ローズステークス
2000/09/17 阪神競馬場 芝2000m

| Home | 展望 | 調教 | 予想 | 結果 | 回顧 | 2000年結果 |

レース展望

■ 出走有力馬

シルクプリマドンナ チアズグレイス マルターズスパーブ
ヤマカツスズラン グランパドドゥ  

 山内シスターズのオークス馬シルクプリマドンナと桜花賞馬チアズグレイスの一騎打ちムード。 仕上がり途上のサニーサイドアップでさえ紫苑Sで着差なしの3着なら仕上げに抜かりはない。 特にシルクプリマドンナは、体重大幅増で、馬体の成長著しく、だいぶ力強さが出た感じ。
 あとは武豊騎乗で人気になりそうなラジオたんぱ賞2着のマルターズスパーブ、最優秀3歳牝馬 ヤマカツスズラン、母スターバレリーナの血を継ぎトライアルは強そうなグランパドドゥあたり。


調教診断

シルクプリマドンナ
 栗CWで直線一杯に追われ、調教駆けする3歳ダンツフレームに遅れるもラストの切れはまずまず。 春はソエで強めの調教ができなかったが、この秋は順調に調教を消化している。まだ馬体には少し余裕 があり、トライアルの仕上げの感はあるが、力は出せそうだ。
チアズグレイス
 栗CWで直線一杯に追われ鋭い動きを披露。新聞で言われているほど太め感はなく、馬も元気で いい感じ。春も見栄えのする馬体だったが、更に成長した印象。休み明けの過去2戦4着と結果は出せ ていないが、仕上がりは良さそうで力は出せると見たい。
ヤマカツスズラン
 坂路で一杯に追われて50.5秒と好タイムを出し、休み明けを感じさせない動き。骨折明けのため 陣営は弱気だが、馬はやる気だ。あとは陣営がどこまで本気で走らせるかだけ。
マルターズスパーブ
 南Wで一杯に追われまずまずの動き。細身の馬体から仕上がり早そうなタイプで息の入りも良さそう。 馬の仕上げがいいだけにアメリカから戻ってくる武豊騎手の一発があるかもしれない。
グランパドドゥ
 栗DWで直線一杯に追われて豪快に伸びた。耳を絞って本気に走っている姿は春と同じだが、確実に パワーアップした印象。トライアルは強い血統だけに一発ありそうだ。


相馬眼予想

 春の実績馬と夏の上がり馬が勢ぞろいしメンバーが揃った今年のローズS。桜花賞馬チアズ グレイス、オークス馬シルクプリマドンナが出走してきており、本番の秋華賞に向け、見逃せ ない一戦となりそうだ。春の実績馬が休み明けなので、馬券的にも夏の上がり馬フサイチユー キャン、ニホンピリスワン、トーワトレジャー、マターラミツルを狙う手もあるかと思うが どんなものだろう。春の実績馬の仕上がりが良く、馬体の成長も著しいので、今回はこちらを 上位にすることにした。

 シルクプリマドンナ
 オークス1着からの休み明けになるが、調教を順調にこなし仕上がりは良く力は出せる状態。 若干腹回りに余裕があり、トライアルの仕上げの感はあるが、春のぎりぎりの馬体よりはいい 感じ。馬体は春より成長してだいぶパワーアップしており、調教の動きも迫力が出てきたのは 好印象。この状態なら、十分勝負になるはずだ。道中は中団を進み、3,4コーナー から積極的に仕掛ける競馬。直線は自慢の切れ味ある末脚で一気に差し切って1着でゴール。 ペースが速くなればなるほど、末脚が生きるので好都合。無事に夏を過ごしたオークス馬が、 ここで負けるわけには行かないだろう。

 チアズグレイス
 オークス2着からの休み明けで太めが心配されたが、調教量は十分で過去の休み明けよりも 仕上がった印象。馬体の太め感もほとんどなく、何より相変わらず馬が元気なのがいい。 馬場が悪化すると良くないが、幸い阪神は雨は降りそうになく良馬場になりそうなら、息の 長い末脚が生かせるはずだ。中団より前で積極的な競馬でシルクにどこまで迫れるか。

 グランパドドゥ
 オークス5着からの休み明けだが、秋華賞出走に向けて、きっちり仕上がった印象。春は 減っていた馬体もだいぶふっくらしていい感じを保っている。毎回本気でまじめに走るので 休み明けの今回が逆に狙い目の感さえある。また、阪神2000mは、未勝利と忘れな草賞で 勝っており得意なコース。母スターバレリーナもローズSを勝っており、トライアルは強い 血統だけに一発ありそうだ。チアズグレイスが早仕掛けでゴール前止まる展開になれば、 チャンスが出てくる。

