ファンタジーＳ

ファンタジーＳ

2001/11/04　京都競馬場　G3　芝1400m

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■ レース展望

■ 出走有力馬

: ８月のダリア賞以来２カ月半ぶりのレースになりますが、順調に調教を消化し状態は良さそうです。ダリア賞で見せた走りはインパクトがありましたが、相手がそれほど強くなかったこともあるので、そのあたりをどう判断するかがポイントでしょう。いかにも切れ味がありそうな馬体で、現時点での仕上がりもまずまずです。半姉に函館３歳Ｓとデイリー杯３歳Ｓを２着したサラトガビューティがいるので、血統的にも魅力のある馬です。

: 連闘で臨んだサフラン賞を快勝し２勝目を上げました。連闘後の一戦だけに調子落ちがないことがポイントですが、元々小さい馬なので馬体細化がないか少々心配なところがあります。競馬センスのいい馬で首を上手く使った走りから、まだ幼さが残る中にも仕上がりの良さを感じさせます。調子を維持できていれば、上位争いできる馬です。

: ３戦３勝と断然の実績で人気になりそうです。馬体の作り自体はいいですが、完成度はそれほど高くなく素質で走っているように見えます。札幌ではずっとソエ気味だったそうですが、今は治まってきているようです。キタサンチャンネルの半妹で血統的にも魅力がある馬ですが、今回はこの馬で断然という感じでもありません。仕上がり次第としておきます。

: りんどう賞は鋭い脚を使って追い込むも２着と惜しい競馬でしたが、馬体と走りの完成度の高さが目立ちました。４３０キロ台の馬ですが、体を大きく見せているのが好印象で、キタサンヒボタンよりこちらの方に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。スムーズな競馬ができれば上位争いできるでしょう。

: ２戦目で新馬を勝ったばかりですが、馬体が目立つので取り上げておきます。阪神１４００ｍで逃げて１分２２秒０はタイム的にもまずまずで通用しそうな気配があります。逃げられずに揉まれた場合にどうかがポイントでしょう。

: ここ２戦大敗続きで人気を落としていますが、首の低い走法と馬の持っている雰囲気がいいので、力を出し切ればここで通用しないということはないでしょう。一発を注意したい馬です。

: 小倉２歳Ｓで大外から追い込んで優勝しましたが、いかにもはまった感じがするので、あまり信頼できないというのが正直なところです。距離は問題ないので、ハイペースで前崩れの展開になった場合に前走と同じ脚が使えるかに掛かりますがどうでしょうか。

■ 必勝データ　（過去１０年のデータを元に分析）

: 連対馬１０頭全てが前走３着以内で、４着以下の馬が巻き返した例は１度もない。データ的に１００％なので、よほどの不利や出遅れなどで敗因がしっかりしている馬以外は狙わない方がいい。

: 連対馬１０頭の内訳は、１番人気１、２番人気２、３番人気１、４番人気以下６連対と人気馬の信頼度は低い。そのため、３桁配当は１度しかないので、荒れることを前提に馬券は手広く流したい。

: 連対馬１０頭の脚質は、逃げ２先行５差し１追込２と逃げ先行馬が７割を占める。よほどのハイペースにならない限り、逃げ先行馬を中心に考えたい。スローなら前に行った馬同士、ハイペースなら後方の馬同士の馬券を狙いたい。

■ 過去のレース結果　

日付	１着馬	２着馬	馬連配当
１９９６年	シーズプリンセス	スーパードレス	３，１００
１９９７年	ロンドンブリッジ	シンコウノビー	９５０円
１９９８年	プリモディーネ	ゴッドインチーフ	２，３３０円
１９９９年	テネシーガール	グロウリボン	１７，５２０円
２０００年	タシロスプリング	テンザンデザート	２，４７０円

■ 調教診断

: 栗坂で一杯に追われて、力強い脚捌きで豪快に駆け抜けました。鞭をビシビシ入れて一杯に追われたところに陣営の勝負気配を感じます。馬体の仕上がりが早くしっかりしているので、これだけ追えるのでしょう。瞬発力を感じさせる走りは迫力十分で、デキだけならメンバー中１番でしょう。

