エルムS
2000/09/02 札幌競馬場 ダ1700m

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レース展望

■ 出走有力馬

タマモストロング ゴールドティアラ オースミジェット
シンコウスプレンダ ビーマイナカヤマ スマートボーイ

 7連勝中のタマモストロングとゴールドティアラの一騎打ちムード。


調教診断

タマモストロング
 休み明けのため、全体的な動きはひと息も最後は切れた。あとは当日までどう変わるか。
シンコウスプレンダ
 馬なりで好タイムを出し、調子は上々。それでも全盛期よりはイマ一歩のデキ。
スマートボーイ
 札ダで一杯に追われラスト12.0秒と切れた。間隔を取ったことでだいぶ疲れ取れた。
ゴールドティアラ
 テンションが上がらないようにと軽めの調整。重め感はないが、目標は先だけに。能力でカバーできるか。

相馬眼予想

 今年から新設されたダートのG1レース「ジャパンカップダート」に向けて有力馬が始動。 注目したいのは、ダートは7連勝と無敗のタマモストロング。7連勝は簡単にはできるもの ではないし、どれも勝負根性がある走りで差し切っている点は見逃せない。ただし、今回は 休み明けで本調子にひと息な動き。また、有力馬とは初対戦なこともあり、力関係が図りづらく、 その取捨が非常に難しいところだ。

 底力はG1級と誰もが認めるゴールドティアラもこのレースで始動。目標が先なためか、 中間は0本とやや追い不足の感は否めない。それでも、実力でなんとかなりそうな気もするが。

 タマモストロングとゴールドティアラのこの2頭をどう見るかが、今回の最大のポイント。 2頭ともに最終調教は馬なりで軽めな調整も、中間の調整状態と馬体面からは、まずまずの仕上がりと みたい。他のメンバーも特質できる状態でないのなら、2頭とも狙えるというのがここでの 結論だ。雨で時計が早い決着になること、外枠で泥を被らなくてもいいこともこの2頭には 有利だ。

 スマートボーイが逃げて、オースミダイナーが続く展開。スピードが武器なスマートボーイ がスローに落とすとは考えられず、平均ペースより早いペースになるだろう。馬場悪化で 前が止まらないことも重々承知している騎手たちは、3コーナー手前から早めに仕掛けること になる。泥を被らない逃げ馬も有利だが、早めにこられペースを上げれば、苦しくなるのも 事実。早めに仕掛けた各馬を含めて、最後は持久戦になるとみた。

 こんな展開で有利なのは、3コーナーから息を入れられない展開に巻き込まれるよりは、 じっくり乗って直線で切れる脚を使える馬だ。ただし、前もばったりは止まらないので、 35秒台の切れる脚を使えることが前提になる。

 タマモストロング
 マーチSで初重賞制覇しダート7連勝。その後、5ヶ月の休養を入れ、今回は休み明けに なるが、栗東で坂路6本ウッド2本と十分に乗り込まれており、仕上がげ自体には問題ない。 最終調教は軽めに終われ、動きひと息に見えたが、コズミは見られずに脚捌き自体はスムーズ なので力は出せるだろう。道中は中団の外めを進み、直線で大外を一気に伸び1着でゴール。 亡くなられた調教師のためにもここは負けられない一戦。陣営の意気込みは半端ではなく、 やる気度は一番だ。馬も競馬を覚えているので、直線で切れるゴールドティアラと合わせる形 にもって行きたいところ。

 ゴールドティアラ
 プロキオンSは、ラスト35.1秒の切れる脚を使って重賞4勝目。ダートではまだ底を 見せておらず、実力的にもこのメンバーで通用しないことはないだろう。今回は久々の出走 になるが、牧場での乗り込み量は豊富で馬体には太め感はない。気合がやや足りない気もす るが、レースでは燃えるタイプなので、レース前になれば気合はのってくるだろう。雨が降 って早いタイムの決着になるので、持ち前のスピードが存分に生かせるはず。タマモが積極 的に早めに仕掛けていく展開になれば、差し切り勝ちもある。

