新潟記念 |
2000/08/27 中山競馬場 芝2000m |
■ 相馬眼予想 |
オープン馬は、ダイワテキサス、アンブラスモア、クリールサイクロンの3頭で他は みな条件馬。いくらG3重賞でもかなり寂しいメンバー構成であることは否めない。こんな状況で、 納得できないのは、そのハンデ。ダイワテキサスは前走関屋記念優勝したが、今回は 59キロ据え置き。アンブラスモアも小倉記念2着で、今回は58キロ据え置き。 本来なら、最低でもダイワテキサス60キロ、アンブラスモアが59キロが妥当な評価 だろう。JRAハンデキャッパーも、重賞レースで条件馬のみの出走では困るために 頭の痛い選択を迫られたに違いない。 こうした状況で上記2頭にとってハンデは楽になったが、それだけで競馬に勝てるの だろうか。今回のポイントは、この2頭の取捨なのは言うまでもない。まずは、2頭の 調子をチェックしてみよう。 ダイワテキサスは、月に1度のローテーションでこれまで使ってきたが、今回は中2 週の出走。元々、9/24のオールカマーに出走する予定であったが、ハンデが据え 置きならと出走にこぎつけた。中間の調教は0本で、最終追いきりを馬なり調教。動き はまずまずだったが、口を割って折り合いを少し欠いていたのが気になる点。前走から の上積みはほとんどなさそうだ。ただし、実力的に抑えは必要だろう。 アンブラスモアは、小倉→福島→小倉→中山と中1週のレースが続いており、疲れが 気になるところ。最終調教はしない予定だったが、坂路で馬なり調教。動き自体は悪く なかったが、これだけ使えば上積みは当然期待できないだろう。中山2000mは、 直線の坂を2回通りスタミナが要求されるコースで今のこの馬にスタミナを要求するの も酷なこと。最後の直線で止まって、差し馬にされる姿が目に浮かぶ。 この2頭が狙えないなら、調子のいい上がり馬を狙うというのが、ここでの結論。 前走のレースぶり、調教での動きをしっかりチェックすれば、勝ち馬は見えてくるはずだ。 アンブラスモアが逃げて、ゲイリートマホークが2番手の展開。ゲイリー陣営が2 番手からの競馬を宣言しており、スピード的にもアンブラスモアに競い合うことはし ないだろう。アンブラスモアは、ハイペースで逃げてこそ味があるが、中山2000m を考慮して、ハイペースでは逃げないはずだ。それでも、決め手勝負では分が悪いため、 平均よりやや早いペースで逃げることになる。 アンブラスモアは、3コーナー手前でひと息入れて、再スパートして後続を突き放す 作戦。他の各馬は、3コーナーで前との間隔が詰まるとハンデ戦だけに一気にスパート して勝負を賭けることになる。 こんな展開で有利なのは、中団よりやや前を流れに乗って進み、4コーナーで前を 射程圏に入れて、直線で切れる脚を使える馬だ。ダイワテキサスもこれに当てはまるが、 魅力的な条件馬がいるので、そちらを狙ってみたい。 ◎ツジノワンダー 前走の松島特別では、先行して4コーナーで先頭と横綱相撲の競馬で1着。直線 での伸びは素晴らしく、騎手が追わなくても馬自身が走る気になっていたのが好印象。調教はダート コースで追われ、直線で重心を低くして一直線に伸びた。脚捌きも実にスムーズで間違 いなく今期一番のデキ。レースぶり、馬体、走法から、本格化が感じられる今なら、 重賞初挑戦でも何とかなるはずだ。道中は4、5番手を進み、3、4コーナーで積極的 に前に取りつく競馬。4コーナーでの加速を直線につなげ、最後は切れる脚で後続を突 き放して1着でゴール。53キロのハンデなら、最後の切れはいつもより増すはずだ。 今の充実ぶりなら、連に絡む可能性は相当高いとみる。後藤騎手も相当な手応えを感じ ているに違いない。 ○トラストミュウツー 前走のNST賞では、今回出走するゲイリートマホークに0.8秒ちぎられて負けて いるが、先行有利の展開で、かつ出遅れで道中リズムを崩したのが敗因なので、そう気 にする必要はないだろう。前々走での切れのある末脚が、この馬の本来の姿だ。調教は ウッドで追われ、首を使った重心の低い走りが見られ、調子は良さそう。特に前脚の捌 きに柔らかさが出たところがいい感じだ。3走前には、函館記念で2着したオースミ タイカンの着差なしのレースがあるなら、重賞でも通用するはずだ。