ジャパンＣダート

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2001/11/24　東京競馬場　G1　ダ2100m

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■ レース展望

■ 出走有力馬

: 初ダートの武蔵野Ｓで１分３３秒３のレコードタイムを出し９馬身差の楽勝。今年のダート戦で最もインパクトのあったレース。強いというか次元の違う走りで、クロフネのポテンシャルの高さを改めて感じさせた。今回は距離が伸びて２１００ｍになるが、芝２０００ｍの毎日杯を好タイムで勝っているように距離は問題ないと見ている。では、クロフネが負けるとすればどんな場合だろうか。道中砂を被って嫌気を刺した場合、外国馬がハイペースで逃げてクロフネが追いかけた場合くらいか。このあたりは武豊騎手、全ての外国馬がどういうレースをするか研究して対処してくるだろう。外国馬相手にクロフネがどんな走りを見せるか、非常に楽しみだ。

: ７月の灘Ｓで見せた末脚のインパクトは凄かったが、その後交流重賞を２連勝しＧ１獲りに挑んできた。東京ダートは初めてになるが、息の長い末脚は間違いなく東京向きだろう。早いペースになって前崩れの展開になれば、この馬の末脚で何とかならないだろうか。馬体はそれほど良く見せるタイプではないが、とにかく馬が走る気になっているので無様なレースはしないだろう。外国馬相手でも十分に好勝負できるはずだ。

: 米Ｇ１を２連勝中で前走でＢＣクラシックを勝ったティズナウを下しており、実績的に米で１，２を争うダートの大物だ。来日前に熱発で５日間調教を休んだそうだが、米で追い切って問題ないことを確認して出走に踏み切ったそうだ。先行馬で早いタイムの決着に不安はないが、東京のダートでどうかは走っている姿を見てみないと分からない。最終調教での走り次第としておく。

: 昨年の覇者。今年はクロフネ、ミラクルオペラ、それに外国馬５頭が出走し明らかに昨年よりレベルが上がっているが、この馬もそこに入れる能力の持ち主。何より。東京ダートは［３１００］と連対を外していないのが心強い。ハイペースで前崩れの展開になれば、きっと出番はあるだろう。今回は休養中の岡部騎手に替わり、横山典騎手が手綱を取る予定。

: 帝王賞で２着しダートＧ１で通用することを証明しているだけに恐い一頭。どんなペースになっても堅実に差してくるので、大崩はないだろう。帝王賞のときのラストの伸びが素晴らしく、かなりのインパクトを感じさせた。マイルＣＳでクリスザブレイヴで思い切ったレースが出来ずに惨敗した吉田騎手には強気に攻めてもらいたい。

: 第１回ＪＢＣクラシックを制したのは記憶に新しいが、逃げ馬だけに東京コースに不安が残る。ただし、ＪＢＣで見せたようにスムーズな競馬ができたときの直線での粘り腰は半端なものではないので、東京コースでも期待してみたくなる。展開がカギになる。充実の４歳秋を迎え、馬体が成長してきたのは好印象だ。

: 今年のフェブラリーＳの覇者。適距離が１４００～１６００ｍくらいとみていたが、前走のＪＢＣクラシックで中々見せ場のある４着。意外な気もしたが、レースぶりを見る限り、距離は問題なさそうだ。馬体が成長して身が入った感じで、ここにきてだいぶ調子が上がってきている。鞍上はフェブラリーＳを制したときと同じペリエ騎手。昨年同じように１４００ｍが得意なサンフォードシチーが２着しているのは、陣営には心強いデータだろう。

: ダート未経験の外国馬が挑戦してきた。はっきり言ってダート適性は分からないが、馬の雰囲気がいいので挙げておく。芝のレースを見たが、かなり鋭い差し脚を持っているのも魅力だ。東京の軽いダートなら、こなせる可能性は十分ありそうだ。もう少し見てから判断したい。

: 武蔵野Ｓはハ行で取り消したが、１日休んだだけにその後は順調に調教を消化しており問題なさそうだ。３歳で挑戦した昨年は４着に好走したが、今年はメンバーも強くなっているのでやや微妙なところ。馬体が成長し、昨年より断然馬がしっかりしてきたのはいい。得意の左回りで一線級の牡馬相手にどこまでやれるか、まずは最終調教でいい動きを見せて欲しいところだ。

