京都大賞典
2001/01/07 中山競馬場 芝1600m


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データ分析

■1番人気連対8割。上位人気馬大活躍
1番人気が8連対と大活躍。95年に10番人気が連対したが、それ以外は全馬が1〜4番人気と人気薄の入り込む余地はほとんどない。ここまで堅いと穴党はお手上げ。上位人気馬を中心に点数を絞って勝負したい。

■とにかく堅い。穴党の出番はない
10倍以下が7回とかなり堅く収まる傾向。1、2番人気で決着すると200円、380円、220円でとにかく堅い。GT実績馬が数頭出走してきたら、穴党の出番はほとんどない。人気馬を中心に本命狙いに徹するのが妥当。

■3連複でも大穴狙いは避けた方が無難
3着まで広げても5番人気以内が7頭、7番人気が3頭と極端な人気薄が来た例はない。GT級の馬が揃う一戦では人気薄の出番はほとんどないのが実状。馬連が低配当なら3連複もあるが大穴狙いは避けた方が無難。

■ワイド率5割を誇る3歳馬に要注意
高齢馬の連対はなく4、5歳馬が活躍しているが、ここで注目したいのは4連対の3歳馬。3歳馬の成績は[2・2・2・6]でワイド率5割の好成績。古馬に目が行きがちだが、能力のある3歳馬なら十分通用するので注意したい。


コース分析

京都芝2400mは4コーナー奥のポケットからスタートし、トラックを約1−1/4周する外回りコース。外回りで直線が長いため、どちらかというと差し馬が有利。3コーナーの下り坂で息を入れながら徐々に進出できる馬が直線でいい脚を使って好走することが多い。特殊コースのため、京都での好走実績のある馬が活躍する傾向が強い。

京都大賞典の過去10年の連対馬の脚質は、逃げ2先行9差し7追込2。長距離戦でスローペースになることが多く、8年連続して勝ち馬の上がり3Fは33〜34秒台なっている。ここ3年の勝ち馬はみな先行馬でその上がりは34.3秒、33.3秒、34.1秒。早い上がりに対応できる瞬発力のある馬に注目したい。

今開催の京都は8日間ともAコース。洋芝のオーバーシードで行われる。開幕週で馬場がいいので今年もスローペースになると極端に上がりが早くなりそう。展開次第だが、スローの上がり勝負に対応できるかどうかはチェックしておきたい。


レース展望

ナリタトップロードとツルマルボーイの一騎打ちになる可能性が高い。スローペースなら早い上がりに対応できるトップロード、ペースが上がればツルマルという位置づけになる。ポイントは前に行くアラタマインディ、ホットシークレット、スエヒロコマンダーの3頭がどんな競馬をするのかということ。展開ひとつで両者の着順は入れ替わるだろう。

2頭に割って入れば、前走からさらに充実してきたタップダンスシチーだろう。朝日CCで馬体がガレていたが、今回はかなり良くなっている。あとはホットシークレット。掴みどころのない馬でどんなペースでも対応できる柔軟性は大きな武器になるかもしれない。ただし2頭を負かすところまでいくかどうかは微妙なところ。

毎日王冠同様、こちらも少頭数で馬券的妙味は薄いレースになってしまった。個人的には昨年落馬したトップロードにいい走りを見せて欲しいが、それと予想とは別。シビアに攻めてみたい。


有力馬診断

■[8]ツルマルボーイ
小倉2歳Sを1番人気で惨敗した後に不振に陥りクラシックに乗れなかった馬が、よくもここまで来たものだといつも感心してしまう。宝塚記念では58キロを背負って2着と地力強化は明らか。4歳の秋だけにどこまで充実してくるか楽しみだ。最終調教でもいい動きを見せたし、折り合いもついていた。スローの上がり勝負でも対応できるが、ペースが上がっても問題ないだろう。展開的にトップロードをマークできることが有利に働きそうな気がする。

