府中牝馬S
2000/10/15 東京競馬場 GV 芝1800m

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レース展望

■ 出走有力馬

トゥザヴィクトリー フサイチエアデール ウメノファイバー
エイダイクイン マルカコマチ[回避] ヒシピナクル
ナリタルナパーク クリスマスツリー ミホギャラリー

 エリザベス女王杯に向けて、古馬牝馬の有力どころが勢ぞろい。サンデーピクニックが放牧で 出走しないのは寂しいが、トゥザヴィクトリーとフサイチエアデールがどんな走りを見せるか 注目のレースとなりそうだ。

 まずは、トゥザヴィクトリー。前走のクイーンSで初重賞制覇。その後、ミニ放牧を経て出走となる。 9月中旬から入念に乗り込んでいるため、仕上がりは良好で力は出せそうだ。久々でも力を出し 切れるタイプで今の東京の前残りの馬場も向きそうだ。(今週はCコース) 人気でも買える材料 は揃っているため、フサイチエアデールのデキが悪ければ、こちらを本命にしたい。

 対するフサイチエアデールは、マーメイドS優勝後、放牧に出たため、今回は休み明けの出走。 こちらも9月中旬から乗り込んでいるが、まだ少し重い感じで今週の調教で仕上がるかがカギ。 昨年のエリザベス女王杯で2着したように牝馬限定戦では明らかに格上の存在だけに最終調教が 良ければ外せない存在。

 あとは、左回りの東京コースが得意なウメノファイバーとエイダイクイン。ウメノファイバー は、東京コースで重賞3勝と得意中の得意コース。どちらかというと叩き良化タイプだけに今回 は仕上がりがカギ。エイダイクインは、左回りの1800mはベストの条件。こちらは前走で 一変した走りを見せただけに一発ありそう。レースで目一杯走るため、間隔をおいた方がいいタイプ で今回は狙い目十分。

 穴は人気が落ちてきたナリタルナパークあたりか。一昨年の秋華賞で2着もあり、この時期 走るので注意は必要。昨年の中山牝馬Sを勝っており1800mは得意。今年の中山牝馬Sは 武豊騎乗し1番人気で8着と敗退したが、元々人気がなくなると走るタイプでそろそろ走り頃。


調教診断

トゥザヴィクトリー
 栗東DWで一杯に追われ、ラスト11.4秒と切れた。エリザベス女王杯が目標で少し太め もこの動きなら力は出せるだろう。だいぶ古馬らしい風格が備わってきた印象で全体的な雰囲気もいい。

フサイチエアデール
 栗東坂路で強めに追われ、力強い動きを披露し、9分通り仕上がった印象。休み明けでも走る タイプだけに57キロでも格の違いを見せつけるか。東京コースだと最後の詰めが甘いところが 少々気がかり。

エイダイクイン
 美浦南Wで馬なり調教も太め感はなく、脚捌きも軽快でクイーンCのデキをキープ。やはり 間隔をおいて使ったほうがいいようで動きに切れがある。左周りの1800はベストの条件だ けに久々の勝利もありそうだ。

ウメノファイバー
 南Wで一杯に追われ、好タイムを出したが、最後の切れはイマイチで本調子にはない感じ。 このひと追いでどこまで変わるかだが、元々叩き良化タイプだけにどうだろう。


相馬眼予想

 東京1800mは向こう正面の広く長い直線を進むことと、コーナーが2回しかないことで 各馬不利なく進められるため、実力馬が力を発揮しやすいコースだと言われている。ただし、 それも芝の状態や展開によって、連対する馬は変わるわけで、そこの読みは当然必要になる。 さて今年の実力馬と言えば、人気になっているトゥザヴィクトリーとフサイチエアデール、 そしてオークス馬ウメノファイバーだろう。この3頭の調子と今の芝状態と展開を考慮すれば、 勝ち馬は見えてくるはずだ。