■　ステップレース　

日付	レース	１着馬	２着馬
2001/02/18	フェブラリーＳ	ノボトゥルー	ウイングアロ－
2001/10/28	武蔵野Ｓ	クロフネ	イーグルカフェ
2001/10/31	ＪＢＣクラシック	レギュラーメンバー	マキバスナイパー

■ 過去のレース結果　

日付	１着馬	２着馬	馬連配当
２０００年	ウイングアロー	サンフォードシチー	３，２４０円

■ 調教診断

: 栗坂で一杯に追われて、豪快な脚捌きで最後まで迫力のある動きを見せた。前回より重心の低い走りで首をうまく使っていたのが印象的。体に柔らかさが感じられ非常にいい状態だ。見た目にも筋肉が盛り上がり、叩き３戦目でほぼ万全の仕上がりと判断する。力を出せれば、上位争いは間違いないだろう。

: 栗坂で馬なりで力強い脚捌きを見せ、最後までしっかり伸びて好時計をマークした。大型馬だが重々しさがなく、力強さの中にも軽快さを感じさせる動きを見せた。馬体の張り、毛づやも素晴らしく、只今絶好調と言っていい仕上がり。あとはコース適性と展開次第だ。

: １９日に臼井で一杯に追われ力強い動きを見せた。１０月に熱発したそうだが、動き、馬体、気配から特に問題ないようだ。馬体の作りが非常に目立ち、切れ味も秘めていそうな気がする。絶好調ではないが、走れない状態ではないと判断した。このレベルの馬であれば、普通の状態なら問題ないはずだ。上位争いできるだろう。

: 美坂で強めに追われて、ラスト１２．３秒の切れ味を見せた。１回使われて動きに鋭さが出てきた印象で、この馬なりに良化している。まだ絶好調まではいかないが、前回より走れる状態にあるのは確かだろう。距離が伸びる今回は一発の期待がかかる。

: 東京ダートで馬なりでタイムは遅かったが、しっかりとした中にも軽さを感じさせる脚捌きを見せた。馬体の作りが目立ち、雰囲気を感じさせる馬だ。２２日にも軽く乗られたが、気配の良さが目立った。力を出せる仕上がりと判断したい。

: 栗Ｂで強めに追われて、軽快な脚色のまま最後までしっかり伸びた。馬体をふっくら見せているのが好印象でデキは悪くない。調教駆けしないタイプなので、時計はこれで十分だろう。

: 栗坂で一杯に追われて、やや一杯になりながらも最後までしぶとく伸びた。それほど調教で動くタイプではないので、この時計で十分だろう。ややこじんまりとまとまった感じもするが、馬体の張りはいいので力は出せるだろう。

■ 相馬眼予想

　第１回の昨年は外国馬が２頭だったが、今年は５頭が出走して国際Ｇ１レースとしての地位が上がってきたジャパンカップダート。今年はＧ１－２連勝中のリドパレスの出走によって、海外の注目度もアップしている。迎え撃つ日本馬もＧ１馬が揃った。ＮＨＫマイルＣ馬で初ダートの武蔵野Ｓで脅威的なレコードで走ったクロフネ、昨年の覇者ウイングアロー、ファブラリーＳの勝ち馬ノボトゥルー、地方交流Ｇ１－３勝のレギュラーメンバーと顔ぶれは多彩だ。果たして勝つのは日本馬か、それともダートの本場で揉まれて来た外国馬か、レベルの高いレースを見せてもらいたい。

　まず東京ダートの適性から各馬を絞り込んでおきたい。地方競馬は深いダートで力がいるが、東京ダートは軽いのが特徴。今年の東京ダートは例年よりも軽く早いタイムの決着になる傾向が強い。軽い馬場を得意にしている馬は、東京コースで好成績を上げているようだ。東京コースの実績がある日本馬は、ウイングアロー、ノボトゥルー、リージェントブラフ、プリエミネンス、クロフネの５頭。時計の早い決着に着目するとウイングアローとクロフネの実績が光る。外国馬では、時計的にリドパレスとジェネラスロッシがスピード決着に対応できそうだ。

　次に各馬の調子だが、特に良く見えたのがクロフネとレギュラーメンバーの２頭。クロフネは重心の低いフォームで叩き３戦目でデキはいい。レギュラーメンバーも坂路で抜群の動きを見せ絶好調だ。あとはリージェントブラフがやや良化した。外国馬では、リドパレスとジェネラスロッシが良く見えた。特にリドパレスは切れ味を秘めていそうな馬体で東京コースは合いそうだ。ジェネラスロッシも雄大な馬体だがバランスのいい馬で重々しさを感じさせないのがいい。他の３頭は取り立てていいという感じはなく、このレベルなら日本馬で十分に勝負になる感じがした。

