神戸新聞杯
2001/09/23 阪神競馬場 芝2000m

| Home | 展望 | 調教 | 予想 | 結果 | 回顧 | 2001年結果 |


レース展望

出走有力馬  (GMが有力馬をピックアップ)

エアエミネム
札幌記念でダービー馬ジャングルポケットを破り実力をアピールしました。 一週前の調教で抜群の動き見せ、引き続き好調をキープしています。ここ を勝たないと菊花賞に出走できないこともあり、キッチリ結果を出したい ところでしょう。能力、仕上がり、レースでの自在性から、かなり勝つ確率 が高いと見ています。能力がG1級なのは、間違いありません。
クロフネ
NHKマイルC優勝、ダービー5着馬。久々の出走となりますが、中間 もきっちり調教されています。1週前調教は、調教駆けするブロード アピールと併せてまずまずの動きを見せました。ここを勝たないと天皇賞 秋への出走が危ぶまれるだけに、陣営もきっちり仕上げてくるでしょう。 毎日杯で早いタイムで楽勝した阪神2000mなら、力を出し切れるで しょう。なお、今回は毎日杯でも装着したブリンカーをつけるそうです。
ダンツフレーム
皐月賞、ダービー2着馬。これまで8戦4勝2着4回と連対率100% で堅実な走りを見せています。一週前にチアズブライトリーと併せて遅 れたのが気になりますが、厩舎側は重馬場で馬が走る気をなくしたと話 しています。馬体はそれほど成長した印象はありませんが、距離は合う だけに不用な競馬はしないでしょう。最終調教次第としておきます。
テンザンセイザ
京都新聞杯優勝、ダービー6着馬。一週前調教は伊藤雄厩舎にお願い してエアエミネムとの併せ馬。やや馬体が太く見え、脚色は劣りましたが、 このひと追いで変わる可能性は十分にありそうです。ダービー前に見せ たアグネスフライトに似た迫力のある動きになれば、もっと注目したい と思います。
ハッピールック
500万1着、900万1着、1600万2着した夏の上がり馬。母は シンコウラブリイの妹で、血統的にも魅力のある馬です。札幌で 2600mのレースを勝っているように長距離は得意なタイプ。上位が 重賞実績馬なので、あまり目立ちませんが、3着以内に入れる能力は あると見ています。
サンライズペガサス
前走小倉1000万条件2着。馬っぷりが目立つ馬で、かなりの素質を 感じさせます。何より元気の良さが目立ち、使われている強味を生か せば上位争いできそうです。
アグネスゴールド
4戦4勝馬で春期待された馬ですが、骨折明けで仕上がりがいいとは 言えない状況です。栗東入厩後に熱発したように順調さに欠けるので 不安がないといったら嘘になるでしょう。春当時より馬体が萎縮して 見えるのも気になるところです。好きなタイプの馬なので、頑張って 欲しいところですが、どうでしょうか。



必勝データ (過去10年のデータを元に分析)

900万条件勝ち馬
連対馬20頭のうち、前走が900万条件だった馬は8頭でうち7頭が 勝っていた。昨年は前走900万下勝ちのフサイチソニックが、アグネ スフライト2着、エアシャカール3着に退けたのは記憶に新しい。 900万条件勝ち馬でも十分に通用することを肝に銘じたい。
実績馬の過信禁物
逆にダービーに出走して秋初戦がこのレースだった馬は17頭で連対し たのは5頭のみ。連を外した12頭のうち9頭が1〜3番人気だった。 春の実績馬でも久々の場合は、調教を厳しく採点して割り引いた方が いい。
狙いは差し馬
阪神2000mは坂を2回越えるタフなコースで逃げ切るのは非常に 難しい。あのサイレンススズカでさえ、ゴール前失速し、マチカネフ クキタルに差されたのだから一介の逃げ馬ではダメなことがわかるだ ろう。狙いはペース次第だが、差し馬が中心。



過去のレース結果 

日付1着馬2着馬馬連配当
1996年 シロキタクロス アドマイヤビゴール 10,020円
1997年 マチカネフクキタル サイレンススズカ 360円
1998年 カネトシガバナー ボールドエンペラー 6,790円
1999年 オースミブライト フロンタルアタック 500円
2000年 フサイチソニック アグネスフライト 1,750円


