菊花賞
レース展望

クラシック最終戦。過去10年で1番人気は[2−0−2−6]で連対したのは無敗の3冠馬ディープインパクトと昨年のオウケンブルースリのみ。2番人気は[1−2−0−7]で3連対、3番人気は[1−1−4−4]で2連対。連対馬20頭のうち9頭が6番人気以下、そのうち4頭が10番人気以下。馬連は50倍以上が2回、万馬券が4回とかなり荒れている。最近6年は6番人気以下が必ず連対しており、人気馬同士で堅く収まることは稀。天皇賞(春)を12番人気のマイネルキッツが勝ったように最近の長距離G1は波乱傾向が強い。

荒れるレースといっても菊花賞で穴をあけたマンハッタンカフェ(6人気)とヒシミラクル(10人気)は翌年の天皇賞(春)を制し、デルタブルース(8人気)は5歳になってメルボルンCを制している。長距離G1を勝つ能力&適性を持っていたが、3頭とも重賞で馬券圏内がなかったこともあり、菊花賞時点では人気がなかっただけ。全出走馬が3000m級のレースが初めてのため、適性が見極めにくいという面もある。このあたりから穴を狙うなら重賞実績を気にせず、翌年の天皇賞(春)を勝つステイヤーを狙う作戦が有効かもしれない。

ただし菊花賞は展開によって問われるものが少し変わる。切れ味のある馬がメンバー1、2位の末脚で突っ込んでくることもあるし、ステイヤータイプが前に行ってラスト3Fを35秒台でまとめて押し切ることもある。過去10年でメンバー最速の末脚を繰り出した馬は[3−5−1−1]で複勝率90%、メンバー2位は[3−3−2−4]で複勝率66.7%。逆にメンバー6位以下は[2−2−1−122]でデルタブルースとアサクサキングスが勝ち、マイネルデスポットとアドマイヤジャパンが2着。これが菊花賞の基本イメージ。

末脚の切れる馬はこれまでの上がり3Fを見れば分かるが、問題は3000mで切れる脚を使えるかどうかということ。超スローの上がり勝負ならそれほどスタミナは問われないが、そうなるとラスト4F、5Fの持続力が問われ、単純な切れ味勝負にならないことが多い。昨年15番人気で2着に激走したフローテーションは菊花賞前までに8戦して上がり3Fメンバー最速はスプリングS2着時の1回だけだったが、菊花賞ではメンバー最速の34.6秒を繰り出している。次走のステイヤーズSでは逃げて2着に粘り、スタミナを証明した。

3000mをこなすスタミナがあるかどうかは、これまでのレースぶり、ラップタイム、馬体の造り、血統などから推測するしかない。要するに山の向こうにある見えないものを色々な手段によって推測するといったイメージ。余談になるが、ホームレス中学生の著者、麒麟の田村裕氏が以前テレビのトーク番組で「お米を噛むと甘みが出て、噛み続けると味がなくなり、さらに噛み続けると新しい味がフワッと口の中に広がる」と話していた。要するに彼は辛抱強く噛み続けることで山を乗り越えて山の向こう側を見てきたのである。

これを聞いたとき、この人、天才かもしれないと思った。その後、ホームレス中学生が大ヒット。そして私も米を噛み続けてみたら、本当に新しい味に出会えたのである。競馬予想にも山の向こう側を見に行くこれまでとは違ったアプローチが必要な時期なのかもしれない。昨年の菊花賞は夏の時点でオウケンブルースリで堅いと絶対的な自信があり、実際に菊花賞でも◎にして自信を持って馬券を買ったが、今年はオウケンブルースリのような馬はいない。スタミナがあると思われる馬はいるが、どの馬もそれなりに不安を抱えている。

残念。展望のスペース(文字数)と時間がなくなってしまった。通常の展望で書いている「これだけは知っておきたい基本事項」はレース回顧でも押さえられるので、そちらを参照。特に神戸新聞杯のリーチザクラウンのところに展開のポイントになりそうなことが書いてあります。菊花賞の有力馬診断では最終調教の動き、気配を加味した上で狙えそうな馬を5頭ほどピックアップした上で詳しく解説。昨年は菊花賞で狙える馬としてオウケンブルースリを相馬眼ニュースで取り上げたが、今年も相馬眼ニュースで取り上げた馬が1頭いる。

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■セントライト記念回顧
■日本ダービー回顧
展望、回顧で書いたことでもその後の検討で考えが変わる場合があります。
最終決断は相馬眼予想でお届けしています。

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