　次に展開だが、ジェネラスロッシ陣営が早いペースで逃げると宣言している。過去３戦逃げて好走していることからも逃げるのは間違いないだろう。これに続く馬は、レギュラーメンバー。昨年ハイラップで逃げて失速しただけに今年は自分のペースを守って２番手を進むことになるだろう。リドパレスが好位、クロフネが中団から上がって行く競馬、ウイングアロー、ミラクルオペラ、リージェントブラフが後方を進むことになりそうだ。

　ここでポイントになるのはクロフネの出方。武蔵野Ｓではマイルなら多少無理をしても粘れるという意識があってのことだろうが、今回は２１００ｍで相手関係を考えると同じようなレースをするのだろうか。武豊騎手が気になるのは、やはりリドパレスの存在だろう。これまでのレースを見ると直線で叩き合いになったときの強さは凄いものがある。クロフネは叩き合いになって良さを発揮するタイプではないので、直線で並ばれては分は悪い。そう考えると今回も武蔵野Ｓと同じようなレースをして直線で早めに突き放す競馬をするはずだ。クロフネの良さはトップギアに入ってから長くいい脚が使えるところ。これを生かす競馬に徹するに違いない。

　クロフネが３コーナーから上がっていくと１１秒台のラップが連続する。早いペースで逃げるジェネラスロッシには辛い展開だが、もし早いペースで逃げなかったら粘れる可能性はある。陣営もさすがに昨年のレースを見ているだろうから、ハイペースで逃げ切る難しさは分かっているだろう。コメントはそのまま鵜呑みにはできない。リドパレスはクロフネをマークするので、クロフネが動けばついて行くことになる。これでクロフネを交わせるかどうかは難しいが能力的に無様なレースはしないだろう。

　後方を進む各馬も１１秒台のラップによって、追走に脚を使わされるので、早めに動いては直線で伸び切れない可能性がある。自分のペースを守って直線勝負に徹する馬の方が狙い目がありそうだ。ウイングアロー、ミラクルオペラ、リージェントブラフの３頭が候補になる。直線でクロフネが抜け出し、リドパレスが追いかけて、後方からウイングアロー、ミラクルオペラ、リージェントブラフの３頭が追い込むというレースになるとみている。

　もしクロフネのスタートダッシュが悪く、直線で差す競馬になった場合は、差し追い込み馬は苦しくなりそうだ。逃げるジェネラスロッシ、好位のリドパレス、レギュラーメンバーあたりが有利になる。難解なジャパンカップダート。２通りの展開で馬券を買うのもひとつの手だろう。マイルＣＳの教訓を生かしたい。

　さあ最終決断。本命は、クロフネ。武蔵野Ｓのように強引な競馬ではないが、同じような戦法で直線完封できると判断した。武蔵野Ｓで見せた走りはとても初ダートの馬には見えず、今年のダート戦で最もインパクトがあったレース。インパクトのあるレースをした馬がＧ１を勝つという持論があるが、武蔵野Ｓはまさにそれに当てはまるレースだ。負けるとすれば武蔵野Ｓでも少し掛かり気味に行っただけに折り合いがつかないケースだろう。このあたりは武豊騎手も当然把握しているので何かしらの対策してくるはずだ。直線で外国馬を寄せ付けないレースを期待したい。

　対抗は、リドパレス。熱発の影響もなく状態は良さそうだ。これまでの実績を無視して見ても、馬体の作りと雰囲気からかなり走れる馬というのが伝わってくるのがいい。好位差しのこの馬のパターンの競馬で能力を見せてくれるだろう。

　準対抗は、ウイングアロー。馬体がふっくらしてきて気配が良くなってきた。東京コースの適性と末脚を評価した。岡部騎手が騎乗しないのは残念だが、追える横山典騎手なら問題ないだろう。

　直線勝負に賭けるこの夏の上がり馬ミラクルオペラ、帝王賞２着の末脚はおやと思わせたリージェントブラフ、自身のペース次第で粘り込む可能性があるジェネラスロッシ、ペースが遅くなって前残りの展開になった場合にチャンスがあるレギュラーメンバーを押える。

