京都牝馬ステークス

京都牝馬ステークス

2001/1/28　京都競馬場　G3　芝1600m

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■ レース展望

■ マルカコマチ	■ ティコティコタック	■ ニホンピロスワン
■ エリモセントラル	■ グレイスナムラ	■ タイキダイヤ
■ コスモフライト	■ エイシンルーデンス	■ プリモディーネ

　一昨年の覇者マルカコマチが滑り込みで出走が決まりました。このレースで引退となるそうですが、京都１６００ｍは最も得意なので上位争いを期待してみたくなります。牝馬の引退レースは買えないという格言もありますが、しっかりと仕上げているので、気にする必要はないと思います。昨年の秋華賞馬ティコティコタックは、阪神牝馬特別で３着と古馬に通用することを証明しました。相変わらず馬体は細身ですが、調子自体はいいようなので狙い目はありそうです。あとは、決め手鋭いニホンピロスワンとエリモセントラル、上がり馬グレイスナムラ、荒れ馬場得意のタイキダイヤあたりでしょうか。プリモディーネ は、まだ少し太めが残っていることと調教での鋭さが増してきていないので、もう少し様子を見たいと思います。

　【ミニデータ】

２０００年

京都牝馬特別

１着　スティンガー

２着　エイシンルーデンス

■ 調教診断

■ ニホンピロスワン
　栗ＣＷで直線一杯に追って、ラスト１２．０秒の切れを見せました。これを使って休養に入るそうですが、この動きを見る限り調子はいいようです。差し有利の展開になれば、ローズＳのような差し脚が見られそうです。
■ グレイスナムラ
　栗Ｂで一杯に追われて、最後までしっかり伸びました。脚捌きもスムーズで前走のデキをキープしています。馬体の作りも目立つ馬で牝馬重賞なら十分にやれそうな気がします。
■ マルカコマチ
　栗ＣＷで一杯に追われて、いつも通りのいい動きを見せました。馬体がスッキリと見えるので仕上げに抜かりはないようです。このデキならいつも通りの末脚を期待してもいいでしょう。
■ タイキダイヤ
　美坂で馬なりで軽快に駆け上がり、好タイムを出しました。前走より更に調子を上げている印象で体調面に不安はなさそうです。荒れ馬場は得意なので、恐い存在です。
■ ティコティコタック
　栗坂で強めに追われて、独特の脚捌きでまずまずの動きを見せました。少し元気がないところが気になりますが、動き自体は問題ありません。それでも、馬体重には注意を払いたいところです。

■ 相馬眼予想

　土曜日の馬場は不良でかなり時計が掛かっていたので、当日晴れて回復してもやや重くらいまででしょうか。馬場は全体的に荒れており、特に内側は荒れがひどいようです。いずれにしても、力のいる馬場で内側が荒れているというのが、ポイントになりそうです。ペースが遅くなれば前残りの競馬になる確率は非常に高そうですが、果たしてどうなるのでしょうか。

　エイシンルーデンスが逃げて、内からオリエンタルアートが２番手を進む展開。馬場が悪いこともあって、競い合いは避けるでしょうから、ペースは平均よりやや遅いペースになると思います。ただし、馬場が悪いときは、後続の各騎手も早めに好位置を取ろうとするので、３コーナー手前からペースが上がり、息の入れづらい展開になりそうです。こうなると逃げ馬より好位の馬が有利ですが、直線で馬場が悪いところを通りそうなので、早めに抜け出すと最後はスピードが鈍りそうです。そこを大外の馬場のいいところを通って追い込む馬が差し切るのではないかと思います。ペースが上がらなくても、差し追い込みが有利な展開というのが、ここでの結論です。

　本命は、マルカコマチです。大外枠を引いたので、間違いなく後方から思い切ったレースをするはずで、今回は展開がはまりそうです。内より外が伸びる馬場状態と前の馬の上がりタイムが極端に早くならないというのもこの馬には有利です。引退レースになりますが、きっちり仕上がっているので、いつも通りの末脚を繰り出せるとみました。道中は後方２，３番手を進み、３コーナー下りを利用して徐々に進出する競馬。直線で大外を豪快に伸びて、先に抜け出した馬を一気に差し切って１着でゴール。福永騎手が自厩舎に初めて重賞制覇をもたらした思い出の馬の引退レースで、福永騎手自身が燃えています。一昨年のこのレースを勝って以来１度も勝っていませんが、直線での伸び脚を信じてみたいです。

　対抗は、グレイスナムラです。昨年秋に距離が短いところを使い出してから、徐々に頭角を現してきました。調教での動きも良く、特に馬体の作りが目立ち本格化気配があるので狙いたいと思います。ダートで豪快な調教ができるようにパワー型の差し脚も今回の馬場に合いそうです。京阪杯で出遅れながらも４着したことからも、牝馬重賞なら既に上位の存在かもしれません。

　あとは、ニホンピロスワンです。調教の動きが良く、ローズＳのときのデキに近いものがあるので、狙ってみたいと思います。本来はもう少し距離が欲しいところですが、今回の息を入れられない展開なら、その距離適性が逆にいい方向に向く気がします。Ｇ２を勝っているのに５４キロで出走できるのも有利に働きそうです。

