京都大賞典
2000/10/08 京都競馬場 GU 芝2400m

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レース展望

■ 出走有力馬

ナリタトップロード テイエムオペラオー ツルマルツヨシ
メジロブライト ロサード スエヒロコマンダー
ブリリアントロード ロードプラチナム  

 さあ天皇賞(秋)に向け、古馬戦線の真打が登場。ただいまG12連勝中のテイエムオペラオー と菊花賞馬ナリタトップロードの2頭。春は最強の名を欲しいままにしたテイエムオペラオーが、 秋初戦でどういう走りを見せるか、対するナリタトップロードが今度はテイエムオペラオーに どう挑むか興味は尽きないところだ。今後のG1戦線を語る上で絶対に見逃せないレース。 今からWAKUWAKU!だ。

 まずはナリタトップロード。春は勝てなかったが、レースぶりは決して悲観するものではなく、 秋に活躍を予感させるもの。天皇賞(春)では前脚が上がり気味になっており、歴戦の疲れが残っ ていたのも確か。調教でも一生懸命走るタイプなので、消耗が激しかったのだろう。この夏は 十分に充電し、疲れがすっかり取れてリフレッシュな状態。馬体は、脚が伸びて、トモの張りも 一段と増し、かなり成長した印象。今回は得意の京都コースでしかも開幕週の絶好の馬場。 春は馬場が悪くテイエムオペラオーが有利だったが、今度はナリタトップロードが有利になる番。 休み明けでも十分に乗り込んでおり、仕上がりはいい。今度はテイエムオペラオーに負けない だろう。ズバリ単勝勝負だ!!

 テイエムオペラオーは、天皇賞(秋)へ直行という話だったが、先週の調教が良かったため、 出走に踏み切ったそうだ。やや急仕上げの感はあるが、先週の調教ではラストの切れも良く 仕上がった感はある。馬体は、まだ腹回りに締りがないが、全体的にはすっきり見せており、 休み明けとしてはまずまずの印象。スペシャルウィークも7着に負けた秋初戦。ここをあっさり 勝つようだと秋のG1−3連勝も見えてくるのか。20世紀の名馬が決まったばかりだが、 年間G1−5勝と重賞8連勝で俺が20世紀の名馬と名乗りを上げるか。

 あとは、有馬記念4着後の久々のレースになるツルマルツヨシ、浅屈顕炎で有馬記念5着 以来となるメジロブライトになるが、久々だけにどうだろうか。それなら夏使われたロサードブリリアントロードの方が走れそうだが、G1馬に迫るには少々力不足の感じ。


調教診断

ナリタトップロード
 栗東DWで一杯に追われ、ラスト11.5秒と絶好の切れを見せた。休む前より動きは鋭さを増して おり、脚捌きも好調時のものになっている。顔つき、馬体、走法、調子とどれをとっても上に向いてい る印象でここは負けられない一戦となりそうだ。

テイエムオペラオー
 栗東CWで一杯に追われ、ラストの切れだけで併走馬をぶっちぎる走りを見せた。乗り込み量は多く ないが、先週今週ともに鋭い動きを披露し好仕上がりをアピール。息の入りは分からないが、急仕上げ だと最後の息切れが心配なことも事実。ちなみに休み明けは過去2回とも連対できていない。

メジロブライト
 栗東Bで直線強めに終われて、ラスト11.6秒と切れた。中間は馬なり調教のみで乗り込み量は 不足している感は否めないが、馬体の太め感もなく、まずまず仕上がったと思っていいだろう。 超スローペースで上がりの競馬になれば出番がありそうだ。

ツルマルツヨシ
 栗東坂路でラスト強めに追われてしっかり伸びた。ふっくらとした中にも張りのある馬体は好印象。 風格も出てきて一発ありそうな雰囲気。陣営の本気度は良く分からない状況も馬は賢いだけに力は 出し切れそう。2連覇なるか。

ブリリアントロード
 栗東芝で一杯に追われ、上がり34秒台を叩き出した。相変わらず、いいデキを維持している。 直線で鞭を連打され、一杯に追われたのを見るとこの一戦に賭ける陣営の意気込みが感じられる。 上位がけん制し合って仕掛けが遅れれば、早めの競馬で活路を開く可能性はある。

