富士S
2000/10/21 東京競馬場 GV 芝1600m

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レース展望

■ 出走有力馬

ダイタクリーヴァ エアギャングスター ブレイクタイム
ルネッサンス エイシンルバーン マルカコマチ[回避]
チェックメイト ダイワカーリアン トーヨーデヘア
アドマイヤコジーン タイキブライドル トロットスター

 マイルCSに向け、好メンバーが揃い、見逃せない一戦。馬券的な妙味もたっぷりで菊花賞の 前に資金をしっかりと調達しておきたいところ。富士Sは、過去3年1400mで行われたが、 今年から1600m。東京1600mはタフなコースで2000mをこなすスタミナがある馬が 有利と言われている。スタミナも重要だが、最近の競馬の傾向は、スローペースで最後の瞬発力 勝負の競馬。前に行った馬に34秒台の末脚を使われては差し馬の出番はない。今週もCコース で逃げ先行有利。今週のポイントは、「展開」になりそうだ。

 菊花賞に見向きもせず、マイルCSに向け始動するのが、ダイタクリーヴァ。言わずと知れた 皐月賞2着馬で、ダービーの大敗を期にマイル路線に変更してきた。ダービー以来の出走になる が、乗り込み量は十分に足りており、久々でも力を発揮できそうだ。今年の4歳馬の屈指の存在 だけにここで見劣ることはないだろう。器用なタイプではないので、東京コースは向きそう。

 この夏、勝ち切れなかったが十分に存在をアピールしたエアギャングスターがマイル路線に 登場。最近、札幌で好走した馬の活躍が目立つので、流れ的にも好走きそうだ。東京コースは2戦2勝 と得意なコース。いつ高いレベルの本格化してもおかしくない状態なので、この秋、期待したい馬。

 ブレイクタイムは、前走のポートアイランドS(1600m)で差す競馬で2着と古馬に引けを 取らないところを見せた点を評価。これまでは、逃げるレースで好走してきたが、ここにきて 自在性が出てきたのは強み。東京1600mをこなすスタミナがあるかがカギ。

 動きが格段に良くなっているのが、ルネッサンス。東京コースは4戦3勝で東京で行われた ラジオたんぱ賞も勝っている。馬体重は500キロを超えるが、あまり大きく見せないのも いい感じ。先行抜け出しの脚質も今の東京コースに合いそうなので、注意は必要だ。人気が ないようなら、狙っておもしろい。

 あとは前走好タイム勝ちのエイシンルーバン、東京コースで末脚爆発するかマルカコマチ、 末脚強烈チェックメイト、8歳にして重賞2勝のダイワカーリアンと伏兵多数だ。 ダイワカーリアンの逃げが展開のカギを握っているのは、言うまでもない。


調教診断

ダイタクリーヴァ
 栗東CWで一杯に追われ、軽快な動きでラストも11.9秒と切れた。十分に調教を積んで いるので、太め感もなく、ほぼ仕上がった。春よりだいぶ馬体が成長した印象でこのメンバー でも楽勝まであるとみたい。
ルネッサンス
 南Wで直線強めに追われ、鋭い動きを見せた。4ヶ月の休み明けになるが、仕上がりはいい 感じで力は出せそう。穴馬にマークしたい。
エアギャングスター
 栗東CWで馬なり調教も軽快な脚捌きでスピード感満点の動きを披露。馬体の張りも良く、 2ヶ月ぶりでも調子は良さそうだ。武豊騎手が騎乗するのも魅力。
ブレイクタイム
 栗東坂路でラスト強めに追われ、50.4秒の好タイムを出した。ラストは一杯になり、 14.1秒掛かったが、動き自体は良く、いいデキをキープ。
ダイワカーリアン
 南Wで強めに追われ、力強い動きで最後まで止まらずに伸びた。3週連続好タイムを出し、 出走体勢は整っている。先行有利な馬場も向くが58キロがどうか。
アドマイヤコジーン
 栗東坂路で一杯に追われ、50.5秒の好タイム。タイムは出たが、動き自体はあまり 変わっていないが、これだけ強く追われたところを評価したい。まだ強くは推奨できない が、そろそろ復活を注意したい。


相馬眼予想

 G3とは思えない好メンバーが揃い、マイルCSに向けてキーとなりそうな一戦。 1600mが得意な馬が多く、一見するとどれが勝ってもおかしくない感じだが、 G1実績のある古馬マイラーがいないのなら、勢いのある4歳馬を狙ってみたいと いうのがここでの結論。 この時期になれば、力差がなくなっているのは、過去の歴史が証明してくれている。 果敢に4歳馬で攻めたい。