 トゥザヴィクトリー
 クイーンCで初重賞制覇し、賞金的にエリザベス女王杯に出走できることから、ゆったりと したローテーションで臨んできた。ミニ放牧明けになるが、順調に調教を積んでおり、仕上がり 良好で力を出せるデキ。東京の前残りの馬場も向きそうで、今回は条件が揃った感じ。気の悪さ さえ出さなければ、好勝負間違いないだろう。スタートしてすぐに先頭に立ち、平均より早い ペースで逃げる競馬。4コーナーで後続を引き付け、直線に向き再度突き放して1着でゴール。 フサイチエアデールの仕上がりと斤量2キロ差、そして先行有利の馬場を考慮すれば、今回は こちらが上。乗り替わった四位騎手が勝利に導いてくれるはずだ。

 フサイチエアデール
 マーメイドSで58キロを背負って55キロのトゥザヴィクトリーを差し切り勝ちし、格の 違いをアピール。今回は57キロで1キロ軽くなって2キロ差になっているのだから、斤量的には有利だ。 ただし、東京コースだと右回りより切れない印象で先行有利の馬場も考慮して狙いを下げた。 本番のエリザベス女王杯は昨年2着だけに上位にとりたいが、今回は2番手の評価が妥当だろう。

 エイダイクイン
 ひと息入れたクイーンCで今までの行きっぷりとは違った動きを見せて見所十分の2着と好走。 今回も間隔を取っての出走でリフレッシュされており、また左回りの1800mはベストの条件 だけに一発が期待できそうだ。フサイチエアデールの馬体重が大幅に増えていれば、こちらを 上位にしたい。

 ウメノファイバー
 東京コースは3勝と得意にしており、走りが一変するので注意したい。今回は調子が ひと息の感があるので狙いを下げたが、牝馬限定戦なら明らかに実績上位の存在だけに抑え は必要だろう。流れが早くなって、前崩れの展開になれば、オークスでトゥザヴィクトリー を差し切った破壊力満点の末脚で上位争いをするはずだ。

 あとは、15ヶ月の休み明けでも調教の動きがいいキクノスカーレット。1800mは適距離 で休養前にエリモエクセルと好勝負した実績からも、実力的には十分勝負になるはずだ。

    勝負馬券:馬連 トゥザヴィクトリー − フサイチエアデール

     ◎トゥザヴィクトリー
     ○フサイチエアデール
     ▲エイダイクイン
     △ウメノファイバー
     注キクノスカーレット


レース結果

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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ◎ 2  2    トゥザヴィクトリー 牝 5 55.0kg  四位洋文 1:48.3  484Kg  +2  1
   2   3  3 (外)ハイフレンドコード 牝 6 55.0kg  的場均  1:49.0  506Kg  +6  7
   3 ○ 6  9    フサイチエアデール 牝 5 57.0kg  北村宏司 1:49.1  436Kg  -6  2
   4   6  8    クリスマスツリー  牝 6 55.0kg  小野次郎 1:49.2  496Kg  +4  6
   5   4  4 (父)サクラスエヒロ   牝 6 55.0kg  ロバーツ 1:49.5  456Kg  +6 13
   6 ▲ 1  1 (父)エイダイクイン   牝 6 55.0kg  二本柳壮 1:49.5  416Kg  -6  3
   7   7 10    ヴァイタルトラック 牝 6 55.0kg  江田照男 1:49.5  452Kg   0 12
   8 注 5  6    キクノスカーレット 牝 7 55.0kg  郷原洋司 1:49.6  486Kg +12 11
   9   8 12 (父)ミホギャラリー   牝 5 55.0kg  青木芳之 1:49.6  472Kg   0  8
  10   5  7 (外)ヒシピナクル    牝 5 55.0kg  角田晃一 1:49.7  476Kg  +2  5
  11 △ 7 11 (父)ウメノファイバー  牝 5 56.0kg  佐藤哲三 1:49.8  454Kg +14  4
  12   8 13    ナリタルナパーク  牝 6 55.0kg  菊沢隆徳 1:50.0  442Kg  -2  9
  13   4  5    メジロビクトリア  牝 5 55.0kg  吉田豊  1:50.0  462Kg  +6 10
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  天候:雨  芝:良  
  ハロンタイム  13.3 - 11.6 - 12.4 - 12.6 - 12.7 - 12.2 - 11.5 - 10.8 - 11.2  
  上り  4F 45.7 - 3F 33.5 
  2コーナー  2,10(4,3,8,11)(6,7,9)13-12(1,5)  
  3コーナー  2,10(3,11)(4,8,9)(6,7,13,1)-(12,5)  
  4コーナー  (*2,10)(3,11)(4,8,9,13)(6,7,1)-(12,5)  

