府中牝馬Ｓ

府中牝馬Ｓ

2001/10/14　東京競馬場　GⅢ　芝1800m

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■ レース展望

■ 出走有力馬　（上位評価の馬から説明）

: クイーンＳ以来２ヶ月ぶりの出走になりますが、函館で乗り込んでいたようで仕上がりはいいようです。牝馬限定戦では上位の存在で距離１８００ｍなら十分好勝負できるでしょう。東京コースは２戦して１０着、１２着と実績はないですが、一線級の牡馬とのレースでしたから、それほど気にする必要はありません。今回も逃げる競馬になるので、自分のペースで行けるかどうかというのがポイントになりそうです。

: ６月と７月の４戦は精彩を欠くレースぶりでしたが、９月になって１６００万条件１着、オープン特別２着と調子を上げてきました。調教でもいい動きを見せるようになってから好成績を上げており、調教と実戦が結びつくタイプです。５月に下鴨Ｓ（京都芝１８００ｍ）で後の新潟記念馬サンプレイスを負かしており、能力的に重賞で引けをとることはありません。差し脚が生きる流れになれば好勝負できるでしょう。今回で中１週が３回連続になるので状態面の見極めがポイントになります。

: ５ヶ月ぶりのクイーンＳで６着に敗れた後の一戦になりますが、中間順調に調教を消化し調子は上がってきています。秋華賞以来ここ４戦勝ち星から遠ざかっていますが、前脚の捌きが調子がいい頃に比べるとやや力強さに欠く印象で、このあたりが勝ちきれない原因かもしれません。最終調教で力強い前脚の捌きが見られるようなら、上位に取り上げたいと思います。

: マーメイドＳを優勝後のクイーンＳでは内々に閉じ込められて伸び切れずに５着敗退しましたが、力を出し切れていないので評価を落とす必要はないでしょう。今回は短期放牧後の一戦なので、まずは仕上がりが問題でしょう。能力的には十分に通用するものを持った馬です。

: クイーンＳで外から追い込んで４着したときの脚が目立ち、その後も順調に調教を進めており、調子はまずまずのようです。相手なりに走る馬で大崩れはないタイプですが、極端に時計が早くなると厳しくなりそうです。トニービン産駒で東京コースを得意にしているので、ゴール前で混戦になるようならチャンスはあるのでしょう。穴を狙うならこの馬から入る手もあります。

■ 必勝データ　（過去１０年のデータを元に分析）

: １９９６年に１８００ｍになってからエリザベス女王杯を目指す実績馬が出走するようになり、中でもＧ１実績馬の活躍が目立っている。サクラキャンドル（エリザベス女王杯）、メジロドーベル（桜花賞、秋華賞）、エリモエクセル（オークス）、トゥザヴィクトリー（オークス２着）が連対している。Ｇ１実績馬が出走してきたときには素直に狙いたい。

: １９９６年以降の連対馬で休み明け連対したのはメジロドーベル１頭のみで、他の馬は全て最低１回は使っていた。仕上がりの早い牝馬といえども、このレースに限っては苦戦している。順調に使えている馬を重視したい。

: １番人気は６連対で堅実だが、２番人気は１連対で１，２番人気馬同士での決着は１度もない。連対馬２０頭のうち１９頭が１～７番人気で中穴配当が目立つ。１番人気から３～７番人気への流し馬券に妙味あり。

■ 過去のレース結果　

日付	１着馬	２着馬	馬連配当
１９９６年	サクラキャンドル	フェアダンス	１，４４０円
１９９７年	クロカミ	グロリーシャルマン	１，１００円
１９９８年	メジロドーベル	グレースアドマイヤ	６８０円
１９９９年	エリモエクセル	エガオヲミセテ	９１０円
２０００年	トゥザヴィクトリー	ハイフレンドコード	４，３８０円

■ 調教診断

: 南Ｗで強めに追われて、ラスト１２．４秒の切れ味を見せました。追われてから、重心を低くして伸びたように動きが変わってきました。ガレ気味だった馬体も回復して、ふっくら見せているのも強調材料です。人気はありませんが、この変わり身と昨年クイーンＣを勝った東京の舞台なら、一発あっても不思議でありません。

: 南芝で馬なりで軽めの調教でしたが、気合乗りが良く、併走した馬の内から引っ張り切れない手応えを見せました。馬が走る気になっているのが好印象で、絶好調ではないですが、まずまずの状態で出走できそうです。

