭い去ることが復活への糸口になる。当然、陣営も分かっ ており、強い調教で走らせて大丈夫なことを馬自身に知らせようとしているが、ま だ時間がかかりそうだ。レースで馬自身がやる気になれば、脚を気にせず走るはず だが、今回それをどうやってやるのか後藤騎手の手腕次第。勝負根性がある馬なの で、3コーナー競い合いに持ち込んで、勝負根性を駆り立てる騎乗ができれば、目 を覚ます可能性はあるはずだが。今回は、抑えの評価が妥当だろう。

    勝負馬券:馬連 3 − 7

     ◎ブリリアントロード
     ○ファレノプシス
     ▲エアギャングスター
     △アドマイヤコジーン

レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1   3  4 (外)ダイワカーリアン  牡 8 56.0kg  田面木博 1:59.9  508Kg   0  8
   2 ▲ 8 13    エアギャングスター 牡 5 56.0kg  四位洋文 2:00.2  430Kg   0  2
   3   7 12    レガシーハンター  牡 6 56.0kg  上村洋行 2:00.3  466Kg  -6  6
   4   2  2    ダイワオーシュウ  牡 7 56.0kg  北村宏司 2:00.3  452Kg -20  9
   5   1  1 (外)シンボリインディ  牡 5 56.0kg  青木芳之 2:00.4  460Kg   0  7
   6   6 10    サクラナミキオー  牡 6 56.0kg  岡部幸雄 2:00.4  494Kg  +2  5
   7 ○ 3  3    ファレノプシス   牝 6 55.0kg  松永幹夫 2:00.5  448Kg  +4  1
   8   4  6    インターフラッグ  牡 8 56.0kg  加藤和宏 2:00.6  428Kg  -6 14
   9   4  5 (抽)ミヤギロドリゴ   牡 7 56.0kg  大西直宏 2:00.6  538Kg  -2 13
  10 ◎ 5  7    ブリリアントロード 牡 6 56.0kg  安田康彦 2:00.8  470Kg   0  4
  11 △ 8 14    アドマイヤコジーン 牡 5 56.0kg  後藤浩輝 2:01.0  456Kg  +4  3
  12   6  9    ニッポーアトラス  牡 7 56.0kg  本田優  2:01.4  532Kg  +6 12
  13   7 11 (外)ミッドナイトベット 牡 7 58.0kg  河内洋  2:01.4  440Kg  -8 11
  14   5  8    センターフレッシュ 牡 6 56.0kg  橋本広喜 2:01.6  476Kg +14 10
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  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  12.6 - 11.4 - 11.8 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 12.0
               - 11.7 - 11.8 - 12.1  
  上り  4F 47.6 - 3F 35.6 
  1コーナー  4(1,9,11)7(2,13)10(3,12,14)-(6,8)-5  
  2コーナー  4(1,9,11)(2,7,13)(3,10,12,14)(6,8)-5  
  3コーナー  4(1,9,11)(2,7,13)(6,3,10,14,12)-(5,8)  
  4コーナー  4-(1,9,13)(11,14,12)(6,2)(7,3,10)(5,8)  

  <払戻金> 
  単勝 04 2,410円 8番人気  枠連   3- 8   380円  1番人気
  複勝 04   620円 9番人気  馬連  04-13 4,890円 18番人気
     13   160円 2番人気  ワイド 04-13 1,440円 14番人気
     12   470円 6番人気      04-12 4,230円 46番人気
                         12-13 1,270円 12番人気

レース回顧

 8歳馬ダイワカーリアンが逃げ切り勝ち。人気がなかっただけにマークがなく 楽に進められたのもあるが、前々走でもエアギャングスターを楽に破っている ので、これがこの馬の実力なのだろう。8歳になって重賞2勝と年齢を感じさせ ない充実ぶり。「人気のない逃げ馬は買い」という格言は、まさにこの馬のこと か。では、回顧です。

 ダイワカーリアンは、内枠スタートか ら好ダッシュを見せて積極的に逃げる競馬。3コーナーからペースを上げ、4コ ーナーでも抜群の手応え。直線に向いても、影を踏ませない走りで1着でゴール。 前半は早いペースだったが、4〜7Fを全て12秒台に落として息を入れられた のが良かったのだろう。田面木騎手の好プレーだ。パドックでは、以前より厚み を増した馬体でまずまずのデキ。調教でダイワオーシュウをぶっち切っていただ けに好調だったのだろう。今後も人気がなくマークが甘くなりそうなレースでは 狙っておもしろい。ただ、G1だともうひとパンチ足りないか。

 ▲エアギャングスターは、6、7番手を 進み、3コーナーからスパートする競馬。直線に向き、伸びるには伸びたが前を 捕まえきれずに2着まで。相変わらず、堅実な走りを披露したが、重賞制覇には あと一歩及ばなかった。パドックでは、だいぶ馬体が引き締まった感じで、特に 腹まわりの線がきれいに見え好感が持てた。今年の北海道では一番のデキだった に違いない。このメンバーの中では、秋に向けて、この馬が最も狙えるような気 がする。まだ成長しそうな馬体と血統面からも、ひと皮向けそうな気がしてなら ない。あとは、馬自身が勝ち味を覚えれば、一気の本格化があるだろう。重心の 低い走りになるのを期待して待ちたい。

 レガシーハンターは、中団よりやや後 ろを進み、直線でなかなかの伸びを見せて3着を確保。適距離は、マイルくらい だったが、年齢とともにだいぶズブさが出て、2000mも対応できるようにな ったようだ。馬体からもズブさが感じられ、以前より切れがなくなってきている 印象。切れで勝負するタイプだっただけに、今後は苦戦しそうな気がする。

 ○ファレノプシスは、中団よりやや後 ろを進み、直線勝負の競馬。直線でもイマイチ伸び切れずに7着敗退。休み明け でも、調教とパドックを見る限り、仕上がっていただけに納得がいかない敗戦。 しいて言うなら、走りに堅さが見られたことだが、元々突っ張った走りをする タイプなのでそれほど気にしなくと良いと思うのだが、、、。このひと叩きで 少しは上積みが見込めるはず。目標となるエリザベス女王杯では、差し有利な 展開になれば期待できるだろう。調教と調子が結びつくタイプなので、調教は 十分にチェックしたい馬。

 △アドマイヤコジーンは、中団を進み、 3コーナー手前から徐々に進出する積極的な競馬。3、4コーナーで手応えが 怪しくなり、直線で伸びを欠いて11着敗退。向う正面で手前を変え、後藤騎手 が気合を入れる場面も見られ、まだ脚元を気にしている様子が伺えた。パドック では、非常に目に付く馬体でトモの張りもあり、状態は良く見えた。周回しても 落ち着きが出てきた点は好印象だ。今回は大敗したが、馬体面からはもっと 走っていい馬なので、まだ見切らない方がいい。まずは、調教での唸る勢いを 待ちたい。

 ◎ブリリアントロードは、4番手と先行 する競馬。3コーナーからペースが上がるとついて行けずに下がってしまい、 直線でも見どころなく10着敗退。心配してはいたが、パドックで既に入れ込ん でおり、これが敗因だろう。初めての競馬場でそれも地下道があっては、馬には 負担が大きかったか。それでも、調子の良さで期待したのだが、、、。今後は 走り慣れた競馬場で、今のデキを維持できていれば、好走できるだろう。 大敗と好走を繰り返す秘密は、ここにあるので、上手く見抜けば万馬券も取れる はずだ。覚えておいて損はない。


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