 マルターズスパーブ
 ラジオたんぱ賞2着からの休み明けになるが、細身の馬体から仕上がりは早そうで息の 入りもいいようだ。春は素質だけでフラワーCを優勝したが、だいぶ馬体が素質について きた感じになってきている。心肺面が強いので、先行してバテない強みをどこまで生かせ るか。ペースが早くなれば、少し後ろに控えるが、そこは武豊騎手の自在の騎乗ぶりに 期待したいところ。

    勝負馬券:馬連 シルクプリマドンナ − チアズグレイス

     ◎シルクプリマドンナ
     ○チアズグレイス
     ▲グランパドドゥ
     △マルターズスパーブ


レース結果

 ------------------------------------------------------------------------------
 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
 ------------------------------------------------------------------------------
   1   7 13    ニホンピロスワン  牝 4 54.0kg  福永祐一 2:00.3  460Kg  +6  6
   2 △ 2  3 (外)マルターズスパーブ 牝 4 54.0kg  武豊   2:00.5  444Kg  -6  4
   3   4  7    トーワトレジャー  牝 4 54.0kg  上村洋行 2:00.6  462Kg   0 11
   4 ◎ 5  9    シルクプリマドンナ 牝 4 54.0kg  藤田伸二 2:00.6  434Kg +10  1
   5 ○ 2  4    チアズグレイス   牝 4 54.0kg  松永幹夫 2:00.7  508Kg +18  3
   6   8 15 (父)マターラミツル   牝 4 54.0kg  安藤勝己 2:00.7  414Kg   0  8
   7   1  1    ドクターフェロー  牝 4 54.0kg  芹沢純一 2:00.8  456Kg  -8  9
   7   1  2    ポンデローザ    牝 4 54.0kg  渡辺薫彦 2:00.8  446Kg -12 13
   9   6 11    カリスマサンオペラ 牝 4 54.0kg  和田竜二 2:00.8  470Kg +18 14
  10   3  5    ブーケブラン    牝 4 54.0kg  秋山真一 2:00.9  450Kg  -2 12
  11 ▲ 3  6 (父)グランパドドゥ   牝 4 54.0kg  河内洋  2:01.2  448Kg  +4  2
  12   8 16    フサイチユーキャン 牝 4 54.0kg  千田輝彦 2:01.3  464Kg  +2  7
  13   7 14    サファイヤコースト 牝 4 54.0kg  幸英明  2:01.8  490Kg  +6 10
  14   5 10 (市)ヤマカツスズラン  牝 4 54.0kg  池添謙一 2:02.8  494Kg  +2  5
  15   6 12 (父)アカズキンチャン  牝 4 54.0kg  熊沢重文 2:03.2  462Kg  +8 16
  16   4  8    フォーティエース  牝 4 54.0kg  角田晃一 2:03.8  484Kg  +2 15
 ------------------------------------------------------------------------------
  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  12.6 - 11.2 - 12.1 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 11.6
                - 11.8 - 11.6 - 12.5  
  上り  4F 47.5 - 3F 35.9 
  1コーナー  10(4,6,14)8(3,9,11,12)(1,5,7)(2,13)15,16  
  2コーナー  10(4,6)(3,14)(9,8,12)(1,5,11)(2,7)(15,13)16  
  3コーナー  10(4,6)(3,14)9(1,5,12)(8,11)(2,7)15,13,16  
  4コーナー  (10,*4,6)(3,9,14)(1,5)11(2,15,7)(12,13,16)8  

  <払戻金> 
  単勝 13 1,330円  6番人気  枠連   2- 7 1,970円  9番人気
  複勝 13   390円  6番人気  馬連  03-13 3,870円 14番人気
     03   290円  4番人気  ワイド 03-13 1,200円 13番人気
     07 1,300円 10番人気      07-13 4,850円 49番人気
                          03-07 4,200円 44番人気

レース回顧

 ニホンピロスワンが後方から豪快に突き抜けて初重賞制覇。この夏勝ってはいない が、900万条件で順調に使われた強みを生かしG1馬3頭を撃破。秋華賞に向けて、 視界良好だ。福永騎手は、これで3週連続重賞制覇。ただいま絶好調で何をやっても うまくいっている。こういうときだから、落馬や事故に注意したいと言っており、この あたりは昨年の桜花賞後のことが頭にこびりついているようだ。自厩舎のマルカコマチ に騎乗はするときは十分に注意してもらいたい。(当然でしょ!)

