宝塚記念
レース展望(1/2)
過去10年で1番人気は[3−3−1−3]で6連対。前走G1で連対した4、5歳馬が休み明けでなければ[2−3−1−0]。4着以下に終わった3頭は、休み明け、3歳馬、8歳馬。今年1番人気が予想されるオルフェーヴルは前走天皇賞(春)11着。1986年以降の宝塚記念で前走10着以下に惨敗した馬が1番人気になったことはない。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[1−2−4−3]で3連対。
6番人気以下が7連対と多く、人気馬の相手に人気薄が来て中穴決着になることが多い。馬連は10倍以下はなく、10倍台が6回、20倍台が1回、50倍台が1回、万馬券が2回。最近6年は10〜50倍台の中穴までに収まっている。連対馬20頭のうち9頭にG1勝ち、4頭にG1で2着、7頭にG2勝ちがあった。最近5年の連対馬は全て前走3着以内を確保していた。前走4着以下に敗れた馬は、明らかな敗因が必要。
年齢別では3歳[0−0−1−4]、4歳[6−4−3−32]、5歳[1−4−2−36]、6歳[2−1−3−24]、7歳以上[1−1−1−25]で4歳馬の活躍が目立つ。4歳馬は3番人気以内なら[3−3−3−5]で連対率42.9%。前年のクラシックで好走した4歳馬が活躍している。3歳馬は連対がなく、ダービー馬ネオユニヴァースは4着、ウオッカは8着に終わっている。7歳以上の高齢馬も不振傾向。
オルフェーヴルは昨年重賞6連勝でクラシック3冠と有馬記念を制した年度代表馬。有馬記念はスローペースで後方からいい脚を長く使って外から捻じ伏せる強い内容。もう日本には敵はいないと思われたが、これまでとは違う戦いが待っていた。2走前の阪神大賞典は折り合いを欠いて先頭に立ち、逆手前のまま3コーナーに入って外に逸走。並の馬なら競走中止または惨敗してもおかしくないが、外から捲って2着まで追い上げた。
あれだけ掛かったら行かせるなど、何かしら対策はあったのではないか。凱旋門賞でディープインパクトが先行して3着に負けたことから、オルフェーヴルには道中我慢させて末脚を生かすように脚質を固定したいのだろうか。不良馬場の日本ダービーでラスト5Fを尻上がりラップで勝ったように心肺機能と能力が規格外の可能性がある馬。陣営が型に嵌め込んで可能性の幅を狭めてはいけない。あの2着で楽を覚えた可能性もある。
前走の天皇賞(春)は後方3番手からメンバー3位タイの34.0秒で上がって1.8秒差の11着。隊列が縦長の展開で後方でタメ過ぎたこと、4コーナーで大きく外に膨れたこと、調教再審査でストレスがあったことなど複合的な要因が重なったのだろう。みんながペースアップして高速ラップを刻んだときに大外を回って追い上げるのは至難の業。3、4コーナーの下りでスピードを出し過ぎて外に大きく膨れるロスも大きかった。
池添騎手は阪神大賞典のように折り合いを欠いて逸走だけはできないと考えたのか、折り合いを重視し過ぎて後方に控え過ぎた。あの位置からではディープインパクトが32秒台で上がっても届かない。池添騎手は硬い馬場を気にしていたとコメント。本当に硬い馬場が合わないか。それとも調子に問題があったのか。筋肉が落ちたのは古馬になって馬体が枯れてきたからか。JRAが2戦連続で大外枠に入れたことも見逃せない。
池添騎手は天皇賞(春)を惨敗した後[1−4−4−53]で1勝のみ。重賞では[0−0−0−8]で全くいいところがない。ヴィクトリアMではフミノイマージンで前が壁になって追えず15着。ダービーではグランデッツァで10着に終わった。昨年は重賞で1番人気なら[10−1−1−1]で勝率76.9%。多くの競馬ファンが強いオルフェーヴルの復活を期待している。凱旋門賞に向けて軌道を修正できるか大事な一戦になる。
→(2/2)に続く
WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM
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