セントライト記念
2001/09/16 中山競馬場 芝2200m

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レース展望

出走有力馬 (GMが有力馬をピックアップ)

マンハッタンカフェ
札幌で500万、1000万条件を連勝。サンデーサイレンス産駒特有の 馬体が目立ち、かなりの素質を感じさせます。まだ走りに力強さに欠けると ころはありますが、このメンバーなら十分に通用するとみています。馬体、 走法から、かなり能力の高い馬です。
ロードフォレスター
福島500万、新潟1000万条件を連勝。この夏の上がり馬で、今回と 同じ距離を経験しているのは心強い。ここを勝たないと菊花賞に出走でき ないので陣営も目イチの勝負でしょう。イレ込むところがあるのが少々 気になりますが、末脚は確かなものがあるので上位争いできそうです。
トレジャー
札幌で1000万条件を快勝。ここに来て調子を上げていますが、今の 中山の高速馬場が正直なところ心配です。スローの上がり勝負になった 場合にどこまで鋭い脚が使えるかが課題でしょう。母は名牝シンコウ ラブリイ。今までのイメージを払拭する走りを見せるかもしれません。
アドマイヤロード
たんぱ賞9着以来、久々の出走。たんぱ賞では馬体が寂しく見えましたが、 この夏に馬体が成長してしっかりしてきました。能力はある馬なので、 あとは仕上がり次第でしょう。ロベリア賞で先行して34秒台の脚を 使ってロードフォレスターを負かしていることからも上位争い可能でしょう。
マイネルバンガード
たんぱ賞2着馬。地味なタイプで目立ちませんが、東京2000mで ハッピールックの着差なしの2着しており、能力は高いものがあります。 現時点での仕上がりが早く、混戦になれば浮上しそうなタイプです。
チアズブライトリー
青葉賞4着以来になりますが、同厩のダンツフレームと調教し仕上がり はいいようです。馬体はそれほど変わった感じはありませんが、距離 伸びていいタイプです。切れ味勝負なら見どころがありそうです。
テキーラショット
ラストの詰め甘く勝ち切れませんが、前との着差は少なく堅実に走る タイプです。叩かれながら徐々に調子を上げてきているので、適距離 のここは一発を注意した方がいいでしょう。トレジャーと同じ藤澤 厩舎の馬です。



必勝データ (過去10年のデータを元に分析)

前走条件戦でも通用
連対馬20頭のうち、前走が条件戦だった馬は11頭で5割以上が連対 している事実は見逃せない。内訳は、500万条件が2頭、900万条件が 11頭。特に2000mで連対経験のある馬の活躍が目立つ。
人気馬の信頼度低い
1番人気は2連対、2番人気は4連対で信頼度は高くない。押し出された 人気馬なら、まずは疑ってかかりたい。ダービーで好走した馬でも、 凡走が目立つので、仕上がりには特に注意したい。
重馬場で波乱あり
過去4回重馬場の内、2回が万馬券決着。3歳の若駒だけに重馬場適性 が未知数で、過去の実績だけで評価された人気馬の敗退が目立つ。 重馬場経験がなくても、走法から重の巧出を見抜きたい。


過去のレース結果 

日付1着馬2着馬馬連配当
1996年 ローゼンカバリー サクラケイザンオー 940円
1997年 シャコーテスコ ダイワオーシュウ 1,260円
1998年 レオリュウホウ ダイワスペリアー 10,630円
1999年 ブラックタキシード シンボリモンソー 2,100円
2000年 アドマイヤボス トーホウシデン 540円


