スプリンターズS
レース展望

秋のスプリント王決定戦。過去10年で1番人気は[5-3-1-1]で連対率80%。連対を外したのは引退レースだったタイキシャトル(3着)と初のスプリント戦だったゼンノエルシド(10着)。近走好走のG1馬か、芝1200mで4勝以上を挙げている馬なら信頼度は高い。秋開催になった00年以降の連対馬8頭のうち7頭が5番人気以内。00年に16番人気のダイタクヤマトが勝ち大波乱になったが、それ以外は荒れていない。3着は4年とも2番人気で人気薄の出番はほとんどない。データ的には5番人気以内が中心になる。

今年の中山は昨年より時計が早く、1000万条件以上で行われた3レースの勝ちタイムは1分7秒台前半だった。昨年は芝丈10cm、今年は先週が8〜10cmでほとんど変わらず、使用コースも前4日Aコース、後4日Bコースで一緒。今年は晴天が続いたため、芝の生育がいいのだろう。例年より軽い馬場でとにかく前に行った馬が残っている。福島などの平坦コースで好走が目立つ馬が中山の急坂を克服して粘っている。

今開催の中山芝1200mの逃げ馬は[4-5-0-3]で連対率75%。1000万条件以上に限定すると[1-2-0-0]でまさに逃げ馬天国。連対した3頭は8、7、9番人気で全て人気薄だった。差し追い込みはほとんど決まっていない。距離は違うが、重賞もマイネルモルゲン、コスモバルク、トーセンダンディと全て3コーナー手前で先頭に立っていた馬。今年のポイントのひとつは前残り。最終週は芝のレースが多いので、内側が荒れてくる可能性も否定できないが、前に行く馬には注意を払いたい。

ひとつ注意したいのは、高松宮記念でも同じように前残りの馬場だったこと。レース当日は前に行った馬が粘るレースが多く、9Rの芝1200mでは逃げた馬と3番手を進んだ馬で決着した。高松宮記念は1番人気デュランダル、2番人気サニングデールで差し追い込み馬が人気だったが、騎手の意識は逃げたギャラントアロー(4番人気)に向けられた。結果は前半32.9秒のハイペースで人気馬2頭が追い込みを決めた。前が残りやすい馬場でもハイペースになれば差し追い込みが決まる。展開の読みが重要になる。

今年人気になりそうなのはG1馬サニングデールとデュランダル。サニグデールは高松宮記念1、2着、CBC賞1着がある中京巧者。今年の高松宮記念では内々の後方を進んだが、4コーナーで福永騎手が芸術的に捌いて外に出し、前の馬を一気に差し切った。馬の器用さ、末脚の切れもあるが、4コーナーでキーンランドスワンが外に膨れるラッキーな面もあった。最近は少しズブくなっているので、今回も後ろからの競馬だとすると福永騎手の捌き次第か。阪神芝1200mで33秒台で上がれるなら中山がこなせないとは思わない。前走はG1前のひと叩き。今回は馬が戦闘モードに入っている。

デュランダルは休み明けの高松宮記念で後方2番手から追い込んでクビ差の2着。休み明け、初の左回り、直線が短く平坦の中京コースと条件はかなり厳しかったが、レースの上がりを1.4秒上回る33.6秒の切れ味を見せた。昨年のスプリンターズSでは最後方からメンバー最速の33.1秒でビリーブを差し切っている。ロスのある大外を回ってまさに極限の切れ味。今回は高松宮記念のときほど乗り込んでいないが、1週前は坂路で52.1-24.5-12.1秒の好時計を出している。調子が良ければパドックの外めを勢い良く回るのでパドックに要注目。能力は足りるので、あとは展開と馬場だろう。

シーイズトウショウは平坦巧者で中山の急坂が課題だが、力をつけてきているので侮れない。好位につけられる脚質は今の中山向きだし、スピード勝負にも対応できる。イレ込むタイプなので初の中山への輸送をクリアできるかが鍵。ゴールデンキャストは3歳時に1番人気を裏切り続けたが、前走1番人気で重賞制覇。骨折から立ち直りようやく本来の走りができるようになった。揉まれると良くないのでスムーズに行ける外枠が理想。鞍上はスプリンターズS[2-3-1-1]で連対率71.4%を誇る武豊騎手。

キーンランドスワンは前走のセントウルSはプラス8キロで2着に好走。今回は馬体を絞ってくるだろう。今年のシルクロードSを制したが、そのときも叩き2戦目だった。中山芝1200mは02年の白秋Sでデュランダルとクビ差の2着。馬体的に急坂が気にはなるが、今年は坂のある阪神で好走している。メンバーはほとんど変わらないので、ゴール前でひと伸びできるかどうかだろう。カルストンライトオは昨年はテン乗りの村田騎手が騎乗して逃げずに不完全燃焼。今年は3勝を挙げている大西騎手で思い切った逃げが見られそうだ。前残りの馬場を見方につけてどこまで踏ん張れるか。

以上が人気になりそうな馬の現時点での簡単な見解。今年のもうひとつのポイントは外国馬の取捨だろう。外国馬については相馬眼的な評価を含めて有力馬診断で解説する。外国馬の手綱を取る横山典騎手と後藤騎手は腕を見込まれてのもので、それなりにプレッシャーを感じているだろう。今年の外国馬のレベルは低くないので、高速決着と中山特有のコーナーと直線の急坂をクリアできるかが鍵になる。あとは穴馬だが、土曜の競馬をじっくり吟味した上で相馬眼予想で取り上げたい。

2004/09/30
競馬アナリストGM

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