大阪杯
2001/4/1 阪神競馬場 G2 芝2000m

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レース展望
テイエムオペラオー エアシャカール アグネスフライト
アドマイヤボス アメリカンボス ジョービッグバン
メイショウオウドウ マイネルブラウ ミッキーダンス

連勝はどこまで続くのか!? テイエムオペラオーのレースぶり注目

 さあ天皇賞の前哨戦「産経大阪杯」。昨年、重賞8連勝で古馬G1を完全制覇した テイエムオペラオーがこのレースから始動します。今年は福島の温泉でゆっくりと 休養し、2月に帰厩するとここまで順調に 調教を進めてました。1週前の調教では、ラスト11秒台の切れ味を見せ、 馬体の太め感もないので、ほぼ仕上がっていると思います。骨折して休養していた 和田騎手も無事に復帰したので人馬とも万全といえそうです。現時点で死角らしい 死角が見当たらないので、このまま本命にする可能性が高いですが、最終調教を 十分にチェックして最終決断を決めようと思っています。2番手以下は、混戦模様で 順調に使われている馬と久々の出走になる馬がおり、見極めが難しくなりそうです。 休養したことで馬体戻れば末脚は互角なエアシャカール、ひと叩きされだいぶ動き に軽快さが出てきたアグネスフライト、久々も乗り込み十分で好勝負できそうな アドマイヤボス、重賞連覇で勢いに乗るアメリカンボスあたりに注目しています。 G1と言ってもいいくらいのメンバーが揃ったので、今からWAKUWAKUです。

 【ミニデータ】
 ・過去10年で1番人気が8勝で現在5連勝中。TMオペラオーには心強いデータ。
 ・連対馬20頭のうち18頭が千八〜二千の中距離重賞で3着以内。中距離適性重視。

2000年大阪杯1着 メイショウオウドウ2着 ロードプラチナム

調教診断

王者として満足のいく動き テイエムオペラオー好仕上がり

テイエムオペラオー
 栗CWで強めに追われて、併走馬を4馬身突き放しました。追ってからの反応も まずまずで馬体の引き締まり具合も良く、ほぼ仕上がっています。これだけの馬で すから、普通のでデキであれば力は出し切れるでしょう。調教で評価を落とす理由 はありません。
アドマイヤボス
 栗坂で強めに追われて、最後までしっかりと伸び、好タイムをマークしました。 相変わらず、駆け上がってくるときの迫力は素晴らしいものでなんとも言えない 雰囲気があります。まだ馬体は若いですが、有馬記念当時と比較すると少し締まっ てきたように見えます。久々でもきっちり仕上がっているので、好勝負できそうです。
アメリカンボス
 南Wで直線一杯に追われて、軽快な脚捌きでスカッと伸びました。今、よほど調子 がいいのか、馬体の張りも抜群で動きもこれ以上望めないくらいのものでした。 絶好調と言っていいと思いますが、阪神までの輸送、初の阪神コースと不安な面 もあります。当日のパドックで張りのある馬体を見せ、落ち着いているようなら 素直に買いたいと思います。
アグネスフライト
 栗DWでラスト一杯に追われると鋭い伸びを見せて併走馬に1馬身先着しました。 京都記念のときより動きが軽くなっている感じで絶好調までいきませんが、だいぶ まともな動きになってきました。使われている強みを生かせば、上位争いできそうです。
エアシャカール
 栗坂で一杯に追われて、若干もたれながらも、最後までしっかり伸びました。 馬体がひとまわり成長した印象でまずまず仕上がっています。減っていた馬体も 回復しているので、JCのようなことはないでしょう。どちらかというと叩き 良化型なので、そのあたりが少し不安ですが、馬も成長しているだけにどうでしょう。

相馬眼予想

 先週行われた毎日杯で優勝したクロフネの出したタイムが1分58秒6。ラスト4Fが 全て11秒台で駆け抜けたクロフネが怪物なのか見分けるためにも、今回の大阪杯の勝ち タイムは非常に興味があるところです。また、昨年負け知らずの8連勝を飾った王者 テイエムオペラオーがどんなレースを見せるか楽しみは尽きません。このまま連勝街道を 突っ走るのか、それとも破る馬が出るのか、いずれにしても、天皇賞に向け、各馬が不利なく 力を出し切れる一戦を期待したいと思います。