■[8]ナリタトップロード
一昨年の京都大賞典でマークした上がり3Fは33.5秒。テイエムオペラオーには負けたが、スローの上がり勝負なら、上位争いは必死だろう。最終調教も動いたし、久々でも仕上がりに不安はない。以前、京都記念で的場騎手が騎乗したときに出遅れたことがあったが、今回は四位騎手が騎乗するだけにそのあたりで何かないかというのは考え過ぎかどうか。ただ断然人気で強気な競馬をすると3着という目も少なからずある。

■[7]タップダンスシチー
朝日CCを勝ったが、当時は馬体がガレ気味で決していい状態ではなかった。その状態でレコードで走っただけに状態面が心配したが、最終調教を見る限り、馬体が回復し動きも本来にものになっていた。状態面は心配なさそうなのであとは力関係だけ。距離は問題ないが、切れ味勝負になると分が悪いので、ある程度早くなった方が競馬はやりやすいだろう。

■[6+]ホットシークレット
京都2400Mは日経新春杯で連対しているように適性はあるが、今回は2頭が強いだけに割って入れるかどうかは微妙なところ。ひと叩きされて調子を上げているので、マイペースで行ければ持ち前の粘り腰が発揮できるだろう。

= 評価順 =
■[8 ]ツルマルボーイ
■[8 ]ナリタトップロード
■[7 ]タップダンスシチー
■[6+]ホットシークレット

調教診断

■[8−]ナリタトップロード
栗DWで単走で一杯に追われて、79.5−37.8−12.4秒のこの日の1番時計を出した。重心の低いフットワークで前脚も上がり過ぎていないのがいい。馬体もきっちり出来ているし、久々でも好仕上がり。

■[8−]ツルマルボーイ
栗坂で単走馬なりでリズミカルなフットワークで最後までまっすぐに伸びた。軽めに見えたが、51.9−25.6−13、0秒と時計が出たのは調子のいい証拠。鞍上との折り合いもついていたのも好印象。少し馬体がフックラして見えるが、ボリューム感が増したとも言えなくはないので、このあたりはパドックで見極めたい。

■[8/]タップダンスシチー
栗DWで単走で一杯に追われて、この日の1番時計80.8−39.1−12.3秒をマークした。クビを使った重心の低い走りはこの馬本来のもの。ガレ気味だった馬体も戻って、前走よりかなり調子を上げている。

■[6+/]ホットシークレット
南Wで2頭併せで強めに追われて、内からしぶとく伸びて併入した。ラストは時計が掛かったが、馬がリズム良く走れているし、脚捌きがスムーズになってきたのは好印象。ひと叩きされた上積みはありそうだ。

■[6+/]スエヒロコマンダー
栗坂で2頭併せで一杯に追われて遅れはしたが併走馬にしっかり喰らいついた。52.1のタイムが出たようにこれだけ動けば十分だろう。ひと叩きされてデキは上向き。

■[6+−]アラタマインディ
栗坂で単走で一杯に追われて、51.3−38.1−13.2秒の好タイムを出した。タイムは出たが、いいときと比べると少し迫力が薄れてきた印象。それでもこれだけ動けが大きなマイナスにはならない。

■[6+−]テンザンセイザ
栗CWで2頭併せで一杯に追われるとこの馬独特の回転の速いフットワークで先着した。調教は見栄えのする馬で騙されやすいが、前脚の鋭さはいいときに比べるとひと息の印象。ただ馬場が悪かったこともあるので評価が難しい。馬体には少し余裕がある。

■[6−]ヤマニンリスペクト
栗Bで馬なりで軽めの調教。馬体にも少し余裕があるし、やや動きが重い印象。あまり強調できない。

= 評価順 =
■[8 −]ナリタトップロード
■[8 −]ツルマルボーイ
■[8 /]タップダンスシチー
■[6+/]ホットシークレット
■[6+/]スエヒロコマンダー
■[6+−]アラタマインディ
■[6+−]テンザンセイザ
■[6 −]ヤマニンリスペクト

相馬眼予想

まず京都の馬場だが、開幕週で絶好の状態。土曜日の1800mのオープン特別はスローペースだったが、勝ちタイムは1分46秒1。1着馬と2着馬は2番手、3番手を進んだ馬でその上がり3Fはそれぞれ34.0秒、33.7秒。スローペースだと前が止まらない。この絶好の馬場が今回のポイント。前に行く馬がこの早い上がりに対応できるかどうかを考えれば答えが出るはずだ。

