菊花賞
2000/10/22 京都競馬場 芝3000m

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出走有力馬
エアシャカール アグネスフライト トーホウシデン
ジョウテンブレーヴ エリモブライアン ホワイトハピネス
ヒシマジェスティ フェリシタル ヤマニンリスペクト

 さあ秋のG1シリーズ第3弾菊花賞。スプリンターズSは250倍、秋華賞は 300倍ときているだけに菊花賞は350倍、400倍あたりを狙えばなんてい う声も聞こえてきそうだが、果たして大荒れになるか。皐月賞は早い馬が、ダー ビーは運のいい馬が、菊花賞は強い馬が勝つと言われているが、今年の強い馬は、 皐月賞馬か、ダービー馬か、それとも。。。いずれにしても、各馬が実力を発揮 できる紛れのないレースを期待したい。

 今年は神戸新聞杯優勝のフサイチソニックとセントライト記念優勝のアドマイ ヤボスが揃って出走せずに異常事態。トライアル優勝馬が出走しなかったことは、 ほとんど前例がないこと。この状況が、今年から菊花賞を3週間早めたことの影 響か、トライアルを勝った馬が強いのか、はたまた皐月賞とダービーのレベルが 低かったのか、それを読むことが菊花賞予想の第一歩だろう。もし皐月賞とダー ビーのレベルが低いと判断すれば、夏好走馬、特に北海道で好走した馬を狙って みるのもいいだろう。

 人気になるのは、トライアルで2,3着したアグネスフライト、エアシャカー ル、トーホウシデン、ジョウテンブレーヴ。ダービーでぶっちぎられたトーホウ シデンとジョウテンブレーヴが秋になってどこまで差を詰めているか。現時点で は、エアシャカールとアグネスフライトの力が抜けているというのが正直な印象。 エアシャカールとアグネスフライトは、馬体、走りからも例年の4歳トップレベ ルと比較しても遜色ないと思っている。ただし、菊花賞は3000mの長丁場だ けに調子が悪くては好走はありえない。最終調教と前日追いをしっかりチェック して、勝ち馬を見つけ出すことにしよう。

 神戸新聞杯で内にモタれて勝負にならなかったエアシャカール。神戸新聞杯で の武豊騎手は、「全く追うことができなかった。内へ飛び込んでいこうとする。 なにを求めているのか、彼の頭の中を見てみたいよ。」とコメントしている。手 応えから苦しがってモタれたのではないだろうから、やはり気性なのかもしれな い。皐月賞時のダイタクリーヴァ、ダービーと神戸新聞杯のアグネスフライトが ともに栗毛なので、栗毛の方にモタれるという説も出ているが、このあたりはど うなのだろう。いずれにしても、今回はまっすぐ走るのか、それとも武豊騎手が まっすぐ走らせるのか、このあたりがポイントだろう。陣営はこの中間ブリンカ ーをつけたり、ハミをリングハミに変えたりといろいろ工夫して、とにかくまっ すぐ走らすことに着目した調教をしている。陣営も半信半疑だけにまっすぐ走る かの判断は非常に難しいところだ。

 神戸新聞杯で積極的な競馬で2着したアグネスフライト。中間調教を休んで決 して万全ではなかったので、まずまずの走りだが、なんとなく迫力を欠いていた 印象。馬体は筋肉質で柔らかさもあり、相変わらず目立っていたので、このひと 叩きでどこまで動きが変わってくるかがカギになる。中間の調教は坂路で軽めば かりなのが多少気になるが、最終調教で一杯に追えれば、太めが残るタイプでも ないので問題ないかもしれない。菊花賞は京都新聞杯を勝った馬の好走が目立つ が、今年は春にスライドし、これを勝ったのはアグネスフライト。直線での凄ま じい末脚は、間違いなく京都コースが合う。そういう意味では、今年も京都新聞 杯が菊花賞につながるということも、簡単だがまんざらでもなさそうだ。