調教診断

エアエミネム A/
栗CWで直線軽く仕掛けられると併走馬を一気に突き放す切れ味を見せ、 好調をアピールしました。先を意識して一杯に仕上げていませんが、 張りのある馬体、柔らかみのある走りは素晴らしく、前走同様力を出せる 状態です。仕上げ切っていないところにも、迫力を感じさせるのは、 この馬ならではでしょう。相変わらず、大物感を漂わせています。
サンライズペガサス A/
栗坂でラスト一杯に追われて、ラスト12.4秒の切れ味を見せました。 まだ線の細いところはありますが、素質高そうな好馬体が目立ちます。 元気一杯の動きで小倉で好走したときよりも若干良化しています。
ワンモアバンクオン A/
栗坂で一杯追われて、豪快にウッドを撒き散らしながら、ラストまで しっかり伸びました。後ろ脚の蹴り上げが力強く、久々ですが仕上がり はいいようです。人気はありませんが、一発を警戒したい動きです。
ハッピールック B/
南Wで馬なりでしたが、併走したエアスマップに最後まで食い下がり ました。前脚の掻き込みが深く、そして力強く見え、馬体もふっくら 見せていい状態です。お尻の大きさとトモの張りが目立つ馬で、かな りの素質を感じさせます。
ダンツフレーム B→
栗DWで直線強めに追われると重心を低くして伸びましたが、春のいい 頃と比較するとやや重苦しい動きに見えました。併せ馬の予定が単走に なる誤算がありましたが、それにしてもラストの伸びが物足りません。 元々腹回りを太く見せる馬ですが、今回はいつもより太めに映ります。 それでも、先週より動きは良くなっています。デキ自体は、8割 5分くらいでしょうか。目つきが良くなってきているので、まだこれ から気合が乗って変わり身を見せるかもしれないということを付け加 えておきます。
クロフネ B→
栗坂で併せたブロードアピールが抑え気味なのと対照的に、ラスト40 0mで既に鞭を打たれて一杯に追われましたが、ラストは13.6秒掛か りました。ブロードアピールは調教駆けするので先着できないのは 仕方ないとしても、ラストの切れが物足りません。ストライドが大き く、スピードを感じさせない馬ですが、今回はその感じとは少し違い ます。また馬体にも少し余裕があります。走れないデキではないですが、 少し割り引く必要がありそうです。
テンザンセイザ B→
栗DWで3頭併せで直線一杯に追われて、ラスト12.3秒の切れ味 を見せ先着しました。先週よりだいぶ動きは良くなっていますが、 まだ馬体に若干余裕があり、仕上がり途上のようです。馬体は春より しっかりしてきた印象で良く見せています。
アグネスゴールド B→
栗坂で一杯に追われて、ラスト12.4秒の切れ味で併せた馬を突き 放しました。追われてから豪快に伸びましたが、春はもっと力強さに 満ち溢れていたので、デキ自体はそれほど良くないと判断します。 春は縦の幅があった馬体が、今回は細く見えるのも嫌な感じです。 能力の高い馬ですが、今回はどうでしょう。

相馬眼予想

 今週は菊花賞トライアルの神戸新聞杯。NHKマイルC優勝のクロフネ、皐月賞・ ダービー2着のダンツフレーム、前走の札幌記念でジャングルポケットを破り3連勝 を飾ったエアエミネム、4戦4勝で重賞を2勝しているアグネスゴールドとかなりの メンバーが揃いました。2番手グループは、京都新聞杯を勝ったテンザンセイザ、 シンザン記念勝ちが光るダービーレグノ、夏の上がり馬ハッピールックとサンライズ ペガサスです。春の実績馬+エアエムネムの4強に2番手グループがどう戦いを挑む か、また4強の力関係はどうなのか、菊花賞に向けて見逃せない一戦です。

 このレースを予想するに当たってのポイントは、4強の取捨でしょう。エアエミネム は調教で万全の動きを見せたので、あとは展開と力関係で好走できるかを考えたいと 思います。それ以外の3頭は、調教の動きから万全のデキではないので、ここをどう 捕えるかに掛かっています。

 まずクロフネですが、坂路で一杯に追われても反応が鈍く、ラスト13.6 秒掛かり、馬体にも少し余裕があるので、最終調教だけで仕上がりを判断すると8分く らいでしょう。ただし、中間は坂路4本ウッド3本で調教量は足りていますから、走れ ないデキではありません。一杯に追った最終調教によって馬に気合が乗ってくれば、 大きくマイナスする必要はないと思います。そのあたりはパドックを見てみないと何と も言えないところなので、ここでの判断は、少しだけ割り引いて展開から力を出し切れ るかどうかの方を重視して予想することにします。

