きさらぎ賞
2001/2/11 京都競馬場 G3 芝1800m

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レース展望
アグネスゴールド シャワーパーティー ダンツフレーム
ダービーレグノ ビッグゴールド フサイチオーレ
ニシノコマンド タイムトゥチェンジ シュアハピネス

 2戦2勝のアグネスゴールド、3戦3勝のシャワーパーティー 4戦3勝2着1回ダンツフレームとかなりの有力馬が揃った感がある今年のきさらぎ賞。 アグネスタキオンとジャングルポケットに続くのはどの馬なのか、注目の一戦になりそうです。 中でも期待したいのは、若駒Sを快勝したアグネスゴールドです。馬体、走法、顔つき ともいい感じで、さすがにフサイチゼノン(父サンデーサイレンス、母エリザベスローズ)の全弟 と思わせます。現時点では兄より馬体がしっかりしているように見えますが、やや首の高い走法 なのが少々気になります。それでも、現時点での完成度は抜けている気がするので、このメンバー でも十分に好勝負できると思います。シャワーパーティー は、まだ強い相手と対戦していないので、本当に強いのかは今回の一戦で分かりそうですが、競馬 センスはいいものを持っています。久々の出走になるので、どれくらい馬体が成長しているかも 楽しみなところです。ダンツフレームも9月末以来の出走になりますが、山内厩舎だけにしっかり 仕上げてくるでしょう。距離が1600mまでしか経験がないので、1800mはどうでしょうか。 9月時点の馬体とレースぶりからは、距離が伸びて良さそうなタイプにも見えなかったので、その あたりに少々不安があります。あとは、シンザン記念の1,2着ダービーレグノビッグゴールド、1戦1勝も京都1800m勝ちが光るデムーロ騎手騎乗の フサイチオーレ、ジュニアCでシェリルウーマンを差し切ったニシノコマンド にもチャンスがありそうです。

 【ミニデータ】
2000年きさらぎ賞1着 シルヴァコクピット2着 エリモブライアン

調教診断

フサイチオーレ
 栗坂で一杯に追われ、併走馬を5馬身ちぎりました。不良馬場なのでスピード感は ないですが、追われてからの反応の良さと軽快な脚捌きから好調のようです。馬体の作りと 顔つきが走る馬のそれで、何より馬自身が走る気になっているところ に好感が持てます。1戦1勝馬ですが、かなりやれそうな感じがあります。
シャワーパーティー
 栗CWで一杯に追われて、ラストの伸びも良く併走馬を3馬身突き放しました。 久々の一戦で少し余裕残しですが、この動きなら力を出し切れると思います。 京都千八は3歳時にレコード勝ちしたコースだけに好勝負できるでしょう。
ビッグゴールド
 栗CWで一杯に追われて、最後までしっかり伸びました。終始軽快な脚捌きで 状態はいいようです。切れる脚があるので、直線勝負で一発があるかもしれません。 ペース次第では注意したいと思います。
アグネスゴールド
 栗DWでアグネスフライトと併せて、追われてからもほぼ互角の動きを見せました。 馬体がやや細く見え、疲れが気になるところですが、動き自体はまずまずです。 当日は馬体重と後ろ脚の踏み込みを注意して見たいところです。
ダンツフレーム
 栗DWで直線一杯に追われ、ラスト11.5秒と切れました。全体時計が遅い こともあり、ラストの伸びは良かったですが、まだ腹回りに太め感があるので 馬体重には注意したいところです。思った以上に馬体が成長しており、いかにも 今後化けそうな感じがあります。馬体を見る限りは距離は問題なさそうです。

相馬眼予想

 シュアハピネス陣営が逃げ宣言したことで、他陣営もハナにこだわることは なく、素直にシュアハピネスが逃げることになりそうです。問題なのはその ペース。各陣営がアグネスゴールドの末脚が脅威で差し有利の展開にしたくはないこと、 また馬場が荒れきて前残りの競馬が非常に目立っていることで、逃げ先行馬は 平均以下のペースに抑えたいはず。先行するシャワーパーティー、ダンツフレームも 休み明けの今回は早めスパートで馬に負担をかけたくはないので仕掛けは遅れそうです。 また、フサイチオーレも今後を考えると抑える競馬をさせたいこともあり、早めの スパートはないと思います。こんな状況で今回有利なのは、先行して直線で 切れる脚を使える馬です。また、馬場荒れを考慮して、パワーがある馬を上位に 取りたいと思います。