　また、荒れ馬場得意のタイキダイヤ、重賞を１度経験して今度は実力を出し切りそうな コスモフライトを抑えたいと思います。

　　　　　◎マルカコマチ
　　　　　○グレイスナムラ
　　　　　▲ニホンピロスワン
　　　　　△タイキダイヤ
　　　　　注コスモフライト

■ レース結果

  2001年2回京都2日( 1月 28日) 11Ｒ  
  第36回 京都牝馬ステークス(ＧＩＩＩ) 
  サラ系４歳以上 1600ｍ 芝・右　外  
  (混)牝[指] オープン 別定 
  本賞金： 4200、 1700、 1100、 630、 420万円 発走 15:45 
  天候：曇　 芝：稍重　 
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　着 予 枠 馬       　　馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ○ 1  2  　 グレイスナムラ　　 牝 5 54.0kg  小林徹弥 1:35.2  508Kg  +4  5
   2 △ 6 12 (外)タイキダイヤ　　　 牝 5 55.0kg  四位洋文 1:35.2  482Kg  +8  2
   3 　 2  4  　 エアトゥーレ　　　 牝 4 52.0kg  デムーロ 1:35.3  456Kg  -6  4
   4 　 1  1  　 エリモセントラル　 牝 6 54.0kg  池添謙一 1:35.3  462Kg  -2 11
   5 　 8 15  　 ハギノスプレンダー 牝 5 53.0kg  熊沢重文 1:35.4  462Kg  -4  7
   6 　 4  7 (父)ティコティコタック 牝 4 56.0kg  武幸四郎 1:35.5  424Kg  +6  3
   7 ◎ 8 16  　 マルカコマチ　　　 牝 6 53.0kg  福永祐一 1:35.5  438Kg  +6  1
   8 　 6 11  　 グリーンプラネット 牝 6 54.0kg  幸英明　 1:35.5  456Kg  +6 12
   9 ▲ 5 10  　 ニホンピロスワン　 牝 4 54.0kg  河内洋　 1:35.6  456Kg  +2  6
  10 　 2  3 (父)オリエンタルアート 牝 4 52.0kg  秋山真一 1:35.6  454Kg  -4 16
  11 　 4  8 (外)レッドチリペッパー 牝 5 57.0kg  安田康彦 1:35.9  486Kg  +4 13
  12 　 5  9  　 スリーローマン　　 牝 4 52.0kg  武英智　 1:35.9  440Kg  -2 14
  13 　 7 13  　 エイシンルーデンス 牝 5 56.0kg  野元昭嘉 1:36.1  470Kg   0  8
  14 注 7 14 (市)コスモフライト　　 牝 4 53.0kg  角田晃一 1:36.3  430Kg  -2  9
  15 　 3  5 (地)エンゼルカロ　　　 牝 4 53.0kg  菊沢隆仁 1:36.5  462Kg  -2 15
  16 　 3  6  　 プリモディーネ　　 牝 5 56.0kg  松永幹夫 1:36.9  504Kg  -2 10
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  ハロンタイム　 12.6 - 11.6 - 11.8 - 12.2 - 11.7 - 11.6 - 11.7 - 12.0  
  上り 　4F 47.0 - 3F 35.3 
  3コーナー　 13(12,14,15)(4,6,9,10)(1,5,7)(2,8,11)16,3  
  4コーナー　 13(12,14,15)(4,6,9,10)1(2,5,7,11)(3,8,16)  

  ＜払戻金＞ 
  単勝 02 1,020円 5番人気  枠連　  1- 6 1,510円  6番人気
  複勝 02   310円 5番人気  馬連　 02-12 2,330円  5番人気
  　　 12   190円 1番人気  ワイド 02-12   950円  6番人気
  　　 04   340円 6番人気  　　　 02-04 1,570円 18番人気
  　　         　  　　　  　　　 04-12   870円  4番人気

■ レース回顧

　やや重の馬場を内から豪快に差し切ってグレイスナムラが初重賞制覇。馬体の作りとレースぶりからこの馬の実力を見抜いていたので、非常にうれしい勝利です。まだ５歳で上積みが期待できるので、牝馬路線なら活躍できそうです。本命にしたマルカコマチは、予想通りの大外を追い込む競馬でしたが、馬場が思った以上に悪かったのが残念です。それでも、０．３秒差なら良く走っていると思います。では、回顧です。

　○グレイスナムラ は、後方を進み、直線で内に潜り込むと一気に鋭く伸びて１着でゴール。馬場が悪くてもコースロスのない内を選択した小林騎手のファインプレーでしょう。ダートで豪快に伸びるこの馬の適性を良く知ってのことだと思います。予想でも触れましたが、馬体の作りが非常に目立ち、ここにきての充実は目を見張るものがあります。差し脚も見どころがあるので、今後の牝馬戦線で活躍できるでしょう。距離は伸びても折り合いがつくタイプなので問題ないと思います。

　△タイキダイヤ は、２，３番手と先行し、直線で余裕を持って追い出すとしぶとく伸びましたが、最後は粘り切れずに２着まで。荒れ馬場が得意なのも好走の要因ですが、この馬自身よほど体調が良かったのでしょう。元々１２００ｍが得意でしたが、年をとるにつれ距離はこなせるようになってきているようです。今後も荒れ馬場で注意したい馬です。

　エアトゥーレ は、好位からの競馬で直線突き抜けそうでしたが、最後は伸び切れずに３着まで。昨年の桜花賞時には貧弱に見えた馬体が、だいぶ成長して実が入ってきた印象を受けました。スキーパラダイスの娘という良血なので、そろそろ素質が開花して化けそうな感じがあります。少し注意して見ておきたい馬です。

　◎マルカコマチ は、後方を進み、３，４コーナーで大外をマクって追い上げましたが、最後は各馬と脚色が同じになって７着敗退。調子は良かったのですが、湿った馬場で持ち味を生かし切れなかったようです。このレースで引退になりますが、今まで大きな怪我もなく、良く走ってきたと思います。母の父がディクタスで、切れ味が鋭いのが特徴で好きなタイプでした。この血統もだいぶ収束傾向になので、ぜひとも切れ味を子供に伝えてもらいたいです。どんな子供をターフに送り込んでくるか、楽しみにしています。

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