 ダンツフレームは、栗DWで強めに追われて重心の低い走りを見せました が、ラストの伸びは春と比べると重苦しさは否めません。腹回りにも若干余裕がある ので、デキは8割5分くらいでしょう。ただし、先週よりも動きが良くなっている こと、目つきが鋭くなってきたこと、中間ウッド9本と調教量は足りていることから 、このひと追いで良くなる要素が多分にあります。気持ちで走るタイプの馬でもある ので、パドックでぎらぎらとした目つきで気合乗りがいいようなら買いでしょう。 ここでの判断は、クロフネよりはデキがいいので、ほんの少しだけ割り引いて、クロ フネと同じように展開から力を出し切れるかどうかの方を重視して予想することにし ます。

 アグネスゴールドは、最終調教は坂路でラスト12.4秒で駆け抜け、 時計自体は出ていますが、春と比較すると迫力自体が薄れています。骨折明けで帰厩 したときは馬体が寂しく、ここにきて良くはなってきていますが、まだ細く見えます。 能力は高い馬ですが、これを叩いてからというのが、妥当な評価でしょう。

 次に展開ですが、逃げ馬不在で読みにくいですが、クロフネ陣営が正攻法のレース をすると話しているので、毎日杯のように前々に行って粘り込むレースをすることに なりそうです。クロフネ陣営は、どうにかエアエミネムを負かすことを考えているでしょうから、エア エミネムの良さを封じ込めて、かつクロフネの良さ引き出す作戦に出るはずです。エア エミネムのこれまでのレースを見るとスローペースで前々に行って、ラスト34秒台 の末脚で後続を突き放すというのが勝ちパターンです。これをやられては、さすがに クロフネも苦しいでしょうから、早いペースで進めて、エアエミネムに道中楽をさせ ないようにするはずです。それをやるにはクロフネ自体にも相当な負荷が掛かりま すが、飛びの大きい走法でスピードに乗ってしまえば、早い脚を長く使えるというこ の馬の特性を考えれば、逆転に向けてはこの作戦しかないでしょう。それでエア エミネムがラスト切れ味を発揮するようなら、諦めるしかありません。この作戦は 各陣営も読んでいるでしょうから、切れる脚のある馬は道中じっくり脚を溜めて直線 勝負の競馬を考えているでしょう。ダンツフレーム、アグネスゴールド、テンザン セイザがこの競馬をすることになると思います。

 こんな展開でエアエミネムはどうかと言うと、いつも通りの競馬でしょう。先行 して、直線で切れる脚を使って前を捕え、かつ後続を突き放す競馬です。エアエミ ネム陣営としては、後ろからくるダンツフレームより、毎日杯を好タイム勝ちした クロフネの方を意識して競馬をするはずです。具体的に言うとクロフネが後続との 差を広げて直線に向くのが最も嫌なので、クロフネがスパートすれば一緒にスパート してついて行き、力勝負に持ち込むことになるでしょう。クロフネのデキ自体が 完調でないなら、直線で馬体を併せれば負けないと陣営は考えていると思います。

 まとめるとクロフネが3コーナー手前からスパートしてエアエミネムもこれに ついて行くと、好位・中団の各馬もスパートするので一気にペースアップになります。そうな れば、前に行った馬はかなり厳しい競馬で、直線で上位争いできるのは、クロフネ とエアエミネム、そして差し馬ということになります。差し馬の候補としては、 前述したダンツフレーム、アグネスゴールド、テンザンセイザ、そして夏の上がり 馬サンライズペガサスです。ここでは、仕上がりがイマイチのアグネスゴールドと テンザンセイザは外して、ダンツフレームとサンライズペガサスを候補にします。

 さあ最終決断を下します。本命は、エアエミネムです。クロフネが完調で毎日杯 の競馬ができるとすると苦しい競馬になりますが、今回は完調ではないので、直線 の坂でスピードが落ちるはずです。そこを一気に交わすのが、エアエミネムです。 これまでスローペースで実績のある馬ですが、非常に賢い馬で調教でも相手を良く 見て走っているように、ペースが早くなっても相手に合わせて十分に対応できると 思います。ペースが早くなれば、レースの上がり自体が掛かりますから、35秒台 の末脚が使えれば勝てるでしょう。完全には仕上げていませんが、調教での動きは 万全なので、直線で力強く抜け出してくれるでしょう。