絶好調な田中勝春 騎手にも期待したいところ。 ▲ハヤカゼジョー 前走の吾妻小富士賞は、アンブラスモアに0.2秒差の3着と好走。先行して最後ま でバテずに走っており、徐々に良化している。特に馬体面が充実して、馬に格が出てき た点は見逃せない。調教は、ウッドで強めに追われ、ラストも12.2秒と素早い動き を見せ、調子に狂いはない。今回の斤量が前走からマイナス4キロなら、好走する下地 はあるとみたい。ゆったりとしたローテーションからも、穴を開けるとすれば、この馬 だろう。 △ダイワテキサス 関屋記念を59キロで豪快に差し切り勝ちして実力をアピール。このメンバーなら 実力は当然最上位だが、最近は1800mくらいが適距離になってきており、その点 でも一枚割り引いてみた。個人的には、天皇賞(秋)に向けて、ゆったりとしたローテ ーションで使って欲しいところ。 勝負馬券:馬連 ツジノワンダー - トラストミュウツー ◎ツジノワンダー ○トラストミュウツー ▲ハヤカゼジョー △ダイワテキサス |
■ レース結果 |
------------------------------------------------------------------------------ 着 予 枠 馬 馬名 性齢 重量 騎手 タイム 馬体重 人気 ------------------------------------------------------------------------------ 1 △ 5 5 ダイワテキサス 牡 8 59.0kg 北村宏司 2:00.2 478Kg +4 1 2 2 2 (父)モンレーブ 牝 7 49.0kg 村田一誠 2:00.5 452Kg +4 9 3 1 1 アンブラスモア 牡 7 58.0kg 須貝尚介 2:00.5 466Kg -4 3 4 8 12 (父)メジロロンザン 牡 5 53.0kg 吉田豊 2:00.6 482Kg 0 6 5 ◎ 3 3 (父)ツジノワンダー 牡 5 53.0kg 後藤浩輝 2:00.8 490Kg +2 2 6 ▲ 5 6 ハヤカゼジョー 牡 6 52.0kg 坂井千明 2:00.9 508Kg +6 8 7 ○ 8 11 (父)トラストミュウツー 牡 5 53.0kg 田中勝春 2:00.9 478Kg +4 5 8 7 10 (外)ゲイリートマホーク せ 5 55.0kg 郷原洋司 2:00.9 464Kg +4 4 9 4 4 (外)ロードマグナム せ 6 50.0kg 菊沢隆徳 2:01.7 486Kg -2 11 10 6 8 ウインマーベラス 牡 4 50.0kg 江田照男 2:01.9 460Kg +11 7 11 6 7 (父)ヤマニンサイボーグ 牡 5 51.0kg 中舘英二 2:01.9 482Kg +4 10 12 7 9 クリールサイクロン 牡 6 52.0kg 横山義行 2:02.0 446Kg 0 12 ------------------------------------------------------------------------------ 天候:晴 芝:良 ハロンタイム 12.7 - 11.0 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.1 - 12.3 - 11.7 - 12.1 - 12.3 上り 4F 48.4 - 3F 36.1 1コーナー 1,10-12(6,7)(3,9)(5,11)(4,8)2 2コーナー 1-10=12(6,3,7,9)(5,11)-(4,8,2) 3コーナー (*1,10)(6,12)7(3,5,9,11)(4,8,2) 4コーナー (*1,10)12(6,3)(5,11)(7,2)(4,9)8 <払戻金> 単勝 05 310円 1番人気 枠連 2- 5 3,430円 16番人気 複勝 05 150円 1番人気 馬連 02-05 3,500円 17番人気 02 440円 8番人気 ワイド 02-05 1,130円 14番人気 01 200円 3番人気 01-05 400円 2番人気 01-02 1,950円 29番人気 |
