京都大賞典
2001/10/07 京都競馬場 GU 芝2400m

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レース展望

出走有力馬

テイエムオペラオー
宝塚記念2着以来、約3ヶ月ぶりの出走になりますが、1週前調教でラスト 11秒台の切れ味を見せたように、仕上がりはいいようです。この中間は北 海道に放牧に出せれ、じっくり休養した後、9月8日に栗東に帰厩してから 順調に乗り込まれています。昨年はぶっつけで天皇賞秋に出走するプランが あったため、やや余裕残しの仕上げでしたが、今年はこのレースから始動す るつもりで仕上げているので、昨年より仕上がりはいいようです。今年の相 手は昨年と変わらずナリタトップロードとステイゴールドの2頭。ここ では最終調教次第としておきますが、よほどのアクシデントがない限り、 連対を外すことはないでしょう。勝てると敢えて言わなかったのは、開幕週 の高速馬場とナリタトップロードが例年以上に仕上がりがいいからです。 テイエムオペラオー自身、高速決着にそれほど不安はありませんが、ナリタ トップロードが京都コースの高速決着を得意にしているだけに、際どい勝負 になりそうです。土曜日の競馬で、どれくらいの高速馬場なのかを見極めた いと思います。
ナリタトップロード
天皇賞春で3着に敗れ、約5ヶ月ぶりの出走になりますが、仕上がりは非常 にいいようです。1週前調教では栗ウッドで強めに追われて、この馬本来 の重心の低い走りを見せました。久々を苦にしないタイプで、逆に使い込ま ないフレッシュな状態の方が力を出せるので、テイエムオペラオーを負かす とすればこの一戦でしょう。フレッシュな状態の方が走るということを少 し補足すると、前脚の掻き込みが強過ぎるために使い込むと疲労が溜まって しまうことからきています。ただし、一時期の前脚を掻き込み過ぎる走法が だいぶ改善されてきているので、この秋は必ずしもそうではないかもしれな いことを付け加えておきます。このあたりは、調教とレースでの前脚の捌き を注意してみれば分かるでしょう。昨年は超スローペースでの上がり勝負で 敗れただけに、今年は調子の良さも考慮すると得意のロングスパートで勝負 してきそうな気がします。フレッシュな状態のナリタトップロード、さて今 回は逆転はあるのでしょうか。
ステイゴールド
今年はドバイシーマクラシック(G2)でファンタスティックライトを抑え て優勝し、これまでのイメージを拭い去ったステイゴールドの走りに注目が 集まります。帰国初戦の宝塚記念では、馬体が減って軽めの調教に終始した 状態でエアシャカール、アドマイヤボスに先着して力のあるところを見せま した。元々叩き良化型なので、この秋はテイエム、ナリタに比べると仕上が りはひと息の印象はありますが、ここでは最終調教次第としておきます。 天皇賞秋ではヨーロッパ遠征中の武豊騎手が帰国して騎乗することが決まっ ているので、それに向けてどんなレースができるか注目したいと思います。 今年一杯で引退することが決まっているステイゴールドの更なるサクセスス トーリーはあるのでしょうか。念願のG1制覇に向け、頑張ってもらい馬で す。



必勝データ (過去10年のデータを元に分析)

重賞実績重視
勝ち馬10頭は全て重賞勝ちの実績があり、うち5頭はG1を勝っていた。 連対馬は全て前走重賞に出走しており、オープン特別からの馬の連対は 皆無。とにかくハイレベルな一戦と考えたい。
上位人気馬安定
連対馬20頭のうち、10番人気のタマモハイウェイ以外は全て1〜4番人気の馬で 占められる。天皇賞秋を目指す重賞実績馬が多数出走するため、人気薄 の出番はほとんどない。1番人気が8連対,2番人気が6連対で、1,2番人気 連対しなかった年はなく、3桁配当が8回。無理な穴狙いは避けた方がいい。
3歳馬に注意
古馬が中心のハイレベルな一戦だが、3歳馬は4頭連対している。ダービー2 着のシルクジャスティス、皐月賞馬セイウンスカイがこのレースを勝ったように、春の クラシックで活躍した馬が出走してくれば狙い目は十分。



過去のレース結果 

日付1着馬2着馬馬連配当
1996年 マーベラスサンデー ミナモトマリノス 840円
1997年 シルクジャスティス ダンスパートナー 380円
1998年 セイウンスカイ メジロブライト 840円
1999年 ツルマルツヨシ メジロブライト 2,580円
2000年 テイエムオペラオー ナリタトップロード 220円