: 栗坂で一杯に追われて、力強いフットワークで最後までしっかり伸びました。久々の出走になりますが、太め感もなく、馬体の張りもあって仕上がりは良さそうです。走る馬という雰囲気を持っているのも好印象で、久々でイレ込みさえなければ上位争い必死でしょう。

: 栗坂で一杯に追われて、リズミカルなフットワークで好タイムを叩き出しました。馬が走る気になっており、馬体減りもなく、連闘の疲れは感じられません。前走の状態をがっちりキープしています。

: 栗ＤＷでラスト一杯に追われましたが、反応が鈍くラスト１３．０秒掛かりました。３勝したときも馬体は重い感じがありましたが、今回も重い感じでおせじにも良いと言えません。追われてからの反応もイマイチで、デキとしては良くて前走と平行線です。馬体の作りは目立ちますが、調教からは推奨できません。

■ 相馬眼予想

　１５頭の多頭数で確たる存在がおらず非常に難解な一戦となった今年のファンタジーＳ。本来なら３戦３勝のキタサンヒボタンが１番人気になりそうなものですが、これまでのレースぶりと調教での動きが嫌われたのか、前日オッズでは２番人気となっています。１番人気は同じキタサンのキタサンオウシャン。２頭とも北島三郎氏が所有している馬です。北島三郎氏は今年で芸能活動４０周年で今週記念パーティが行われました。それに花を添えることができるか、特にキタサンオウシャン陣営は目一杯仕上げてきたので、勝負気配が十分感じられます。陣営の思惑通り、重賞制覇できるのでしょうか。いつものように各馬の調子と展開から予想していきます。

　まず京都の馬場状態ですが、内側がかなり荒れており、逃げ先行馬でもある程度外を回っています。どちらかというと芝のいい外を通った差し馬の活躍が目立っています。土曜日は雨が降って芝はやや重でしたが、日曜日は晴れそうなので馬場は回復しそうです。それでも、時計の掛かる馬場ということには変わりないので、荒れ馬場を苦にしないタイプを狙った方がいいでしょう。現時点で見極めるのは非常に難しいですが、しっかりした脚捌きが目立つツルマルグラマー、ヘルスウォール、キタサンオウシャンあたりには十分こなせそうです。

　２歳戦の１番のポイントは、現時点での仕上がり具合です。いくら素質が高い馬や良血の馬でも、仕上がりが悪ければ勝負になりません。この一戦に向けて、きちっとしたローテーションを組んで、きっちり仕上げてくる馬が狙い目です。当然のことですが、仕上がりが良くても能力がなければ、上位争いは難しいでしょう。まずは各馬のレースぶりから能力を見極める必要があります。

　これまでのレースぶりで目立った馬は、ヘルスウォール、ツルマルグラマー、キタサンオウシャン、ブライアンズイブの４頭です。それぞれの良さをひと言でいうと、ヘルスウォールはダリア賞で見せた切れる脚が、ツルマルグラマーは新馬戦で後方から追い込んた脚が、キタサンオウシャンは出遅れて大外を捲くって追い込んだ脚が、ブライアンズイブはレースセンスの良さと軽いフットワークから繰り出す瞬発力が目立っていいところです。この他では、キタサンヒボタン、スズカアンゼラ、タムロチェリーの３頭も気になりますが、上記４頭と比べると少し落ちる気がします。穴目なところでは、新馬でスズカアンゼラを差し切ったメイショウケリー、首の低い走りで独特の雰囲気があるアリストダッシャーの２頭が気になります。

　次に各馬の調子ですが、調教の動きが良く見えたのは、キタサンオウシャン、ヘルスウォール、ブライアンズイブの３頭です。特にキタサンオウシャンは、目一杯に追って鋭く伸びたようにデキは万全です。ヘルスウォールは久々でも太め感もなく馬体の張りもあってまずまずの仕上がり。ブライアンズイブは、馬が走る気になっており連闘の疲れは感じられません。この他では、ツルマルグラマー、スズカアンゼラの２頭もまずまずの動きを見せました。人気のキタサンヒボタンは追われてからの反応がイマイチで馬体も重めに見えるので強調できません。