■ レース回顧 |
59キロをものともせずに格の違いを見せ付けてダイワテキサスが優勝。それにしても 札幌記念に続いて2週連続で8歳馬のダイワが優勝するとは、馬主のツキも最高潮だろう。 今年になって重賞3勝したダイワテキサスは8歳にして今が旬の状態。この状態を維持 して天皇賞(秋)に出走して欲しいものだ。使い込んだので、少し気がかりな面もあるのも 確かだが、、、。 2着に最軽量のモンレーブが入り、馬連35倍と中波乱。モンレーブの末脚は、はまった 時にはスゴイものがあるので、追い続けていた人も多いことだろう。その人たちにとって は、うれしい2着だ。走りに光るものを見つけたら、追い続けるのも、穴をゲットするため の鉄則だが、なかなかうまく行かないことが多いものだ。そのためにも好走条件を絞って おくのがベストなので、自分なりのレース回顧をつけておくことをお勧めしたい。 では、回顧です。 △ダイワテキサスは、中団よりやや後ろを進み、 3,4コーナーから徐々に進出。直線に向き、先行勢の後ろでもたついたが、坂を上がる と一気に伸びて1着でゴール。4コーナーから直線での手応えは悪く、とても勝てるとは 思えなかったが、この伸びを見せられては、やはり格が違うとしか思えないといったところ。 それでも、この末脚は底力の証明でもあるので、相手は別にして評価していいだろう。 パドックでは、前走よりさらに馬体がふっくらしてきて、だいぶ全盛期の馬体に戻りつつ ある感じ。横から見たときに幅があるときが好調のようだ。今後は天皇賞(秋)を 目指すことになるが、今のデキを維持して、頑張ってもらいたい。 モンレーブは、最初から直線勝負の作戦で最後方 からの競馬。3コーナー過ぎから捲くり気味にスパートして、直線も切れる脚を使って2着 を確保。4コーナーでの行きっぷりは素晴らしく、久々にこの馬らしさを感じさせるレース ぶり。ハンデ49キロもあるが、調教もダートで鋭い脚捌きで好調をアピールしていたのを 見逃してはいけない。今後も軽量、好調、少頭数のレースでは出番がありそうだ。頭数が 多ければ、ワイドで狙うのが妥当だろう。 アンブラスモアは、平均ペースで逃げる競馬。 直線で最後まで粘りに粘ったがゴール寸前でモンレーブに交わされ3着。パドックでは、 少し毛づやが悪く、マイナス4キロもあって腹が巻き上がり加減に見えた。そろそろ連戦 の疲れが見え始めているようだ。それでも、これだけ接戦に持ち込むのだから底力は認め ていい。今後はゆっくり疲れを取ってからの出走になるが、体調面は十分にチェックしたい。 メジロロンザンは、離れた3番手を進み、持ち 前の粘り強さを発揮して4着と粘り込んだ。馬自身が走る気になっていて、だいぶ復調気配 が感じられた。ただし、切れる脚がないので、今後も重賞では善戦止まりかもしれない。 ハイペースのレースでの粘り込む競馬が得意なので、その際はワイドで狙っておもしろい。 ◎ツジノワンダーは、中団を進み、4コーナーで 先行勢に並びかける積極的な競馬。直線では少しごちゃついたが、伸びを欠いて5着敗退。 調教も良く、パドックでも気合乗りも申し分ない状態での結果だけに力負けだろう。現時点 では重賞では苦しそうだ。前脚の掻き込みが大き過ぎる感があるので、坂路調教で矯正した 方がいいかもしれない。そうすれば、もう少し切れも出るはずだ。それでも、条件戦に出走 すれば、無事に通過できる力はある。特に東京コースだと走りが一変するので、出走して くれば狙いたい。 ▲ハヤカゼジョーは、4番手と先行したが、直線で 伸びを欠いて6着敗退。こちらも調子が良かっただけに物足りない結果。ハンデをもらって も切れが変わらないのは、少々問題視した方がいいようだ。元々ダートで良積を残している ので、荒れた芝で前残りの競馬で好走するタイプ。今回もそれに当てはまったのだが、この 結果では今後も重賞では苦しそうだ。 ○トラストミュウツーは、9番手と後方を進み、4 コーナーで中団に押し上げたが、自慢の末脚は炸裂せずに7着敗退。4コーナーで他馬に 寄られるとフラフラして、伸びを欠いていた。まだ精神面に幼いところを残しているようだ。 精神面が充実してくれば、もっと走っていい馬。現時点でも条件戦なら通用するはずだ。 |