ロサード
 栗東DWで一杯に追われてラスト11.6秒と切れた。全体時計は遅く上積みは感じられないが、 調子は維持している状態。前崩れの展開になればチャンスはあるが、今までとはメンバーが違うだ けにどうだろう。

相馬眼予想

 さあ、京都大賞典。勝つのは誰もが認める現役最強馬テイエムオペラオーか、それとも ナリタトップロードか、興味は尽きないが、天皇賞(秋)に向けていいレースを期待したい。

 まず展開だが、逃げ馬不在で超スローペースになりそうだ。あまりのスローの展開に向こう正面で 折り合いを欠く馬も出てくるに違いない。ここで問題なのは、ナリタトップロードが得意の ロングスパートで勝負に行くかということ。菊花賞でこの戦法で勝っているだけにテイエム オペラオーを負かすとすればこれしかないと思いがちだが、今回は京都記念と同じ戦法になる はずだ(理由は後述)。ナリタトップロードがスパートしないのなら、最初にスパートするの はブリリアントロード。それでも一気のスパートにはならないので、4コーナーまで一団の 競馬と考えていいだろう。結局は、直線での瞬発力勝負の競馬になるはずだ。

 京都記念でナリタトップロードは、テイエムオペラオーの後ろで徹底マークし、直線で外 から並びかけて一度は交わしたのだが最後は差し返されての2着。ただし、当時は斤量が テイエムオペラオーよりも1キロ重かったのも事実。今回は同じ斤量なので、ナリタトップロード 陣営が京都記念と同じ競馬で負けないと考えるのが自然だろう。秋初戦でもあり末脚を計る ためにもこの競馬に徹するはずだ。

 このナリタトップロードの作戦でテイエムオペラオーも脚を溜めて直線勝負になるが、 調教量が少なく2週連続いい動きを見せはいても、最後の切れが出せるかは不安なところ。 それに対して、ナリタトップロードの調教量は十分なのだから、今回は差し切れるというの がここでの結論。

 直線の瞬発力勝負になれば、上位2頭の他にはメジロブライトだろう。ただし、今回は長期休み 明けで最後が切れるかが不安。それなら、同じ休み明けでも前々で競馬ができるツルマルツヨシ の方が狙い目はありそうだ。

 ナリタトップロード
 春はテイエムオペラオーに3戦3敗と完全に水をあけられた感があるが、着差は0.0秒、 0.4秒、0.2秒でそれほど負けていない。春は馬場が悪く、テイエムオペラオーに有利 だったが、パンパンの高速馬場なら逆転できるとみた。宝塚記念を自重し完全休養に当てた ことですっかり疲れが取れて非常にいい状態。休み明けでも、いい動きを見せ、ラストの切 れを磨く調教も身を結んできたのも好印象。道中は中団よりやや後ろにつけてテイエムオペ ラオーを徹底マークし、直線で外から一気に交わす競馬で1着でゴール。仕上がり面はテイ エムオペラオーより明らかに上なら、今回は勝てるはずだ。春の雪辱をここで果たすに違いない。

 テイエムオペラオー
 春はG1−2勝を含む4連勝負け知らず。誰もが認める現役最強馬だが、今回は中間2本 と急仕上げは否めない。天皇賞(春)も決してデキが良くなかったが、終ってみれば強い競馬 なのだから心配ないという見方もあるが、今回は馬場が違う。高速馬場でどれくらいの末脚 を繰り出せるかにかかっているが、急仕上げの分もあり、どうなのだろう。それでも、無様 な競馬はしないだろうが、不安なのは確かだ。実力は認めても、今回は対抗評価が妥当だろう。

 ツルマルツヨシ
 有馬記念のあと骨瘤が出たため9ヶ月ぶりのレース。調教は坂路で追われ、ラスト強めに 追ってしっかり伸びたことからも、絶好調まではいかないが仕上がりはまずまずと見たい。 昨年の京都記念でテイエムオペラオーを抑えて優勝、有馬記念では0.1秒負けたが、ほぼ 互角の競馬。風格も出てきて雰囲気もいいだけに一発を期待したい。

