神戸新聞杯 |
2000/09/24 阪神競馬場 芝2000m |
■ 調教診断 |
■ エアシャカール 坂路でラスト一杯に追われ一直線に伸び好調をアピール。太め感もなく馬体も仕上りもいい。 狙えるデキと判断していい。アグネスの調子がひと息なら、やはりこちらが上位だ。 ■ ファイブソルジャー 栗CWで一杯に追われ直線鋭く伸び調子は良さそう。休み明けだが動きは良く好印象。 阪神2000mのやまゆりSを好タイムでニホンピロスワンを破っており恐〜い馬。 ■ トウカイオーザ 坂路で強めに追われ、最後までしっかり伸びたが、正直もう少し切れが欲しい感じ。 ■ フサイチソニック 坂路で一杯に追われ好タイムを出したが、最後はバッタリ止まった。短期間で使い込んで いるだけに少々不安。パドックでコズミをチェックしたい。 ■ エリモブライアン 坂路で強めに追われるもイマイチの動き。馬体はいいが調子のいい時の迫力が感じられない。 ひと叩きしてからが狙いか。 ■ アグネスフライト 栗DWを一杯に追われ、反応がいまひとつで完調ではない。タフなDWでタイム はまずまずで、何とか格好はつけた感じ。それでも、エアシャカール以外の相手なら格の 違いで何とかなりそうな気も。馬体は細いくらいで少しいやな感じ。 |
■ 相馬眼予想 |
菊花賞に向け、皐月賞馬エアシャカールとダービー馬アグネスフライトが始動。今年から レース改正で菊花賞が3週早まり、これによって各馬が暑い8月から調教を開始しなればな らず、調整が難しくなっている。実際、アグネスフライトは暑さの中の調教で疲れが出て、 中間2日間調教を休むアクシデント。最終調教でも精彩の欠く動きで、ダービー馬と言えど も、本命はつけられない。JRAは、今回のレース改正でジャパンカップまで中4週として、 4歳馬をジャパンカップに出走させたい意向らしいが、夏に休養した馬には逆に負担が大き くなっている。この改正の善し悪しの評価は難しいところだ。 さて話は予想に戻すが、今回はズバリ、エアシャカールを狙う。海外レース明けにな るが、調教でも満足のいく動きを見せており、ここは相手関係からも外せない。問題は2着 だが、調教悪いアグネスフライトより、同じ休み明けでも仕上がりがいいファイブソルジャ ーを上位に取りたい。末の切れは一級品で、今回は展開が向きそうだ。 ◎エアシャカール キングジョージ出走後、栗東に帰厩してから十分に乗り込んでおり、仕上がりはいい。馬 体もだいぶ背が伸びた印象で春より成長している。アグネスフライトの調子がひと息なら、 他の馬には負けることはないだろう。それくらいレベルの高い馬。道中は後方を進み、3コ ーナーから捲くる競馬。直線大外を一気に伸びて1着でゴール。気性が悪い馬だけに主戦の 武豊騎手が騎乗するのは、かなりのプラスだろう。ここを勝って菊花賞に王手をかける。 ○ファイブソルジャー 休む前に阪神2000mのやみゆりSで見事な差し切り勝ち。2着に負かした相手が、先 週のローズS勝ったニホンピロスワンで流れ的にも向いてきている。3走前の500万条件 では上がり3F33.7秒、2走前の駒草賞では35.5秒の豪脚を見せており、末脚勝負 なら引けを取らない。駒草賞と同日のダービーのアグネスフライトが35.4秒なのだから、 その破壊力が想像できるだろう。今回は休み明けになるが、入念な乗り込みにより、最終調 教でも鋭い動きを披露。このデキなら、アグネスフライトを負かしてもおかしくない。馬込 みを気にしない気性もプッシュ材料だ。 △アグネスフライト 今回はデキはひと息もファイブソルジャー以外の相手には、さすがに負けられない。大幅 な馬体減がないことを確認したいくらい馬体は細めに映る。できることなら、 パドックを見てから結論を出したいところ。現時点では押えの評価が妥当だろう。 △トウカイオーザ 前走の500万条件で阪神2000mを好タイムで勝ち、菊花賞の出走権を取りにきた。 トウカイテイオーの半弟ということで毎回人気になっているが、馬体の良さは非常に目立ち 大物感があるので狙って見たい。調教は最後の切れがひと息で正直もう1本欲しい感じだが、 走れない状態ではない。断然人気の武豊騎手を破るのが得意な藤田騎手にも期待したい。 勝負馬券:馬連 エアシャカール − ファイブソルジャー ◎エアシャカール ○ファイブソルジャー △アグネスフライト △トウカイオーザ |
■ レース結果 |
------------------------------------------------------------------------------ 着 予 枠 馬 馬名 性齢 重量 騎手 タイム 馬体重 人気 ------------------------------------------------------------------------------ 1 7 10 フサイチソニック 牡 4 56.0kg 四位洋文 2:01.6 472Kg 0 3 2 ▲ 8 11 アグネスフライト 牡 4 56.0kg 河内洋 2:01.9 462Kg +10 2 3 ◎ 4 4 エアシャカール 牡 4 56.0kg 武豊 2:02.0 500Kg 1 4 △ 1 1 トウカイオーザ 牡 4 56.0kg 藤田伸二 2:02.2 478Kg -2 5 5 7 9 (父)ホワイトハピネス 牡 4 56.0kg 小原義之 2:02.3 456Kg +6 8 6 6 7 フェリシタル 牡 4 56.0kg 高橋亮 2:02.4 470Kg +4 7 7 5 6 エリモブライアン 牡 4 56.0kg 横山典弘 2:02.6 470Kg -2 6 8 6 8 (父)ドラゴンキング 牡 4 56.0kg 福永祐一 2:02.6 502Kg +2 9 9 ○ 8 12 (父)ファイブソルジャー 牡 4 56.0kg 武幸四郎 2:02.7 474Kg +2 4 10 5 5 マイネルビンテージ 牡 4 56.0kg 熊沢重文 2:02.7 482Kg +4 10 11 2 2 (市)クリノキングオー 牡 4 56.0kg 幸英明 2:02.8 448Kg -4 11 12 3 3 (父)ダーケストシャドウ 牡 4 56.0kg 太宰啓介 2:03.7 468Kg +2 12 ------------------------------------------------------------------------------ 天候:曇 芝:良 ハロンタイム 13.1 - 11.5 - 12.4 - 12.9 - 12.3 - 12.5 - 11.9 - 11.6 - 11.4 - 12.0 上り 4F 46.9 - 3F 35.0 1コーナー 5,10-(6,8)9,11(7,12)4,1,2-3 2コーナー 5,10(6,8)9-11(7,12)-4,1,2-3 3コーナー 5,10(6,8,9)-11(7,12,4)(3,2,1) 4コーナー (5,*10)(6,9)(8,11,4)(2,7,12,1)-3 <払戻金> 単勝 10 680円 3番人気 枠連 7- 8 820円 3番人気 複勝 10 160円 3番人気 馬連 10-11 1,750円 5番人気 11 150円 2番人気 ワイド 10-11 460円 5番人気 04 100円 1番人気 04-10 260円 2番人気 04-11 190円 1番人気 |
■ レース回顧 |
皐月賞馬とダービー馬を抑えて、夏の上がり馬フサイチソニックが優勝。セントライト記念の アドマイヤボスといい、札幌の知床特別で1,2着した馬が奇しくも菊花賞TRを制した。 夏に900万条件を勝った馬にG1馬が破れた結果をどうみるか、この見解が菊花賞のポイント になりそうだ。それにしても、直線でよれてほとんど負えなかったエアシャカールはひどかった。 まともなら能力があることは分かっているが、まずはこのよれることの矯正が必要だろう。 よれた理由を天才武豊騎手ではさえわからないのだから、手探りの矯正になるが、なんとか がんばってもらいたい。では、回顧です。 フサイチソニックは、スローペースの2番手を 進み、直線に向くと一気に後続を突き放して、最後まで脚色衰えずにG1馬2頭を完封し1着 でゴール。スローの展開でやや行きたがるそぶりを見せていたが、最後まで止まらずに伸びた ところを評価したい。この勝利はフロックではなく、この馬の底力だ。馬体は幅があって力強 く、その中にもやわらかい脚捌きがあり、かなりの器を思わす印象。レース前はスピード感に 欠ける印象だったが、十分スピードに対応できることを証明し、レース前の判断が間違いだった と反省させたれた。今後は距離適性を考慮して天皇賞(秋)に向かう予定であるが、レース後 に屈顕炎を発症し、引退危機になってしまった。好素材だけになんとか復活してもらいたい。 △アグネスフライトは、6番手といつもより、 積極的な競馬。直線に向き一杯に追って伸びるには伸びたが、前を捕まえられずに2着まで。 中間調教を休んで決して万全ではなかったので、まずまずの走りだが、なんとなく迫力を欠い ていた印象。もう少し、スパッと切れる脚が見たかったというのが正直なところ。パドック では、筋肉質の馬体で歩様のやわらかさもあり、相変わらず目立っていた。菊花賞に向けて、 このひと叩きでどこまで動きが変わってくるかがカギになりそうだ。燃えるような気合も見せ て欲しいところ。 ◎エアシャカールは、9番手を進み、アグネス フライトをマークする競馬。4コーナーでアグネスフライトの外につけて直線に向いたが、 内にモタれてほとんど追うことができずに3着敗退。状態は良かっただけに敗因は明らかに 内にもたれたこと。もたれなければ、2着はおろか、フサイチソニックとの差もこんなには なかっただろう。このよれたことに対して、武豊騎手は、「全く追うことができなかった。 内へ飛び込んでいこうとする。なにを求めているのか、彼の頭の中を見てみたいよ。」と コメントしている。手応えからと苦しがってモタれたのではないだろうから、やはり気性な のかもしれない。パドックでは、すっきりした馬体でうるささもほとんど見せずにまずまず のデキ。背丈が伸びて、だいぶ成長した印象だ。次走は菊花賞。まずは、よれないように 走らないと好結果は望めないのは確かなので、陣営がどう矯正してくるか、武豊の作戦は と興味はつきないが、なんとかまっすぐ走って実力は発揮してもらいたいものだ。 △トウカイオーザは、後方10番手を進み、 3コーナーでは最後方の位置取り。そこから一気にスパートして、直線でも良く伸びて 4着まできた。上がり3Fは、34.9秒で1〜3着の馬と同じで、素質を証明している が、まだ上位とは少し差があるようだ。パドックでは、きりっとした面持ちで、馬体の線 も素晴らしく、これから更に良くなってきそうな印象。今後必ず重賞戦線で活躍してくる のでじっくり見ていきたい。 ○ファイブソルジャーは、7、8番手を進み、 4コーナーを回って追い込むもいつもの切れる脚が使えずに9着敗退。状態は良かった ので、あまりに走らな過ぎの印象だったが、レース後に捻挫が判明したそうだ。これでは、 仕方がないが、状態が良かっただけに残念だ。鋭い差し脚は、昨今の上がりの競馬の中で は、非常に大きな武器になるので、早く直して復活してもらいたい。 |