: 栗ＤＷで直線一杯に追われて、最後までスピード感のある動きを見せました。馬体の太め感もなく、ほぼ仕上がっています。クイーンＳのときの方が勢いがあったので、そのときよりやや落ちるかもしれませんが、このデキなら力を出せると判断します。

: 栗ＤＷで一杯に追われ、６Ｆ８１．８秒と早いタイムを出しました。ラストは一杯になりましたが、馬体減りもなく、前走のデキをがっちりキープしています。輸送があるので、当日のパドックを見たい感じもしますが、現時点では割り引く要因がないといった印象です。

: 栗坂で一杯に追われて、早いタイムを出し、ラストもまずまずの伸びを見せました。マーメイドＳのときと比較するとやや落ちる動きですが、これだけ動けばそれほど割り引く必要もないでしょう。

: 栗坂で一杯に追われましたが、調子がいい頃の力強い脚捌きは見られませんでした。馬体が引き締まった印象で前走より状態は上向いていますが、やはり脚捌きが気になります。今回は少し割り引きます。

■ 相馬眼予想

　秋華賞の日に奇しくも昨年の秋華賞の１着馬ティコティコタックと２着馬ヤマカツスズランが出走してきました。昨年の秋華賞では、ティコティコタックが１０番人気、ヤマカツスズランが７番人気で馬連３００倍を演出しましたが、このレースでは前日人気でヤマカツスズランが１番人気、ティコティコタックが３番人気で両馬ともに人気になっています。実績的にはこのＧ１馬２頭が抜けていますが、果たしてこの２頭で決着するのでしょうか。

　東京コースは今週はＡ２コース（本柵から３ｍ地点に移動柵を設置）で行われています。土曜日の競馬を見る限り、差し馬の活躍が目立っており、前に行った馬が活躍する例年とは少し違う馬場という印象を受けました。先週の毎日王冠の予想でも触れましたが、今の東京の馬場は、軽いというより少し力がいる馬場で、軽い馬場でのスピード馬よりパワーのある馬の方を重視した方がいいということが、今週も当てはまりそうです。

　次に各馬の調子ですが、絶好調の馬が見当たりません。ヤマカツスズランは調教量は足りていますが、クイーンＳのときの方が動きが良かったし、ティコティコタックはこの馬独特の力強い脚捌きが見られませんでした。タイキポーラもマーメイドＳの方が良かった印象でそれほどいい状態ではありません。そんな中で注目できる動きを見せたのは、フューチャサンデーとジェミードレスの２頭です。フューチャサンデーは馬体が回復したのが大きく、やっと復調してきました。ジェミードレスは時計自体は平凡ですが気配が目立ちました。調教診断で取り上げなかった馬では、ショウナンハピネスのきびきびとした動きが目に付きました。

　次に展開ですが、逃げるのはヤマカツスズランとショウナンハピネスのどちらかです。１１頭の少頭数で両馬とも競い合ってまでハナに行こうという意識はないでしょうから、ハイペースになることはまずないでしょう。平均か、むしろそれより遅いペースになりそうです。クイーンＳで逃げたヤマカツスズランの前半１０００ｍが６０．３秒、ニューマーケットＣで逃げたショウナンハピネスは６０．３秒でしたが、東京の時計の早い馬場を考慮すると、前半１０００ｍは５９．５秒程度でしょうか。これに後半４Ｆ４７．２秒、３Ｆ３５．０秒と仮定して勝ちタイムが１分４６秒７くらいになると見ています。

　こんな流れなら逃げ先行馬が有利ですが、今の東京の馬場は時計は早くてもパワーが必要で、意外と前に行った馬がバテているので、差し馬でも十分勝負なりそうです。上がりが早いので３４秒台の差し脚が使える馬が狙い目です。候補としては、マルカキャンディ、ジェミードレス、フューチャサンデーの４頭です。東京のクイーンＣを勝ったフューチャサンデーの上がりは３５．８秒ですが、３歳時のものですから調子が上がっている今なら３４秒台の末脚を使えるとみて、この馬も候補に残しました。スリーローマンも３４秒台の脚がありますが、別定戦で重賞馬相手にどうでしょうか。ティコティコタックは、それほど状態が良く見ないので買えても抑えの評価、タイキポーラは３４秒台の末脚を使ったことがないので今回は外します。