 まず展開ですが、サイレントハンターが逃げて、タマモヒビキが2番手を進むことになり そうです。2000mならサイレンとハンターは思い切って行くでしょうから、ハイペース になると思います。離れた3番手にはジョービッグバンが進み、アメリカンボスは好位、 テイエムオペラオーは中団、アドマイヤボス、アグネスフライト、エアシャカールは、 テイエムオペラオーをマークして中団の後ろを進むことになりそうです。ここで難しいのは、和田騎手 の乗り方です。前は離して逃げているので早めに追いかけたいけど、後ろには切れがある馬 がいるのであまり早めに動けないという葛藤にかられそうです。和田騎手はどう騎乗する のでしょう。サイレントハンターとタマモヒビキの逃げと後方のアドマイヤボス、アグネス フライト、エアシャカールの差し脚は、どちらが恐いのでしょう。普通に考えたらG1馬が いる後方の馬の切れ味を警戒して仕掛けを遅らせると思いますが、本当にそうなのでしょうか。 テイエムオペラオーにとっては、早いタイムの決着というのも課題のひとつで、前に行った 馬が1分58秒、59秒台の時計を持っているので、それも脅威なはずです。早いタイム の決着に対応するために今回は早めに仕掛けて、スタミナを生かして粘り込む競馬をするの ではないかと思います。早めに仕掛けても、58,59キロと斤量を背負っている後方の馬 には差し切られないと判断して、早めに抜け出す競馬をするのではないでしょうか。逆に直線ヨーイ ドンの競馬では、アグネスフライトとエアシャカールの切れ味は恐いはずです。

 こんな展開でテイエムオペラオーが早めに仕掛けると前に行った馬は苦しくなりそうで す。後方から行った馬も斤量を背負っているので、いつもの切れ味を出せるか不安な面も ありますが、やはり展開的には後方から行った馬が狙いでしょう。あとは、テイエムオペラオーが 高速決着に対応できるかですが、苦しいレースでも最後までしぶとく伸びることから心肺面 の強さは抜群なので、流れにさえ乗れれば問題ないとみています。

 本命は、テイエムオペラオーです。 久々の出走なので絶好調時の動きではないですが、追ってからの反応も良く、太め感もない のでまずまずの仕上がりだと思います。これだけのレベルの馬だと普通のデキであれば、 力は出し切れるので、心配する必要はないでしょう。 道中は中団を進み3コーナーから早めにスパートして先団に取りつくと、直線で早めに抜け出し 最後まで粘り切って1着でゴール。久々を不安視する向きをありますが、調教の動きを 見る限りは何も不安な点はありません。強いオペラオーを見せてくれるでしょう。

 対抗は、アドマイヤボスです。 5戦目の有馬記念でテイエムオペラオーと0.2秒差の競馬ができたのは、この馬の実力 以外の何ものでもありません。今回は3ヶ月ぶりの出走になりますが、調教の動きも良く、 何より馬体が引き締まって更に迫力が増してきた点を評価したいと思います。4歳G1馬 2頭より仕上がりがいいので、こちらを上位に取りたいと思います。テイエムオペラオー を徹底的にマークする競馬でこの馬の底力をみせてくれるはずです。

 あとは、エアシャカールです。 早いペースで自慢の末脚が生きそうなので3番手に評価しました。本来ならひと叩きされ たアグネスフライトを上位にとるべきかもしれませんが、エアシャカールの方が馬体が成長 しているので、こちらを上位にとりました。直線で内にもたれる心配はありますが、 内枠を引いたので菊花賞のように馬群を割る競馬をすれば問題ないと思います。久々で イレ込む可能性があるので、パドックでは注意した方がいいでしょう。イレ込んだ場合、 出遅れ→最後方→大外を回る→内にもたれて追えない、と悪いことが重なりそうなので、 イレ込みがひどいようなら評価を少し下げたいと思います。

 また、調教の動きが素晴らしく只今絶好調の アメリカンボスと 調教で柔らかさが出て動きも素早くなってきた アグネスフライトを抑えたいと思います。 アメリカンボスは、輸送で入れ込んだり、馬体が減ることがあるので、パドックでチェック した方がいいと思います。