 山内シスターズの2頭は、少し早めの競馬で4,5着と敗れたが、トライアルとしては 上々の走りで本番は期待できそうだ。秋華賞は、京都の小回りコースで先行有利だが、 ハイペースになれば、昨年がそうだったように追い込みも届くのが実証済み。この2頭が 展開のカギを握っているので、どういうレースをするかの見極めが重要になりそうだ。 では、回顧です。

 ニホンピロスワンは、後方2,3番手を 進み、直線勝負の競馬。直線に向き、行き脚をつけると一気に末脚を伸ばして1着で ゴール。3コーナー手前から一気にペースアップし、先行馬が苦しい展開になったのも あるが、直線の爆発力は素晴らしく、メンバー唯一の34秒台の上がりは評価していい だろう。馬体もふっくら見せており、まだひと絞りできる状態なのもいい。自在性があ るので、秋華賞ではもっと前での競馬ができそうだが、今回がはまっただけに同じように 後方からの競馬になるかもしれない。今度はG1馬が完調で出てくるだけにもっと際ど いレースになるのは間違いないだろう。

 △マルターズスパーブは、内々の4、5番 手を進み、直線一瞬前が詰まったが、うまく捌いたあとはしっかり伸びて2着を確保。 さすがに武豊騎手といった騎乗ぶりでこの馬の良さを十分に生かしている。馬もクイー ンC1着、たんぱ賞2着の実力を存分にアピールした。馬体は、背が伸びて成長した 印象はあるが、まだ随所に若さを残している。それでもこれだけ走るのだから、中身が 相当にいいのだろう。距離は2000mがギリギリのようだ。

 トーワトレジャーは、後方に控え、直線 で末脚を伸ばし、ゴール前でシルクプリマドンナを差し切って3着を確保。2連勝は していたが短距離だったため、人気はなかったが調子の良さを十分に発揮している。 ゴール前の伸び脚は目立っており脚を余した感があるので、もう少し早く仕掛けていれ ば上位との差は詰まったはずだ。首を使った走法もいいし、競馬センスはいいものを 持っている。トニービン産駒だけに距離は問題ないが、もう少し見極めたい馬。

 ◎シルクプリマドンナは、6、7番手を進 み、直線で一瞬抜け出しかけたが伸び切れずに4着敗退。直線で追ってからの反応が いまひとつなのは、久々のせいだろう。それでも最後はもう一度盛り返してくるあたり にこの馬の底力を感じる。トライアルとしては上々の競馬とみたい。パドックでは、 久々でも気合乗りも良く調子は良さそうに見えた。プラス10キロで腹回りに少し余裕 があったので、このひと叩きで絞れてくるだろう。次走は本番の秋華賞。今のところ、 この馬が一番近い位置にいると見ているが、どうだろうか。調教では反応の良さと 直線での鋭い伸びを見せて欲しいところ。今度は合わせ馬で遅れたら減点対象。

 ○チアズグレイスは、内々の2番手を積極 的に進み、直線での伸び脚がイマイチで5着に敗退。直線でも伸びてはいるが、やはり 久々のせいか鋭さに欠ける動き。馬体はプラス18キロで少し太め感はあったが、走れ ない状態ではなかったと今でも思える。元々叩き良化タイプなので、次走は上積みが ありそうだが、調教で判断しにくいタイプなので評価が難しい。中間の調教量と走って いるときの前脚の前への返りで調子を判断したい。

 ▲グランパドドゥは、掛り気味に3番手を 進み、直線でも見所なくズルズル後退し11着敗退。パドックから入れ込んでおり、 力を出し切っていない。入れ込んだのは、久々が影響したか、強めの調教をやりすぎ たかのどちらかだろう。調子が良かっただけにこの結果は残念だ。賞金的に秋華賞に 出走できるか微妙なところだが、出走してくればまだまだ見限れない存在。ただし、 こういう負け方をすると馬の精神的なダメージも大きいことを付け加えておく。

 サファイヤコーストは、4番手を進み、 直線で伸び切れずに13着敗退。レースの見所はなかったが、パドックでの馬体の 良さが目立ったので、回顧に入れることにした。馬体は、サンデーサイレンス産駒 らしく、伸び伸びした作りで、いかにも走りそうな印象。休み明けで伸び切れなか ったが、このひと叩きで変わってきそうだ。賞金的に次走は条件戦になりそうなので 狙ってみたい。

 ヤマカツスズランは、好スタートから 平均ペースで逃げる競馬。道中は気分良く逃げていたが、4コーナーで手応えが怪 しくなり、直線は不利もあって14着敗退。パドックを見る限り、馬体も成長して おり、太め感もなくかなり好印象。このひと叩きで次走は変わってきそうだが、大幅 に良化するかというとそうはいかなそう。長い距離を使うのであれば、道中もう少し 息を抜いて走ることを覚えさすのが先決かもしれない。


| Home | 展望 | 調教 | 予想 | 結果 | 回顧 | 2000年結果 |