 セントライト記念2着のトーホウシデン。ダービーの回顧で指摘した通り、菊 花賞の有力馬として出走してきた。セントライト記念では、掛かり気味に行って 折り合いを欠いていたのが、少々気になるが、中間も順調に乗り込んでおり、相 変わらずいい動きを見せている。デキはいいだけに上位2頭との差をどこまで詰 めるか。直線で競い合いになって、勝負根性をあおる競馬がベストだ。
 セントライト記念3着のジョウテンブレーヴ。プラス22キロと重めが残って いたので、このひと叩きでどこまで絞れてくるかがカギ。馬体はだいぶ迫力が増 してきており、一発の魅力がある。アメリカから一時帰国して騎乗する蛯名騎手 にも期待したいところ。

 あと気になるのは、最近の超スローの流れ。秋華賞のように前に行った馬に3 3秒台の上がりを使われては、差し馬の出番はない。菊花賞は長丁場のため、超 スローになる可能性があり、このあたりを意識して、神戸新聞杯でアグネスフラ イトが6番手と中団につけた。アグネスフライトが前に行けば、エアシャカール もマークして前に行くはずで、こうなると逆に流れは早くなるかもしれない。流 れが早くなれば、力勝負で実力に勝る上位2頭での決着になるのか、それとも差 し馬が飛んでくるのか。今週も展開の読みが重要になりそうだ。


調教診断

エアシャカール
 栗東坂路で一杯に追われて、51.3秒と好タイムを出した。よれることもな く、まっすぐ伸びたところを評価したい。脚捌きも軽快で調子はいいようだ。春 より背丈と胴が伸びて、だいぶ成長した印象。馬体はすっきり見えるが、これは 体形が変わったためと判断したい。

エリモブライアン
 栗東坂路で一杯に追われ、ラスト2F鋭く伸びた。これぞひと叩きの効果と言 わんばかりの調教でただ今絶好調。馬体の張り、首を使った走りと満点の評価。 一発を警戒したい。

ジョウテンブレーヴ
 美浦南Wで一杯に追われ、好タイムを出し、ラストもまずまずの動き。順調に 調教を消化して、だいぶ馬体が絞れた印象。叩き良化型なので、前走からの上積 みが期待できそうだ。今年1番のデキとみたい。

トーホウシデン
 美浦南Wで馬なりでラストまでしっかり伸びた。舌を出していたが、直線での 反応が良く、好調子をキープ。レースで掛からなければ、好勝負できそうだ。

アグネスフライト
 栗東DWで直線一杯に追われ、ラストはいい脚を見せた。直線でムチを入れた が、反応が悪くモタついたのは減点。また、中間も軽めの調教に終始したことが 少々気になるところ。ただし、馬体は筋肉が盛り上がり、毛づやも良く、良く見 せている。判断は難しいが、ダービー時のデキにはない印象。


勝負馬券予想

 今回のポイントは、アグネスフライトとエアシャカールの取捨。取捨のポイン トとして選んだのが、アグネスフライトの調子と今回の作戦、そしてエアシャカ ールが直線よれるかどうかということ。このポイントをクリアできれば、勝ち馬 は見えてくるはずだ。

 まずはアグネスフライト。神戸新聞杯で中間調教を2日間休んだこともあり絶 好調ではなかったが、よれてほとんど競馬をしていないエアシャカールとは半馬 身差。この差をどうみるかがポイントだが、アグネスフライトは、なんとなく迫 力を欠いていた印象で、これが休み明けと中間調教を休んだことの影響とも言え なくはないが、少々気になるところだ。 中間の調教は軽めに終始し、最終調教は直線一杯に追われ、ラストはいい脚を見 せたが、ムチを入れたときの反応が悪くモタついたのは減点。世間では絶好調と まで言われているが、この軽めの調教と反応の悪さをみるとそうは思えない。馬 体の素晴らしさは認めても、ダービー時のデキにはないというのが、ここでの見 解だ。

 あとは、今回の河内騎手の作戦。中団につけて、4コーナーで早め先頭の競馬 をするそうだ。スローになって前残りの競馬では追い込み切れないことを考慮し てのものだが、神戸新聞杯でたった1回だけ中団につけての競馬をさせたことで 本当に身になっているかは、はっきりいって疑問。セイウンスカイが昨年の札幌 記念で差す競馬をして優勝し、天皇賞(秋)でも差す競馬をしたが、直線の差し 脚はイマイチで大敗した。1回差す競馬が出来たと言っても、それが通用するほ どG1での競馬は甘くない。これと同じことが今回のアグネスフライトに言える ような気がしてならない。元々、最後方からの追い込みが板についているので、 早めの競馬をした場合に直線伸び切れるかどうか、期待より不安の方が大きいの は確かだろう。まとめると、状態面もひと息で早めの競馬も不安なので、抑えの 評価が妥当というのが結論だ。