調教診断

ロードフォレスター A/
南Wで3頭併せ馬なりで、最内から力強い脚捌きで鋭く伸びました。前脚の捌き が鋭いのが好印象で、馬体も引き締まり前走より良化しています。夏に使われた 効果が伺え、馬体の仕上がりではメンバー中1番です。当日イレ込まなけれ ば、上位争いできるでしょう。
アドマイヤロード A/
栗坂で一杯に追われ、力強い脚捌きで追われてからもまっすぐに駆け上がりまし た。春に比べて馬体がしっかりして、だいぶ迫力が出てきました。毛づやの良さ も目立ちます。久々の出走になりますが、走る気満々の顔つきからもそれほど気 にする必要はないでしょう。力を出せる仕上がりと判断します。
マンハッタンカフェ A/
南Wで直線一杯に追われて、併走馬を一気に突き放す鋭い脚を見せました。のび のびと馬体は素晴らしく、かなりの素質を感じさせます。春より馬体を大きく 見せており、完全にひと皮剥けた感があります。首が高い走法で、もう少し力強 さが欲しい気もしますが、前走の瞬発力を見るとそれも杞憂に終るかもしれませ ん。そこをどう見るかがポイントになりそうです。
トレジャー A→
美浦芝で馬なりでハッピールックと併せて、軽快な脚捌きで中々の好気配を感じ させました。軽めの調教に終始しましたが、夏場使われ馬体は仕上がっているの で問題視する必要はありません。前走同様、好調をキープしています。首の低い 走法、馬体からくる迫力から、かなりの雰囲気を感じさせる馬です。良馬場での 末脚勝負で、どこまで切れ味を出せるかにかかっています。
チアズブライトリー B/
栗DWで強めに追われ、併せたダンツフレームに楽々先着しました。チアズブラ イトリーが走ったというより、ダンツフレームが走らな過ぎたといった感じでし ょう。春より馬体が成長してフックラ見せているのはいいですが、どことなく バランスが悪い走法が気になります。それでも、デキ自体は春より断然良くなっ ています。

相馬眼予想

 今週の重賞は、菊花賞トライアルのセントライト記念。3着以内に入れば、菊花賞 の優先出走権が与えられます。賞金が少なく菊花賞への出走が危ぶまれる馬にとって は、何が何でも3着以内に入りたいことでしょう。また、賞金的に菊花賞への出走が できる馬も、ここで無様な競馬をするようでは菊花賞で勝負にならない でしょうから、万全まではいかなくても、それなりの仕上げで望んでくるはずです。

 セントライト記念は、このような位置付けのレースでしたが、今年はこれまでと 状況が違います。菊花賞に外国産馬が2頭出走できるようになったからです。外国産 馬は、(1)ダービー2着以内 (2)セントライト記念1着 (3)神戸新聞杯1着 でないと出走権が与えられないので す。今年の出走馬では、ロードフォレスター1頭が該当します。外国産馬は1着、 外国産馬以外なら3着以内、この条件の違いで陣営の勝負気配が違ってくるのは言うまで もありません。走るのは馬ですが、仕上げるのは人間だということを今回はいつも 以上に意識した方が良さそうです。

 まず各馬の調子ですが、調教で動きが目立ったのは、ロードフォレスター、 アドマイヤロード、マンハッタンカフェの3頭です。特にロードフォレスターは、 一週前に一杯にやって好タイムを出し、最終調教でも馬なりで力強い脚捌きを見せ、 万全の仕上がりです。ここを勝たないと菊花賞に出走できないという陣営の意気込み が伝わってきます。アドマイヤロードは、春より逞しくなって馬自身にも元気が出て きました。マンハッタンカフェは、馬体の良さからかなりの素質を感じさせます。 首が高い走法でもう少し力強さが欲しい感じもしますが、仕上がりは良さそうです。 他では、気配のいいトレジャー、相変わらず元気のいいメジロキルデアの動きが 良く見えました。