 メジロブライト
 浅屈顕炎で有馬記念5着以来となるが、超スローペースで上がりの競馬になれば、出番は ありそうだ。乗り込み不足は否めないが、馬体は太め感もなく、走れない状態ではない。 上位2頭が先に抜け出すツルマルツヨシを意識して早仕掛けになれば、ラストの切れは半端 でないので差し切りもあるだろう。それでも、あくまで抑えの評価。

 勝負馬券は、ナリタトップロードの単といきたいが、オッズ的には◎−▲で勝負して、 枠1−7で元返しを狙うのがおもしろそうだ。

 勝負馬券:ナリタトップロード−ツルマルツヨシ

     ◎ナリタトップロード
     ○テイエムオペラオー
     ▲ツルマルツヨシ
     △メジロブライト


レース結果

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 着 予 枠 馬         馬名        性齢 重量      騎手   タイム   馬体重  人気
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   1 ○ 1  1 (市)テイエムオペラオー 牡 5 59.0kg  和田竜二 2:26.0  474Kg  +4  1
   2 ◎ 7 10 (父)ナリタトップロード 牡 5 59.0kg  渡辺薫彦 2:26.0  480Kg  -4  2
   3   3  3    ロサード      牡 5 57.0kg  松永幹夫 2:26.3  420Kg  +2  4
   4   6  7    スエヒロコマンダー 牡 6 58.0kg  福永祐一 2:26.3  442Kg  +4  9
   5   2  2    ロードプラチナム  牡 5 57.0kg  四位洋文 2:26.4  464Kg  -2  8
   6 ▲ 7  9 (父)ツルマルツヨシ   牡 6 58.0kg  藤田伸二 2:26.7  504Kg   0  3
   7   8 12    インターフラッグ  牡 8 58.0kg  加藤和宏 2:27.0  432Kg  -2 10
   8 △ 5  6 (父)メジロブライト   牡 7 59.0kg  石橋守  2:27.0  464Kg  -6  5
   9   8 11    タイカラムーン   牡 6 57.0kg  武幸四郎 2:27.1  502Kg  +2  7
  10   6  8    テナシャスバイオ  牡 8 57.0kg  熊沢重文 2:27.1  484Kg  +8 12
  11   5  5    ブゼンキャンドル  牝 5 57.0kg  飯田祐史 2:27.2  460Kg  -8 11
  12   4  4    ブリリアントロード 牡 6 57.0kg  山田和広 2:27.4  460Kg  +6  6
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  天候:曇  芝:良  
  ハロンタイム  13.3 - 12.2 - 12.2 - 12.4 - 12.9 - 12.7 - 11.8 - 11.9 - 11.9
                - 11.7 - 11.7 - 11.3  
  上り  4F 46.6 - 3F 34.7 
  1コーナー  7-10(1,11)9(2,5)4(3,12)-(8,6)  
  2コーナー  7-10(1,11)9(2,5,4)(3,12)-8,6  
  3コーナー  7,11=10-(1,9)4,2(5,12)3,6,8  
  4コーナー  7,11=10(1,9)(2,4)(3,5,12,6)8  

  <払戻金> 
  単勝 01 180円 1番人気  枠連   1- 7 180円 1番人気
  複勝 01 100円 2番人気  馬連  01-10 220円 1番人気
     10 100円 1番人気  ワイド 01-10 140円 1番人気
     03 220円 3番人気      01-03 470円 4番人気
                       03-10 530円 7番人気

レース回顧

 それにしても強いテイエムオペラオー。これで今年負けなしの重賞5連勝。直線でムチを使わずに ナリタトップロードを競り負かすとは恐れ入った。これで天皇賞(秋)の1番人気が確定で府中の 魔物に挑むことになる。ナリタトップロードはこれでオペラオーに5連敗。もう勝負づけは済んだ という声が聞こえてきそうだが、まだ見限れないというのが正直なところ。どうやったら、勝てるの か、陣営も頭を痛めそうだが、予想する側としてもこれを考えてみたい。それが見出せたときに 単勝勝負することにしよう。では、回顧です。