 金曜日夜からの雨でどれくらい悪化するかわからないが、土曜日は晴れ予報で馬場 がいい東京コースなら、最低でもやや重まで回復するはずだ。東京コースは今週もC コースで先行有利になりそうだが、ペースが早くなれば、中団からの差しで十分に 届くはずだ。これだけの有力馬が揃えば、スローペースになることは、まずないだろう。

ダイタクリーヴァ
 ダービーで12着と大敗し、マイル路線に変更してきたが、4歳馬屈指の存在で ここで実力が見劣ることはない。元々マイルは得意で2100と3戦3連対。今週の 調教では、絶好の動きを見せており、人気がないのなら単勝まで狙えそうだ。道中は 中団につけ、じっくり脚をため、3,4コーナー中間でスパートする競馬。4コーナ ーでの勢いを直線で爆発させ、外から一気に突き抜けて1着でゴール。馬体の成長も 著しく、ここは楽勝まであるとみたい。ここを勝ってマイルCSに堂々と向かう。

エアギャングスター
 北海道で5戦し2210とだいぶ力をつけており、高いレベルの本格化待ちの状態。 狙いたいのは、厳しい流れの2000mでも最後まで止まらなかったところ。ペース が早くなってスタミナ勝負になれば出番がありそうだ。東京1600mはタフなコー スで2000mで好走できる馬がよく連対する。他の馬がみな1600mを得意として いるなら、2000mが得意なこの馬に必ずチャンスがくるはずだ。武豊騎手が騎乗 するのも魅力のひとつ。

ブレイクタイム
 前走のポートアイランドSで好位からの差しで2着した点を評価したい。スピードで押し 切る競馬から一転して差す競馬ができるようになったのは大きく、今回は流れが向き そうだ。スピード決着にも対応できるので、今の東京の馬場も合いそう。同じ4歳の ダイタクリーヴァより2キロ軽い54キロも有利だ。

ルネッサンス
 休み明けになるが、調教での動きが良く、勢いを感じるので狙ってみたい。東京 コースは得意で4戦3勝。東京で行われたラジオたんぱ賞を勝っており、こういう パターンで東京の重賞をもう1回勝つというのが良くあるパターン。勝っても人気 にならないタイプで狙っておもしろい。先行抜け出しの競馬で活路を開くはずだ。

アドマイヤコジーン
 坂路調教で一杯に追われ、だいぶ鋭さが出てきただけにマークはしておきたい。 まだ復活するとは言い切れないが、G1馬だけに一気に良くなっても不思議では ない。東京スポーツ杯を勝った東京コースとかかる心配のない1600mで抑えは必要。

    勝負馬券:馬連 3 − 6

     ◎ダイタクリーヴァ
     ○エアギャングスター
     ▲ブレイクタイム
     △ルネッサンス
     注アドマイヤコジーン


レース結果

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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1   6 12 (外)ダイワカーリアン  牡 8 58.0kg  田面木博 1:33.9  506Kg  -2  6
   2   5  9    トロットスター   牡 5 56.0kg  蛯名正義 1:34.0  450Kg  +8  7
   3 ◎ 3  6 (父)ダイタクリーヴァ  牡 4 56.0kg  高橋亮  1:34.1  480Kg -12  4
   4   3  5 (市)チェックメイト   牡 6 56.0kg  福永祐一 1:34.4  456Kg  -6  9
   5 ▲ 4  7    ブレイクタイム   牡 4 54.0kg  松永幹夫 1:34.4  546Kg  -4  8
   6   7 14 (外)エイシンルバーン  牡 5 56.0kg  秋山真一 1:34.4  522Kg  -2  2
   7   5 10 (外)トーヨーデヘア   牡 4 54.0kg  ロバーツ 1:34.5  502Kg  +4  3
   8 注 6 11    アドマイヤコジーン 牡 5 56.0kg  後藤浩輝 1:34.5  446Kg -10 10
   9 ○ 2  3    エアギャングスター 牡 5 56.0kg  武豊   1:34.6  424Kg  -6  1
  10   1  2    ロードクロノス   牡 6 56.0kg  岡部幸雄 1:34.7  466Kg  -4 11
  11   8 16 (外)レッドチリペッパー 牝 5 55.0kg  横山典弘 1:34.8  472Kg -14 12
  12   4  8    ニッポーアトラス  牡 7 56.0kg  菊沢隆徳 1:34.9  524Kg  -6 15
  13   8 15    タイキブライドル  牡 6 56.0kg  郷原洋司 1:35.2  470Kg  -6  5
  14   1  1 (父)エアガッツ     牡 7 57.0kg  柴田善臣 1:35.4  476Kg   0 14
  15 △ 7 13    ルネッサンス    牡 4 55.0kg  吉田豊  1:35.9  526Kg +10 13
  16   2  4 (外)マリアジュダムール 牡 7 56.0kg  小林淳一 1:36.8  472Kg  +8 16
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  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  12.4 - 11.4 - 11.5 - 11.5 - 11.8 - 11.7 - 11.4 - 12.2  
  上り  4F 47.1 - 3F 35.3 
  3コーナー  12,13,11(6,7,14,15,16)(1,2,10)8(3,5)9,4  
  4コーナー  12(11,13)(6,14,15)(1,7,10,16)(2,8,9)(3,5,4)  