 次に展開ですが、確たる逃げ馬がおらず非常に読みづらいですが、逃げるのは内枠 を引いたマルタカキラリーでしょうか。2番手以下は、トレジャー、マイネルバンガ ードで、好位にアドマイヤロード、中団のマンハッタンカフェとロードフォレスター が続くことになりそうです。今回の展開のポイントは、トレジャーの岡部騎手の作戦 です。マルタカキラリーが逃げればスローペースになり、各馬一団で進み直線での 切れ味勝負になることは見えています。トレジャーは、これまで道中でどんなに溜め ても34秒台の末脚を使えていません。当然、岡部騎手も切れ味勝負では分が悪いこ とは、これまでのレースから分かっているでしょうから、スローの上がり勝負にさせ ないようにするはずです。道中で後続に脚を使わせて、レースの上がりタイムが35 秒台になるようなレースをするのではないでしょうか。具体的に言うと、1コーナー を曲がってマルタカキラリーのペースが遅ければ、トレジャーが逃げるということで す。自分で逃げてしまえば、後続に脚を使わすことも、岡部騎手ならそれほど難しいこと ではないでしょう。各ジョッキーも2人気のトレジャーが前に行くわけですから、そ れをマークしないわけにはいかないはずです。

 トレジャーが向こう正面で先頭に立ちペースが上がって、それを各馬が追いかける展開。 こんな展開で最も有利な馬、力を出し切れる馬は、どの馬なのでしょうか。中山の馬 場は、先週の京成杯AHでレコードタイムが出たように非常に良い状態です。前に行 った馬が止まらず、連対した馬は全て4コーナーで5番手以内の馬でした。これが 2つ目のポイントです。後方から追い込み馬が、道中で脚を使わせながら4コーナー で5番手以内につけて、直線で抜け出すのは難しいでしょう。狙いは、自分の形に持ち込めるトレジャ ー、好位・中団から進めて直線で鋭い脚を使えるアドマイヤロード、マンハッタンカ フェ、ロードフォレスターの4頭です。

 さあ最終決断を下します。自分の形に持ち込んむトレジャーも直線でそう簡単には 止まりませんが、本質的に高速馬場で持ち味を生かせるタイプではないので抑えにま わします。長くいい脚が使え、34秒台の末脚がある馬を上位に取ります。本命は、 ロードフォレスターです。前走の佐渡特別(新潟芝2200m)でラスト3F33. 6秒で差し切った末脚を評価しました。新潟の内回りで直線一気の末脚を使える馬は そういるものではありません。調教での力強い脚捌きと引き締まった馬体から、万全の仕上がり なので上位争いできるでしょう。対抗は、アドマイヤロードです。ラジオたんぱ賞は 情けないレースぶりでしたが、その時とは馬体と馬の覇気が違います。ロベリア賞 (東京芝1800m)で、好位につけて34秒台の末脚でロードフォレスターに勝っ た実績を評価したいと思います。久々でもきっちりとしたレースをしてくれるでしょ う。あとは、馬っぷりが目立つマンハッタンカフェです。素質の高さは断然のもの がありますが、首の高い走法で力強さに欠けるところがあるので、現時点ではこの 評価が妥当でしょう。34秒台の末脚を繰り出したことはありませんが、前走で見 せた切れ味はそれに匹敵するものだと思います。あとは混戦に強いマイネル バンガードを抑えます。