次に展開だが、逃げるのアラタマインディ。2番手にスエヒロコマンダー、ホットシークレットが続き、中団にナリタトップロードとタップダンスシチー、後方からツルマルボーイ、テンザンセイザ、ヤマニンリスペクトになる。前に行く3頭のこれまでの最高上がりタイムは、アラタマインディが34.5秒、スエヒロコマンダーが34.8秒、ホットシークレットが35.0秒。ここからも明らかだが、動き出すのはホットシークレット。切れ味勝負では分が悪い。ホットシークレットが3コーナー手前から11秒台のラップで飛ばすと前半ゆったり行っても単なる上がり勝負にはならないというのがここでの読み。

スローの上がり勝負なら位置取り的にもナリタトップロードで断然。ただしホットシークレットが動くことで上がりが掛かれば後方からの馬でも届く。まして今回は8頭立て。京都外回りで直線ではバラけるのもそれを加速させる。ナリタトップロードもこの展開でも勝つ力を持っているが、今回は四位騎手で大外を強気にぶん回す可能性が高いので最後はどうしてもスピードが衰えるはず。逆にナリタトップロードをマークして進められるツルマルボーイは、金鯱賞でエアシャカールを負かしたのと同じイメージで進められるので競馬は楽。ツルマルボーイは、相馬眼的にもこの秋の飛躍が期待できることを付け加えておく。

さあ最終決断。本命はツルマルボーイ。宝塚記念2着で地力強化を証明したし、本来直線が平坦の京都の方が合う。橋口調教師のインタビューを見ても相当な自信が伺えたし、それを裏付けるようにツルマルボーイはこの秋さらに成長している。これが相馬眼予想の結論。対抗はナリタトップロード。昨年このレースで落馬し、心情的にはこの馬に勝って欲しいが、それと馬券とは別、シビアに予想してみた。断然の1番人気でテン乗りの四位騎手。大外ぶん回しがどうしてもイメージから消えない。

あとはタップタンスシチー。状態面の良さと上がりが少しかかる展開で上位に評価できる。穴でホットシークレットの前残りだが確率はかなり低い。馬券はツルマルボーイの単勝とナリタトップロードへの馬単を本線に押さえで馬連。あとはツルマルボーイから馬単でタップタンスシチーとホットシークレットへの2点が押さえ。

     ◎ツルマルボーイ
     ○ナリタトップロード
     △タップタンスシチー
     注ホットシークレット


レース回顧

勝ったナリタトップロードは直線の入り口で内に切れ込んで、ホットシークレットの進路を塞ぎましたが(ツルマルボーイもその影響を受けた)、内容的には完勝でした。パドックでも馬が堂々としていて、かなりいい状態に映りました。春にも書きましたが、テイエムオペラオーがいなくなってからは堂々と振舞うようになりました。馬もあの馬には敵わないということが分かっていたのでしょう。次走は天皇賞秋なのか、ジャパンCなのか未定のようですが、いずれにしても中山コースなのでそのあたりがポイントになりそうです。ただ個人的には馬場さえ良ければ全く問題ないとみています。

2着のツルマルボーイは4コーナーでの不利が大きかったですが、自分から動いて行けない弱みを見せたとも言えなくはありません。しかし8頭立てであれほどゴチャつくとは想定外でした。ただ直線で一旦止まりかけた後に伸びたのは評価できますね。香港Cのステイゴールドもそうでしたが、ああいう脚を使える馬は能力がある馬です。次走は天皇賞ですが、時計の早い2000mのレースというのはいいですね。まだ見限れません。

3着のタップダンスシチーは馬体も回復して良く見せていたし、レースでもロスのない騎乗で力を出し切りました。陣営も常々言っていますが、やはり馬場がいい方が走りますね。パワー型なので力のいる馬場もこなしますが、見た目以上に早い馬場に対応できる馬のようです。次走はアルゼンチン共和国杯に向かうようです。



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