     ◎テイエムオペラオー
     ○アドマイヤボス
     ▲エアシャカール
     △アメリカンボス
     注アグネスフライト

レース結果
  2001年2回阪神4日( 4月 1日) 11R  
  第45回 産経大阪杯(GII) 
  サラ系4歳以上 2000m 芝・右  
  (混)(指) オープン 別定 
  本賞金: 6400、 2600、 1600、 960、 640万円 発走 15:45 
  天候:曇  芝:良  
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
 ------------------------------------------------------------------------------
   1   2  2 (父)トーホウドリーム  牡 4 57.0kg  安藤勝己 1:58.4  464Kg  +6  9
   2 ▲ 3  3    エアシャカール   牡 4 59.0kg  蛯名正義 1:58.5  506Kg +26  4
   3 ○ 8 13    アドマイヤボス   牡 4 58.0kg  後藤浩輝 1:58.7  488Kg  -4  5
   4 ◎ 8 14 (市)テイエムオペラオー 牡 5 59.0kg  和田竜二 1:58.7  476Kg  -4  1
   5   1  1    ロードクロノス   牡 6 57.0kg  四位洋文 1:59.0  472Kg  -8  8
   6   7 11 (父)マイネルブラウ   牡 4 57.0kg  秋山真一 1:59.1  468Kg  +4 11
   7   4  6    スエヒロコマンダー 牡 6 58.0kg  宝来城多 1:59.1  450Kg  +2 13
   8   6  9    タマモヒビキ    牡 5 57.0kg  小原義之 1:59.1  506Kg   0 12
   9 △ 3  4 (外)アメリカンボス   牡 6 58.0kg  江田照男 1:59.1  484Kg  -4  2
  10 注 4  5    アグネスフライト  牡 4 59.0kg  河内洋  1:59.7  458Kg   0  3
  11   6 10    オースミブライト  牡 5 58.0kg  村本善之 1:59.7  440Kg  -4 14
  12   7 12    サイレントハンター 牡 8 58.0kg  吉田豊  2:00.0  488Kg  +2 10
  13   5  7    ミッキーダンス   牡 5 57.0kg  佐藤哲三 2:00.1  490Kg   0  7
  14   5  8    ジョービッグバン  牡 6 57.0kg  山田和広 2:00.1  458Kg  -4  6
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  ハロンタイム  12.4 - 11.0 - 12.2 - 11.9 - 11.6 - 11.8 - 11.7
                - 11.8 - 11.8 - 12.2  
  上り  4F 47.5 - 3F 35.8 
  1コーナー  9,6(12,8)(4,11)(1,10)(13,14)(2,5)(3,7)  
  2コーナー  9,6(12,8)(1,4,11)(2,10,14)13,5(3,7)  
  3コーナー  9,6(1,12,8)(4,11)(10,14)(2,13)(5,7)3  
  4コーナー  9(6,12,14,13)(1,11)(4,2,8,5,3)(10,7)  

  <払戻金> 
  単勝 02 7,340円 9番人気  枠連   2- 3  9,780円 15番人気
  複勝 02   980円 9番人気  馬連  02-03 38,890円 39番人気
     03   380円 5番人気  ワイド 02-03  5,080円 38番人気
     13   390円 6番人気      02-13  4,250円 33番人気
                         03-13  1,440円 14番人気

レース回顧

 どこまで連勝を続けるのかと思っていたテイエムオペラオーがついに負けました。 それも破ったのは、重賞未勝利のトーホウドリーム。安藤勝騎手の豪腕にしごかれて 直線一気に抜き去りました。トーホウドリームが勝ったことより、テイエムオペラオー が敗れたことの方を記憶してしまいそうな人も多いはず。敗因は回顧で述べるとして、 これで天皇賞が混戦になりそうです。阪神大賞典で楽勝したナリタトップロード、 日経賞できっちり勝ったメイショウドトウと昨年テイエムオペラオーの2着に終った 馬が絶好のスタートを切ったのだから当然の話です。また、今回のタイムが1分58 秒4でかろうじて毎日杯のクロフネの1分58秒6より0.2秒早くなりましたが、 いかにクロフネが優秀であるかを浮き彫りにした感じがします。今年の3歳馬の レベルは相当高そうです。では、回顧です。