     ◎ロードフォレスター
     ○アドマイヤロード
     ▲マンハッタンカフェ
     △トレジャー
     注マイネルバンガード


レース結果

 2001年4回中山4日( 9月 16日) 11R  
 第55回 ラジオ日本賞セントライト記念(GII) 
 サラ系3歳 2200m 芝・右 外  
 (混)(指) オープン 定量 
 本賞金: 5400、 2200、 1400、 810、 540万円 発走 15:35 
 天候:曇  芝:稍重  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1   3  5    シンコウカリド   牡 3 56.0kg  田中勝春 2:13.1        500Kg  -6 宗像義忠  5
  2 △ 4  8    トレジャー     牡 3 56.0kg  岡部幸雄 2:13.3 1 1/2馬身  500Kg   0 藤沢和雄  1
  3 ◎ 3  6 (外)ロードフォレスター 牡 3 56.0kg  柴田善臣 2:13.4 1/2馬身  486Kg  -4 大江原哲  2
  4 ▲ 7 14    マンハッタンカフェ 牡 3 56.0kg  二本柳壮 2:13.8 2 1/2馬身  490Kg -10 小島太   3
  5 注 6 12 (市)マイネルバンガード 牡 3 56.0kg  後藤浩輝 2:14.0 1 1/2馬身  518Kg  +4 国枝栄   8
  6   4  7 (地)メイクマイデイ   牡 3 56.0kg  村田一誠 2:14.1 1/2馬身  488Kg +16 勢司和浩 13
  7   1  2    チアズブライトリー 牡 3 56.0kg  藤田伸二 2:14.2 1/2馬身  444Kg  -4 山内研二  6
  8   5  9    マイネルライツ   牡 3 56.0kg  石崎隆之 2:14.2 ハナ     514Kg +16 相沢郁   9
  9   2  4 (父)デルマカポネ    牡 3 56.0kg  郷原洋司 2:14.3 1/2馬身  478Kg  -6 堀井雅広 16
 10   1  1 (市)サムソンハッピー  牡 3 56.0kg  菊沢隆徳 2:14.3 ハナ     490Kg  +4 二ノ宮敬 12
 11 ○ 6 11    アドマイヤロード  牡 3 56.0kg  蛯名正義 2:14.3 ハナ     446Kg  +8 橋田満   4
 12   5 10 (地)スタンドオフ    牡 3 56.0kg  江田照男 2:14.4 1/2馬身  488Kg +10 西浦勝一 11
 13   7 13    タニノトリビュート 牡 3 56.0kg  大西直宏 2:14.6 1 1/2馬身  432Kg  -4 松田国英 15
 14   8 16    パラダイスシャドウ 牡 3 56.0kg  北村宏司 2:14.8 1馬身    478Kg +12 坂本勝美  7
 15   8 15 (父)メジロキルデア   牡 3 56.0kg  吉田豊  2:14.8 ハナ     530Kg +12 大久保洋 10
 16   2  3 (父)マルタカキラリー  牡 3 56.0kg  田面木博 2:15.3 3馬身    452Kg   0 吉永正人 14
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 ハロンタイム  12.8 - 10.6 - 12.4 - 12.2 - 12.7 - 12.4 - 12.2 - 11.9 - 11.8 - 12.1 - 12.0  
 上り  4F 47.8 - 3F 35.9 
 1コーナー  3,8,2,13,9(12,14)(5,6,16)(1,11)15,7,4,10  
 2コーナー  3,8(2,13)(9,14)12(5,16)6,11(1,15)(4,7,10)  
 3コーナー  (*3,8)(2,13,14)(5,9,12,16)(6,11)7(1,15)10,4  
 4コーナー  (*3,8)(2,13,14)9(5,12,11)(6,16)(7,15)1(4,10)  

 <払戻金> 
 単勝 05 1,030円 5番人気  枠連   3- 4   560円  1番人気
 複勝 05   280円 5番人気  馬連  05-08 1,860円  7番人気
    08   140円 1番人気  ワイド 05-08   720円  6番人気
    06   160円 2番人気      05-06   910円 10番人気
                        06-08   360円  1番人気

レース回顧
            春には、インパクトのある馬体で気性さえ直れば大き いところ狙えると思っていた馬ですが、まさか今回重賞を勝つとは思い もしていませんでした。1つ読み切れなかったのは、こういう気性の激し いタイプは、休み明けの方が走るということです。実際、シンコウカリドは新馬戦 、休み明けの500万下、そして今回と3度とも勝っています。レースを使うごと にうるさくなるので、初戦が狙い目ということです。このあたりは今後の 予想で役立ていきます。今後は、パドックでのイレ込みの加減を注意深く 観察して、結果と照合していくこともこの馬には必要です。なお、


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