調教診断

テイエムオペラオー A/
栗DWで強めに追われて、ラスト11.6秒の切れ味で併走馬を楽に突き 放しました。追われてからの反応が抜群で、上下動の少ない走法は健在で す。顔つきが既に戦闘モードに入っているので、同じ久々でも春とはデキ 自体が違います。これからG1−3戦を控えているので、完全には仕上げ ていませんが、久々としてはケチのつけようがない仕上がりだと思います。 強いテイエムオペラオーを見せてくれるでしょう。
ナリタトップロード A/
栗CWで一杯に追われて、重心の低いフットワークで最後まで鋭い脚捌き を見せ好調をアピールしました。やはりフレッシュな状態の方がいいよう で、前脚が上がり過ぎずにスムーズな走りを見せました。普段歩いている ときは、前脚の捌きが堅い気がしますが、走っている感じでは問題ありま せん。この後のG1を意識して完全には仕上げていませんが、力を出せる 仕上がりだと判断します。
ステイゴールド A→
栗DWで強めに追われて、併せた馬に先着し、この日の一番時計を出しま した。最後は抑え気味で12.7秒を出し、優等生的な調教を見せたのは 精神面の成長なのでしょう。調教でラストバタバタになることがなくなっ てきています。馬体を大きく見せているのはいいですが、張りはまだ物足 りない感じがあります。タイムは出ていますが、元々叩き良化タイプなの で、今回は8割5分程度の仕上がりでしょうか。直線で馬体を併せて勝負 根性を掻き立てる騎乗ができれば、上位に顔を出してくれるでしょう。

相馬眼予想

 天皇賞秋に向け、有力馬が始動します。シンボリルドルフのG1−7勝 の記録に並びこの秋G1−8勝目に挑むテイエムオペラオー、何とかして 対オペラオーの連敗ストップさせたいナリタトップロード、ドバイシーマ Cでファンタスティックライトに勝ち現在日本最高のレイティングを持っ ているステイゴールドの3頭に注目が集まります。3頭とも久々の出走に なりますが、仕上がりはいいのでいつも通りの走りを見せてくれるでしょ う。この3頭で決着する可能性は非常に高そうですが、各陣営の作戦と 展開から予想していきます。

 まず開幕週の京都の馬場ですが、500万条件の芝1800mで1分4 6秒1の勝ちタイムが出たようにかなりいい状態です。前に行った馬がな かなか止まらないので、早めに仕掛けていくレースが目に付きました。 東京より軽い感じの馬場で、非常にいい状態です。

 次に展開ですが、逃げるのはスエヒロコマンダーでしょう。昨年は超ス ローペースで逃げて0.3秒差の4着とまずまずの結果を残しただけに今 年も同じ作戦だと思います。有力3頭は、ステイゴールド、ナリタトップ ロード、テイエムオペラオーの順でしょうか。スパートするタイミングと ラストの切れ味がポイントになりそうです。ステイゴールドとナリタトッ プロードは何とかしてテイエムオペラオーを負かそうとしてくるでしょう から、そのあたりを考えてみたいと思います。

 まずステイゴールドですが、道中のペースが早く なって厳しいレースになればなるほど力を発揮できるタイプです。今回は スローの上がり勝負になりそうですが、切れ味勝負では分が悪いので何ら かの工夫が必要でしょう。大阪杯でアドマイヤボスに騎乗しテイエムオペ ラオーに果敢に挑んで負かした後藤騎手だけに、何かやってきそうな感じ があります。

 後藤騎手はナリタトップロードの調子がいいので菊花賞のロングスパー トをしてくると思っているでしょうから、それをやられた場合にステイゴ ールドの力を最大限発揮するにはどうしたらいいのかを考えているはずで す。ナリタトップロードが菊花賞でロングスパートして勝ったときの上が り3Fは34.0秒で、今回最低でもこの上がりタイムを出すでしょうか ら、後ろにいたのでは差し切れないと考えるでしょう。やはり前に行って どこまで粘れるかということになります。

 ナリタトップロードは調教でもいい動きを見せただけに今回はみんなが 考えていると通り、菊花賞と同じような競馬でしょう。テイエムオペラオ ーの位置取りを見ながらスパートのタイミングを伺って、一気にスパート してアドバンテージを取る競馬です。渡辺騎手は、調子のいい今回はナリ タトップロードの競馬に徹して、どこまでやれるかという意識で望んでき そうです。