　さあ最終決断を下します。本命は、ヤマカツスズランです。絶好調ではないですが、力のいる札幌で好走しているように今の東京の馬場は合うので粘り切れると判断しました。Ｇ１を勝っているのに別定で各馬５５キロなのも有利です。この馬を手の内に入れている池添騎手にも期待します。

　対抗は、マルカキャンディです。末脚の切れ味ならこの馬でしょう。平均ペースで行っても３４秒台の末脚があるので、重賞実績はありませんが、十分上位争いができるでしょう。中１週続きでパドックを見て買いたいですが、追い切りを見る限りは割り引く材料がないので、ここでは２番手評価としておきます。

　あとは調教での気配が目立った東京コース得意なジェミードレス、復調気配を見せたフューチャサンデー、後続のスパートが遅れて行った行ったの競馬を考慮してショウナンハピネスを抑えます。ショウナンハピネスは、１９９９年の府中牝馬Ｓでエリモエクセルの０．３秒差の３着（上がり３Ｆ３５．１秒）があるので、ペースが遅くなれば粘り切れる力を持っていることを付け加えておきます。

　　　　　◎ヤマカツスズラン
　　　　　○マルカキャンディ
　　　　　▲ジェミードレス
　　　　　△フューチャサンデー
　　　　　注ショウナンハピネス
　　　　　注ティコティコタック

■ レース結果

 2001年4回東京4日( 10月 14日) 11Ｒ  
 第49回 府中牝馬ステークス(ＧＩＩＩ) 
 サラ系３歳以上 1800ｍ 芝・左  
 (混)牝(指) オープン 別定 
 本賞金： 4200、 1700、 1100、 630、 420万円 発走 15:30 
 天候：晴　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ○ 8 11  　 マルカキャンディ　 牝 5 55.0kg  福永祐一 1:45.6 　　　　　  484Kg  -2 北橋修二  5
  2 注 6  6 (父)ティコティコタック 牝 4 55.0kg  勝浦正樹 1:45.6 クビ　　　  434Kg  -4 松田正弘  2
  3 　 2  2  　 スリーローマン　　 牝 4 55.0kg  小野次郎 1:45.7 クビ　　　  450Kg -16 武宏平　  6
  4 　 4  4 (父)メジロサンドラ　　 牝 5 55.0kg  岡部幸雄 1:45.9 １ 1/4馬身  466Kg +10 池江泰郎  7
  5 ▲ 5  5  　 ジェミードレス　　 牝 4 55.0kg  菊沢隆徳 1:46.0 ３／４馬身  440Kg -10 坂本勝美  3
  6 △ 1  1  　 フューチャサンデー 牝 4 55.0kg  加藤和宏 1:46.1 １／２馬身  456Kg  +2 伊藤正徳  9
  7 ◎ 7  9 (市)ヤマカツスズラン　 牝 4 55.0kg  池添謙一 1:46.2 クビ　　　  498Kg  +4 池添兼雄  1
  8 　 3  3  　 カリスマサンオペラ 牝 4 55.0kg  村田一誠 1:46.3 ３／４馬身  466Kg  +2 崎山博樹 11
  9 　 7  8  　 ゴッドインチーフ　 牝 5 55.0kg  江田照男 1:46.9 ３ 1/2馬身  470Kg  -2 坂口正大  8
 10 　 8 10 (父)タイキポーラ　　　 牝 5 55.0kg  田中勝春 1:47.2 １ 3/4馬身  484Kg -10 松元茂樹  4
 11 注 6  7 (外)ショウナンハピネス 牝 6 55.0kg  武士沢友 1:47.5 ２馬身　　  476Kg  -4 大久保洋 10
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 ハロンタイム　 12.5 - 10.8 - 11.1 - 11.7 - 11.7 - 12.1 - 12.5 - 11.4 - 11.8  
 上り 　4F 47.8 - 3F 35.7 
 2コーナー　 7,9-4(3,5,10)6,2(1,8,11)  
 3コーナー　 7,9,10-5(4,6)3,2,11(1,8)  
 4コーナー　 (*7,9)10-5(4,6)3,2(1,11)8  

 ＜払戻金・給付金＞ 
 単勝 11 590円 5番人気  枠連　  6- 8   730円  4番人気
 複勝 11 210円 5番人気  馬連　 06-11 1,540円 10番人気
 　　 06 210円 4番人気  ワイド 06-11   630円 10番人気
 　　 02 530円 6番人気  　　　 02-11 1,370円 14番人気
 　　       　  　　　  　　　 02-06 1,490円 16番人気

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