 次にエアシャカール。何と言っても今回のポイントは、直線でよれるかどうか ということだろう。これを分析するためには、神戸新聞杯でなぜよれたかを分析 しなければならない。よれた理由は、100%これだとは言い切れないが、ここ では推定の結論を出した上で、今回よれるのかを考えてみたい。

 神戸新聞杯のレースを見ると4コーナーでの手応えは良いため、苦しがってよ れたのではないように思える。皐月賞と神戸新聞杯では、外に馬がいないときに 馬のいる内側によれている。横に馬がいないと馬のいる方に寄っていっている感 じだ。このあたりから、よれたのは気性というか癖といったものだとここはでは 結論づけたい。 馬が外にいないと、馬がいる方に寄っていってしまう癖。この癖が今回出るかと 言えば、神戸新聞杯と同じ乗り方をしたら、おそらくかなりの確率で出るだろう。 では、どうしたらいいのか。そこは、天才武豊騎手。当然よれないように対処し た騎乗をするはずだ。それでよれたら、あきらめるしかないだろう。陣営も中間 の調教でいろいろと工夫しており、できる限りのことはやってきている。

ここで考えたいのは、武豊騎手の作戦。この作戦でレース自体の展開までもが変 わるので、ここを読むことはかなり重要になる。ここでは4つの作戦を考えてみ た。

 ◆作戦1:逃げる (両側に馬がいなければよれない)
 ◆作戦2:直線で馬群を割って抜け出す (両側に馬を置けばよれない)
 ◆作戦3:直線で最内を突く (左に馬、右にラチを置けばよれない)
 ◆作戦4:4コーナー先頭の競馬で先に抜け出す (両側に馬がいなければよれない)

 まず騎手心理として、よれることで他馬に迷惑だけはかけたくないと思ってい るに違いない。そう考えると作戦2は非常に恐いし、また直線でバラければ必然 的にできないので、これはないはず。作戦1は、能力的にはできたとしても、気 性や脚質からすると無理があり、これもないはず。とすると、残るのは作戦3と 作戦4。ここで思い出さなくてはいけないのが、神戸新聞杯後の武豊騎手のコメ ント「内へ飛び込んでいこうとする」ということ。京都コースの外回りコースで は、4コーナーを回って最内を突いて勝つというのがよくあるパターンで、内へ 飛び込んでいこうとすることを利用して作戦3をするのではないか。最終調教で もラチと馬の間を割ることを何度もやっているので、やはり作戦3でくるに違い ない。なお作戦4は、アグネスフライトがこの乗り方をするので、同じ乗り方で 馬体が合うとまたよれる可能性が高いので、これは避けたいはずだ。

 まとめると、エアシャカールが直線でよれるのは、「馬が外にいないと馬がい る方に寄っていってしまう癖」と結論づけて、これを武豊騎手が作戦3で対処す るということになる。ズバリ、今回はこの作戦に乗って、エアシャカールを本命 にしたい。これでよれれば、あきらめるしかない。全ては天才武豊騎手の手腕に 託すことにしたい。また、調教面でもダービー前はテンションが上がらないよう に坂路で超軽めの調教だったが、今回は最終調教でびっしり追う調教。調子面か らも今回は負けられない。

 エアシャカール本命が決まった。では、2着はどの馬かというとはっきり言っ て混戦。候補としては、セントライト記念2,3着のトーホウシデンとジョウテ ンブレーヴ、そして神戸新聞杯7着のエリモブライアンと見ている。 中でも人気はないが、馬体面の充実が著しく、今年最高のデキに仕上がったジョ ウテンブレーヴ を狙ってみたい。距離3000mは、はっきり言って長いが、最 近の菊花賞の傾向からしてスローペースになるのは間違いなく、問題ないだろう。 これまでの重賞では、直線で伸び切れなかったが、体調がイマイチだったのだか ら仕方がない。今回はデキ最高で必ず最後にいい脚を使ってくれるはずだ。アメ リカ遠征している武豊騎手と蛯名正騎手の熱い競演が今回は見られそうだ。