 ○テイエムオペラオーは、超スローペースの中、ナリタ トップロードの後ろの3,4番手を進む競馬。直線入り口でスパートし、ナリタトップロードとの 競い合いを楽々制して1着でゴール。内のナリタトップロードが懸命にムチを使って追ったのに対し、 最後までムチを使わずに気合をつけただけで勝ったのだから恐れ入る。仕上がりで面を考えても、 この強さはハンパでない。また驚いたのがその走法。懸命に追ったせいもあるが、ナリタトップロード には縦のぶれがあるのに対し、テイエムオペラオーはスゥーと流れるような感じでほとんどぶれがない。 スキーのうまい人の上半身がほとんどぶれないのと同じで安定感がある。重馬場、良馬場ともに問題 なくこなすのだから、この走法が理想的な走法なのかもしれない。このあたりにこの馬の強さの秘密 があるのかもしれない。パドックでは、多少余裕残しの感じだが、まずまずの仕上がりを見せていた。 毎度言っているが、和田騎手の自信たっぶりの騎乗は本当に素晴らしい。和田騎手の「負けない馬です」 というこのひと言にこの馬への信頼感が凝縮されている感じだ。陣営が京都記念を勝ったあとに今年 は負けないと言っていたが、それが現実化しそうな勢いだ。今回の勝利で天皇賞での1番人気が確実。 1番人気は12連敗中だが、この馬ならジンクスも関係ないとばかり、楽勝するのかもしれない。

 ◎ナリタトップロードは、道中2,3番手を進み、直線 に向き一気にスパートしたが、テイエムオペラオーとの叩き合いに敗れて2着。仕上がりは良かった だけに最後まで食い下がったが、相手の方が一枚上手。ただし、初めての休み明けでまだ完璧には 仕上げていないので、次走の上積みは期待できそうだ。パドックでは、馬体の張り、特にトモの張り が良く見えた。いつも前脚の出が悪いのだが、今回はいつもよりスムーズに出ていたのは好感が持てた。 次走は天皇賞。ダービーでテイエムオペラオーを差し切った舞台なら、期待してもいいだろう。 渡辺騎手には、あまりテイエムオペラオーを意識しないで、思い切った騎乗をしたもらいたい。

 ロサードは、後方10番手でじっくり脚を溜め、直線 勝負の競馬。直線に向き、一気にスパートし追い込んだが、2強の影は踏めずに3着まで。 上がり3Fは33.2秒でメンバー中1番上がりタイム。脚を溜めれば、これくらいの瞬発力が あることを証明した。メンバーがもう一枚下なら差し切れるが、このメンバーではこれが精一杯か。 京都の外回りコースは、直線でバラけるので、この馬に一番向いているように思える。 パドックでは、いつも通りでそんなに良く見せてはおらず普通の状態。夏場に使い込んだので、疲れ が心配だが、今のところは大丈夫。次走も調教で見極めたい。

 ロードプラチナムは、6,7番手を進み、直線で内 から差す競馬をしたが0.4秒差の5着まで。直線で一瞬鋭く伸びた点、特に脚の回転が非常に 早く、これを休み明けでできたところを評価したい。パドックでは太め感はなかったが、まだ多少 余裕があった。このひと叩きで良くなりそうなので、次走がG1でなければ期待できそうだ。

 ▲ツルマルツヨシは、5番手を進み、前を行く上位2 頭を見ながらの競馬。4コーナー手前でスパートし、直線入り口でテイエムオペラオーに馬体を 合わせたが、そこから伸びきれずに6着敗退。直線入り口で見せ場は作ったが、最後は息切れした 感じ。長期休み明けだけに仕方がないところか。パドックでは、張りのある馬体で落ち着いて 周回し、まずまずの印象。やはり走る馬独特の雰囲気を持っている馬だ。次走は未定だが、この ひと叩きでどこまで変わってくるか。能力があるのは分かっているので、調教で動きに注目して 復活を見極めたい。

 △メジロブライトは、最後方を進み、直線勝負の競馬。 3コーナーからスパートし、4コーナーで中団まで押し上げたが、直線ではいつもの伸びが見られずに 8着敗退。スローで上がりの勝負は望むところだが、これだけ上がりが早いとこの結果も仕方が ないか。ただし、馬体は休養前よりも薄くなって威圧感がなくなっていたところを見ると完調で はなかったことは確かだ。レース後に浅屈顕炎が再発し、このレースを最後に引退することが 決まってしまった。好きな馬だっただけに寂しい限りだが、メジロライアンの後継種牡馬として の期待も大きいので頑張ってもらいたい。産駒には、敢えて天皇賞(秋)を制覇する馬を期待する ことにしよう。



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