　次に展開ですが、スズカアンゼラとカロスキューマが逃げますが、多頭数と馬場荒れを考慮して、各ジョッキーは好位を取ろうと積極的に前に行きそうなのでハイペースになりそうです。ハイペースで息の入れづらい展開で差し馬が有利になりそうですが、力のいる馬場で２歳馬が大外を回って追い込むというのも難しそうです。ハイペースで前に行っても粘り強い馬か、好位から中団から差せる馬が狙い目になります。前に行く馬では、スズカアンゼラとカロスキューマが２頭が、好位から中団の馬ではツルマルグラマー、ヘルスウォール、キタサンオウシャン、ブライアンズイヴの４頭が候補です。

　さあ最終決断を下します。本命は、ツルマルグラマーです。レース展望では見逃していましたが、馬体の作りの良さと新馬を勝ったときの差し脚は素晴らしいものがあります。４９０キロ台の馬体は非常に目立ち、パワーが要求される今の馬場の適性が十分ありそうです。休み明けですが、条件が揃っているので、無様なレースはしないでしょう。

　対抗は、ヘルスウォールです。４７０キロ台の馬体は見栄えがして、いかにも切れ味がありそうです。この馬もツルマルグラマーと同様、条件が揃っているので好勝負できそうです。ツルマルグラマーが馬群を捌くのに苦労するようだと勝つのはこの馬かもしれません。

　あとは、キタサンオウシャンです。調教の動きが良く、陣営の勝負気配も十分なので３番手に評価しました。調教でも豪快に伸びたように、荒れ馬場を苦にしないパワーを持っています。

　競馬センスの良さと堅実な差し脚が魅力も荒れ馬場を苦にしそうなので少し評価を下げたブライアンズイブ、ハイペースで逃げて後続の脚をなし崩しに使わせれば好走の目があるスズカアンゼラとカロスキューマを抑えます。

　　　　　◎ツルマルグラマー
　　　　　○ヘルスウォール
　　　　　▲キタサンオウシャン
　　　　　△ブライアンズイブ
　　　　　注スズカアンゼラ
　　　　　注カロスキューマ

■ レース結果

 2001年5回京都2日( 11月 4日) 11Ｒ  
 第6回 ＫＢＳ京都賞ファンタジーステークス(ＧＩＩＩ) 
 サラ系２歳 1400ｍ 芝・右　外  
 (混)牝(指) オープン 定量 
 本賞金： 3200、 1300、 800、 480、 320万円 発走 15:45 
 天候：晴　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 　 6 11 (父)キタサンヒボタン　 牝 2 54.0kg  須貝尚介 1:22.6 　　　　　  470Kg -12 須貝彦三  1
  2 ◎ 1  2 (父)ツルマルグラマー　 牝 2 54.0kg  武豊　　 1:22.8 １ 1/4馬身  508Kg +14 橋口弘次  4
  3 △ 4  7  　 ブライアンズイブ　 牝 2 54.0kg  幸英明　 1:22.9 １／２馬身  428Kg  -2 大久保正  6
  4 ○ 7 14 (市)ヘルスウォール　　 牝 2 54.0kg  横山典弘 1:22.9 クビ　　　  482Kg  +8 森秀行　  3
  5 注 3  6 (外)カロスキューマ　　 牝 2 54.0kg  福永祐一 1:23.1 １ 1/4馬身  518Kg  -4 松田国英  5
  6 ▲ 8 15 (外)キタサンオウシャン 牝 2 54.0kg  安田康彦 1:23.1 クビ　　　  436Kg  -2 安田伊佐  2
  7 　 4  8  　 ウォーターミューズ 牝 2 54.0kg  池添謙一 1:23.2 クビ　　　  444Kg  -2 田中耕太 14
  8 注 6 12 (市)スズカアンゼラ　　 牝 2 54.0kg  河内洋　 1:23.4 １ 1/4馬身  452Kg  -8 武宏平　  7
  9 　 2  4 (市)ダンツラベンダー　 牝 2 54.0kg  四位洋文 1:23.4 クビ　　　  476Kg  +4 谷潔　　  9
 10 　 7 13 (抽)タムロチェリー　　 牝 2 54.0kg  小池隆生 1:23.5 １／２馬身  448Kg +16 西園正都  8
 11 　 5 10 (市)アリストダッシャー 牝 2 54.0kg  和田竜二 1:23.5 クビ　　　  426Kg  +4 安田隆行 13
 12 　 3  5 (父)メイショウケリー　 牝 2 54.0kg  飯田祐史 1:23.6 クビ　　　  412Kg  +4 飯田明弘 10
 13 　 5  9 (地)イケジョッパリ　　 牝 2 54.0kg  竹之下智 1:24.0 ２ 1/2馬身  456Kg  +6 土門一美 15
 14 　 2  3 [地]コンプリートアゲン 牝 2 54.0kg  大枝幹也 1:25.2 ７馬身　　  450Kg  -2 佐藤敏昭 12
 15 　 1  1 (父)ユウキャナリー　　 牝 2 54.0kg  川原正一 1:26.1 ５馬身　　  430Kg  +6 松元茂樹 11
    　 8 16 [地]クインキャスト　　 牝 2 54.0kg  小牧太　 取消   　　　　　            曽和直栄
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 ハロンタイム　 12.1 - 11.0 - 11.4 - 11.5 - 12.3 - 12.2 - 12.1  
 上り 　4F 48.1 - 3F 36.6 
 3コーナー　 6-8(5,11)(1,2)14,7(13,12,15)(3,4)-10-9  
 4コーナー　 6=(8,11)(5,15)2(7,14)(4,12)(1,3,13)10,9  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 11 390円 1番人気  枠連　  1- 6 1,460円  6番人気
 複勝 11 170円 2番人気  馬連　 02-11 2,310円  8番人気
 　　 02 320円 7番人気  ワイド 02-11   880円  8番人気
 　　 07 260円 4番人気  　　　 07-11   780円  6番人気
 　　       　  　　　  　　　 02-07 1,260円 16番人気