    勝負馬券:馬連 エアシャカール − ジョウテンブレーヴ

     ◎エアシャカール
     ○ジョウテンブレーヴ
     ▲エリモブライアン
     △トーホウシデン
     △アグネスフライト


レース結果
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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ◎ 7 15    エアシャカール   牡 4 57.0kg  武豊   3:04.7  494Kg  -6  2
   2 △ 7 13    トーホウシデン   牡 4 57.0kg  田中勝春 3:04.7  430Kg  -4  3
   3 ▲ 1  1    エリモブライアン  牡 4 57.0kg  藤田伸二 3:05.4  484Kg +14  6
   4   2  4 (父)ケージージェット  牡 4 57.0kg  佐藤哲三 3:05.5  500Kg  -4 12
   5 △ 3  6    アグネスフライト  牡 4 57.0kg  河内洋  3:05.6  460Kg  -2  1
   6   8 17    フェリシタル    牡 4 57.0kg  高橋亮  3:05.6  474Kg  +4 10
   7   2  3    ヤマニンリスペクト 牡 4 57.0kg  福永祐一 3:05.7  496Kg  +8 13
   8 ○ 5  9 (抽)ジョウテンブレーヴ 牡 4 57.0kg  蛯名正義 3:05.8  486Kg  -4  5
   9   3  5    トップコマンダー  牡 4 57.0kg  松永幹夫 3:05.9  458Kg  -2 16
  10   4  7 (父)ホワイトハピネス  牡 4 57.0kg  小原義之 3:06.0  454Kg  -2  7
  11   6 12    ヒシマジェスティ  牡 4 57.0kg  角田晃一 3:06.1  500Kg +12  4
  12   1  2    ダイワバーミンガム 牡 4 57.0kg  柴田善臣 3:06.1  450Kg   0  8
  13   8 16 (父)カリスマシルバー  牡 4 57.0kg  小林徹弥 3:06.2  528Kg  +2 18
  14   4  8    スプリームコート  牡 4 57.0kg  四位洋文 3:06.6  476Kg +10 11
  15   5 10 (父)マッキーローレル  牡 4 57.0kg  本田優  3:06.6  486Kg  -2  9
  16   7 14    マイネルビンテージ 牡 4 57.0kg  熊沢重文 3:07.3  488Kg  +6 15
  17   8 18 (市)クリノキングオー  牡 4 57.0kg  幸英明  3:07.8  456Kg  +8 17
  18   6 11    ゴーステディ    牡 4 57.0kg  吉田豊  3:10.2  512Kg  +2 14
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  天候:晴  芝:良  
  ハロンタイム  13.4 - 11.2 - 11.5 - 12.7 - 12.7
         - 12.2 - 13.1 - 12.7 - 12.4 - 12.4
         - 12.4 - 11.9 - 11.9 - 12.1 - 12.1  
  上り  4F 48.0 - 3F 36.1 
  1コーナー  11,10(14,7,18)(13,9)15(2,6)5(1,17,12)(3,4,8)16  
  2コーナー  (11,*10)(14,7,18)(13,2,9)(5,15,6)(1,17,12)(3,4,8)16  
  3コーナー(2周目)  (11,*10)(7,18,9)(14,13,2,6)(5,15,1)12(4,17)(3,8)16  
  4コーナー(2周目)  (10,7,*9)(13,6)12(11,14,15,1)(5,3,4,2)8(16,18,17)  

  <払戻金> 
  単勝 15 280円 2番人気  枠連   7- 7 1,510円  5番人気
  複勝 15 150円 2番人気  馬連  13-15 1,580円  4番人気
     13 280円 3番人気  ワイド 13-15   550円  3番人気
     01 490円 6番人気      01-15 1,100円 10番人気
                       01-13 1,930円 19番人気

レース回顧

 武豊の作戦を予想のポイントとして取り上げ、本命にしたエアシャカールが 見事に優勝。武豊の作戦を読み切っただけに、まさに快心の予想と言っていい だろう。また、マスコミがアグネスフライト絶好調と取り上げていたが、調子 落ちを見抜いたところも満足できるところだ。2着には、ダービーの後に長距 離適性を見抜いていたトーホウシデンが入ったが、エリモブライアンとジョウ テンブレーヴがあまりに良く見せていただけに抑えの評価も仕方がないところ。 だが、長距離適性ではこの馬が3頭の中では優れているのだから、もう少し評 価しても良かったように思える。長距離レースでの距離適性の優位性をもう少 しまとめる必要がありそうだ。では、回顧です。