 シンコウスプレンダ
 前走のマリーンSは目の覚める末脚で久々の勝利。タイムも早く、最後切れたところが、 今回も向きそうだ。調教は好タイムを出したが、動き自体はまだ本調子ひと息。それでも タイムの早い決着は望むところで出番はありそうだ。騎乗停止明けの横山騎手もかなりの やる気度を見せており、ここは狙っておもしろい。

 スマートボーイ
 前走のマリーンSは逃げて自分の競馬に徹するも5着敗退。中8日での出走の疲れが出た 感もあり、あまり問題にしなくてもいいだろう。今回は十分に間隔を取っての出走で、前走 よりは走れそうだ。調教はラストの切れもあり、まずまずの動きで好調をアピール。逃げて 泥を被らないのは有利で、うまく溜めて逃げれれば、ゴール前の粘りも増すはずだ。

    勝負馬券:馬連 タマモストロング − ゴールドティアラ

     ◎タマモストロング
     ○ゴールドティアラ
     ▲シンコウスプレンダ
     △スマートボーイ


レース結果

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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ▲ 4  4 (外)シンコウスプレンダ 牡 7 57.0kg  横山典弘 1:42.8  494Kg  +2  4
   2   2  2 (父)エーピーバースト  牡 5 56.0kg  安田康彦 1:43.0  492Kg  -6  7
   3   6  8    オースミジェット  牡 7 57.0kg  四位洋文 1:43.2  518Kg  -9  3
   4   6  9    ビーマイナカヤマ  牡 7 57.0kg  鹿戸雄一 1:43.2  478Kg  -2  6
   5   3  3 [地]ヒットパーク    牡 7 56.0kg  宮崎光行 1:43.6  450Kg  -8 12
   6 ○ 8 12 (外)ゴールドティアラ  牝 5 55.0kg  後藤浩輝 1:43.6  464Kg  -2  2
   7   5  7 [地]オースミダイナー  牡13 57.0kg  藤倉寛幸 1:43.6  496Kg -12  9
   8   7 10 [地]モミジイレブン   牡 5 56.0kg  松本隆宏 1:43.8  450Kg  -6 10
   9   1  1 (父)パーソナリティワン 牡 7 56.0kg  勝浦正樹 1:43.8  468Kg  -2  8
  10 ◎ 8 13    タマモストロング  牡 6 57.0kg  小池隆生 1:43.9  496Kg +22  1
  11   4  5    フラワータテヤマ  牝 7 54.0kg  芹沢純一 1:44.2  450Kg  -4 11
  12   5  6    ヒダカリージェント 牡 8 56.0kg  本田優  1:45.2  504Kg  -2 13
  13 △ 7 11    スマートボーイ   牡 6 57.0kg  伊藤直人 1:45.3  476Kg  +2  5
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  天候:雨  ダート:不良
  ハロンタイム  6.8 - 11.0 - 12.1 - 12.2 - 11.9 - 12.0 - 11.9 - 12.4 - 12.5  
  上り  4F 48.8 - 3F 36.8 
  1コーナー  1,7,4(9,8)(2,10,13)5(3,12)(6,11)  
  2コーナー  1(7,8)(4,9)(2,13)10(5,12,6)(3,11)  
  3コーナー  (*1,7,8)(4,9)-(2,13)12(5,10)(3,6)11  
  4コーナー  (1,*7,8)(4,9)2(5,12)13,3,10-6-11  

  <払戻金> 
  単勝 04 560円 4番人気  枠連   2- 4 4,450円 11番人気
  複勝 04 180円 3番人気  馬連  02-04 4,500円 16番人気
     02 510円 7番人気  ワイド 02-04 1,310円 16番人気
     08 150円 2番人気      04-08   500円  5番人気
                       02-08 1,550円 17番人気

レース回顧

 不良のダートで脚抜きのいい馬場となったのが良かったかシンコウスプレンダが優勝。 勝ち味が遅かった馬がこれで2連勝。7歳にしてこの充実ぶりなら、まだまだ楽しめそ うだ。新設G1ジャパンカップダートは少し距離が長いだけにどうだろう。騎乗停止明けでいきなりの 重賞ゲットした横山典騎手もやる気満々だっただけにうれしいに違いない。これくらい の人気だと本当に勝負強い。