　　　　　◎クロフネ
　　　　　○リドパレス
　　　　　▲ウイングアロー
　　　　　△ミラクルオペラ
　　　　　注リージェントブラフ
　　　　　注ジェネラスロッシ
　　　　　注レギュラーメンバー

■ レース結果

 2001年5回東京7日( 11月 24日) 11Ｒ  
 第2回 ジャパンカップダート(ＧＩ) 
 サラ系３歳以上 2100ｍ ダート・左  
 (国際)(指) オープン 定量 
 本賞金： 13000、 5200、 3300、 2000、 1300万円 発走 15:20 
 天候：晴　 ダート：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
  1 ◎ 5  9 (外)クロフネ　　　　　 牡 3 55.0kg  武豊　　 2:05.9 レコード　  520Kg   0 松田国英　  1  
  2 ▲ 4  8  　 ウイングアロー　　 牡 6 57.0kg  横山典弘 2:07.0 ７馬身　　  466Kg  +3 南井克巳　  3  
  3 △ 1  1 (市)ミラクルオペラ　　 牡 4 57.0kg  幸英明　 2:07.1 １／２馬身  484Kg  -4 領家政蔵　  4  
  4 　 2  3 (外)ノボトゥルー　　　 牡 5 57.0kg  ペリエ　 2:07.2 ３／４馬身  454Kg  +1 森秀行　　  5  
  5 　 2  4  　 プリエミネンス　　 牝 4 55.0kg  蛯名正義 2:07.4 １馬身　　  478Kg  +5 伊藤圭三　 10  
  6 注 6 11  　 リージェントブラフ 牡 5 57.0kg  吉田豊　 2:07.6 １馬身　　  530Kg +16 大久保洋吉  8  
  7 　 1  2  　 ワールドクリーク　 牡 6 57.0kg  後藤浩輝 2:07.8 １ 1/2馬身  490Kg -10 新井仁　　 16  
  8 ○ 7 14 [外]リドパレス　　　　 牡 4 57.0kg  ベイリー 2:08.1 １ 3/4馬身  504Kg   - フランケル  2  
  9 注 5 10 [外]ジェネラスロッシ　 牡 6 57.0kg  スティー 2:08.2 ３／４馬身  528Kg   - オキャラハ  7  
 10 　 8 16  　 ハギノハイグレイド 牡 5 57.0kg  田中勝春 2:08.3 ３／４馬身  512Kg +10 松田国英　  9  
 11 　 4  7 [外]ディグフォーイット 牡 6 57.0kg  スミス　 2:08.4 クビ　　　  544Kg   - ヘッドリー 12  
 12 　 3  5 [地]ミツアキサイレンス 牡 4 57.0kg  川原正一 2:08.9 ３馬身　　  486Kg  -2 粟津豊彦　 14  
 13 　 3  6  　 オンワードセイント 牝 5 55.0kg  勝浦正樹 2:09.6 ４馬身　　  496Kg  -4 阿部新生　 15  
 14 注 8 15  　 レギュラーメンバー 牡 4 57.0kg  松永幹夫 2:11.1 ９馬身　　  526Kg  -1 山本正司　  6  
 15 　 6 12 [外]アエスクラップ　　 牡 4 57.0kg  シュタル 2:12.1 ６馬身　　  468Kg   - ブルーメ　 13  
 16 　 7 13 [外]キングオブタラ　　 牡 3 55.0kg  テュリエ 2:13.7 １０馬身　  474Kg   - ドゥーメン 11  
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
 ハロンタイム　 7.4 - 11.1 - 11.8 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 11.9 - 11.7 - 11.5 - 12.0 - 12.3  
 上り 　4F 47.5 - 3F 35.8 
 1コーナー　 (*7,10)(3,15)4,13,14,16,5(1,6)9,8(2,12)11  
 2コーナー　 7,10(3,15)4(13,14)(1,16)(5,9)(2,8,6)12,11  
 3コーナー　 (7,*10)9(3,14)15,4,2,1,13(8,16)12,11(5,6)  
 4コーナー　 9-10,3,7,14(2,4)(8,1)-11,16(15,6)5,12,13  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 09 170円 1番人気  枠連　  4- 5 520円 2番人気
 複勝 09 110円 1番人気  馬連　 08-09 540円 2番人気
 　　 08 130円 2番人気  ワイド 08-09 260円 2番人気
 　　 01 200円 4番人気  　　　 01-09 430円 4番人気
 　　       　  　　　  　　　 01-08 610円 5番人気

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