 ◎エアシャカールは、8,9番手を 進み、徐々に内々に入れる競馬。4コーナーで馬場の真中に出して一気に馬群 を割り、直線で最内に切れ込みながらも鋭く伸びて1着でゴール。武豊騎手は、 なんと100通りの乗り方を考えたそうだ。ラチを頼って右側に馬を置くこと でよれさせない騎乗は本当に見事だった。4コーナーで狭いところを割って突 き抜けたこの馬の能力も相当なものであることも付け加えておく。パドックで は、マイナス6キロもあって、若干細い感じがしたが、馬体の張りと作りは素 晴らしく力を出せるデキと判断できた。精神面も成長してきたのか、だいぶ落 ち着いて周回していたのも印象がいい。今後はジャパンカップになるが、これ 以上馬体が減らなければ、能力からして好勝負できるだろう。今年のジャパン カップは菊花賞から中4週(昨年までは中2週)あるので、調整はしやすいは ずだ。

 △トーホウシデンは、6,7番手を 進み、前々で折り合って進める競馬。3コーナー過ぎから徐々に進出し、4コ ーナーで先団に取りついて直線で抜け出すも最後はエアシャカールに競り負け て惜しくも2着。やはり長距離は向くようで、折り合いもついて流れに乗れて いた。馬体は小さいが秘められた能力はかなり高いものがある。首をうまく使 った走法にも好感が持てた。パドックでは、踏み込みも深く、リズミカルな首 の動きから、かなりいい状態に見えた。今後は古馬と対戦することになるが、 相手なりに走るタイプなので、十分勝負になるだろう。現状、先行差しの脚質 だが、道中もっと後方で脚を溜めれば切れる脚もありそうなので、今後どうい う競馬をしていくのか、陣営の作戦も注意深く見つめていきたい。

 ▲エリモブライアンは、中団よりや や後ろを進み、直線で馬群を割って鋭く伸びたが、前の2頭には追いつけずに 3着まで。4コーナーでごちゃついたのが痛かったが、直線での伸び脚は見ど ころ十分で好印象。調教でも抜群の動きを見せていたようにやっと駒草賞の頃 のデキに戻ってきたようだ。パドックでは、馬体の張り満点で気合乗りも良く、 落ち着いて周回しており、かなり目立っていた。今後は古馬との対戦になるが、 今のデキを維持できれば、好勝負できるだろう。調子の波が大きいので、調教 での見極めが重要な馬。

 △アグネスフライトは、中団を進み、 3コーナー手前から積極的に仕掛けていく競馬。大外を捲くり、4コーナーで 先団に取り付いたが、直線でいつもの切れる脚が見られずに5着敗退。河内騎 手が4コーナーで先頭と公言していた通りになったが、かなり強引な競馬にな った感じ。馬の方もやはり調子がイマイチだったのか、3コーナー手前で既に 手応えが怪しくなっていたのが気になるところだ。パドックでは、毛づやはい いが、馬体の張り、前脚の捌きがいまひとつだったが、何より馬体がこじんま りしたのがかなり嫌な感じ。サンデーサイレンス産駒の場合、馬体がこじんま りと小さくまとまって見えるようになったときは良くないと言う印象がある。 今後はジャパンカップに出走するそうだが、どこまで調子を戻せるかにかかっ ている。ダービーのデキになれば、間違いなく好勝負可能と思うが、現状から するとどうだろう。あと付け加えておくが、この馬には後方一気の競馬の方が 合うような気がする。

 ○ジョウテンブレーヴは、6,7番 手を進み、直線入り口で先頭に立って粘り込むも最後は力尽きて8着敗退。直 線で一瞬抜け出したが、最後は脚が上がったように距離が長かったようだ。そ れでも、これだけ見せ場を作れるのだから能力はあるのは間違いない。距離が 短ければ、かなりやれそうだ。馬体の張りも上々でだいぶしっかりとしてきた 印象。首の使い方も覚えてきてので、これからの活躍が期待できそうだ。追い かけたい馬。


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