 それにしてもなさけないのが、1,2人気のタマモストロングとゴールドティアラ。 2頭ともに見せ場すらないのは寂しい限りだが、それなりの敗因があるので、そんなに 悲観することもないか。予想は、この2頭に◎○をつけてしまっては、言い訳すら できない状況。特にタマモのプラス22キロでこの大敗を見抜けなかったのは情けないのひと言。 もう少し厳しく馬を見ないとダメだと痛感させられた。では、回顧です。

 ▲シンコウスプレンダは、内々の4番手を進み、 前の馬を見ながらじっくり進める競馬。4コーナーの手応えも良く、直線で追い出すと 軽快な脚色でスカッと伸びて1着でゴール。脚抜きのいい馬場は、こうやって走るんだ と言わんばかりの走法で突き抜けた点は素晴らしいのひと言。重のダートでは注意しな くてはならない馬となった。元々芝で好タイムをマークするスピードを持っているのも いいのだろう。パドックでは、いつもよりおとなしい感じで周回していたが、つる首加 減で気合自体は良く見せていた。7歳になってだいぶ落ち着きが出てきている。今後も 1600〜1800mくらいの距離なら、好走できるだろう。

 エーピーバーストは、6番手を進み、直線外 を鋭く伸びて2着を確保。最後の伸びは目立っており、これがオープンで惨敗続きの馬 かと思わす走り。こちらも脚抜きのいい馬場は得意のようだ。この強敵を相手に2着す るのだから、力自体はあるのだろう。まだ5歳馬なので成長が見込めそうだが、もう少 し見てから判断したい馬。

 オースミジェットは、2番手と果敢に先行し、 直線に向いたが粘りきれずに3着まで。こういう馬場は得意な馬で直線でも伸びてはい るが、相手がそれ以上に伸びたといった感じ。ただ、これまでだいぶ使い込まれている せいか、少し衰えた感じがある。全盛期なら、もう少し伸びた印象があるのだが、年齢 とともにズブさが出たのかもしれないので、ここでは結論は避けておく。いずれにして も、今後は特に調教の動きを注意して見たほうがいいだろう。

 ビーマイナカヤマは、4番手を進み、直線に 向くもいまひとつ伸び切れずに4着まで。4コーナーでの手応えは良かっただけにこの 結果をみると距離が長いのかもしれない。しかしながら、馬体の充実ぶりは、最も目立 つ馬で非常に好感が持てた。適距離のレースに出走してくれば、迷わず狙いたい。

 ○ゴールドティアラは、9番手を進み、3コー ナーから外を捲くる競馬。直線では手応えが怪しくなり、伸び切れずに6着敗退。馬体 重はマイナス2キロと仕上がっていたが、全体的な雰囲気はイマイチな感じ。調子がい いときは、馬体の張りが素晴らしいので、先を意識した仕上げなのかもしれない。ただ 休み明けなのに、少しガレ気味なのが気になる点だが。元々脚抜きのいい馬場だと他馬 の上がりも早くなるので、追い込むのも難しいのだが、もう少しは走ってもらわないと 困る馬。やはり末の切れを生かしたほうがいいので、1400mくらい距離がいいだろ う。次走は南部杯になるが、今度は調教を積んでくるだろし、結果は出してくれるだろ う。調教過程と馬体の張りは特に注意して見てみたい。

 ◎タマモストロングは、外目の6番手を進んだ が、道中に行きっぷりが悪く、3コーナーで騎手の手が激しく動いた。直線でも余力が なく、全く伸びずに10着敗退。プラス22キロも敗因のひとつだが、馬体はひと回り 大きくなった印象でそんなに太め感はなかった。走りを見る限り、息ができていなかっ たのだろう、それに休み明けでこのスピード決着も辛いものだ。このひと叩きで次走は 変わってくるだろうが、一気に良化するとも思えないので、もう少し時間がかかるかも しれない。


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