 対するテイエムオペラオーは、いつも通り各馬の出方を伺いながら、前 を射程圏に入れて最後に差し切る競馬でしょう。春より仕上がりがいいの で、和田騎手も直線の差し脚に自信を持って騎乗すると思います。

 まとめるとステイゴールドは前に行って直線で粘り込む競馬、ナリタト ップロードは3コーナー手前からのロングスパートでテイエムオペラオー の差し脚を封じ込める競馬、テイエムオペラーは前を射程圏に入れながら 直線で差し切る競馬ということになります。テイエムオペラオーとナリタ トップロードの仕上がりが良く、ステイゴールドが叩き良化型ということ もあって、普通に考えればテイエムオペラオーとナリタトップロードの一 騎打ちでしょう。この2頭の前日オッズは1.2倍と大多数の人がそう考 えています。今回は堅い決着になるのでしょうか。もう少し考えてみます。

 昨年の京都大賞典は、スエヒロコマンダーが後続を離して逃げて直線で 4馬身のアドバンテージがあり、結果0.3秒差の4着に粘りました。そ のときのテイエムオペラオーの上がり3Fは33.3秒でナリタトップロ ードが33.5秒でした。この2頭が究極の上がりを使っても、スエヒロ コマンダーが0.3秒差に粘れたことに注目すると、ステイゴールドなら その0.3秒差を埋めることはできないでしょうか。

 ナリタトップロードの渡辺騎手はテイエムオペラオーの動きを気にして スパートのタイミングを伺いますが、前半と向こう正面でそれほど前を意 識しないで前との差が広がるということはないでしょうか。ステイゴール ドがスエヒロコマンダーの直後につけて、ナリタトップロードとテイエム オペラオーと4馬身以上のアドバンテージを持った状態で直線に向ければ ぎりぎり粘り切れる脚があると思います。一騎打ちが崩れるとすれば、こん な展開ではないでしょうか。

 予想は仕上がり具合を考慮して、本命テイエムオペラオー、対抗ナリタ トップロードとしますが、展開次第でステイゴールドに食い込む余地があ ると思います。テイエムオペラオーとナリタトップロードのオッズは1. 2倍と人気があるので、両馬ともマークの意識は高いでしょうから、なお 一層ステイゴールドの粘り込みがありそうな気がします。あとは久々でど こまでステイゴールドが実力を発揮できるかでしょう。

     ◎テイエムオペラオー
     ○ナリタトップロード
     ▲ステイゴールド



レース結果

 2001年4回京都2日( 10月 7日) 11R  
 第36回 京都大賞典(GII) 
 サラ系3歳以上 2400m 芝・右 外  
 (混)(指) オープン 別定 
 本賞金: 6400、 2600、 1600、 960、 640万円 発走 15:45 
 天候:晴  芝:良  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ◎ 5  5 (市)テイエムオペラオー 牡 5 59.0kg  和田竜二 2:25.0        478Kg  +4 岩元市三  1
  2   2  2    スエヒロコマンダー 牡 6 58.0kg  武幸四郎 2:25.8 5馬身    448Kg +12 松元茂樹  4
  3   1  1 (父)ホワイトハピネス  牡 4 57.0kg  小原義之 2:26.2 2 1/2馬身  432Kg -18 小原伊佐  5
  4   3  3    サニーサイドアップ 牝 4 55.0kg  藤田伸二 2:26.8 3 1/2馬身  450Kg +12 山内研二  7
  5   7  7    ユーセイトップラン 牡 8 58.0kg  河内洋  2:28.4 10馬身   474Kg -16 音無秀孝  6
    ○ 4  4 (父)ナリタトップロード 牡 5 59.0kg  渡辺薫彦 中止           492Kg  +4 沖芳夫   2
    ▲ 6  6    ステイゴールド   牡 7 58.0kg  後藤浩輝 2:24.9 失格     426Kg  +2 池江泰郎  3
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 ハロンタイム  13.1 - 12.0 - 12.0 - 13.0 - 12.7 - 12.5 - 12.3 - 12.1 - 11.2
        - 11.3 - 11.2 - 11.6  
 上り  4F 45.3 - 3F 34.1 
 1コーナー  2(6,5)(1,4)-3-7  
 2コーナー  2(6,5)4,1-3-7  
 3コーナー  2(6,5,4)-1-3-7  
 4コーナー  (*2,4)-(6,5)-1=3-7  

レース回顧
           




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