 トーホウドリームは、後方を進み、 3コーナーから徐々に進出すると直線大外を一気に伸びて1着でゴール。ゴール手前で テイエムオペラオーとアドマイヤボスをかわしたエアシャカールを更に外から差し切った のですから、凄いとしか言いようがありません。各馬早めにスパートしてゴール前甘く なることを想定して騎乗した安藤勝騎手のファインプレーです。この馬自身、切れる脚を 長く使っているので、簡単にはフロックと言えないところがあります。距離適性を 重視して天皇賞には出走しないということなので、春の目標は宝塚記念になりそうです。 次走どんなレースを見せるかいろいろな意味で楽しみです。

 ▲エアシャカールは、最後方を進み、 直線で外から一気に伸び先に抜け出した馬を差し切りましたが、最後はトーホウドリーム に差されて惜しい2着。テイエムオペラオーを差し切ったときには勝ったと思いました が、この馬自身もそこで足が止まってしまいました。それでも久々で59キロを背負って このレースなら上々でしょう。プラス26キロと馬体が回復したのも好印象です。 次走は天皇賞になりますが、今の状態なら菊花賞馬として恥ずかしくないレースが できそうです。本質的に3000m以上のレースより、中距離の方が向くタイプで すが、スローの上がり勝負になれば、菊花賞のようなレースができるでしょう。

 ○アドマイヤボスは、後方を進み、 3コーナーから一気に仕掛けてテイエムオペラオーと併走し、直線での 競い合いを制しましたが、最後は2頭にかわされて3着まで。強引にテイエムオペラオー を負かしにいって実際に負かしたところを評価したいと思います。あれほど強引に 行かなければ勝てたかもしれませんが、強引なレースをしても3着にこれたところ から、陣営も騎手も自信がついたのではないでしょうか。3,4コーナーでの行き っぷりの良さが何と言っても印象的でこの馬の底力を見たような気がします。 よほど調子がいいのか、毛づやも良く、馬体の張りも有馬記念のときより良くなって います。次走は天皇賞になりますが、今のデキなら好勝負できるでしょう。3000m を超える距離は初めてで多少不安なところがありますが、じっくりレースを進める タイプなので、こなせるのではないでしょうか。

 ◎テイエムオペラオーは、中団を進み、 3コーナー過ぎからアドマイヤボスに来られ仕方なく仕掛けて行きましたが、最後 は脚が止まり3頭に差されて4着敗退。昨年8連勝で無敗でしたが、年明けの初戦で ついに連勝が止まりました。アドマイヤボズに来られて早めに仕掛けたのが敗因とも 思えますが、マイナス6キロの馬体は寂しく見えたので状態が本物でなかったかもし れません。また、パンパンの良馬場で時計勝負の競馬に弱いというのも露呈して感じ があります。昨年のG1はみな馬場が荒れていたり、雨で重くなっていたりとこの馬 向きであったことも確かなことです。この敗退で各陣営はテイエムオペラオーを負か すためには何をすればいいか分かったはずです。天皇賞は、今まで以上にマークが 厳しくなるでしょう。それらを全て退けて勝つのが王者というもの。天皇賞では、 ぜひとも万全の状態で出走してもらいたいものです。

 注アグネスフライトは、後方を進み、 直線勝負に賭けましたが、いいときの伸びを見せずに10着敗退。トーホウドリーム と同じ位置取りだっただけにこの敗退で評価を下げなければなりません。前から言って いるようにサンデーサイレンス産駒がこじんまりと見えはじめると良くない傾向で まさにそれにはまってしまった感じがします。強めの調教で闘志を蘇らそうと陣営も 必死になっていますが、完全に取り戻すには時間がかかりそうです。思い切って、 春は放牧に出して全休した方がいいかもしれません。京都新聞杯、ダービーのときの 馬体の張り、気合乗りが見られるまでは、簡単には手を出さないようにします。 ダービーで見せた脅威の末脚が蘇る日を気長に待ちたいと思います。


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