  <払戻金> 
  単勝 02 270円 1番人気  枠連   2- 3 4,410円 16番人気
  複勝 02 120円 1番人気  馬連  02-03 4,380円 13番人気
     03 510円 8番人気  ワイド 02-03 1,300円 14番人気
     09 130円 2番人気      02-09   180円  1番人気
                       03-09 1,590円 18番人気

レース回顧

 トゥザヴィクトリーがスローペースの逃げで重賞連覇。展開が向いた感もかなり あるが、今まで期待してきた馬なので素直に喜びたい。さあ、これで昨年のG1戦 の雪辱に挑むことになるが、今年は不用な競馬はしないだろう。対するフライチエ デアールは、追い込んで3着と力があるところは見せたが、なにかスッキリしない 感じ。エリザベス女王杯は昨年2着の舞台だけに完調になれば、こちらも好走でき ると思うがどうだろう。では、回顧です。

 ◎トゥザヴィクトリー は、スタートしてすぐに逃げる競馬。競いかけてくる馬をおらず終始楽に逃げで、 直線に向くと上がり3F33.5秒の脚を使い後続を突き放して1着でゴール。 スタートして2F目が11秒台だったが、3〜6Fが全て12秒台と先行有利な 競馬だったこともあるが、上がりタイムがメンバー中1番なのだから、展開だけ でもない。何より、スローペースで折り合いを欠かずに進められたところを評価し たい。パドックでは、多少カリカリしたところを見せていたが、以前ほど入れ込む ことはなく、精神面がだいぶ成長した印象。馬体もスッキリして、バランスがとて も良く見え好印象。今後はエリザベス女王杯になるが、今のデキなら好勝負できる だろう。この勝利で1番人気確実、人気通りのレースぶりを期待したい。

 ハイフレンドコード は、3、4番手を進み、直線に向くとしぶとく伸びて2着を確保。最近の 成績の悪さから7番人気と人気がなかったが、このレースぶりを見ると だいぶ復調してきているのだろう。調教でもうるささを見せたように これくらいの気合乗りがこの馬本来のものと思っていいようだ。あとは、 スローを展開も見越して早めの競馬に徹した的場騎手の好プレーが 光る。この2着をきっかけにどこまで上昇気配を見せるか。今後は、 気合乗りに注意して見極めることにする。

 ○フサイチエアデール は、8、9番手を進む競馬。3、4コーナーから進出を開始して直線 で目一杯追うも伸び切れずに3着敗退。やはり、東京コースだと最後 伸び切れない。休み明けでも−6キロときっちり仕上がっていたが、 全体的な馬体は張りがイマイチの印象。陣営も言っているように使い 込んで筋肉がついてくるタイプなのだろう。パドックでは、適度に気合 が乗り、気配自体は良く感じた。次走はエリザベス女王杯になるが、 ひと叩きした上積みがあれば、当然好勝負だろう。4歳で望んだ昨年 は2着と好走したが、パワーアップした今年は更に上が期待してもいいだろう。

 ▲エイダイクイン は、後方2番手を進む競馬。直線で差を詰めたが、前がこの上がり では届くわけもなく敢えなく6着敗退。後で分かったことだが、調教 を強めにやり過ぎてしまって馬体が減ってしまったようだ。スローの 上がり勝負の展開も向かなかったこともあり、この結果も仕方ない ところ。今後はエリザベス女王杯に向かうことになるが、クイーンC のデキに戻れば、好走のチャンスもあるだろう。トゥザヴィクトリー に迫った末脚は忘れてはいけない。

 △ウメノファイバー は、5、6番手につけ3コーナーから徐々に進出したが、直線に向くと 脚色が一杯で後ろの馬に差されて11着敗退。プラス14キロと重目 残りではあったが、見せ場なくズルズル後退した点が、気がかりだ。 元々叩き良化タイプだけに変わってくる可能性はあるがどうだろう。 牝馬だけに緊張の糸が切れた場合は、なかなか復調できないという ことも付け加えておく。調教で馬自ら早いタイムを出すような気配に なったときが買いどきだろう。


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