 本命は、フサイチオーレです。 1戦1勝で重賞挑戦と普通に考えれば厳しいところはありますが、調教での気配、 レースぶりから大物感があるので狙ってみたいと思います。馬体の作りと顔つき が走る独特のもので、何より馬自身が走る気になっているところを評価したいです。 道中は3,4番手につけ、直線で余裕を持って追い出すと一気に前を捉えて1着 でゴール。馬場荒れを苦にしないのは前走で実証済みで良馬場の今回は切れ味を 見せてくれるでしょう。絶好調デムーロ騎手が、この馬の潜在能力を如何なく発揮 してくれるでしょう。

 対抗は、ダンツフレームです。 馬体には余裕が感じられますが、元々腹回りが太いタイプでもあり、走れない状況 ではないと判断しました。4ヶ月半休んだ間に思った以上に成長しており、今後の 活躍が見込めそうです。先行して瞬発力を生かす競馬で結果を出してきたのも 心強い限りで、外枠を引き馬場がいいところを進めるのも有利に働きそうです。 きさらぎ賞と相性のいい武豊騎手が抜群のタイミングで仕掛けて上位争いして くれるでしょう。

 あとは、シャワーパーティーです。 3ヶ月ぶりの出走ですが、太め感もなく仕上がりはいいようです。本命まで考え ましたが、早いペースで行ってバテないタイプなので、今回の競馬で勝ち切る のは難しいと考え3番手としました。それでも、直線でしぶとく粘るのは間違い ないので、上位2頭の差し脚が鈍るようならチャンスは広がりそうです。

 また、将来性と鋭い差し脚が魅力もどうも調教の動きが納得できない アグネスゴールド、 調教の動きいい ビッグゴールドを抑えたいと思います。

     ◎フサイチオーレ
     ○ダンツフレーム
     ▲シャワーパーティー
     △アグネスゴールド
     注ビッグゴールド

レース結果
  2001年2回京都6日( 2月 11日) 11R  
  第41回 きさらぎ賞(GIII) 
  サラ系3歳 1800m 芝・右 外  
  (混)(特指) オープン 別定 
  本賞金: 4200、 1700、 1100、 630、 420万円 発走 15:45 
  天候:晴  芝:良  
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 △ 5  6 (市)アグネスゴールド  牡 3 55.0kg  河内洋  1:47.9  460Kg  -2  1
   2 ○ 8 12 (市)ダンツフレーム   牡 3 56.0kg  武豊   1:48.0  484Kg   0  3
   3 注 8 11    ビッグゴールド   牡 3 55.0kg  村本善之 1:48.4  442Kg  +2  7
   4   2  2    タイムトゥチェンジ 牡 3 55.0kg  池添謙一 1:48.4  442Kg  +4  6
   5 ▲ 3  3    シャワーパーティー 牡 3 56.0kg  四位洋文 1:48.5  464Kg  -2  2
   6   7  9    ダービーレグノ   牡 3 56.0kg  幸英明  1:48.8  448Kg   0  5
   7 ◎ 5  5    フサイチオーレ   牡 3 55.0kg  デムーロ 1:49.0  448Kg  -2  4
   8   4  4 (市)マイネルカーネギー 牡 3 55.0kg  藤田伸二 1:49.3  464Kg  -6  8
   9   6  7 (市)スギノタイコウ   牡 3 55.0kg  福永祐一 1:49.6  432Kg  -2  9
  10   6  8    シルキーファング  牡 3 55.0kg  塩村克己 1:49.8  466Kg  -6 11
  11   7 10 (父)シュアハピネス   牡 3 55.0kg  飯田祐史 1:50.3  460Kg   0 10
  12   1  1 (父)アトミックコール  牡 3 55.0kg  武幸四郎 1:51.2  444Kg  +6 12
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  ハロンタイム  12.7 - 11.3 - 11.7 - 12.1 - 12.6 - 12.5 - 11.7 - 11.7 - 11.6  
  上り  4F 47.5 - 3F 35.0 
  3コーナー  10,5(3,2,9)(1,4,12,11)(7,6)-8  
  4コーナー  (*10,3,5,9,12,11)(2,6)(4,7)-(1,8)  

  <払戻金・給付金> 
  単勝 06 190円 1番人気  枠連   5- 8   400円  2番人気
  複勝 06 110円 1番人気  馬連  06-12   610円  2番人気
     12 180円 3番人気  ワイド 06-12   300円  2番人気
     11 270円 5番人気      06-11   680円  7番人気
                       11-12 1,290円 16番人気

レース回顧

 アグネスゴールドが直線で豪快に伸びて3戦3勝で重賞制覇。これで同厩の アグネスタキオンと並んでクラシック候補に踊り出ました。馬主と厩舎は、 アグネスタキオンが3冠の器でアグネスゴールドはマイル路線と言っていましたが、 この勝利で今後どうするか真剣に悩むことになりそうです。アグネスゴールドは、2戦目に 2000mを勝っており、距離を問題視する必要はないので、皐月賞に出走しない 理由はないと思います。ファンとしては、馬主の理由で強い馬の対決を阻んで 欲しくはないと言うのが正直なところです。