 対抗は、クロフネです。直線でスピードは鈍りますが、前に行ったアドバンテー ジを生かしてそのまま粘り込むと見ています。差し脚鋭いダンツフレームの方が 仕上がりは上ですが、クロフネが勝ちパターンの競馬ができること、エアエミネム と直線で併せて勝負根性を掻き立てられれば、それほど脚は鈍らないというのが ここでの見解です。

 あとは、ダンツフレームです。阪神コース3戦3勝の巧者で仕上がりはひと息 ですが、今回は厳しい競馬になることで最後に底力が生きてくるような気がしま す。何度も言いますが、パドックでぎらぎらとした目つきで気合乗りがいいよう なら、もう少し評価を上げたいと思います。

 仕上がりのいいサンライズペガサスにも魅力を感じますが、底力勝負になった 場合に春の実績馬を交わすところまでは行っていないと判断しました。馬体の 良さは目立つので、これから強い相手と対戦することでどんどん強くなっていき ますが、強い相手と初対戦の今回は少し割り引いて考えます。あとは、相手なり に走る好仕上がりのハッピールックを抑えておきたいと思います。

     ◎エアエミネム
     ○クロフネ
     ▲ダンツフレーム
     △サンライズペガサス
     注ハッピールック


レース結果

 2001年4回阪神6日( 9月 23日) 11R  
 第49回 神戸新聞杯(GII) 
 サラ系3歳 2000m 芝・右  
 (混)牡・牝(指) オープン 定量 
 本賞金: 5400、 2200、 1400、 810、 540万円 発走 15:45 
 天候:晴  芝:良  
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
  1 ◎ 8 12 (外)エアエミネム    牡 3 56.0kg  松永幹夫 1:59.5        500Kg   0 伊藤雄二  1
  2 △ 4  4    サンライズペガサス 牡 3 56.0kg  池添謙一 1:59.5 クビ     478Kg  -2 石坂正   7
  3 ○ 6  7 (外)クロフネ      牡 3 56.0kg  蛯名正義 1:59.6 1/2馬身  520Kg +10 松田国英  2
  4 ▲ 5  6 (市)ダンツフレーム   牡 3 56.0kg  福永祐一 1:59.7 3/4馬身  490Kg +10 山内研二  3
  5   7 10 (外)エイシンスペンサー 牡 3 56.0kg  熊沢重文 1:59.9 1馬身    476Kg   0 坂口正則 11
  6 注 8 11 (市)ハッピールック   牡 3 56.0kg  横山典弘 2:00.0 1/2馬身  484Kg  -2 藤沢和雄  5
  7   1  1    ダービーレグノ   牡 3 56.0kg  幸英明  2:00.0 ハナ     458Kg  +4 高橋成忠  8
  8   3  3 (市)アグネスゴールド  牡 3 56.0kg  河内洋  2:00.3 2馬身    462Kg  +2 長浜博之  4
  9   6  8 (市)テンザンセイザ   牡 3 56.0kg  四位洋文 2:00.3 ハナ     472Kg  +6 藤原英昭  6
 10   2  2    イケハヤブサ    牡 3 56.0kg  秋山真一 2:00.5 1 1/4馬身  432Kg  -8 鮫島一歩  9
 11   7  9    ワンモアバンクオン 牡 3 56.0kg  角田晃一 2:00.7 1馬身    458Kg  -2 渡辺栄  10
 12   5  5 [地]チカテツ      牝 3 54.0kg  宝来城多 2:04.6 大差     462Kg  -5 今井光三 12
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 ハロンタイム  12.9 - 11.3 - 12.5 - 12.2 - 11.7 - 12.4 - 11.7 - 11.5 - 11.6 - 11.7  
 上り  4F 46.5 - 3F 34.8 
 1コーナー  10,2(1,12)(4,6)(7,8,11)-(5,9)3  
 2コーナー  10,2(1,12)(4,6,11)(7,8)-(5,9)3  
 3コーナー  2,10(1,12)(4,6,8)(7,11)(5,9)3  
 4コーナー  (*2,10)(1,12,6)(4,8)7(9,11)3=5  

 <払戻金> 
 単勝 12 180円 1番人気  枠連   4- 8 1,660円  8番人気
 複勝 12 120円 1番人気  馬連  04-12 1,770円  9番人気
    04 360円 7番人気  ワイド 04-12   660円  9番人気
    07 160円 3番人気      07-12   270円  2番人気
                      04-07 1,360円 16番人気

レース回顧
           


| Home | 展望 | 調教 | 予想 | 結果 | 回顧 | 2001年結果 |