  <払戻金・給付金> 
  単勝 12 1,370円 6番人気  枠連   5- 6 1,680円  7番人気
  複勝 12   410円 6番人気  馬連  09-12 8,290円 42番人気
     09   440円 9番人気  ワイド 09-12 2,580円 41番人気
     06   430円 8番人気      06-12 2,100円 32番人気
                         06-09 2,440円 36番人気  

レース回顧

 8歳馬ダイワカーリアンが重賞連覇。今年になって重賞3勝目となりカーリアン産駒の 底力を存分に証明している。勝っても毎度人気にならないが、私も支持しない一人。や はりこの馬への先入観が予想の邪魔をしていると思えるのは私だけか。条件戦、オープン特別でのレースの印象 が強く、どうしても重賞となると勝つのをイメージできないということだ。年齢 とともに力をつけてきたタイプは、以前の実績を度外視しないといけないことを痛感させ られる、度外視と言っても、コース適性、距離適性はそんなに変わるものではないので、 そのあたりは臨機応変に対応していくのがよいだろう。次は騙されないようにしたい。では、回顧です。

 ダイワカーリアン は、スタートしてすぐに逃げる競馬。直線に向いても、スピードは最後まで衰えずに差し 馬を完封して1着でゴール。ペースは遅いわけでもなく、58キロを背負ってこの強い 勝ち方は、少々気づくのは遅かったが、完全本格化を思わすもの。直線でもブレずに一直 線に伸びた姿は迫力があって好印象。8歳馬だが、良くもここまで強くなったものだ。 パドックでは、はちきれんばかりの馬体も格さえ感じられ、落ち着きもあって 非常に良く見えた、次走はマイルCSになるが、G1だけにどうだろう。今度は G1独特の息の入れられないペースなので、どこまで頑張れるか。今のデキなら、あっさり克服 してもおかしくないが。

 トロットスター は、後方2,3番手を進み、じっくり脚を溜める競馬。直線に向き、追い出すと馬群を 割って一気に伸びて2着まで追い込んだ。直線の差し脚は特質もので、この馬の今の充実 ぶりを示したと言っていいだろう。馬体はプラス8キロだったが、太め感もなくだいぶ身 が入ってきた印象。やっと差し脚が板についてきて、堅実に走れるようになってきた。 出走できれば、次走はマイルCSになるが、この差し脚なら好走できるかもしれない。

 ◎ダイタクリーヴァ は、5,6番手を進み、直線で差す競馬。満を持して追い出すと右に左にヨレてしまった が、最後は伸びてなんとか3着を確保。以外だったのは、マイナス12キロの馬体減。 調教のときは細く見えなかったところをみると輸送で入れ込んだのかもしれない。馬体は 細く腹が巻き上がって見えたが、全体的な雰囲気はやはりいいものを持っている。顔つき もだいぶ大人びて、だいぶ名馬のそれに近づいているのが分かる。今回のレースは、大幅 な馬体減と休み明けと理由がつくので、そんなに問題視する必要はないだろう。このひと 叩きでどれくらい良化してくるか非常に楽しみだ。次走はマイルCSになるが、馬体さえ 戻せば当然好勝負になるだろう。来年のマイル路線を背負って立つ馬。大きく期待したい。

 ▲ブレイクタイム は、6,7番手を進み、4コーナーでは中団まで下がったが、直線でまた差してきて5着 まで追い上げた。器用さに欠けるだけにゴチャついて中団まで下がったのが痛かった。そ れでも最後は差し脚を見せるあたり能力が在るのが間違いない。今回のレースぶりからも 距離は1600mまで十分に対応できそうだ。まだまだ成長が見込めるので、近いうちに G3あたりなら勝てるだろう。だいぶ古馬とのレースにも慣れてきているのも見逃せない。

 ○エアギャングスター は、後方4,5番手と前につけれずに直線でもいつもの差し脚を見えれずじまいで9着 敗退。武豊騎手をもってしてもこのレースぶりなのだから、久々の1600mのペースに 馬が対応できなかったのだろう。馬体もマイナス6キロでやや減り過ぎの印象で本調子に はひと息だったか。元々小さい馬だが、少し馬体が小さく見えたのが嫌な感じ。今まで の経験から、サンデーサイレンス産駒がこう見え始めると良くない傾向。調教でよく馬体 をチェックして、このあたりを見極めることにしたい。



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