 さて予想の方は、考えていたよりもペースが早く差し馬有利の展開になった こと、アグネスゴールドの調教を厳しく採点しましたが馬体減りもなく調子落ちが なかったことで的中できませんでした。また1戦1勝馬のフサイチオーレ を思い切って本命にしましたが、経験不足からか馬自身が気負ってしまい力を 出し切れませんでした。週初めはアグネスゴールドが本命だっただけに、 予想を変える場合のファクターとして、フサイチオーレがそれに足りていた ものか、今となってはその判断が間違っていたのでしょう。今後は本命を変える 場合の考え方を整理し直して、予想の精度を上げていこうと思います。では、回顧です。

 △アグネスゴールド は、後方2,3番手を進み、4コーナー手前からスパートすると直線大外から豪快に 伸びて1着でゴール。直線での伸び脚は素晴らしく、非常にインパクトがありました。 トップギアに入ってからの伸び脚は3歳のトップレベルと言っていいでしょう。 4コーナーで距離ロスがある大外を回した河内騎手も相当な自信があったに違い ありません。パドックでは気合乗りも良く、馬体細化も見られずに筋骨隆々の馬体で 周回していました。欲を言えば、もう少し踏み込みが深くなってもらいたいところも ありますが、これだけ走れるのだからこれで善しとしておきます。また、首の高い 走法が少し気になりますが、成長すれば昨年のダイタクリーヴァのように徐々に解消 されることもあるので、現時点では欠点として扱わないようにします。ただし、 こういうタイプの馬は、筋肉が堅くなるといきなり走らなくなるので、調教・レース で柔らかさがあるかが、今後の活躍のキーになると思います。今後は、同厩の アグネスタキオンが3冠を目指しているだけに皐月賞に出走するかは未定ですが、 ぜひとも出走してもらいたいものです。同厩の2頭で切磋琢磨して強い3歳世代を 引っ張っていってもらいたいと思います。

 ○ダンツフレーム は、中団よりやや後ろを進み、3,4コーナー中間からスパートし、直線で鋭く 伸びて抜け出すもアグネスゴールドに差されて惜しい2着。追われてからの反応の 良さ、抜かれても食い下がった脚を見るとかなりの能力を持っています。休み明け で完全に仕上げていない状態でこの走りならクラシックでも好走できそうです。 腹回りが太めに見えるのは体形で、ブライアンズタイム産駒特有のものだと思います。 パドックでは、それでも若干腹回りに余裕がありましたが、落ち着いて周回していました。 何より目立ったのは、その目つきで如何にもレースが分かっているようで、非常に 賢そうな馬だと感じました。調教時点で重めに見えた馬体が、増減なしだったのも、 馬自身がカイバを調整したのかもしれません。今後は賞金的にも皐月賞に出走で きるので、弥生賞、スプリングSを使うか分かりませんが、出走すれば当然好勝負できるでしょう。 馬体の成長がまだまだ見込めるので、一気に化ける可能性があることを付け加えて おきます。

 注ビッグゴールド は、後方を進み、3コーナーから早めに仕掛け直線もしぶとく伸びて3着確保。 調教の動きが良かったようにレースでもこの馬なりに力を出し切っています。 現時点での完成度が高く、必ず伸びる末脚は今後の重賞戦線でも魅力です。 好走しても人気にならないタイプなので、前崩れのレースなら穴を期待しても いいでしょう。

 ▲シャワーパーティー は、内々の3,4番手を進み、直線に向きましたが、いつものような伸びが 見られずに5着敗退。調教の動きも良く、馬体も仕上がっていたことから、 きびしい言い方ですが上位2頭とは現時点で能力が違うと思います。ただし、 馬体の作りとしなやかな走りから、今後の成長次第では上位とも好勝負が できるでしょう。パワー型ではないので、こういう荒れた馬場より、 スピードが生きる馬場の方が得意のようです。今回より一枚落ちるメンバーなら、 現時点でも好勝負必死なので、スピード馬場なら人気でも狙った方がいいでしょう。

 ◎フサイチオーレ は、2番手を進み、4コーナーを周って追い出すも伸びイマイチで7着敗退。 道中でやや掛かったことと経験不足で馬が気負ったことが敗因でしょうか。馬体の 作り、柔らかい走法といいところがあるので、まだ見限りたくはありません。 次走は自己条件に出走すると思いますが、自己条件ならあっさり勝てるでしょう、 まだまだ狙いたい馬。


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