■ レース回顧

: ３番手を進み、逃げたカロスキューマとの差を計りながら４コーナー手前からスパートし、馬場のいい外からきっちり伸びて後続を完封した。軽めの調教で重く見えたが、マイナス１２キロと絞れていたのが誤算。この勝利で４戦４勝となったが、それほど強い感じがしないのは私だけだろうか。今回は外から流れに乗って、終始馬場のいい外目（内よりいいが外目も荒れていた）を通れたことも有利に働いた感じがするので、それほど評価できないというのがここでの見解。パワー型なので荒れた馬場も得意なタイプ。次走は阪神ジュベナイルに向かうが、距離延長、阪神の開幕週の芝でどうだろう。期待より課題の方が大きい気がする。

: 内々の中団を進み、直線で外に持ち出しながら鋭く伸びて２着を確保した。馬場の悪い内々を走って、かつプラス１４キロの余裕残しの仕上げでこの競馬は強い内容。馬体は５００キロを超えるが、それほど大きくなくまとまった感じに見えるのはバランスがいいからだろう。顔つきも走る馬に共通するものでかなりの素質を感じさせる。今年の２歳牝馬の中ではトップレベルの器と言っていいだろう。勝ったキタサンヒボタンよりこちらの方を断然上位に取りたい。次走は阪神ジュベナイルになるが、状態さえ良ければ期待していいだろう。

: 中団を進み、直線で首を使った走りで鋭く伸びたが３着まで。荒れ馬場は決していいタイプではないが良く走っている。騎乗した騎手がみな競馬センスのいい馬と言うように見ている側にもセンスの良さを感じさせてくれる馬。大事に使えば伸びそうな馬だが、厳しいローテーションでの競馬が続いているのが今後に向けてどうだろう。馬体はマイナス２キロで少しギリギリに見えたので、次走は状態面を注意した方がいいだろう。

: 中団を進み、外から捲くり気味に追い込んだが４着まで。大外を回るロスの大きい競馬だったが、直線で良く伸びている。パドックでイレ込んでいたのが気になったが、初輸送だっただけに仕方がないところか。久々で馬体に張りがなかった分、伸び切れなかったが、これを叩いて良くなりそうだ。エアリバティーに似たタイプで、このメンバーではツルマルグラマーの次に評価したい馬。今後の活躍が楽しみだ。

: 久々で馬体に余裕があったが、これを叩かれて上昇してきそうな勢いを感じさせる。馬体のバランスと顔つきは一級品で、順調に行けばクラシックで活躍できそうだ。次走は阪神ジュベナイルになるが、間違いなく上位争いできるだろう。期待したい。

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